分配金利回り5%超、高利回り実現するインフラファンドの仕組みとは?

  世界的な低金利下で個人マネーは行き場を失っています。銀行や信用金庫などの預金残高は3月末時点で1053兆円と過去最高に達しました。こうしたなか、5%超の利回りを捻出しているインフラファンドの存在はあまり知られていないようです。高利回りを実現する仕組みを探りました。 国内市場規模は200億円程度 インフラファンドは道路や空港などインフラ施設に投資する金融商品です。公的資金に限りがあるなか、投資マネーを取り込みインフラの整備や新設に役立てようというものです。これまでは機関投資家向けに提供されていましたが、2015年4月に東京証券取引所が上場インフラファンド市場を創設し、個人も投資可能になりました。ただ、上場しているのは3銘柄のみで時価総額は合計200億円弱にすぎません。 一方、世界各国の取引所に上場するインフラファンドの時価総額は15兆円程度(50銘柄弱)といわれています。市場規模が大きいのはオーストラリアと米国です。 米国にはマスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)と、イールドコ(YieldCo)の2タイプがあります。MLPは主に石油やシェールガスのインフラ施設を運営しています。30年超の歴史を持ち、100銘柄超が上場。オバマ前政権下で起きた「シェールガス革命」を機に脚光を浴びました。国内追加型投信の中には、MLPに投資するタイプもあります。一方、YieldCoは再生可能エネルギー施設を運営しています。 インフラファンドの仕組みは、不動産投資信託(REIT)と類似しており、保有するインフラを通じて得られた収益の9割を投資家に分配しています。国内のインフラファンド市場に上場している3銘柄が運営しているインフラはいずれも太陽光発電施設です。太陽光パネルで電力を発電し、これを売電して収益を上げています。収益は日射量に左右されますが、固定価格買取制度(FIT)という特典を受けられます。FITは、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーで発電した電気を国が定めた価格で電力会社が買い取らなければならない制度です。適用期間は発電開始から20年間と限られるものの、ファンドにとって安定的な収入を得られるメリットがあります。ただ、足元で今後契約される電力(10kW以上)の買取価格は低下しています。     ※いちご都城安久町ECO発電所   高利回り・安定分配の源泉は利益超過分配金とFIT 7月末時点のインフラファンドの配当利回りは「タカラレーベン・インフラ投資法人」(9281)が6%、「いちごグリーンインフラ投資法人」(9282)が7%と、東証1部の予想配当利回り1.91%を大きく上回っています。高い配当利回りの背景には、不動産投資信託(REIT)と同様に収益の9割を分配金に充てるという仕組みとFITのほか、「利益超過分配金」がカギになっています。 利益超過分配金の原資は減価償却費の一部です。これら3つのインフラファンドの場合、安い土地に太陽光発電所の設備を設置しているため、会計上の資産に占める減価償却費の比率が高くなりがちです。しかし、多額の修繕費などが必要になるケースは少なく、キャッシュが残りがちです。そこで、会計上のみ発生する減価償却費を分配金として投資家に還元しているのです。いちご投資顧問の日色隆善上席執行役は、「当ファンドの分配金のうち、減価償却費の4割相当が利益超過分配金。日射量が平年の水準を下回った場合でも最低水準の売電料(基本賃料)を保証する仕組みを取り入れていることも安定的な高利回りの実現に寄与している」と説明します。利益超過分配金は利益分配金と税制上の取り扱いが異なり、配当所得(原則約20%の課税)には当たりません。 同じく多額の修繕費を必要としない物流施設を投資対象としたREITなども利益超過分配金を活用しています。   この利益超過分配金にFITによる安定的な売電収入が見込めるため、「いちごグリーンインフラ投資法人」(いちごグリーン)は国内インフラ投資ファンドとして初の10期分の予想分配金を発表しました。   ※出所:図表はいちご投資顧問が提供   国内上場は3銘柄のみ、景気拡大局面では株式に見劣りする可能性も 利回りの高さは投資魅力の一つですが、足元で上場しているインフラファンドは3銘柄とバリエーションが乏しいほか、市場規模が小さい点には注意が必要でしょう。加えて、太陽光発電設備を運営するこれらのファンドの運用成績は天候に左右されるものの、景気の影響は受けにくいといえます。半面、景気拡大局面では影響が限定的で株式などと比較すると、パフォーマンスが見劣りする可能性もあるかもしれません。

