ECBの追加緩和は「期間延長」で対応か(10月調査)

QUICK Knowledge

債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の10月調査を、11月2日に発表しました(証券会社および機関投資家の債券担当者143名が回答、調査機関は10月27~29日)。今回の特別調査では、12月3日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会において、追加金融緩和が実施される場合、どのような手段が採られるかについて、債券市場関係者の見方を聞いてみました。 欧州の実体経済が現状、物価、景気ともにECBの想定を下回る状況の中、ECBのドラギ総裁は記者会見で12月の理事会で追加金融緩和に踏み切る可能性を強く示唆する発言を行いました。市場関係者の間では緩和の手段について目が向かっています。 ECB追加緩和「期間延長」が8割予想 預金金利のさらなる引き下げも? 追加緩和の手段については、「期間延長」との回答が83%に上りました。期間延長とは現状、少なくとも2016年9月までとしている量的金融緩和(QE)の期間を延長して、より多くの資金を市中に流通させようとするものです。 次に多かった回答は「買い入れ額の増加」と「預金金利の引き下げ」がそれぞれ44%となりました。すでにECBは預金金利をマイナス圏に引き下げていますが、さらなる引き下げにより景気浮揚を目指すとの見方が増えています。 黒田総裁は「マイナス金利」を容認せず? ECBが採ったマイナス金利の領域に日銀も踏み切るのでしょうか。日銀の黒田東彦総裁の在任中に付利金利を下げるかどうか注目されます。付利金利とは、金融機関が日銀の当座預金に預けている資金にかかる利息のことで、現在は0.1%となっています。この点について、アンケートをとったところ、「引き下げない」との回答が69%に上り、「引き下げる」を大きく上回りました。 引き下げるとしても「プラス圏」にとどまるとの回答は18%となっています。いずれにしてもマイナス金利まで下げるとの見方は極めて少数派です。黒田総裁は緩和手段として付利引き下げ・撤廃を否定していますが、いまのところ市場関係者もこの見方を「支持」しているようです。 ECBのマイナス金利拡大、円債利回りへの影響「限定的」の見方 なお、ECBが預金金利のマイナス幅をさらに拡大した場合、円債利回りにどのような影響を及ぼすかについては、国庫短期証券は影響が「大きい」の回答が最も多かったものの、2年ゾーン、5年ゾーン、10年ゾーン、30年ゾーンはいずれも影響が「小さい」との回答が最多となりました。日本の10年債利回りは一時0.2%台に突入しており、海外発の金利低下圧力の影響は限られるとの予想が大勢です。 日銀の金融政策に引き続き注目 毎月定例の相場見通しの調査では、新発10年国債の想定利回りは、9月調査分に比べて下方にシフトしました。1カ月後の想定利回りは0.322%。6カ月後の想定利回りは0.388%で、現状の金利水準に比べて上昇すると見られていますが、9月調査分の6カ月後想定利回り(0.429%)に比べて下方シフトしています。物価水準の低迷が続き、追加金融緩和の可能性が常に意識されるなか、長期金利は上昇しにくい状況が続いています。 今後、6カ月間を想定して、債券価格に影響を及ぼす要因として注目されているものは、「短期金利/金融政策」で、9月調査分に引き続き、10月調査分でも大きく上昇しました。逆に注目度が低下したものとしては、「景気動向」、「海外金利」、「債券需給」、「株価動向」が挙げられます。日銀は10月末の金融政策決定会合で現状維持を決めましたが、いずれ追加緩和を行うとの見方は根強く、引き続き日銀の政策対応に注目が集まります。 当面、様子見ムードが続きそうな気配 資産運用担当者69人を対象に、運用中のファンドについて、国内債券への投資比率が現状、通常の基準に比べてどうなっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」との回答が50%と前回9月調査(64%)から大幅に低下しました。その代わり、「ややアンダーウエート」の回答が9月調査分の27%から41%に上昇しています。債券の組入比率がアンダーウエートということは、それだけ債券価格の上昇余地(=金利の低下余地)が狭まっていることを意味します。追加金融緩和の可能性はあるものの、すでに10年債利回りの水準が一時0.2%台を付けるなど低下がかなり進んでおり、これ以上の金利低下(債券価格の上昇)は見込みにくいという判断が働いています。 また今後の組入比率について、当面のスタンスとしては「現状を維持する」が87%に上昇。現在のデュレーション(債券に投資された資金の平均回収期間)については「ほぼ基準通り」と「やや短い」が上昇しました。当面のデュレーション戦略については「現状を維持する」が9月調査分と変わらず82%で推移しているところからすると、債券価格の上昇、下落のいずれにもポジションを傾けず、当面は様子見の展開が続きそうです。

インドネシア、セメント需要に回復の兆し 供給も増加で競争は激化か

News & Views

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はRHB OSK証券インドネシアのアンドレイ・ウィジャヤ氏がレポートします。この記事は10月30日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 インフラプロジェクト増加…競争激化に懸念も インドネシアのセメント需要に回復の兆しが見えている。9月の販売量は、8月に引き続き堅調な伸びを維持した。ジャワ島とカリマンタン島以外での販売量が拡大、インフラプロジェクトが増加したことが背景にある。当社が追跡しているセメント企業に関しては、新規のインフラ案件関連で受注したことが分かった。ただ、向こう2年間で供給量が増大する見通しであることから、競争が激化すると予想し、インドネシアのセメントセクターの投資判断は「ニュートラル(中立)」を維持する。 9月セメント販売量、年初来最高水準も伸び率は減少 ■販売量の伸びは堅調に推移 9月の国内セメント販売量は、ジャワ島とカリマンタン島以外で販売量が拡大したほか、インフラ事業が増加したことから、年初来の最高水準となる570万トンに達した。8月の550万トンから4.7%増加している。1~9月の累計国内販売量は、4230万トンに達している。ただ、伸び率は前年同期比で1.7%減だった(1~8月では同2.3%減)。ジャワ島とカリマンタン島のセメント販売量が91万トン減少した一方で、スラウェシ島やスマトラ島、東部インドネシアでの販売量が18万トン拡大したことで、減少分の一部は相殺された。 ■回復の兆し 2015年第3四半期のセメント販売量は1450万トンと、前年同期の1400万トンから3.6%増加した。当社が追跡しているセメント企業は、新規のインフラ案件関連を受注している。セメン・インドネシア(コード@SMGR/JK、買い、目標株価:1万500ルピア)は、軽量高架鉄道(LRT)、東カリマンタン州バリクパパン~サマリンダ高速道路や東ジャワ州スラバヤ外郭環状有料道路の建設事業、中ジャワ州スマランのアフマドヤニ空港の拡張工事へのセメント供給契約を獲得した。また、インドセメント・トゥンガル・プラカルサ(インドセメント、コード@INTP/JK、中立、目標株価:2万ルピア)は、ジャワ島横断高速道路の中ジャワ州ソロ~東ジャワ州クルトソノ間の第1区間、西ジャワ州バンドンのソレアン~パシルコジャ高速道路、ジャカルタ外郭環状線(JORR)の西ジャワ州デポック~南ジャカルタ・アンタサリ間に関してセメントの供給を受注している。 セメント供給、需要を上回る見通し ■セメン・インドネシアがシェア首位 セメン・インドネシアは、2015年第3四半期に市場シェアを前四半期の42.2%から42.9%に伸ばした。一方、インドセメントの市場シェアは、前年同期の29.8%から26.8%に縮小した。ホルシム・インドネシア(コード@SMCB/JK)の市場シェアは、同期間に14.7%から14.4%に縮小している。東部インドネシアの販売量が堅調に伸びたことで最大の恩恵を受けたのは、セメン・インドネシアだった。セメン・インドネシアとインドセメントの経営陣はまた、2015年第3四半期の平均販売価格(ASP)が前四半期比で約2%下落したことを明らかにしている。販売量に占めるバラセメントの割合が増加したことと、販売価格の低下が要因だという。 ■投資判断:中立 セメント需要の拡大は見込めるが、供給量が需要を上回る速度で増加すると予測されることから、インドネシアのセメントセクターへの投資判断は「中立」を維持する。なぜなら当社は、国内セメント業界の競争が激化すると予想しているからだ。インドネシアのセメント生産能力は2015年度に前年度比20%、2016年度に同10%増加するのに対して、セメント販売量の増加率が2015年度に前年度比3.5%、2016年度には同6%にとどまると想定しており、当社の計算では2014年度に87%だった国内セメント生産設備の稼働率は、2016年度に72%に低下する見通しだ。 【翻訳・編集:NNA】

