進むESG投資、日銀もシフトか ETF設定相次ぐ

UBSウェルス・マネジメントが22日付で発行したリポート「Japanese Equity:Japan embraces sustainable investing」が興味深い。同社はグローバル市場において日本株がESG投資の初期段階にあると認識しており、これから持続可能な成長投資の観点から投資フローをひきつける可能性を指摘している。単なる希望的観測にとどまらず、「日銀が近い将来、上場投資信託(ETF)購入政策の一部をESG型へとシフトさせる可能性がある」とまで踏み込んだ。 現行のETF買い入れが市場で問題視されている1つは、特定銘柄の実質的な保有量が増加している点だ。日経平均株価型のETFをこのまま買い続けると、採用銘柄のうち値がさで流動性の低い企業の株主としての存在感が一段と高まってしまう。ファストリ(9983)が典型例だ。 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESGの株価指数をベンチマークに採用するなど半ば国策でもある。日銀が相乗りすることに違和感もない。 日経平均のボラティリティが高まっていることも無視はできない。UBS・WMは以下を選好銘柄にリストアップしており、日本株の調整局面でも「ディフェンシブ性」の高さに期待している。  ESG投資の受け皿整備は静かに進んでいる。大和投信が3本のESG型ETFを9月下旬に設定。今月27日にはアセットマネジメントOneが「One ETF ESG(1498)」を設定、28日には東証に上場する予定だ。このETFは「FTSE Blossom Japan Index」との連動を目指す。 大和投信のETFは設定後から口数に変化が見られない。本格的な資金流入が始まっている様子はうかがえないものの、同型のETFは注目を集めそうだ。 【QUICKデリバティブズコメント・岩切清司】 ※この記事はQUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した内容です。QUICKデリバティブズコメントは、日経平均先物や債券を中心に相場動向をLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米長短金利差、9年ぶり水準に縮小 慎重シグナルも「今回は違う」の声

米長短金利差の縮小=利回り曲線の平たん化=フラットニングが世界市場で注目を集めている。米10年債と2年債利回り差は9年ぶりの水準まで縮小している。一般的に強烈なフラットニングは景気の先行きに対する慎重なシグナルとされる。 短期金利は金融政策の動向を受けやすく、利上げ局面では上昇圧力が働きやすい。反面、長期金利はファンダメンタルズを反映する。中長期的な景気動向を見渡すと決して大きな拡大が期待できない場合、もしくは景気後退のリスクがちらつけば長期金利には低下圧力がかかりやすい。 米10年債と2年債利回りとの差は9年ぶりの小ささに だが英シュローダーの米金利のポートフォリオを担当するリサ・ホーンビー氏は自社サイト上で「フラットニングが米の低成長を暗示しているとは考えていない」との見方を示している。 「流動性は十分。米銀行システムも健全で与信が広く利用可能であることを示唆している。また金融引き締めのペースは、米連邦準備理事会(FRB)が過去に金利を引き上げた時期と比較して緩やか」である点を理由に挙げた。 そもそもフラットニングが発生しているのは「米政府が財政出動を計画しているものの、市場は長期債ではなく短期債での資金調達を予想している。もし財務省が想定外に長期債で資金を調達する場合、イールドカーブはスティープニング化(長短金利差拡大)する可能性がある」とした。 「今回は違う」(ホーンビー氏)――。この言葉が出てくるたびに危うさを抱かずにはいられないが、グローバル市場ではあくまで投資の前提となっているようだ。足元では大手金融機関から2018年見通しの発表が相次いでいる。世界経済の拡大は来年にも引き継がれるとの見方が大勢。そのうえで米株式についても緩やかな上昇を見込む声が多い。 <2018年末のS&P500の予想水準> UBS               2900 ゴールドマン・サックス        2850 バンクオブアメリカ・メリルリンチ  2800 HSBC              2650 ソシエテ・ジェネラル        2500 ※ゴールドマンは12か月後予想 おおむね10%程度の上昇余地があるといったところ。少なくとも過度な悲観を抱く状況ではなさそうだ。 【QUICKデリバティブズコメント・岩切清司】 ※この記事はQUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した内容です。QUICKデリバティブズコメントは、日経平均先物や債券を中心に相場動向をLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