ソフトバンク決算説明会LIVE 孫社長、60歳目前「自己採点は28点」

  ※このコンテンツはQUICK端末でリアルタイム配信したニュースを再構成しました。 7日に2017年4~6月期決算を発表したソフトバンクグループ(9984)は午後4時30分から都内で決算説明会を開催した。孫正義社長が50分ほどプレゼンテーションを実施、記者への質問に答えた。やりとりは以下の通り。   体調不良は咳喘息が原因  16:32 孫社長 「今週に満60歳を迎える。40代で一勝負、50代でビジネスモデル、60代で後継者を作る。その思いは一度も変わっていない。その60代を今週で迎える。60歳ではなく、60代のどこかで後継者を見つける」 16:35  会見に臨む孫社長の声がかれている。株主総会でも同様に体調が悪く、孫社長の体調を心配する声は多い。 孫社長 「咳喘息だった。初期のものだから心配ないと医者に言われた」 16:38 孫社長 「スプリントについて何を強がりを言っているのかとこれまで言われてきた。しかし、国内の通信に迫る勢いまで改善してきた」 「今、この場ですら粉飾決算ではないか、大赤字だと思いたい人もたくさんいるんじゃないか。現実はスプリントは我々の利益を最もけん引する会社に生まれ変わっている」 16:43 孫社長 「アリババ株は3年後に売却、現金を先に入る形にした。アリババの株価が上がればデリバティブの損が出る仕組み。アリババの株価が上がると本当は有利だが、会計上の損が出る。現金が出るわけではない」 「今から2年後にデリバティブ損は戻ってくる。第一四半期末の株価のままでいれば、デリバティブの繰り戻し分の会計上の益が出る。もし今が2年後だとするならば1兆円弱の含み益が出る」 16:46 孫社長 「今後もアリババ株が上がることを望んでいる。アリババ株の上昇でデリバティブ損はでるが、その後に益が出てくる、貯金している状況だ」 16:50 孫社長 「100万円の財産に対して35万円までの借り入れなら安全な範囲ではないか。ソフトバンクはそれが21%(21万円)の財務状況なので安全な範囲だ」 16:55 孫社長 「モバイルの解約率が初めて同業他社のKDDIさんを下回った」 16:59 孫社長 「ビジョンファンドは我々ソフトバンクが意思決定をする。ヤフージャパンのように投資先の日本法人を作っていきたい」 「世界で最先端を走っている彼らは伸びまくっている。ユーザー数は前月対比で10%、20%増と伸びている。今はシンギュラリティ夜明け前、インターネットが始まったころの興奮を覚えている」 17:05  ソフトバンクは7月18日、オフィスシェア大手の米ウィーワークと合弁会社を設立すると発表した。会見ではウィーワークの事業内容を説明する動画を流した。 孫社長 「世の中は決定的に変わろうとしている。ITやスマホの進化で人々のライフスタイルが変わっている。レンタル屋は昔からある。プラットフォームとそうでないものが全く違う。説明してもわかろうと思わない人にはわからない」 「物凄いチャンスがある。今こそ打って出るべきだ。収益の柱の通信事業は安心してキャッシュを稼げる」 17:05 孫社長 「無理して決算を作らなくていい。それが今のソフトバンクの立場だ」 17:12 孫社長 「17歳のころから恋焦がれていたアーム。出荷したチップは28%増。売り上げは我々のさじ加減次第、スマホのマーケットシェアは98%なので。今はがめつく行くのではなく先行投資の時期。技術者を前年対比で25%増やしている」 「新CPUなど急激に技術を高めている。画像認識では暗い場所で人を認識できるレベルになってきている。今後20年間でアームのチップが1兆個のIoTデバイスに入っていく。非常に買ってよかった」 17:16 孫社長 「同志的結合による起業家集団を作りたい。