「焦点は再び政策対応へ」三井住友銀行・西岡純子氏

News & Views

QUICKエコノミスト情報 VOL.719 2015/10/15 三井住友銀行 チーフエコノミスト(日本) 西岡純子氏 【景況判断】現状(3カ月前比):やや悪い 先行き(3カ月後):緩やかな改善 GDP予測:15年度0.7%   16年度1.5% 【金 利】短期:横ばい   TIBOR3カ月 0.17% 長期:やや低下 10年物新発国債 0.30% 【円 相 場】 120円/1ドル 【株 価】19000円/日経平均 *GDP予測値は実質GDP成長率、前年比% *長短金利、円相場、株価は3カ月後(2016年1月末)の予測値 1.景気見通し:「海外需要の下振れが足かせ」 今年4-6月の実質GDP成長率が輸出の下振れと天候不順による消費の減少によって前期比年率▲1.2%とマイナス圏に沈んだ後、7-9月も浮揚力なく、2期連続のマイナス成長が視野に入ってきた。こうした展開は昨年の今ごろと似ているが、昨年は消費増税による消費が景気回復を遅らせた一方で、今年は海外需要の下振れ圧力が強いという点が異なる。 海外経済については、欧州は総じてみると良好な回復軌道に乗っていると見られる一方、米国は回復モメンタムがなかなか強まらない。アジア経済については、民間部門のバランスシート調整が続く公算の高い中国と、外貨建て債務の解消に苦しむ中国以外のアジア新興国と、抱える構造問題は各国それぞれ異なるものの、全体として下振れリスクが強い。 日本国内では、高水準の企業収益を原資に個人消費や民間設備投資の増加につながるという好循環が見え始めているものの、海外経済の下振れ圧力を吸収してさらに上回る勢いかといえば、まだ心もとない。企業や消費者のマインド指標は頭打ち状態にあり、手持ちの所得が増えても支出につながらないという根詰まりが解消する気運がまた落ちてしまっている。特にアジア新興国経済の底入れが明確に見えてくるまで、年度後半の循環的な回復でも下振れリスクが強く意識される展開が続く見込みである。 2.金融環境:「金融緩和のバイアスは強く残る」 昨年後半来の新興国通貨の下落は、新興国による多額のドル建て債務の返済負担が高まることへの懸念や、資源価格の大幅な低下、一部新興国による政治リスク、経常収支のインバランスが急速に解消することへの懸念、中国当局による事実上の人民元切り下げなど諸要因が複合的に影響する中での動きであった。ごく足元では通貨、株価に持ち直す動きが見られるものの、リーマンショック以降、主要中銀が揃って供給した過剰な流動性が新興国に滞留するインバランスを是正するには時間を要し、新興国からの資金流出とドルへの資金の一極集中は当面続くと考えられる。 そうした資金偏在の是正の流れのなかで金融政策の正常化を進めようとするFRBであるが、2013年5月のバーナンキショックをはじめ、市場は癇癪(かんしゃく)を幾度も見せてきたことを踏まえると、利上げ判断は極めて慎重に行われ、市場が利上げにまだ耐えられないとFRBが判断すれば金融政策の正常化は先送りされる可能性が都度高まりやすい。米国では労働市場は均衡状態に戻ったものの、インフレ率は1%台前半と、ターゲットとする2%に対して距離を残したままであり、利上げに急ぐ環境でもない。 日本は、「所得から支出への好循環」の表れを今なお待っている段階に留まり、米国に比べ周回遅れの状態である。黒田日銀総裁は、16年度前半に物価目標を達成するとの強気見通しを繰り返すことで期待のコントロールに懸命であるが、市場や民間部門の期待インフレは逆行して軟化している。昨年10月末に日銀は、デフレマインドの転換が遅延するリスクの顕現化を未然に防ぐことを追加緩和決定の根拠とした。原油安が物価を下押しする影響は徐々に剥落することでコアCPIは上昇に転じると見込まれるものの、足元のインフレ期待の後退を看過できるほど経済環境は盤石ではない。仮に、政府が景気のテコ入れのための経済対策を講じてくるとなれば、金融政策で側面支援することを必要とする声も上がりやすく、当面、日銀の追加緩和期待は強く残る。 ECBも追加緩和期待が強いほか、BOEも初回利上げ観測は後退しつつある。主要先進国の金融緩和バイアスは強く残る展開となろう。 3.注目点:「全ては企業次第」 振り返ると、2012年12月の第2次安倍内閣発足と翌年4月の黒田日銀による異次元緩和導入で、日本経済の回復モメンタムは当初、大幅に改善した。2%物価目標は不可能との意見が大勢だった市場参加者の間でも、円安の流れの中では「もしかしたら可能かもしれない」という声がにわかに増えるほどであった。にもかかわらず、今年度に入って2四半期連続でのマイナス成長となる可能性が出てきているのは、海外経済の減速が当初の見通し以上であったことに加え、①政策目標の実現に時間がかかりすぎていることと、②成長期待の回復に勢いがつかないこと、の2つが背景であると考える。①と②は定性的な要因ながら、所得・貯蓄が潤沢な企業・家計部門の支出がなかなか増えない背景と考える上で、必ず行き着く構造的な問題である。 (旧)三本の矢は、成長戦略(第三の矢)の政策効果が発現するまでの間、金融政策(第一の矢)と財政政策(第二の矢)のポリシーミックスでもって景気を刺激する(時間を稼ぐ)というコンセプトが明確であった。家計部門には消費増税による支出減が不可避であったところ、所得を潤沢に持つ企業の投資行動を刺激することが成長戦略の主軸と据えられ、法人税減税や投資減税などが幅広く実施された。しかし、それ以外の成長戦略実現への具体策が遅れたことで、結局、政策目標実現への信認と期待が後退してしまった。成長戦略の推進力への信認が後退するとなれば、人口が減少する経済に期待は盛り上がらず、企業への積極的な投資も再度、先送りされてしまっている。消費者も、賃金が増えても貯蓄性向をむしろ強める姿勢が鮮明である。 そうした縮小均衡の経済において、財政・金融の両政策が景気を刺激する効果は限りがある。目下、財政制約や国債市場の需給構造から政策発動余地の限界を指摘する声が多いが、その限界よりも、景気を刺激する効果に限界が見えていることの方が深刻な問題である。法人企業統計ベースでは、日本企業は約340兆円の利益剰余金を抱えており、それをいかに積極的に投資や雇用者報酬に分配するかに全てがかかっている。 <西岡純子氏略歴> 1974年生まれ。京都大学経済学研究科(計量経済学)修了。2000年より日本興業銀行、日本銀行、三菱UFJ証券、ABNアムロ証券、RBS証券でエコノミストを経験して2015年より現職。日経ヴェリタス・債券エコノミスト人気調査第6位(2014年)。