最高益ソニーにブラックフライデーの号砲 テレビ・ゲームで激突

感謝祭明け24日の「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」を号砲に、米国の年末商戦が本格化する。米個人消費が1年でもっとも盛り上がる時期だ。日本の関連銘柄として任天堂(7974)などと並んで注目されるのが今期20年ぶりに営業最高益を更新するソニー(6758)。同商戦の主要商材であるテレビの売れ行きは、2015年3月期に黒字を回復した同事業、ひいてはソニー全体の今後の収益底上げの試金石になる。 22日の東京株式市場でソニー株は一時前日比2.6%高の5351円を付けた。「米投資会社や国内のベンチャー企業と連携し、人工知能(AI)開発に取り組む」と伝わったのに加え、米年末商戦でのテレビやゲームの販売増への期待が背景にある。 全米小売業協会(NRF)によると今年の米年末商戦の販売高は最大で前年比4%増になる見通し。NRFのアンケート調査によると米国人の69%がこの期間に買い物する計画という。実店舗や電子商取引(EC)サイトが用意する大幅値下げの「目玉商品」を狙って消費者が殺到する。小売業界にとっては在庫一掃セールという側面もある。 小売り各社はすでにECサイトなどで販売価格を公表している。例えば米家電大手のベストバイのサイトでは、ソニーの60インチ型の4Kテレビは1台599ドル(約6万7000円)と、通常より400ドル引き。シャープ(6753)や韓国サムスン電子の液晶テレビも値引きされている。 10月31日に開いた決算説明会で同社は、18年3月期の世界のテレビ販売台数見通しを50万台引き上げ、前期実績比3%増の1250万台とした。ソニーのテレビ売上高の約4分の1は米国。決して小さい数字ではない。 同社は有機ELテレビなど付加価値の高い次世代型の販売に力を入れている。米商戦では有機ELも売るが、特売の中心は4Kなど既存製品。値下げ販売は採算悪化につながるものの、ソニーは売り場の確保を優先するもようだ。「米ベストバイなど量販店の専門コーナーで(年末商戦後も高付加価値製品の)売り場を確保してもらうためにも、商戦での販売実績は重要だ」(ソニーの広報担当者)。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の担当アナリスト、宮本武郎氏は「米年末商戦で有機ELテレビが売り切れるなど販売が好調なら、ソニーは他の地域でもマーケティングを強化する」とみる。「来期以降の収益性を伴ったテレビ事業の回復を期待できる」。 ソニーは18年3月期通期の業績見通しで、テレビを含む「ホームエンタテインメント&サウンド」部門の連結売上高を前期比15%増の1兆2000億円、営業利益を同30%増の760億円に上方修正した。岩井コスモ証券の西川裕康アナリストも米商戦の結果について「ホームエンタテインメント&サウンド分野の底上げにつながるか注目している」と話す。 ホームエンタテインメント&サウンド分野は14年3月期まで営業赤字が続き、過去数年、ソニーの構造改革の核心だった。米年末商戦を踏み台に黒字基調を一段と強固なものにし、ゲームや半導体と並ぶ収益の屋台骨を増やせるかどうかの大事なタイミングだ。 そのゲーム事業にとっても、今回の商戦は重要だ。今年は任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」が米商戦に初お目見えし、ソニーの「プレイステーション(PS)4」が迎え撃つ形になる。スイッチは世界的に品薄が続いており、前哨戦といえる10月の販売も好調。「年末に買えないと思った人が早めに買ったのでは」(エース経済研究所の安田秀樹アナリスト)との見方があり、年末商戦での両者激突は話題になりそうだ。 ソニーはゲーム事業で、機器販売後の課金サービスで稼ぐ体制を目指している。「他社との競合で販売台数が減っても、ソフトのダウンロードやユーザーからの課金収入が伸びるかどうかが収益拡大のカギ」(三菱UFJモルガン・スタンレーの宮本氏)だ。 スイッチの攻勢に、ソニーグループは値下げで対抗する。ゲーム事業を担うソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の米子会社は期間限定でPS4の一部タイプを通常価格から100ドル値下げしている。「キャンペーン効果は高い。PS4関連の販売の大幅増が期待できる」(国内証券アナリスト) 会社側は今期のPS4の世界販売台数について1900万台と前期実績(2000万台)を下回ると見込んでいるが、予想外に前期実績に近い水準まで押し上げられれば、市場の評価は高まりそうだ。米年末商戦の取り組みが、最高益からの一段の成長を左右することになりそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 大石祥代、岩本貴子】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した記事から厳選し、一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

