ビットコイン、ヘッジファンドが売り仕掛けか 米先物取引委がポジション公表 

米商品先物取引委員会(CFTC)が22日に公表したシカゴ・オプション取引所(CBOE)のビットコイン先物(XBT)のポジションによると、19日時点でヘッジファンドを含むレバレッジド・ファンドはロングが255枚、ショートが353枚となり、ネットで98枚のショートとなっていた。他の報告者ベースでもロングが467枚、ショートが1846枚となり、ネットで1379枚のショートとなっていた。 CBOEのXBTは10日(日本時間11日)に上場されたばかりだが、ヘッジファンドなどの「プロ」がビットコインに売りを仕掛けていることが確認できたといえそうだ。 ★米商品先物取引委員会(CFTC)のホームページ   また22日の米株式市場では、ライオット・ブロックチェーンが大幅に続落。24.52ドル(前日比-3.08ドル、-11.15%)で取引を終えた。19日には高値46.2ドルを付けており、わずか3営業日で約半値へと下落した。足元の仮想通貨急落を受けて、手仕舞い売りに押されたようだ。 同社はバイオテクノロジー診断機器メーカーのバイオプティクスだったが、10月に仮想通貨やブロックチェーン事業買収という同社の新機軸を反映させるため、社名をライオット・ブロックチェーンに変更。仮想通貨関連銘柄との見方から人気化していた。   ※QUICKデリバティブズコメントおよびQUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

アパレル界の異端児「ゾゾタウン」 スタートトゥ(3092)、強さの秘密

アパレル市場が縮小傾向にあるなかで、存在感を強めているのが衣料品通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイ(3092)だ。上場以来、11期連続で最高益更新を見込み、今年8月に初めて時価総額が1兆円を突破した。「ゾゾタウン」は大手セレクトショップと次々と連携し、インターネットで洋服を購入する若年層を囲い込み、高い成長を続けている。独自の採寸基準や写真を駆使したサイトが強みで、過去1年に1回以上購入した会員数は約460万人に達するという。 楽天と異なる物流の仕組み 「ゾゾタウン」のビジネスモデルは仮想商店街の楽天市場と似ているようにみえるが、物流の仕組みが根本的に異なる。楽天市場は商品の発送を各店舗で行うが、ゾゾタウンは各店舗の商品を自社の物流施設で預かり、保管・写真撮影・梱包・発送までの一連の作業を全て代行する。そのたため、ゾゾタウンの受託手数料率は3割弱と利益率が高くなっている。また、受託販売のため、在庫を持つことによる売れ残りリスクがないのも強みだろう。 同社はこれまでもユニークなサービスを打ち出すことで話題になった。商品を注文した日から最長2カ月後まで支払いを延長できるサービスの「ツケ払い」を2016年11月から開始すると、10カ月で利用者数は100万人に達した。「後払い」自体はネット通販の支払い方法として存在していたが、請求書が届いてから2週間内を支払期限とするのが一般的のため、「最大2カ月延長」がインパクトを与えた。貸し倒れへの懸念をする向きもあろうが、利用限度額は税込み5万4000円のためリスクは最小限にしていたといえよう。このツケ払いが奏功する形で、9月中間期は大幅増収増益となった。 今年は宅配便最大手のヤマト運輸が悲鳴をあげたことが話題になったが、これを先んじていたかのような面白い出来事が5年前にあった。2012年10月にゾゾタウンで商品を購入した客が「1050円なくせに送料手数料入れたら1750円とかまじ詐欺やろ~ ゾゾタウン」というツイートすると、 前澤友作社長が即座に反応。「詐欺??ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ。お前ん家まで汗水たらしてヤマトの宅配会社の人がわざわざ運んでくれてんだよ。お前みたいな感謝のない奴は二度と注文しなくていいわ」などと切り捨てた。 この発言がネット上で炎上し、前澤社長は謝罪を余儀なくされた経緯がある。この炎上騒ぎから5年を経て、ゾゾタウンでは2017年10月に購入者が自由に送料の金額を設定できる「送料自由」を試験的に実施。従来は商品の合計代金が4,999円(税込)以上の場合に無料としていたが、商品代金に関係なく買い手が送料を指定。100円~1500円の100円単位の選択肢から決定するか、手入力で0円~3000円で自由な金額を指定できたが、無料を選択する客は約4割に達した。11月からは配送料を一律200円としたうえで、前澤社長は「一部のユーザーに送料無料が当たり前という誤った認識を与えた反省もある。無料で届くわけがないと社会的に認知していただく」とコメントしていた。 プライベートブランドはもろ刃の剣? 11月中旬にはプライベートブランド「ZOZO」を立ち上げたうえで、着るだけで体の寸法を測定できるセンサー付きの「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」の無料配布発表すると注文が殺到。予約開始から8時間で23万件以上の注文が入ったという。これは会社側も想定外の反響だったもようで、発送時期は11月末の予定が来年2月上旬頃へと延期を余儀なくされた。「ゾゾスーツ」 には、伸縮センサーが内蔵されており、トップスとボトムスの上下を着用し、スマートフォンとBluetooth通信で接続することで、1万5000箇所の寸法が瞬時に計測できるという。同社はゾゾスーツの配布により、ファッションECの課題とされる試着ができないことや、サイズ違いによる返品の解消を目指している。 受託販売が主体の同社がPBに乗り出すことは、自社で在庫を抱えることになるだけにもろ刃の剣になるかもしれない。株価の上昇が続くなかでSMBC日興証券は投資判断を「1」から「2」、目標株価を3700円から3500円に引き下げたようだ。これまでの施策の一巡感から商品取扱高の成長率鈍化を想定している模様。株価の上昇でセクター相対パフォーマンスの評価が中位になったとし、投資判断を引き下げたとみられる。 いまのところ国内で向かうところ敵なしにみえるゾゾタウンだが、脅威は世界のアマゾンだろう。アマゾン・ジャパンは、世界最大級の専用スタジオを設立する計画を打ち出すなど虎視眈々と日本市場を狙っており、今回のゾゾスーツがキラーコンテンツとなるのか注目されるところだ。 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