投資の「大安」日を発見?マーケットカレンダーで見るアノマリー

News & Views

カレンダーをふと見たときにその日が「大安」であれば、「何かいいことが起こるかもしれない」と考える人も多いかと思います。現に大安日には結婚式場の予約も多く入り、宝くじ売り場にはいつもより多くの人がくじを買いに足を運んでいます。反対に「仏滅」に何か新しいことを始める時には、少しばかり不安になる人も多いようです。 同じように、マーケットにおいても株価が上がりやすい日と、株価が上がりにくい日が存在しているのです。 日経平均株価が上昇しやすい日がある ここでQUICKが提供している、「マーケットカレンダー」を使ってみましょう。マーケットカレンダーとは、日経平均株価の終値の比較で前日から上昇したものを勝ち、下落したものを負け、変わらずを引き分けとして一定の期間を計測し、日別の勝率を算出したツールです。たとえば全期間(1976年~)で集計した10月1日の勝率が50%のとき、40年間で「10月1日の日経平均」が上昇した回数と「10月1日の日経平均株価」が下落した回数が変わらずであることを示します。日経平均が前日終値と同値になる可能性は、コイン投げでいえば、投げたコインがたまたま「直立」する状態に似ています。つまり上下する確率よりも低くなります。 そうすると原則として、上がるか下がるかという二択になります。勝率は試行を重ねるにつれて50%に収束すると考えられることから、日付ごとに値動きのクセは無いようにも思えます。 では実際はどうでしょうか。40年のデータを集積した「全期間(1976~)で集計」で見てみましょう。確かに勝率45%~55%の間に大多数の日付が集まっています。しかしながら、勝率70%を超える日もままあり、2月25日にはなんと勝率80%を示しています。一方、12月23日は勝率27%を示しています。 このような事実から考えうる活用方法としては、勝率の高い日の前日に株式を購入したり、勝率の低い日の前日にポジションを手じまったり、空売りの準備をしたりする等が挙げられます。その反面、勝率が50%に近い場合、「日付に基づく株価の上がりやすさ」という点では不明確であるため、マーケットカレンダーを投資の判断要素として活用することは難しいということになります。 以上より、マーケットカレンダーは勝率が50%から離れていれば離れているほど利益が出しやすいという指標になりうるそうです。 (※10月29日時点、全期間(1976~)で集計)   アノマリーの謎…なぜ株価の動きは同じパターンを示すのか なぜ極端な勝率を出す日付が生まれるのでしょうか。その理由は、実はよく分かっていないのです。このことをアノマリー(Anomaly)といい、金融市場においては「学問的理論では説明できない、経験則に基づいた市場の変化」という意味でよく用いられます。通常はランダムに動くはずの株価が何らかの要因によって、同じパターンの値動きをする局面が存在するのです。 具体的な例を挙げるとすれば「夏枯れ相場」という現象も金融市場におけるアノマリーの一つです。これは、夏の値動きが小幅になる、という意味の相場用語です。「夏にバカンスやお盆といった休暇が集中しやすいことから、市場参加者が減少し、相場も閑散として値動きが期待できないだろう」という経験則がその根拠として挙げられます。 では、マーケットカレンダーで算出される高勝率、低勝率の日付は、何らかの経験則で説明がつくでしょうか。 たとえば営業日ベースの勝率を見ると、月初から19営業日目の日経平均は上昇しやすいことが分かります。19営業日目はほぼ月末。月末には機関投資家による「お化粧買い(保有株の評価額を上げるために買い注文を入れること)」や「配当再投資の買い」が入るとの経験則・憶測が、市場関係者の間には存在しています。     答えは群集心理? アノマリーには、それを信じる投資家の投資行動が、市場の流れをアノマリー通りにさせるという側面があります。つまり「信じる人が多いから、その通りに動く」ということです。たとえばテクニカルのチャート分析も、「25日移動平均で反発する可能性が高い」と信じる投資家が多ければ多いほど、そこで押し目買いが入り、実際にその水準で反発しやすくなると考えられます。 このように考えると、何がアノマリーをアノマリーたらしめるのかという根源的な問題は、経験則に対する市場参加者の信頼という心理状態にあるともいえます。理論で説明できないような値動きについて経験則を当てはめて(こじつけて)、それを信じる人が増えれば自然とそれに沿った値動きが再現され、経験則となるのです。 先ほど説明した「お化粧買い」なども、実際にそういった買いが入っているかどうかは未確認のまま、噂や経験則先行で市場関係者が追随買いを入れ、結果としてアノマリー通りの動きになっている、という状況もありえます。   「アノマリー予備軍」を見つけ出してみよう 一方、理論や経験則で勝率が合理的に説明できない日付も存在します。このような「お日柄」に対して、どのように考えるべきなのでしょうか。 これまでの話に基づくと、経験則で値動きが説明できないもの、つまり値動きのクセに対する認知や信頼が乏しいものは、厳密にはアノマリーではありません。市場参加者の広い信頼を獲得する前の段階のアノマリー予備軍ともいうべき概念でしょう。 マーケットカレンダーは特殊なツールです。勝率の特異日を分析した結果、説得力のある理由が見つかったり、知る人ぞ知る地味なアノマリーを発見できるかもしれません。また「11月後半の勝率が良いのは米国の年末商戦に向けて明るい話が出てくる時期だからだ」「2月25日の勝率が8割もあるのは、日経225の語呂合わせだ」「12月23日の勝率が3割以下なのはサンタクロースのクリスマスプレゼント代金支払による資金需要に基づく換金売りだ」といった経験則が発見される(こじつけられる)ことにより、アノマリー予備軍はアノマリー化を果たすとも考えられます。 誰かが日付による勝率のクセを発見、分析し、説得力のある背景が説明され、クセを認知・信頼する投資家が増えれば増えるほど信憑性が向上し、アノマリーとして投資判断の材料とされるかもしれません。 皆さんもマーケットカレンダーからアノマリー予備軍を見つけ出し、背景を分析し、自分独自の「大安」日を見つけてみてはどうでしょうか。