REIT下げ止まり? 東証指数反発、不動産証券化協会も「手応え」

2017年初めから軟調に推移してきた不動産投資信託(REIT)に下げ止まりの兆しが出てきたとの見方が増えている。東証REIT指数は11月22日は反落したが、21日まで4日続伸するなど反発色が鮮明だ。10日に付けた年初来安値との比較では約5%上昇した。特に20日は東証上場のREITが、ほぼ全面高の展開だった。 東証REIT指数は安値から5%上昇 買いのきっかけになった材料は定かではない。「社債などの信用スプレッドが広がらない中、海外投資家がイールドハンティング(利回り追求)の一環で買いに動いた」(外国証券のアナリスト)との説が有力のようだ。下げ止まりを見て国内の機関投資家の一角も買いに動いたとの声も聞かれた。 年初来高値である1863.91は、大発会翌日の1月5日に記録した。今年の東証REIT指数はほぼ一貫して右肩下がりの値動きだ。背景には金融庁による毎月分配型投信に対する批判があるとされる。銀行や証券会社などが毎月分配型の販売を自粛したため、毎月分配が多い国内REIT投信から個人などの資金が流出。10月までの7カ月間に累計で約2400億円が流出していた。 一方的な下げは終了か それがここにきて「一方的な下げは、もう止まったのではないか」(みずほ証券の大畠陽介シニアアナリスト)との見方が広がりつつある。さすがに割安だろうということだ。NMF(3462)のように時価総額上位の銘柄でもNAV倍率(純資産価値に対する時価総額)が1倍を割る銘柄も出てくるなど、このところ特に割安感が指摘されていた。これ以上の下値余地は乏しいとの見方が広がった。 さらに大畠氏は「REITの自己投資口取得(株式の自社株買いに相当)やM&A(合併・買収)などが出てくるようになった一方、追加の投資口発行(公募増資に相当)や新規上場も減っている」と指摘。需給改善を意識させる材料も、なくはないというわけだ。 ただ、投信からの資金流出を忘れてよいわけではなさそう。まとまった買いが入ると「売りたい強気」でいったん売りが引っ込むことはあっても、売り需要が根強いことに違いはない。今後も基準価格(株の終値に相当)の低迷が続くようだと、分配金の減額によって一段と資金流出が加速するとの警戒感も残る。ひとまず下げ止まったとはいえ、当面は東証REIT指数の戻りが鈍い展開を予想する声は多い。 岩沙氏「REITの特徴が際立ってきた」 REITの業界団体である不動産証券化協会の岩沙弘道会長(三井不動産会長)は14日の理事会後に開いた記者会見で、REIT相場の下落に触れて「実物の不動産マーケットはあくまで好調とあって、安定的に分配金を受けられるという、株とも債券とも異なるREITの特徴が際立ってきた」とあくまで強気だ。「長期的な資産形成の観点から、(個人向けイベントの)J-REITフェアなどで若い世代向けの手応えを感じている」と話していた。 不動産証券化協会の岩沙弘道会長 金融庁が毎月分配型の投信を批判するのは、複利効果が得られにくいほか、投資元本を削って分配金に充てる商品も一部にあり「顧客本位でない」ということ。一方、REITの一部にも元本を取り崩して分配する銘柄があるが「減価償却が大きい物流施設などに投資するREITの場合、物件を取得した後の追加投資などが不要であれば、手元に余裕のある現金が増えるため投資家に返すのが合理的」(協会の内藤伸浩専務理事)という。個人などにも分かりやすく説明する必要がありそうだ。 REITは賃料収入の手堅い不動産ファンドを個人でも手軽に扱えるのが魅力の1つ。しかし、現時点で個人はREITのメーンプレーヤーとは言い難い。株や債券とは異なる商品性は、分かりにくさと裏腹になっている可能性もある。投信の売りによる下げが一服したところで、短期の値幅取り狙いでない個人の買いが入るかどうかは、REITが利回り商品として定着するかという観点でも興味深い。 【QUICKエクイティコメント・山本 学】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