ビッグデータ争奪戦 「ゾゾスーツ」にざわつく日本の株式市場

ビッグデータと株式投資――。耳障りはいいものの、具体的なマネタイズ=収益化を問い始めると実はイメージが難しい投資テーマだ。グーグルを傘下に置くアルファベットやフェイスブックも膨大なビッグデータをこぞって集めているが、現時点でビッグデータがどこまで直接的に収益に直結しているのか、今後どんな可能性があるのか、計り知ることは容易でない。しかし、ある企業が生み出した商品が国際的に進展するビッグデータ競争における日本企業としての新たな可能性を秘めているとの指摘が株式市場で出てきた。 UBS証券でインターネットセクターを担当する武田純人アナリストの11日付のレポートが興味深い。タイトルは「インターネットセクター『最新の論点』 BigData 争奪戦、日本企業の戦い方」。レポートの中で武田氏は「日本のインターネット業界が ZOZOSUIT (ゾゾスーツ)にざわつくのはなぜか?」と書き始めている。 ※UBS証券の武田純人アナリスト ゾゾスーツで何ができるのか ゾゾスーツとは、スタートトゥデイ(3092)が11月下旬に発表した着るだけで採寸ができるセンサー内蔵の服だ。アパレル業界の目線だと同社のプライベートブランド(PB)の売れ行きなどに関心が向いてしまいがちだが、武田氏が着目したのは次の2点だ。   <1>ニッチビッグデータ  スタートトゥが取得を目指すデータが、いまだ誰もリーチしていない”Big Data”、言わば”Niche Big Data(ニッチビッグデータ)” であること。(アルファベットやアマゾンなどデータの)グローバルメジャーとしては収益化の道筋を即座には描きにくく、取組みを判断することは容易ではない <2>マネタイズ  マネタイズ面でのアドバンテージ。PB商品へのデータ活用、既存ECサイトでの活用、データの第三者への提供によるプラットフォーム化 <1>については武田氏は、「グローバルメジャーは検索履歴、行動履歴、決済データなど汎用性のあるデータをこぞって取得しているが、規模の競争は日々激化しているうえ、更新頻度が絶えず発生するなど負担が大きい。一方で、ゾゾスーツは採寸データを取得するもので、一度取得してしまえばよほどの体形変化が起きない限り更新頻度は少なくて済む。それだけに、先行してデータを取得するメリットは大きく、マネタイズの方法も考えやすい」と指摘。 マネタイズについては具体的なビジネスモデルも浮かびやすいようだ。「スタートトゥデイ自身が立ち上げたPB商品へのデータ活用はもちろんのこと、ゾゾタウンに出店するアパレルブランドの商品購入の際にも活用ができるとみている」という。 ※センサー内蔵のゾゾスーツ(出典:スタートトゥデイ) 服だけじゃなくデータそのものがおカネを生む? これはスタートトゥの手元にあるデータを他の企業も利用すればいいという発想だ。ニッチビッグデータをプラットフォーム化して外部に提供し、利用料というマネタイズも将来的に可能となるかもしれない。  加えて採寸データがあることで販売機会のロスが減る可能性も大きい。「ECサイトで購入の手続きを進める際に、在庫切れやサイズ選択の画面で立ち止まることで消費者の購買欲が削がれてしまうことあるが、それも採寸データがあることで決済に至る過程を短縮することができる。サイト閲覧者の購買率(コンバージョン)の向上にもつながる」。 そのほか、固定のブランドで購入を続けがちな消費者に「ブランドスイッチ」の機会を提供する可能性も秘めていると武田氏は考える。ブランドごとに微妙に違うサイズも、採寸データをもとにECサイトで自分の体型にあう服のマッチングが容易になれば、これまで体験してこなかったブランドへ乗り換えが進む可能性が高まるというものだ。 ネットの世界では今、米アマゾン・ドット・コム、グーグル、フェイスブック、中国のアリババやテンセントなどが激しいビッグデータの争奪戦を繰り広げているが、「日本勢は国際競争から取り残されている」(武田氏)。スタートトゥは日本企業としてのあるべき戦い方の一類型を示すのか。また、これに続くような企業が出てくるのか。注目を集めそうだ。 ※UBS証券はスタートトゥデイをカバレッジ対象とはしていない 【QUICKエクイティコメント・本吉亮】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

安倍首相の「目標株価」は2万9000円? 在任期間中の伸び率で歴代2位目指すなら

21日付日本経済新聞朝刊にこんなくだりがあった。 「戦後の歴代政権でトップは佐藤栄作の3.07倍、次いで中曽根康弘の2.87倍。いずれも長期政権だ。安倍は12月20日現在で2.23倍にとどまる。『総理、できるだけ長く政権を維持し、株価を上げて少なくとも中曽根さんは超えましょう』。麻生が呼びかけると、安倍はうなずき、大事に紙を受け取った」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24856190Q7A221C1SHA000/) 麻生太郎副総理・財務相が安倍晋三首相に示したとされるこの倍率は、歴代総理の首相就任時から退任するまでの日経平均株価の伸び率だ。仮に現政権が中曽根政権の2.87倍を上回るには、日経平均の目標は2万8929円との計算になる(政権発足の前営業日、2012年12月25日の終値は1万80円12銭)。 この水準が政権としての「目標株価」となるならば、市場は金融・財政政策や規制緩和、構造改革の進展期待などを抱き続けることになる。しかし、期待を抱かせる分、失望に変わる場面では反動も出かねない。 【QUICKデリバティブズコメント:岩切清司】 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ビットコイン急落 韓国の取引所がハッキングで破産申請と報道