香港にIMAXチャイナが新規上場 中国映画産業は急成長、興行収入は米国に匹敵

News & Views

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、フィリップ証券(香港)のルイス・ウォン(Louis Wong)氏がレポートします。この記事は10月13日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 IMAXチャイナHD上場…先進的映写システムの提供で4億香港ドル超を調達 映画好きであれば、IMAXについて聞き覚えがあるだろう。IMAXの映写システムは、IMAX DMRという映像リマスタリング技術や先進的な映写システム、湾曲スクリーン、幾何学的な構造を持った専用シアター、プロフェッショナルな音響システムを結集して、従来の映画館よりも強烈で臨場感のある刺激的な体験を映画の観客に提供する。 中華圏でIMAX技術を提供するIMAXチャイナ・ホールディング(コード@1970/HK)が10月8日に香港株式市場に上場した。資金調達額は約4億6000万香港ドル。同社の主要業務は映画館業務と映像業務の2大業務からなる。このうち映画館業務には、提携先である映画館運営会社を対象とした優れたデジタル映写システムの設計、調達、提供のほか、関連プロジェクト管理や継続的なメンテナンスサービスの提供が含まれる。一方、映像業務には、専有のDMRリマスタリング・プロセスにより、ハリウッドや中国語の映画をデジタルリマスター技術を用いてIMAXフォーマットに変換し、中華圏のIMAX映画館ネットワークでこれらの映画を放映することが含まれる。 映画館業務の収入は、映画館運営会社から徴収するIMAX映写システムや同システム関連のサービスやブランド・技術ライセンス、メンテナンスサービスに関する費用からなる。一方、映像業務の収入は、提携先の映画製作会社のIMAXフォーマット映画興行収入の中から固定の比率に基づいて得る利益からなる。このような収益体制とすることで、映画興行収入の成功を共有する一方、映画製作に必要な大量の資金投資に伴うリスクを抑えることができるのだ。 月間興行収入が初の米国越え…急成長する中国の映画産業 過去数年間、中華圏でIMAXシアターの数は急速に増加した。中華圏で運営されているIMAXシアターの数は、2012年時点で128カ所、13年時点で173カ所、14年12月31日時点で234カ所、15年6月30日時点で251カ所となっており、年平均成長率が30.9%に達した。中国で設立されてから15年近くとなるIMAXチャイナが同国で運営する商業用IMAXシアターは今年6月末時点で221カ所と、中華圏で運営されているIMAXシアター全体の88%を占めている。また、今後に提携契約が結ばれることになるIMAX放映システムが217カ所あり、その多くが商業用映画館で、97.2%が中国にある。 ここ数年間で中国の映画産業は急速に成長した。統計によると、10年~14年の期間における中国の映画興行収入の年平均成長率は30.7%だった。一方、同期間の米国の映画興行収入の年平均成長率はマイナス0.5%、世界全体ではわずか4.2%だった。中国の映画興行収入は今年1~9月期で327億人民元に達し、前年同期の217億元から51%増加した。今年2月、中国の月間映画興行収入は初めて米国を越え、中国は世界最大の映画市場となった。今年は映画興行収入が400億元を突破する見込みだ。 中国では映画興行収入の急増とともに映画館の数も急激に増えている。10年時点で2000だった映画館の数は、14年に5813に達した。今年上半期(1~6月期)では新たに600が増設され、6413となった。また、同期間にスクリーンの総数は2449スクリーン増の2万6244となり、1日当たり平均で13.5スクリーン増えた。座席の総数は30万6000席増加、1当たり平均で1692席増となった。17年には映画館が9591、スクリーンが4万123に達すると予測されている。   ”映画館チェーン”…独特な政府規定も 香港株式市場に上場する企業の中には、星美ホールディングス・グループ(コード@198/HK)や橙天嘉禾娯楽(コード@1132/HK)といった中国の映画業務に携わる企業がある。星美は今年6月末時点で中国の主要都市に映画館が130、スクリーン数では1000超を有している。同社の中国全土における映画館の総数は15年末時点で200に達する見通しだ。また、同社の映画興行収入は今年1~8月期で前年同期比89.34%増加し、中国全土の同期の増加幅である47.73%を大きく上回った。一方、橙天嘉禾娯楽は今年6月時点で中国で映画館を合計63運営しており、スクリーン数が合計447となっている。 中国の映画産業における「映画館チェーン」とは、独特のものである。同国政府の規定によれば、中国の映画館はいずれも映画館チェーンに属さなければならない。また、映画館チェーンが映画館の放映権限をコントロールしているため、映画配給会社が映画館に映画を直接配給することができない。今年1月時点で中国では合計48の映画館チェーンがあり、トップ10の映画館チェーンが中国の映画興行収入の66.8%を握っている。最大の映画館チェーン運営会社は深センの中小企業向け株式市場「中小板」に上場する万達電影院線(コード@002739/SZ)である。  