トルコリラ最安値、それでも衰えぬミセスワタナベの買い

外国為替市場でトルコの通貨リラの下落基調が続いている。対円は20日に1リラ=28円台半ばと過去最安値を付けた。トルコと米国との関係悪化を懸念する欧米投機筋が対ドルでリラ売りを進め、円買い・リラ売りに波及した。リラが下げ止まる兆しは今のところみられない。一方、国内の外為証拠金(FX)投資家「ミセスワタナベ」はリラを数少ない高金利商品とみなし、多少の為替差損は覚悟のうえとばかりに買いの手を緩めずにいる。 FX大手外為どっとコムによると、顧客のリラの買い持ち高は11月に入って過去最高の水準にある。買越額は同じ高金利通貨の南アフリカ・ランドの1.5倍を超え、取り扱われてまだ歴史が浅いメキシコペソの3倍以上に達する。トルコの政策金利の1つである1週間物レポ・レートは21日時点で8.00%とメキシコの7.00%や南アフリカの6.75%よりも高いからだ。 トルコではエルドアン大統領が中央銀行に金融緩和を迫り、高金利をどこまで保てるか不透明な情勢にある。一方、メキシコは利上げ局面がいったん終わった。南アには利下げ観測がくすぶる。ミセスワタナベは金利の点でリラが有利な状況は当分変わらないと考えているようだ。 1リラ=28円台のリラは1ランド=8円前後のランドには及ばないものの、1通貨当たりの円換算額が小さい。同じ1万通貨を取引する場合でも主要国通貨に比べると差し入れる証拠金は少なくて済む。しかも利息収入に相当する「スワップポイント」は先進国で金利水準が高い部類のオセアニアの通貨を買うよりもはるかに多い。「リラ運用で日々得られる金利収益はオーストラリアドルの3倍程度になる」(外為どっとコム総合研究所の川畑琢也・シニアテクニカルアナリスト)。為替変動リスクを考慮しなければ資金効率はかなり良いといえる。 ある個人投資家は「15年のチャイナ・ショック以降に加速した新興国通貨安を乗り切れたトレーダーは資金の振り向け方をよく知っている」と話す。例えば、運用額を証拠金の最大25倍まで膨らませる「レバレッジ」はしない。小刻みに買ってリラ買いの平均コストを下げ、為替含み損への抵抗力を付ける。運用対象は分散し、リラだけに資金を集めることはしない。 「ミセスワタナベの一部は、インターネット上の仮想通貨ビットコインなどの投資家と重なっている」(国内証券の為替ディーラー)。市場にはそんな指摘も聞かれる。ビットコインのドル建て価格は21日に1ビットコイン=8200ドル台に乗せ、再び過去最高値を更新した。年初の1100ドル前後と比べた上昇率は800%近い。もし仮想通貨ブームに乗れた人なら、リラが数十%下げたところでびくともしないだろう。 トルコへの熱い視線はミセスワタナベだけではない。長期スタンスで運用する他の国内個人もリラ建ての投資に傾いている。投資信託協会によれば、トルコリラ建ての国内公募投信の純資産総額は10月末時点で752億円。13年5月のピーク(2261億円)からは7割近く減少したが、今年1月のボトム(521億円)からはリラの大幅な下落にもかかわらず増加傾向が目立つ。10%を超える高い長期金利と景気回復が個人マネーを引き付けている。日本勢が、崩れかけたリラの防波堤の役回りを果たす構図は当分変わらないかもしれない。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した記事から厳選し、一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