19日に仮想通貨のビットコイン(BTC)が急落した。コインデスクによれば1BTC=16837.77㌦まで下げ、前日比で11%超の急落となった。CMEのビットコイン先物も17180㌦まで下げ、17日に上場して以来の最安値を付けた。 ロイターがこの日、「韓国の仮想通貨取引所ユービットは19日、取引所を閉鎖するとともに破産を申請すると発表した」と報じた。同取引所は19日にハッキングを受けて総資産の17%相当を失ったといい、今年4月にもハッキング攻撃を受けていた経緯がある。北朝鮮からとみられるサイバー攻撃への脆弱性が改めて警戒された格好だ。 19日の米国市場でパソコン用電源などを手掛けるデジタル・パワーは11%安となり、ビットコイン関連銘柄も急落した。 <参考:ビットコイン/円>   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

南アフリカランドが8円台後半に上昇 ラマポーザ氏が次期大統領有力候補に

外国為替市場で、南アフリカランドが上昇している。対円では一時1ランド=8円台後半を付けた。18日実施した与党の党首選挙が買い材料となった。 南アフリカの与党アフリカ民族会議(ANC)が18日実施した議長(党首)選挙で、ラマポーザ副大統領(65)が当選した。議長で、大統領のズマ氏(75)の元妻ドラミニ・ズマ氏(68)に勝利した。現職のズマ氏は2019年に退任するため、新議長が次期大統領の有力候補となる見通し。 ズマ氏には汚職疑惑があり、ラマポーザ氏は汚職や経済の立て直しを主張していた。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

フィンテックの一角が228%高 米CNBC「ビットコインの狂気」と警鐘

18日の米国市場で、金融テクノロジー事業を手掛けるロングフィンが急騰。228.85%高の72.38㌦で終え、一時は142.82㌦まで上昇して株価が前日比で6.4倍に達する場面があった。 ロングフィンは今月13日にナスダックに新規株式公開(IPO)を果たしたばかりの中小型株。米経済専門チャンネルのCNBCによれば、15日にブロックチェーン技術を手掛けるZiddu.comを買収したと発表して買いが殺到したという。初値(6.65㌦)からわずか4営業日で株価は10倍超となった。ロングフィンの本業は輸出入の決済のほか、人工知能(AI)を使って中小企業向けに金融サービスを提供している。ビットコインなど仮想通貨が強含む中、CNBCは「ビットコインの狂気」とテーマを囃した異常な株高に警鐘を鳴らしていた。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています

ビットコイン先物、CMEでも取引開始 値動き荒く

日本時間18日にGLOBEXを運営するCMEグループがビットコイン先物(BTC)を上場した。1月限の初値は清算値比5.89%高の20650㌦となったが、その後いったん19315㌦まで下げて2万㌦割れ。さらに1万9000ドルを割り込む場面もあるなど、上場初日から荒い値動きとなっている。 コインデスクによればビットコインの現物は19000㌦台でもみ合い。特にCMEでのビットコイン先物上場に対する目立った反応はみられない。 ※QUICKではCMEのビットコイン先物取引開始に伴い、リアルタイムおよび10分ディレイ情報を、同日より情報端末でサービスしています。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米税制改革案採決へ、日米株式市場への影響は?