個人投資家ブロガーの好きな「形」は?人気銘柄のスコアを調査

News & Views

投資を始めると、他の投資家が何に注目しているか気になるものです。どんな銘柄を探せば良いのか分からない初心者投資家、投資手法を模索している中堅投資家、市場心理の裏を突きたい上級者、様々な層の投資家が他の投資家の手の内に関心を抱いています。 色々と「こういう銘柄がいいのでは」というようなブログやメディアの記事を見かけますが、「同じような銘柄を見つける際にどういう基準で探せばいいの」「共通点は何だろう」という分析は、初心者にはなかなか難しいものです。 銘柄探しの参考にできるQUICKスコア そこで、QUICKが算出する企業評価システム「QUICKスコア」を使って、個人投資家が好む銘柄の特徴を掴んでみましょう。QUICKスコアは、上場企業の財務データをもとに11個のスコアを算出。それぞれ10段階で企業を評価したものです。 たとえば「割安度」のスコアは、株価の割安さを測る「予想PER(株価収益率)」、「実績PBR(株価純資産倍率)」、「予想配当利回り」という3つの指標を合成し、スコア化しています。「収益性」のスコアは、ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率)、売上高経常利益率を合成しています。 投資判断の基礎となる「規模」「割安度」「成長」「収益性」「安全性」のスコアで五角形チャートを描くことで、各企業を視覚的・直観的に把握できます。 今回、こちらのサイトで集計している、ファンダメンタルズを重視した投資家ブロガーの保有銘柄ランキングを参考に、どのような「形」の銘柄が人気かを探りました。 「割安さ」は意外と気にしない…「成長」と「収益性」重視 調査方法は、このサイトの7月末、8月末、9月末時点のポートフォリオランキングに登場した銘柄を対象に、QUICKスコア(9月末時点)の「規模」「割安度」「成長」「収益性」「安全性」についての平均を取りました。 結果は以下です。(※対象銘柄の一覧は記事の最後にあります)     重視しているのは「収益性」と「成長」の要因でした。「収益性」、つまり利益率や資本効率の良い企業、そして業績が成長している企業を、投資家ブロガーは好んでいるようです。 一方、「安全性」(=自己資本比率)や「割安度」、「規模」に対しては特にこだわりないという感じでした。「割安度」に対するこだわりが見えないのは意外に感じるかもしれませんが、ガンホーやミクシィなど急成長を実現した銘柄のPER、PBRなどは、未来の成長を織り込む形で割高な水準で推移した時期もありました。   なお、この形の銘柄は、こちらから検索できます。 また、5月末、6月末の銘柄の平均もとったところ、若干「安全性」のスコアが低下、「収益性」「成長性」が上昇していますが、基本的な形に変化はありませんでした。8月の相場急落を受けて、やや慎重なポートフォリオに変化したと考えることもできます。 人気のある銘柄が必ずしも上昇を続けるとは限らない さて、ここからは注意事項です。今回参考にしたポートフォリオランキングが投資家全体の人気銘柄を示しているわけではありません。もっとサンプル数を増やせば、また別の形になるでしょう。 今回調査した銘柄の割安スコアの平均値がそれほど高くなかったように、すでに人気化、つまり割高な水準に上昇してしまっている企業も含まれているかもしれません。 1960年代の米国株式市場では、ニフティ・フィフティ(人気の50銘柄)という上昇相場で集中的に人気を集めた優良銘柄群がありました。これらの銘柄は機関投資家も含めた買いが集まり、割高な水準にも関わらず上昇を続ける、という相場展開を見せました。最終的には 73年のオイルショックと金融引き締めによって、ニフティ銘柄に売りが集中し上昇相場は終焉(しゅうえん)した経緯があります。 あくまで、今回の調査の結果は一つの参考として、相場に挑んでください。   ※今回の調査データの詳細は以下です。   銘柄名 コード 業種 取引所 規模 割安度 成長 収益性 安全性 エスクリ 2196 サービス業 東証1部 5 6 6 10 2 日本BS放送 9414 情報・通信業 東証1部 4 4 10 10 10 薬王堂 3385 小売業 東証1部 6 3 8 7 4 クリヤマホールディングス 3355 卸売業 東証2部 6 8 9 8 6 ディーブイエックス 3079 卸売業 東証1部 5 6 9 9 4 レントラックス 6045 サービス業 東証マザーズ 2 1 10 10 2 内外トランスライン 9384 倉庫運輸関連 東証1部 4 6 9 4 9 日本管理センター 3276 不動産業 東証1部 5 3 10 9 4 ニチリン 5184 ゴム製品 東証2部 6 9 9 9 4 オリックス 8591 その他金融業 東証1部 10 9 9 8 1 エー・ピーカンパニー 3175 小売業 東証1部 4 3 10 9 2 日本エス・エイチ・エル 4327 サービス業 東証JQスタンダード 2 6 6 10 10 エニグモ 3665 情報・通信業 東証マザーズ 3 1 10 10 8 アルプス物流 9055 陸運業 東証2部 7 9 6 6 7 グリーンクロス 7533 卸売業 福証 3 9 9 9 6 丸和運輸機関 9090 陸運業 東証1部 7 4 5 8 4 物語コーポレーション 3097 小売業 東証1部 6 2 10 7 6 ジーフット 2686 小売業 名証2部 8 5 7 8 3 アイ・ケイ・ケイ 2198 サービス業 東証1部 5 5 8 10 6 フジ・コーポレーション 7605 小売業 東証JQスタンダード 5 3 8 9 5 アメイズ 6076 サービス業 福証 4 5 8 10 2 コムチュア 3844 情報・通信業 東証1部 3 6 10 10 6 トレジャー・ファクトリー 3093 小売業 東証1部 4 1 9 10 7 日本フェンオール 6870 電気機器 東証JQスタンダード 4 9 8 9 6 Minoriソリューションズ 3822 情報・通信業 東証2部 4 7 4 9 8 アサンテ 6073 サービス業 東証1部 4 7 8 10 9 ブロンコビリー 3091 小売業 東証1部 5 2 10 10 10 コシダカホールディングス 2157 サービス業 東証JQスタンダード 6 2 9 10 5 ノジマ 7419 小売業 東証JQスタンダード 9 5 10 5 1 G-7ホールディングス 7508 小売業 東証1部 7 5 8 6 4 オカダアイヨン 6294 機械 東証2部 4 5 9 7 5 綿半ホールディングス 3199 小売業 東証2部 6 7 7 5 2 健康コーポレーション 2928 化学 札証アンビシャス 7 2 10 8 1 アルファポリス 9467 情報・通信業 東証マザーズ 3 1 8 10 9 ウィルグループ 6089 サービス業 東証1部 4 3 10 8 4 アジュバンコスメジャパン 4929 化学 東証1部 3 5 4 4 10 ユニバーサルエンターテインメント 6425 機械 東証JQスタンダード 9 5 6 7 9 インフォコム 4348 情報・通信業 東証JQスタンダード 6 3 6 9 9 オーエムツーネットワーク 7614 小売業 東証JQスタンダード 5 8 7 8 7 ジャストシステム 4686 情報・通信業 東証1部 6 3 9 10 10 地域新聞社 2164 サービス業 東証JQグロース 1 8 10 8 7 東邦システムサイエンス 4333 情報・通信業 東証1部 4 7 8 9 7 ビジネスブレイン太田昭和 9658 情報・通信業 東証1部 4 9 5 8 6 日本商業開発 3252 不動産業 東証1部 6 4 10 10 3 スクロール 8005 小売業 東証1部 6 6 7 1 6 シュッピン 3179 小売業 東証マザーズ 4 2 10 9 5 ヴィレッジヴァンガードコーポレーション 2769 小売業 東証JQスタンダード 6 3 1 2 3 オンリー 3376 小売業 東証2部 3 9 7 9 8 山田コンサルティンググループ 4792 サービス業 東証JQスタンダード 4 7 8 10 10 日本ライフライン 7575 卸売業 東証JQスタンダード 6 5 9 7 5 STUDIOUS 3415 小売業 東証マザーズ 2 2 9 10 5 KeePer技研 6036 サービス業 東証マザーズ 3 2 9 10 7   じぶん流”投資術を発見してみよう このサイト、QUICK Money Worldでは、「スコアの形でさがす」以外にもさまざまなツールを用意しております。例えば、ネット上のニュースや株価動向に重要度をつけて配信している「コーポレートアラート」、個人投資家や市場関係者が気にしているキーワードを集計した「トレンドワード」、会社が発表した予想と市場の期待値の差を可視化した「決算サプライズメーター」など、QUICKオリジナルのツールを用意しました。 様々なツールを使いこなし”じぶん流”投資術を見つけてみてください。

業績上振れ見込みの企業はわずか6%…企業景況感の悪化続く(10月調査)