10月の株高、けん引役は欧州マネー 買越額は過去最高の2兆円

東京証券取引所が20日まとめた海外投資家の地域別売買状況によると、10月は「欧州」が日本の現物株を2兆41億円買い越した。買越額としては過去最高で、初めて2兆円の大台に乗せた。10月に日経平均株価は連騰し21年ぶりの高値を付けたが、けん引役は欧州マネーだった。 9月に6106億円を売り越していた欧州勢が買いに転じたのは「10月22日投開票の衆院選で与党が圧勝し、安倍晋三政権の安定が好感されたため」(みずほ証券の中村克彦シニアテクニカルアナリスト)。10月は北米勢が1988億円の買い越しだったことから、欧州勢の日本株買いの突出ぶりが分かる。 ゴールドマンサックス証券は11月17日付リポートで「9月末時点でロングオンリー(買い持ち主体)のグローバル投資家は日本株を平均7%アンダーウエートしていた」との試算を出した。「10月には幾分縮小した可能性もある」としており、それまで配分比率が抑えられていた日本株に買いが入ったという。 10年前は4割程度だった海外地域別に占める欧州投資家の割合は足元では7割強に高まっている。年末に再び2万2300円台乗せを目指せるかどうかは、欧州投資家の動向がカギを握る。 欧州の投資家の東京株式市場での存在感は飛躍的に高まっている。東京株式市場に参加する海外投資家のうち欧州勢は売買代金ベースで77%を占める。10年前は47%しかなかった。一般に欧州マネーは年金基金のような長期的な投資資金が多いといわれるが、「最近はヘッジファンドなど短期投資家も増えている」(大和証券の家入直希ストラテジスト)という。 10月以降の相場を主導したのがCTA(商品投資顧問)などヘッジファンドだったことを示す材料がある。QUICK・ファクトセットのデータによると、主要なCTAの運用成績を示すSG・CTAインデックスと日経平均の相関係数(最大1)は10月1日以降、0.94とほぼ連動している。年初から9月末まではマイナス0.34と逆相関だった。10月の欧州の買いはヘッジファンドとの取引が多いとされるフランス経由の公算が大きい。 【日経QUICKニュース・楠千弘】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した記事から厳選し、一部を再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

東芝の筆頭株主 エフィッシモ・キャピタルとは何者か?!

東芝は19日の取締役会で、約6000億円の資本増強を決議したと発表した。海外の投資ファンドなど60社を対象に第三者割当増資を実施する。割当先は筆頭株主であるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントのほか、米キング・ストリート・キャピタル・マネージメントなど。1株当たりの発行価格は262円80銭と、17日終値(292円)を10%下回る水準とする。これにより、東芝は来年3月末までに半導体メモリー事業の売却が完了しなくても、2期連続の債務超過に陥らず、上場廃止は回避できる見通し。 <東芝の第三者割当先上位10社> 「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」はシンガポールに拠点を持ち、旧村上ファンド出身者が運営する投資ファンド。株主提案などに積極的な「物言う株主」として知られている。投資先では、ヤマダ電機に圧力をかけて配当金の増加等を勝ち取ったほか、宝飾品大手TASAKIがMBKパートナーズによる買収でイグジッドに成功した経緯がある。エフィッシモは保有比率で最も高い川崎汽船(38%超)を筆頭に、日産車体、TOC、ヤマダ電機なども15%程度を保有。エフィッシモの投資スタンスは明らかではないが、主に東証1部上場で業績等が落ち込んだ銘柄を株価が低位に沈む状況で大量に仕込むというスタンスと推察される。 東芝に対しては、春先の巨額損失計上で急落した際に大量取得し、筆頭株主となった。その際の取得理由としては「企業価値に比べ割安と判断した。成長を促すために対話することもあり得るが、現時点では具体的に想定していない」と説明していた。今回、東芝が実施する第三者割当増資に応じることでエフィッシモの株式保有比率は現在の10%弱から11%強に上昇し、筆頭株主の座は維持される見通し。今後どのよう形で東芝に圧力をかけていくのか注目されそうだ。 <エフィッシモキャピタルマネージメントの投資先一覧> ・2017年に大量保有報告書を提出した銘柄 (保有比率順) 【QUICKエクイティコメント・本吉亮】 ※QUICKのオプションサービス「QUICKエクイティコメント」の記事を再編集しました。「QUICKエクイティコメント」は日本株を中心に日々の相場動向をリアルタイムでLIVE解説しています。 関連記事 日本株21年ぶり高値、あのファンドも動き出す