米議会の与党共和党の指導部が15日、35%の連邦法人税率を2018年から21%に引き下げる大型減税法案を最終決定した。減税規模は10年で1.5兆ドル弱となる見込みで、下院は早ければ19日、上院も20日に同法案を採決する方向で調整に入っており、クリスマスまでに成立するのか注目される。 スティーブン・ムニューシン財務長官は17日にテレビ番組に出演し、「議会が税制改革法案を可決することに疑いの余地はない」との見解を示した。金持ちや大企業が優遇を受けるとの批判が出ている中、ムニューシン長官は「税制改革は労働者、労働者の家族に良いことだ」と述べてけん制していた。 ゴールドマン・サックスは15日付のリポートで、「我々は来週に税制改革が成立すると引き続き予想している」としながら、企業の取引に幅広く課税する「物品税」の導入が見送られたことについて「貿易赤字の増加を通じて米国経済に与える影響は国内総生産(GDP)で0.3%の押し下げ要因となる」と指摘した。保護主義的な物品税が見送られたことは国際貿易などには全体的に好影響が見込まれる半面、米国の実体経済には若干、統計上はマイナスの影響が出るもようだ。 市場では税制改革の成立によって材料出尽くしを警戒する向きもあるが、調査会社のエバコアISIは17日付のリポートで「税制改革期待があった一方、インフレ率が上昇して米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが加速するような状況ではなかった」という、これまでの税制改革期待の米株ラリーの経緯を指摘した。実質金利が低く、経済環境のボラティリティが低い状況はセクター/ファクターによる銘柄入替を起こした程度で、市場全体への影響は小さかった旨を指摘し、「結論として、税制改革成立後にボラティティの急上昇に伴うバックドロップは無さそうで、S&P500が2018年に3000に向かうという我々の見通しは馴染んでいるように思われる」と締めくくった。 税制改革の進展によって将来のFRBの利上げ観測が出ることはドルのサポート要因になるとも指摘しており、日本株には好影響が見込まれそう。 外部環境が好転している一方、季節的な要因で年末は株高が進みやすいことも相場の地合いを改善させそうだ。クリスマスから年初にかけて米株が上昇するサンタクロース・ラリーは良く知られているが、アノマリー分析を手掛けるトレーダーズ・アルマナックによれば12月中旬から月末にかけてもNYダウやナスダックは上昇しやすい傾向にあるという。 1950年から2016年(ナスダック指数は1971~2016年)まで12月の前半11営業日の主要指数の傾向をみたところ、当初はいわゆる節税のためのタックス・ロス・セリングで主要指数は弱含む場面があったものの、15営業日ほどでダウやS&P500は前月比でプラスに転じるという。12月中旬の安値から特にナスダック指数は2%ほど平均して上昇するといい、経験則通りならナスダック指数の7000超えにも期待が掛かりそうだ。日経先物が連れ高すれば、掉尾の一振となるかも知れない。   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

止まらぬソフトバンク(9984)売り グローバルマネーフローに変化か