QUICK Knowledge

国内企業の景況感悪化が続いています。 日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成しているQUICK短観(9月28日~10月12日調査分、上場企業427社が回答)では、製造業の業況判断指数(DI)がプラス14となり、前月調査のプラス21に比べて7ポイント悪化しました。非製造業も1ポイント悪化し、プラス35となりました。   結果として、金融を含む全産業では前月比4ポイント悪化のプラス26となりました。 景況感はピークアウト? 実質GDP(国内総生産)の2期連続のマイナスが懸念されるなど、日本経済の先行き不透明感が強まっています。中国経済への懸念もくすぶるなか、来年には消費税率10%への引き上げが控えています。 全産業の景況感も今年8月のプラス35から徐々に低下傾向をたどっているだけに、国内景気のピーク感が漂ってきます。QUICK短観を株価の先行指標としてみると、この2か月における業況判断DIの悪化は、株価に及ぼす影響という点からも気になるところです。景気鈍化を踏まえれば、足元の株価下落には理由があることになります。 消費税率引き上げに向けて、日銀が追加の量的金融緩和を実施するかどうか。市場関係者の関心が向かいます。 気になる販売価格の下落ムード 金融緩和に絡めて言えば、企業の販売価格の下落傾向も気になるところです。 販売価格と仕入価格の指数(価格上昇の回答から下落の回答を差し引いたDI)は、全製造業の数字を見ると「販売」でマイナス12にマイナス幅が拡大。一方で「仕入」はプラス8に上昇しました。仕入価格の上昇は傾向として落ち着きつつありますが、これは、円安の傾向が一服しつつあるからでしょう。ただ、販売価格はマイナス幅が拡大しており、景況感の悪化とともに物価の下落プレッシャーが高まっているのではないかという点が懸念されます。 生産・営業用設備の現状を示す指数(過剰から不足を差し引いたDI)は、全産業ベースでマイナス2と、極端な不足感はなく、ほぼ均衡状態であると考えられます。 雇用についての指数(全産業)はマイナス31で、9月調査分に比べて2ポイント悪化しました。前月調査でも指摘したように、特に非製造業の人手不足が深刻で、6月調査ではマイナス35だったのが、9月調査ではマイナス41。10月調査分では、それを上回るマイナス47まで状況が悪化しています。人手不足は雇用を促進するため、好景気のサインでもあったのですが、最近の人手不足は若年労働者数の減少によるところが大きいと見られています。 消費税率引き上げ、「予定通り実施が適切」の声が半数以上 今月のQUICK短観では、以下の2点に関する特別調査を行いました。ひとつは消費税率10%への引き上げについて、もうひとつは今期通期の業績見通しについてです。 まず消費税率について。消費税率は現行8%ですが、2017年4月からは10%に引き上げられる予定です。また、消費税率の再引き上げに際して、食糧品など生活に必需な一部品目については、軽減税率を導入するとの見方もあり、今後、議論が行われます。 税率引き上げまでに、日本がデフレ経済から完全に脱却すると共に、景気がしっかり上向いているかどうかがポイントです。目下、原油価格の急落によって、消費者物価指数のコアCPIは2年4か月ぶりにマイナスとなりました。景気や株価の先行指標とされる景気ウォッチャー調査を見ても、このところの数値は決して芳しいものではありません。 しかし、2017年4月の消費税率引き上げは、すでに1度、延期したものだけに、安倍首相としては「再延期はしない。景気判断もしない」ことを表明しています。これは、景気がたとえ悪かったとしても、消費税率引き上げは実施されることを意味しています。 実際、企業としては、2017年4月予定の消費税率引き上げをどのように受け止めているのでしょうか。それに対する回答は、下記のようになりました。 総じて、消費税率の引き上げについては賛成であるものの、やはり景気の実勢を見極めつつ、引き上げのタイミングをどこにするかが最大の問題点のようです。 上振れ見込みの企業はわずか6% 次に今期通期の業績見通しについて。2016年3月期を中心とした今期の通期業績見通しはどうなるのか。株価にも直結する問題だけに、多くの投資家にとって関心の高いテーマです。 上振れする見通しの企業はわずか6%に留まりました。輸出企業の業績を押し上げる円安・ドル高傾向にも陰りが見えているため、強気の企業が減っていると考えられます。

日銀の10月会合は「現状維持」、米利上げ開始は「12月」(10月調査)

QUICK Knowledge

10月5日~8日に外国為替市場を対象として実施したQUICK月次調査(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者82名が回答)では、日本の景気の先行き不透明感が強まってきたことから、日銀の追加金融緩和の可能性について調査しました。また、最大の注目材料と言える米国の利上げタイミングについても引き続き調査しています。 結果から言えば、日銀が10月に追加緩和策を打ち出すと見ている市場参加者は少数派です。一方、米国の利上げについては、年内利上げを見込む声が引き続き優勢です。 日銀と米FRB(連邦準備理事会)がどのような判断を下すのか。年内の為替相場は、日米の金融政策の行方に注目です。 2期連続マイナス成長が警戒される日本のGDP…日銀はまだ動かず? 日本は8月の消費者物価指数が、値動きの大きい生鮮食品を除いたコアCPIで、前年比0.1%のマイナスを記録。同指標がマイナスになったのは、日銀の「異次元緩和」第一弾が実施された2013年4月以来、実に2年4カ月ぶりのことです。 原油価格の低下、それに伴う電気料金やガス料金、ガソリン代の下落が影響したとはいえ、消費者物価指数がマイナスに転じたことにより、再びデフレの影響を懸念する声も聞こえてきます。 また、物価の下落は実体経済の停滞が原因とも考えられます。今回の調査では、11月16日に発表される7~9月のGDP速報値に関するアンケートも実施しています。今回マイナスに転じれば実質GDPは2期連続でマイナスになりますが、外為市場関係者の回答は「マイナスに陥る」が51%、「横ばい」が36%を占め、「プラスを確保」は、わずか14%に止まりました。 景気と物価の刺激策として思いつくのは、やはり金融緩和ですが、日銀の追加緩和について、市場では慎重な見方が多い状況です。日銀が10月開催の金融政策決定会合において追加金融緩和策を打ち出す可能性について質問したところ、「追加緩和を決める」が33%であるのに対し、「現状維持」が67%を占めました。 デフレや景気鈍化への懸念が高まるなか、日銀が現状維持を決めるとすれば、円高、ひいては日本株の下落要因となる可能性があります。 根強い年内の米国利上げ観測 一方、米国では当初、9月にも予定されていた利上げが見送られ、次の利上げタイミングを図る展開になっています。今回の利上げが見送られた理由が何かを聞いたところ、「世界的な株価下落」が60%、「中国経済指標の悪化」が59%、「米インフレ圧力の弱さ」が44%を占めました。 利上げ開始時期については「2015年12月」が60%と圧倒的多数を占め、「2015年10月」は5%。逆に12月の実施さえもが見送られた場合は、今回の調査で20%を占めた「2016年3月」が、利上げ開始の目安になりそうです。 なお、フォルクスワーゲンの排ガス規制を巡る不正問題で揺れるユーロ経済ですが、年内のECBの金融政策については、「現行の量的金融緩和策を継続」が63%となり、「量的金融緩和策を拡充」と答えた36%を大きく上回りました。 米利上げ期待にもかかわらずドル円の上値重い 毎月定点調査している為替相場見通しを見ると、当面、ドル円の上値は重そうです。金融機関の外為業務担当者の見通し(単純平均)は、1か月後の10月末のドル/円で、単純平均が1ドル=120円38銭と、前回調査の120円25銭に比べて、やや円安方向にシフトしました。 足元の10月について、米国の利上げ、日銀の追加金融緩和ともに実施されないというのが市場の見通しとなっており、当面は大きな為替変動要因が見当たらない状況です。今年12月末は121円78銭、来年3月末は122円02銭の予想となっており、年内の米利上げをにらみ、目先はやや円安に振れるとの見方となっています。 今後6カ月程度を想定した場合の為替変動要因について、最も注目されるのは、円、ドルともに「金利/金融政策」でした。ただ、円は「金利/金融政策」が下落要因、ドルは上昇要因とみられており、米国の利上げがドル高要因になるとの見方が強いままです。 外貨建て資産の運用は様子見姿勢強まる ファンドの運用者に対して、現在、運用しているファンドの外貨建て資産について、当面どのような運用スタンスで臨むのかを聞いたところ、様子見の姿勢が増加。「ニュートラル」(中立)との回答比が上昇(58%⇒70%)しました。「アンダーウエート」(基準に比べて少なくする)の回答比が0%に低下した一方、「オーバーウエート」(比べて高くする)は、25%から30%に上昇しています。 為替ヘッジの当面のスタンスは、「現在のヘッジ比率を維持」が、前回調査と変わらず90%と大勢を占めていますが、「ヘッジ比率を下げる」が10%から0%に低下する一方、「ヘッジ比率を上げる」が0%から10%に上昇しました。 外貨の先高感がやや薄れるなか、方向感の見えにくいスタンスとなっています。 ※フルレポートについては、QUICKの端末サービス(有料)や日経テレコン(有料)でご確認できます。 QUICKのサービス一覧 日経テレコン