戌年はブル・ドッグ ゴールドマン、今後1年の日経平均目標は2万5200円

ゴールドマン・サックス証券は11月17日付のレポートで、今後12カ月の新たなTOPIXの目標水準を2000、日経平均株価を2万5200円とした。戌年2018年の日本株について「内需主導の経済成長、支援的な財政・金融政策環境、利益成長の持続、需給環境の改善を追い風に、さらに上昇する」と予想。短期的には調整があるが「当社の2018年度予想一株当たり純利益(EPS)成長率9%と、株価収益率(PER)が上昇しない」ことを前提に、「現在の株価水準から15%の上値余地を見込む」とした。 外国人投資家の動向については「国内ならびにグローバルの良好なマクロ情勢、利益成長の持続、市場に有利な政策環境、依然として軽めのポジションなどから、18年に外国勢による買いの拡大が見込める」と予想。日銀によるETF(上場投資信託)買い入れについては「今後見直しが行われるとすれば、規模の拡大よりは縮小の可能性が高い」としつつも、「黒田総裁の任期が満了する18年4月まで大きな変化はないだろう」と指摘した。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金の動向については「現時点で国内株式組み入れ比率は25.3%と推計され、公的年金が短期的に国内株式をさらに大量に買う可能性は低い」と見通した。 銘柄選定については「市場ではバリュエーションのばらつきが高水準に達し、指数の表面下に銘柄選別によるアルファ(超過収益)創出機会が多数存在する」との見方を示し、IT設備投資、サービス消費、防衛費、中小型株を注目のテーマに挙げた。 ※QUICKのオプションサービス「QUICKデリバティブズコメント」の記事を再編集しました。「QUICKデリバティブズコメント」は日経平均先物、債券先物を中心に日々の相場動向をリアルタイムでLIVE解説しています。

市場に出回るファストリ株、わずか9% 日銀が招いた流動性リスク

上がり続けたかと思ったら、突然、急変し、下げ止まらなくなる――。こうした「一方通行相場」が最近の日本株の特徴だ。その原因は日銀による上場投資信託(ETF)購入との見方がある。日銀が株式を吸い上げることで、流動性が乏しくなり、海外のヘッジファンドは、そうした東京市場の特殊性に着目して、投機を進めるという構図だ。 17日の東京株式市場でファーストリテイリングの時価総額が、わずか数時間で1300億円変動した。株価が急速に伸び悩んだためだ。同様の現象は、日経平均株価が乱高下した11月9日にも起きた。この時は時価総額がわずかの間に2400億円動いた。 ●17日のファストリの株価は大きく変動(QUICKの金融情報端末Qr1より) 日銀は一度、ETFを購入すると、いまの金融政策を続ける限り、売却しない。その結果、流通市場に出回る株数は徐々に減っていく。日銀によるETFの保有残高は21兆円で、東証1部の時価総額(650兆円)の3%強だが、一部の銘柄で加速する流動性の低下を危ぶむ声がある。 発行済み株式総数のうち、創業者一族などが保有し、市場には出回らない固定株を除いた株式(浮動株)の割合を浮動株比率と呼ぶ。 ETFに組み入れられている株式は通常、浮動株扱いだ。だが、ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、日銀保有のETFに組み入れられている株式だけは固定株と考えて「実質浮動株比率」を試算した。 その結果、10月末時点でファストリは9%だった。昨年9月末時点よりも4ポイント強低下した。7年前の10年9月末時点では35%あった。このまま日銀がETFの買い入れを続ければ、18年10月末時点の実質浮動株比率は6.6%まで下がる見込みだ。 ファストリは浮動株全体に対して、日銀の間接保有割合が6割を超える。 同じく、2割を超えるアドバンテストや太陽誘電、TDKも実質浮動株比率は今後、1年間で3ポイント近く下がる。個別銘柄で日銀の保有比率が上がり、投資家の間で株式の品薄感が意識されると、「(需給逼迫がより強く意識されて)投資指標面で割高になったり、株価の変動率が上昇したりする可能性が高い」と井出氏はみている。 【日経QUICKニュース・田中俊行】 ※日経QUICKニュース(NQN)の記事から厳選し、一部を再編集しました。QUICKの情報端末ではすべての記事をリアルタイムでご覧いただけます。