エヌビディアもそのうちの一つ。たった4.9%しか持っていないが想いは同じ」 17:21 孫社長 「従来の日本の財閥とは違う。ブランドは自由で良い、ソフトバンクのブランドは付けさせない。十分に育ったら卒業していく。成長起業家集団、一緒に革命していく」 「従来のシリコンバレーのように完全に買収、一つのブランドに封じ込めるやり方でもない。ソフトバンク独自の組織論。ベンチャーキャピタルとも違う、群戦略だ」   ~記者からの質問が始まる~   17:25 ――プラットフォームとそうでないものの違いとは。 孫社長 「プラットフォームは胴元、OSのような存在。その上にアプリケーションがのるような共通基盤だ。いちアプリケーションではない」 「圧倒的なマーケットシェアを持って基盤を作らなくてはいけない。アプリケーションと競合するのではなく、場を提供する」 スプリント再編「言うとスカッとするが、ぐっとこらえて我慢している」 17:28 ――スプリント再編の行方は。3か月前は本命がTモバイルだったが。 孫社長 「複数の事業統合の相手先を想定し、交渉を行っている。近い将来なので、なおさらのことコメントを控えたい」 17:30 ――KDDIやドコモなどの値下げに対抗しないのか 携帯子会社の宮内社長 「変える方向性はない」 孫社長 「分離プランなので大きな値下げではないのではないか」 17:33 ――5Gについて 孫社長 「5Gの時代は必ずやってくる。通信速度が速くなり、IoTの接続に適したネットワークができる。時期は2020年以降だと思うが、ソフトバンクは5Gの中核技術を世界で最も早く、商用サービスに入っている」 「5Gの主要機能を既に取り入れている。5Gの時代になると2.5ギガヘルツがプラチナバンドになる。技術を蓄積してきたメリットはたくさんある」 17:36 ――ビジョンファンドについて 孫社長 「だいたいのケースで20~40%の筆頭株主、それに近い立場で影響を与える。単なる事業提携では3年程度で終わる。資本を持つ、血のつながりがあるのは大きい。ベンチャーキャピタルのように上場したら売却するような関係ではない」 「情報革命という志を共有している起業家集団だ。儲かればいい、金銭的つながりとは違う。我々のブランドで染め上げるものでもない同志的結合だ」 17:38 ――スプリントは今でもTモバイルが本命か 孫社長 「統合の時期の意思決定をする時期は近い。1社じゃなく複数を考えている。ヒントになることは言えない。言いたいんですよ私も。言うとスカッとするが、ぐっとこらえて我慢している」 ウーバーとリフト「関心があるとだけ申し上げる」 17:41 ――アームとエヌビディア、半導体などでどんなプラットフォームになるのか 孫社長 「エヌビディアは先見の明と先進テクノロジーが賞賛に値する。本当はもっと前からたくさん買いたいという思いがあった。ビジョンや想いは共通する部分が多い。エヌビディアはアームの重要なライセンス先。具体的に何をどうしようとあるわけではない」 17:43 ――60歳を迎えてやり遂げたこと、やり残したことの自己採点は 孫社長 「自己評価でいくとしまったな、28点。育英財団で8歳の子供たちを見てもう一度戻りたい。とことんやれたのにと思う。後悔することだらけ」 「ただ、人生は終わったわけではない。ソフトバンクの組織体、生命体は300年ぐらい伸び続けていって欲しい、そうするつもり。先は明るい、楽しみ、まだまだ攻めていくという思い」 17:48 ――ウーバー、もしくはそのライバルのリフトについて 孫社長 「ソフトバンクがウーバーに関心がある、という噂は聞いている。リフトに関しても決まったことはない。関心があるとだけ申し上げる」   【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】