台湾半導体、業界再編と相場急変でM&A相次ぐ 自社株買いも広がる

News & Views

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は台湾の現地記者、李臥龍(リー・ウォーロン)氏がレポートします。この記事は9月2日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 世界最大手の日月光、セキ品精密工業に協力を提案も反応は冷ややか 世界の半導体産業の再編の動きに対応するため、台湾の半導体産業でも、合併の動きが活発化している。この1~2週間のうちに2件の合併案が持ち上がった。 半導体後工程(パッケージング・テスト)の世界最大手である日月光(ASE)は、1株45台湾ドルで、セキ品精密工業(SPIL)の普通株と米国預託証券(ADR)を合わせた5~25%相当の株式を取得すると発表。新勢力の台頭に対応するため、互いに協力し合うことを提案をし、誠意を示した。 パッケージング・テストの同業者によれば、日月光のこの行動は、セキ品精密工業が最近、アップルから指紋識別システム向けチップなどSiP(System in Package、複数のチップを1つのパッケージに封止する技術)の受注に成功したことから、将来的にセキ品精密工業とアップルの関係がより緊密化することを恐れ、先手を打って買収を実施し世界トップの地位を固める狙いがあるという。 この株式の公開買い付け(TOB)は、9月22日を締切日としている。現在のところ、セキ品はこれを敵対的買収とみなし、法的手段を通じて経営権を守るという態度を示している。 業界再編、台湾ではM&A相次ぐ 一方、聯発科技(メディアテック)傘下の晨星半導体(MStar Semiconductor)の子会社である晨発科技は、1株51台湾ドルで奕力科技(ILITEK)の株式を買収すると発表し、世界的なタッチパネル向けチップとLCDドライバチップの合併の動きに対応しようとしている。これより先に、すでにタッチパネル向けチップ・メーカーの敦泰電子(FocalTech)が、ドライバチップの旭曜科技(Orise Technology)の合併を発表した。タッチパネル向けチップ大手の米シナプティクス(コード)も、ルネサスエレクトロニクス(6723)傘下のルネサスエスピードライバを合併している。 晨発科技による奕力科技の買収計画は来年第3四半期(7~9月期)に完成し、合併後は晨発科技が存続会社となり、奕力科技は消滅する。 このほか、最近の世界的な株式相場の変動に直面して、台湾のハイテク産業も積極的に整理を進め、戦力の集中を図っている。例えば、台湾積体電路(TSMC)は、今年初めにLED照明の子会社である台湾固態照明(SSL)の株式を晶元光電(エピスター)に売却したのに続き、最近ではさらに6年間にわたって奮闘を続けてきた台積太陽能(TSMCソーラー)の業務を8月末に停止することを決定した。台積太陽能の赤字は台湾積体電路の株価を1株当たり0.07台湾ドル引き下げている。台湾積体電路が投資しているもう一つの太陽電池メーカーの茂迪(Motech)の株式についても、段階的に売却することを計画している。 台湾積体電路は太陽電池事業から撤退することで、台積太陽能の350人の従業員を台湾積体電路に移した。これによって、台湾積体電路は本業である半導体ウエハ・ファウンドリに専念し、12インチ・ウエハの生産能力拡大に全力を挙げることになる。これには、中国での12インチ・ウエハ工場への投資も含まれている。台湾積体電路は9月に中国当局に対して12インチ・ウエハ工場の建設申請の提出を予定している。 自社株買いの動きも…投資家保護と経営の自信示す 世界的な株価の下落に対して、台湾の多くの上場企業は自社株買いを実施し、自社株の株価を守ろうとしている。統計によると、8月以来、台湾ではすでに上場121社が自社株買いを実施しており、特に8月中下旬に急速に増えている。買い戻した株式数で最も多いのは金融持ち株会社の中華開発金融控股(コード@2883/TW)とウエハ・ファウンドリの聯華電子(UMC)だ。いずれも2億株を買っている。このほか、金宝電子、宏達国際(HTC)もそれぞれ5000万株を買い戻している。 一部の上場企業では、オーナーが自ら個人名義で自社の株式を買っている。中租(チャイリース、コード@5871/TW)の辜仲瑩会長、群光電能の林茂桂会長、宸鴻光電(TPK)の江朝瑞会長などが挙げられる。いずれも、投資家に対して自社の経営に対する自信を示すことを目的としている。

市場関係者が抱く郵政3社上場への「不安」(10月調査)