激動の日本株 安心して買えそうなのは・・・。エクコメ注目銘柄 

日経平均株価は11月9日のザラ場ベースで2万3382円まで上昇した後、同日後場の崩れから調整色局面入りし、わずか1週間で1000円近く下落した。16日は寄り付き直後に心理的な節目の2万2000円を割り込む場面もみられたが、売り一巡後に切り返すと先物主導で上げ幅を拡大し、15日の急落分(351円)をほぼ取り戻した。しばらく波乱含みの展開は続きそうだが、終値ベースで25日移動平均(2万2000円)割れを回避したことで目先、底入れを確認した公算が大きい。  調整一巡で再び騰勢を強めるか 相場の過熱感を示す東証1部の騰落レシオは16日時点で106.47%。騰落レシオは100%が中立で、120%超が買われ過ぎ、70%以下が売られ過ぎとされる。9月中旬からの相場急騰局面で120%超えが常態化していたものの、足元の下落で100%強の水準まで下落しており、過熱感は薄れてきたと言える。 また、3月期決算企業の中間決算発表で通期予想の上方修正が相次いだことから、日経平均のEPS(1株利益)は日を追うごとに上昇して16日時点で1533円となった。直近の相場下落も相まって、日経平均のPER(株価収益率)は14.58倍となっており、バリュエーション面でも割安感が出てきたとみられる。 日経平均採用銘柄の騰落状況は・・・ 今回の上昇相場のきっかけは、衆院解散の報道が伝わった9月中旬であるため、9月15日終値を起点とし、日経平均が終値ベースで高値を付けた11月7日、そして11月16日終値時点で、日経平均採用銘柄の騰落状況および寄与度を確認しよう。上昇局面A(9月19日~11月7日)と調整局面B(11月8日~11月16日)の騰落状況を分類したのが下記の表だ。 【局面別の225銘柄の騰落率内訳(数字は騰落銘柄数)】 「局面A:上昇 + 局面B:下落」というパターンが多く173銘柄(日経平均採用銘柄の76.9%に相当)もあり、「局面A:下落 + 局面B:上昇」というパターンはなし。一方で、「局面A:上昇 + 局面B:上昇」が38銘柄(同16.9%)、「局面A:下落 + 局面B:下落」は14銘柄(同6.2%)あった。注目したいのは、両局面で上昇した銘柄、両局面で下落した銘柄だろう。 【上昇局面Aでも調整局面Bでも上昇した日経平均採用銘柄(局面Bでのプラス寄与度順】 東京エレクトロンは上昇局面で35%超も上昇して、指数上昇に大きく貢献したが、直近の調整局面でも逆行高するなど力強さをみせている。東京エレクを筆頭に中間決算時に業績予想を大幅に上方修正した好業績銘柄が多くラインアップしている。 【上昇局面Aでも調整局面Bでも軟調だった日経平均採用銘柄(局面Bでのマイナス寄与度順】 その一方、上昇局面で下落し、直近の調整局面でも売られた銘柄は、中間決算時に業績予想を下方修正した銘柄などが多い。 *本情報は、現時点までの値動きの分析であって、現在または過去における有価証券の価値の情報を提供するものであり、将来における有価証券の価値(値上がり益、利子、配当等の経済的価値)に関する情報を提供するものではありません。 【QUICKエクイティコメント・本吉亮】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。  

米ステート・ストリート、取締役会ダイバーシティ指針を日本企業に拡大 女性いなければ反対票

米ステート・ストリート・コーポレーションの資産運用部門であるステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)は15日、投資先の株式公開企業を対象とする「取締役会ダイバーシティ指針」を日本とカナダに拡大すると発表した。取締役会に女性役員または女性役員候補がいない場合、株主総会において指名委員長提案に反対票を投じるという。 発表資料によると、SSGAは2017年3月、ニューヨーク・ウォール街に「恐れを知らない少女(Fearless Girl)」像を設置。同時に米国、英国、オーストラリアに本社がある約600社に書面を送り、取締役会に女性役員または女性役員候補がいない場合、株主総会で指名委員長提案に反対票を投じることを通告した。通告後も取締役のジェンダー・ダイバーシティ向上への努力が見られなかった約400社に対し、SSGAは最終的に反対票を投じた。 こうした株主権の行使を受け、これまでに42社が取締役会のジェンダー・ダイバーシティを高める方針を決め、7社ではすでに女性取締役が就任したという。 ステート・ストリートによると、日本では東証株価指数(TOPIX)500を構成する企業の55%で女性取締役がいない。SSGAは2018年に日本とカナダの1,200社以上に対し、「取締役会ダイバーシティ指針」を提示するとしている。 ステート・ストリート・コーポレーションのロナルド・オハンリー社長兼最高執行責任者(COO)のコメントは以下の通り。 「他の条件がすべて同じ場合、ジェンダー・ダイバーシティが高い企業ほど、長期的により好業績を上げることをデータが示しています。『恐れを知らない少女』像の設置以来、株主資産15兆ドル超に及ぶ主要な資産保有者と資産運用会社として取締役会のジェンダー・ダイバーシティ向上に取り組んでいます。この取り組みを日本とカナダの企業へも拡大することにより、長期的な好業績とさらなる利益を投資家にもたらすと期待しています」  

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