ダウ初の2万2000ドル突破、トランプ政権発足後で最も上昇した銘柄は?

2日の米株式市場でダウ工業株30種平均が初の2万2000ドルを突破しました。終値は前日比52ドル32セント(0.23%)高の2万2016ドル24セントでした。トランプ氏が大統領選に勝利した2016年11月8日から直近8月2日までのダウ構成銘柄の騰落率を調べたところ、27銘柄が上昇しました。上昇率が最も大きかったのはボーイングで66%、次いでアップルが42%、マクドナルドが38%でした。これらの3銘柄は足元の好決算による株価上昇が寄与したようです。米航空機大手ボーイングの2017年4~6月期決算は最終損益が17億6100万ドルの黒字(約1957億円の黒字)と、前年同期の2億3400万ドルの赤字から黒字に転換しました。 一方、大統領選直後にトランプ氏が掲げる規制緩和の期待から株価が上昇し、トランプ相場の主役といわれたゴールドマン・サックスの上昇率は24%と、ダウ平均並みにとどまりました。トランプ大統領の目玉政策である医療保険制度改革法(オバマケア)の見直しが頓挫するなど、政策に対する期待感がはく落。ゴールドマン・サックスの株価も伸び悩んだようです。    

「もう絶滅危惧種とは呼ばせない」 ディーリング収益化へ山和証の挑戦

 今でも記憶に残る日経金融新聞の名物コラム「スクランブル」がある。2002年5月21日に掲載された「影響強める短期資金――ディーラー栄え個人消える?」だ。当時、東京・兜町だけで3000人以上の契約ディーラーが日計り商いに汗を流していたといい、隆盛を極めていた様子が伝わる。あれから15年、地場証券は相次いでディーリング部門を閉鎖し、今や短期売買の中心はネット証券を利用する個人投資家に移った。証券ディーラーは「絶滅危惧種」とまで揶揄されるようになった。だが、時代の流れに逆らおうとする証券会社もある。    以下のチャートは山和証券のディーリング部門の陣容の推移だ。人員を増強しただけでなく今年4月には新卒4名を採用するなど急速な若返りもはかった。15年4月に大阪にはディーリング室を創設、16年4月にはシンガポールにも支店を開設しディーラーを配置している。  ※山和証券提供   「ディーリング部の収益は市場環境に左右されにくい体質となり高水準で安定しています」と話すのは工藤哲哉執行役員ディーリング部長。秘訣は運用手法が多様なディーラーをそろえたことにあるという。  そもそも00年代前半に市場の影響力を強めたディーラーが衰退した理由は、規制の強化と東京証券取引所の売買システムの刷新が背景にあるとされる。証券会社は自己資本比率の維持に神経質となり、ディーラーに供与するポジション=リスク許容度を絞るようになった。一晩で運用環境が変化しかねず、宵越しのポジションすら厳しくなった。おのずと多くのディーラーは日中の回転売買に注力し、運用手法の多様化から遠ざかっていった。  そこに追い打ちをかけたのが、10年に東証が導入した高速取引に対応した現物株の売買システム「アローヘッド」だった。妙味のある注文が見えても発注する前に消化されてしまう現象が恒常化。外国人投資家が開発してきた超高速取引(HFT)の日本市場参入が日計りディーラーの「飯のタネ」を奪った。    工藤氏が進めたのがポジションの自由度の拡大。「オーバーナイトで持ち越すのはザラにあります。ディーラーによっては半年以上も持ったままです。これらのディーラーは日中、板をあまり気にしません。個別企業の業績・財務分析に注力しポジションを構築しています」。以前までのディーラー像とはかけ離れている。  加えて日本株以外の金融商品の売買が可能なプラットフォームの整備も進める。「海外市場の先物トレーディングを積極的に手掛けるディーラーも出てくるようになりました」(工藤氏)。日本株は円相場や外国人投資家の売買動向に大きな影響を受ける。投資環境の変化がディーリングの収益を直撃しやすかったが、投資対象や運用手法を多様化したことで市場環境の変化に左右されにくい収益構造へと変化し始めた。  その分、マネジメント側には高度なリスク管理体制が必要となる。自宅でも部下の損益状況がリアルタイムでチェックができるようにした。社内のミドルオフィス、バックオフィスからも全面的な協力を得た。「ディーラーが能力を発揮できる環境を整備するため、管理部門の担当者が尽力したことも非常に大きい」(工藤氏)。  ここで疑問も浮かぶ。短期売買のみならず、オーバーナイトのポジションを持つなら個人投資家もできる。収益をそのまま自分の資産にできる個人のデイトレの方が魅力的ではないか。また、かつては市場への流動性供給という存在意義が明確だったものの、HFTの登場により役割は薄まった。  工藤氏にたずねてみても明確な回答はなかった。だが「流動性供給の役割を放棄するつもりはありません。また、様々なスタイルで売買に携わるプレーヤーが多様性に乏しい日本市場には必要だと思います。運用をビジネスとして担える人材を育てる機能の一端を証券会社の自己売買部門が担う必要性があるのではないでしょうか」と返してくれた。即戦力にはならない新卒を採用する狙いもここにある。 ※ディーラーが何を考え悩んでいるのか。工藤氏(後)は常に対話を心掛ける  証券ディーラーの存在感が薄まってから長い年月が経った。この間、業界から去ったプレーヤーも多いが、依然として第一線で活躍するディーラーもいる。山和証券のみならず新卒を採用する証券会社もある。単なる短期筋でも流動性供給者でもない第3の道。証券会社のオフィスにいるディーラー達は新たな存在意義を確立するための挑戦を始めている。 【コンテンツ編集グループ:岩切清司】

猛暑到来、ビールに代わる注目銘柄は?