QUICK Knowledge

9月に入ってからも株価は安定せず、日経平均株価は9月29日、1万7000円を割り込み、一時は1万6901円まで値下がりしました。中国バブルの崩壊懸念や、最終的には見送られたものの9月の米利上げ観測、そして日本の景気のピークアウト懸念などが相まって、国内株式相場はさえない展開となりました。 相場の先行き不透明感がくすぶるなか、日本郵政グループ3社の上場というイベントが近づいています。 国内最大級の市場心理調査であるQUICK月次調査。9月29日~10月1日に株式市場を対象として実施した調査(証券会社および機関投資家の株式担当者176名が回答)では、郵政3社の上場について調査しました。 また毎月実施している相場予想の定点調査では、日経平均株価の1か月後、3か月後、6か月後の予想値が、前月調査分に比べて下方修正されました。6か月後である2016年3月末の日経平均の市場予想平均は1万9711円と、今年度内の2万円台回復を見込む市場関係者は減ったようです。 郵政グループ3社、成長性への不安残る…親子上場への批判も7割超え 11月4日に郵政グループ3社が株式を上場します。3社の想定売出価格は、日本郵政が1350円、ゆうちょ銀行が1400円、かんぽ生命が2150円と言われていますが、各社の初値(上場後の取引で最初についた価格)は売出価格に対してどうなるのかをアンケート調査したところ、3社とも「同水準」以上に着地するという回答が8割を超えています。 とはいえ、郵政グループの「成長性」という点で言うと、期待感があるとは言えない状況です。中期的な収益の成長性について聞いたところ、金融事業に関して「大手銀行を上回る」という回答比は全体のわずか7%であり、「大手銀行を下回る」が59%にも達しました。また物流・その他事業についても、「上場企業の平均を上回る」という回答比が全体の7%で、「平均並み」が48%、「平均を下回る」が45%となりました。 総じて競合企業と比べた成長力の乏しさを指摘する内容であり、郵政グループ3社の株式は、積極的にキャピタルゲイン(値上がり益)を狙う銘柄ではなく、どちらかというと安定的に、平均よりも高い配当利回りを取りにいく、インカム(利回り)重視の投資対象になるでしょう。3社の配当利回りは3%を超える可能性が高いと言われており、かつての電力株投資に近い性質になると思われます。逆に言えば、配当利回りが抑えられた場合、郵政3社の株価推移は不安が伴うものとなりそうです。 別の視点でも問題視されている部分があります。今回の郵政グループ3社の株式上場は、同時親子上場という特殊な形になりました。法解釈も含めてさまざまな見方はありますが、これに対してはあまり良いイメージはないようです。 今回のアンケート調査でも、同時上場に関して「反対」という回答比が全体の41%を占めています。次いで「原則反対だが今回のケースはやむを得ない」が32%にもなり、条件付きも含めると、反対の声が73%にも達しました。 全体相場への影響は「投資家層の拡大」と「需給悪化懸念」が拮抗 今回の上場は全体相場への影響も気になるところです。知名度の高い企業の上場であるため、個人投資家層の拡大が期待されます。NTT、JR、JTといった過去の政府保有株の上場は、株式市場の話題となり、新たに証券会社に口座を開く個人投資家を増やす効果がありました。一方で、資金吸収額は郵政3社で1兆円を超える規模になるため、株式需給の悪化も警戒されるところです。今回の郵政3社上場は、株式市場にどのような影響を与えるのでしょうか。 QUICKの調査では「投資家層の拡大を促しプラス」、「日本市場への注目度が高まりプラス」という、ポジティブな回答は、両者を合わせて全体の34%。「株式需給の悪化を招きマイナス」、「エクイティストーリーがなく市場の不信感を招きマイナス」というネガティブな回答が、両者を合わせて48%となりました。個人投資家の人気は高まりそうですが、プロの間では、成長性の乏しい巨大企業が上場することで日本市場への「不信感」を招くとの不安や、株式需給悪化の懸念があるようです。 年度内2万円超えは遠のく…期待材料は「実体経済」から「政策」にシフト 毎月実施している日経平均株価の見通し調査では、見通しが下方修正されました。日経平均株価の1か月後の見通しは、前月に引き続き下方修正され、9月調査分の1万8827円から、1万8042円まで下落しました。企業の決算期末が集中する3月末にかけては上昇傾向に向かうとの見方ですが、それでも2万円には届かず、1万9711円で留まるという予想値となっています。国内株の見通しについては、慎重な見方がまだ支配的と言えそうです。 今後、6か月程度を想定した場合、株価の変動要因として注目されるものを調査したところ、これまでマイナス材料と見られてきた「政治・外交」について、プラス材料と見込む声が優勢に転じています。安全保障法案が一段落し、経済政策に政府の軸足が移行することを好感したものと思えます。一方、実体経済である「景気・企業業績」をプラス要因と見込む声は4か月連続で低下し、マイナス要因に転落する可能性も見えてきました。 資産運用担当者73人に現在運用しているファンドの株式組み入れ比率のスタンスを聞いたところ、「かなり引き上げる」「やや引き上げる」の回答の合計が23%と前月(26%)から減少しました。一方、「現状を維持する」との回答が67%から73%に上昇しています。「かなり引き下げる」「やや引き下げる」の回答合計も7%から4%に低下しており、市場参加者の様子見姿勢が透けて見えます。

業績期待指数、製造業がマイナス転落…昨年10月以来(9月調査)

QUICK Knowledge

市場の業績期待は減速…全産業DIはプラス幅が今年最低 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(9月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス10と、前月に比べて6ポイント悪化しました。 DIのプラス幅が減少したことは、アナリストによる業績見通しの上方修正ペースが減速していることを表します。プラス幅は今年の最低水準になりました。それだけ、株式市場の業績期待が弱まりつつあることを意味しています。業績への期待感の弱まりは、株式相場においても様子見ムードを強める材料となりそうです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 製造業の落ち込み目立つ 注目すべきは製造業のDIがマイナス5(前月はプラス10)と、昨年10月以来のマイナスに転落したことです。証券会社のアナリストの業績予想が下方修正優勢になったことを示しています。製造業の業績に対する期待感が剥落しているのが分かります。 今年に入ってから製造業DIは徐々に落ち込んできましたが、特に9月は中国の株価低迷と景気懸念に加え、円安期待が後退し、輸出色の強い製造業の業績にとっては逆風の月となりました。 DIを業種別に見ると、「電機」「機械」「非鉄金属」「鉄鋼」と世界景気の影響を受けやすい業種がマイナス幅を拡大。プラス圏を維持していた「輸送用機器」もマイナス4に転落しました(前月はプラス27)。輸出型企業に対する風当たりは全体に強くなっています。 実際、ここ数日、中国関連とされていた機械・鉄鋼企業では、懸念材料が相次いでいます。日立建機(6305)は早期退職者の募集を始め、人員削減によってコスト構造の改革を推進すると発表しました。鉄鋼と建機を主力とする神戸製鋼所(5406)も2016年3月期の連結営業利益を下方修正し、一転して営業減益になる見込みだと発表しました。 一方、DIのプラス幅が拡大したのは、非製造業に分類される「建設」「情報・通信」「小売」の3業種のみです。非製造業全体のDIはプラス25と、前月に比べて8ポイント改善。全体を支える格好となっています。 鉄鋼関連が下方修正率上位に アナリストによる業績予想の平均値「QUICKコンセンサス」について、3か月前と比べた純利益の上方修正率が大きな銘柄のうち、上位5銘柄をピックアップしてみました。 銘柄名 修正率 アダストリア(2685) 112.77% アルパイン(6816) 88.93% 九州電力(9508) 36.92% 味の素(2802) 31.19% 三井化学(4183) 27.04% 一方、予想純利益率の下方修正率(3か月前比)ランキング上位5社は、次のようになりました。(▲は減少) 銘柄名 修正率 ニチイ学館(9792) ▲64.19% 日新製鋼(5413) ▲56.55% UACJ(5741) ▲49.18% JXホールディングス(5020) ▲38.64% 日本板硝子(5202) ▲37.41% アダストリアは業績好調。2016年2月期には増配も予定されています。アルパインは保有株式の売却による特別利益の計上が期待されていますが、中国向け輸出の落ち込みが業績に悪影響を及ぼす懸念が残っています。 一方、高齢社会で注目される介護ビジネスのニチイ学館は目下、人材不足の問題を抱えており、それが業績の圧迫につながっています。下方修正率の大きい銘柄上位は鉄鋼が多くを占めており、中国の景気低迷による鋼材価格の下落が影響していると思われます。

人気記事

  1. 登録されている記事はございません。

最新記事

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

PAGE TOP