日経平均株価の上値の重さが目立ち始めた。NT倍率は15日の終値時点で12.55。11月17日に一時、12.77まで拡大したのをピークに緩やかな低下傾向にある。背景には、日経平均への寄与度が高いソフトバンクグループ(9984)株の値動きがある。 10月30日に1万550円の年初来高値を付けたソフトバンク株だが、気づくと株価のピークアウト感が鮮明になっている。12月14日は9042円まで下落し高値から14%下げた。 株価動向を左右してきた一因には、傘下の米通信大手スプリントがある。高値を付ける2週間前、TモバイルUSとの経営統合で大筋合意と伝わっていた。お荷物となっていたスプリント問題にもようやく光明が差すとの期待感がソフトバンク株を支えていた様子がわかる。暗転したのは10月31日。スプリントとTモバイルの経営統合を中止するとの報道だった。 ただ、足元で進む株価の調整は財務面を警戒したものではないようだ。ソフトバンクは多額の借金を抱え込んでいる。それでもクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の値動きを見る限り、プレミアムが上昇している様子は確認されない。 あえて株価のピークアウトの理由を考えるとすれば、孫正義社長流の剛腕経営に対する期待感が剥落した可能性だ。12月14日も下落率が2%を上回って引けるなど、主要株の中では下げが目立った。この日は楽天(4755)が携帯電話事業へ参入を表明した。3社寡占の国内携帯通信事業。シェア争いの激化が予想され、KDDI(9433)とNTTドコモ(9437)と共に売られた。この局面では守勢に回らざるを得ず、孫社長が得意とする攻めの姿勢は評価対象にはなりにくい。 4社の12月15日寄り付き直後の株価 需給面にも気がかりな点が浮上したのが今週だ。11日の取引所外取引では、売買代金が合計で419億円に膨らんだ。翌12日も319億円、13日は106億円だった。14日は現時点で8億円しか確認されていない。特殊な取引も短期間で終了した可能性がある。それでも4日間の合計は850億円を上回る。大口プレーヤーがソフトバンク株を外していたのかもしれない。 取引所外の動向はソフトバンクに限った話ではない。ファナック(6954)、東エレク(8035)でも11日に商いが膨らみ、翌日以降に徐々に減少した商いが確認されている。この2銘柄も最近のチャートはソフトバンクと似ているうえ、日経平均における高い構成比銘柄でもある。ソフトバンク外しなのか、日経平均外しなのか、厳密な判断は難しい。 単なる日本国内の需給動向なのか。海外に目を向けると違った切り口も見える。11月末前後、米エヌビディアや中国のアリババにテンセント、さらに韓国のサムスン電子に半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)も軒並み株価が変調をきたした。 グロース株からバリュー株への乗り換えと言ってしまえばそれで終わるかもしれない。ただ、ソフトバンクを筆頭に東エレクやファナックがグローバルのマネーフローに飲み込まれている結果が、日経平均の上値を重くしている可能性は高い。 ブラックロックは来年も新興国の株式と日本株に投資妙味があるとしている。単なる調整で終わるのか。再浮上を見込むならエントリーする水準はどこなのか。アジアも巻き込んだハイテク株の調整に対し、先行性を見せたソフトバンク。その値動きに次の投資のヒントが隠されているのかもしれない。 【QUICKデリバティブズコメント・岩切清司】 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

楽天(4755)の携帯事業参入 誰が泣き、誰が笑うのか

楽天(4755)は14日、携帯電話事業への参入を発表した。総務省の認可が下りれば、イー・アクセス(現ソフトバンクグループ)以来、13年ぶりの新規参入になるという。ただ楽天の携帯事業参入について、アナリストの間では比較的厳しい見方が先行している。 ネガティブな見方が多数 JPモルガンは、「自社サービスの普及やエンゲージメントを高めることを目指し、積極的なプロモーションを行う『楽天モバイル』(MVNO事業)で、グループシナジーを活かしユーザー拡大に手ごたえを感じている現状を踏まえれば、さらなるモバイルユーザーの拡大に向けて同社が今回の意思決定を行ったことに違和感はない」と指摘。ただ、当面の設備投資負担や新規ユーザー獲得コストなどを考慮すれば、短期~中期業績へのネガティブな影響は避けられず、また、大手キャリアと互角に戦うことの勝算も決して高いとは言えず、当面株価の重石となる可能性があるとみている。 14日の東京株式市場で楽天株は下落した ゴールドマン・サックスは、「参入企業が増えること自体は携帯電話業界にはポジティブな話ではないが、既存大手キャリアの収益性に大きな影響を及ぼす存在になるとは現時点では考えづらい」と指摘。その要因として、新規参入キャリアが様々な課題をクリアする必要を挙げた。具体的には①周波数の割り当て申請を経て、総務省が実際に周波数を割り当てるか②インフラ構築が効果的にできるのか③端末購入補助金を大手キャリア並みに出すのか③MVNOと差異化できるサービス体制を構築できるのか④利用者の流動性が低い日本市場で固定費を回収できる十分な契約者をどのように確保するのか――などを挙げた。 日本格付研究所(JCR)は、「現在の厳しい事業環境の中で新規に携帯電話事業へ参入し、収益を確保するのは容易ではない」と指摘。さらに「設備投資のための資金調達残高は、ピーク時に現状の自己資本に相当する規模に達する見通しで、財務上の負担は重い」として、格付けにネガティブな影響が生じる可能性があるとの見解を示した。 通信工事会社にポジティブか その一方で、楽天による携帯事業への新規参入は通信工事会社にとっては朗報になりそうだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、コムシスHD(1721)、協和エクシオ(1951)、ミライトHD(1417)といった通信設備工事会社にとってポジティブと指摘。当初の設備投資額がどの程度になるのか不透明要因はあるものの、一定のスペックを備えた基地局投資が必要なため、工事量が増えるというシナリオが描け、早ければ2019年3月期にも工事発注がなされる可能性があるとみている。 クレディ・スイスでは、基地局の設置工事はコムシスHD(1721)や競合である協和エクシオ(1951)などが主に受注すると予想。株価にポジティブとの見解を示した。 【QUICKエクイティコメント・本吉亮】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

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