※この記事はQUICKのオプションサービス「QUICKエクイティコメント」に配信された記事を再構成しました。 さえないビール株 ビール株がさえない。時価総額を競うアサヒ(2502)とキリンHD(2503)を見ると、アサヒは5月16日、キリンHDは6月6日に年初来高値を付けた後は上値が重い。24日こそ上昇したがサッポロHD(2501)は1~6月期の収益が市場予想を下回ったと伝わると、下げが加速した。いずれも海外事業に投資家の懐疑的な視線が注がれる。サッポロHDはベトナム事業で赤字を抱え、キリンHDはブラジル事業を売りに出した。アサヒは16年に買収した西欧のビール事業が貢献したとはいえ、新たに買収した中東欧5カ国の収益はこれからだ。 激安販売がなくてもビールや発泡酒の消費量は猛暑で増えているようだが、それとは異なる要因で買いづらさが残る。となると代替的な猛暑銘柄に需要が生まれそうだ。 アイス、エアコン、蚊取り線香に期待 ビールに代わる夏の食品と言えば、やはりアイスクリームだろう。最近では大人向けのアイスもすっかり定着した。約160年前の開国とともに日本に入ってきて、ともに日本での発祥地は横浜だという点でも共通する。だからというわけでもないが、ビール関連の代わりに個人の資金が向かいそうな銘柄として、アイス関連を挙げる市場関係者は多い。このところ「なめらか体験」を掲げ、手軽さでなく食感や味を強調したアイス菓子「パピコ」のテレビコマーシャルを増やしているのがグリコ(2206)だ。定番の「チョココーヒー」「ホワイトサワー」に加えて今年は「大人のメロン」も投入。顧客の年齢層の引き上げを狙う様子が見て取れる。 このほかグリコはジャイアントコーン、アイスの実、パナップ、牧場しぼり、SUNAOと意外にアイス製品の品ぞろえは豊富。いずれも従来に比べて高級感を打ち出しているとみられ、顧客の年齢層拡大をねらっているようだ。一方、大人のアイスとして既に定着しているのは森永菓(2201)の「チョコジャンボモナカ」だろう。グリコと森永菓は6月前半に年初来高値を付けた後、利益確定の売りに押されていたが、このところ持ち直す展開。グリコは20日、森永菓は21日にそれぞれ5日移動平均が25日移動平均を下から上に突き抜ける買いシグナル「ゴールデンクロス」がチャート上に表れた。アイス銘柄への買いが加速するなら、いまのところ動意薄の井村屋(2209)にも株価に「あずきバー」の堅さが出てくるかもしれない。 エアコン関連は上値追いの展開だ。ダイキン(6367)は24日に1万1905円まで買い進まれ、上場来高値を更新した。エアコンは各社とも新製品を投入するのは春。夏に最もよく売れるからだ。今年は猛暑で販売に期待がかかる。熱中症予防にはエアコンの活用を、と行政が呼びかけているのも追い風になるだろう。さらに日本のエアコンは家庭用、業務用とも省エネ性能に優れていることから、工場などでは初期コストが高くても導入する価値があると判断するケースが多いようだ。東南アジアなど、もともと冷房が必要な地域で、中国から引っ越してきた工場に取り付ける需要などもあるという。取り付け工事やメンテナンスを手掛ける日本空調(4658)は連日高値、日空調(1952)や三機工(1961)も高値圏で推移する。富通ゼネ(6755)も25日に発表する4~6月期決算の中身次第では、買いに弾みが付きそうだ。 「虫よけ」も夏の風物詩。ヒアリ騒動で10日には1370円まで買われたフマキラー(4998)はいったん利益確定の売りに押されたが、再び1300円台を回復してきた。より夏の風情がある「蚊取り線香」を製造販売するアース製薬(4985)も11日に高値を付けた後に売られたが、ここ数日で下値の堅さが目立ってきた。暑すぎて昼間に野外で活動できず、夕涼みが流行するようなら蚊取り線香にも追い風になりそうだが、どうだろう。 タカラトミーは夏山に登るか? 意外なところでは、タカラトミー(7867)に商機があるかもしれない。傘下のタカラトミーアーツが発売した「ビッグストリームそうめんスライダー・エクストラジャンボ」に期待がかかる。昨年発売した「ビッグストリームそうめんスライダー」の進化版という。都競馬(9672)が運営する東京サマーランドの協力を得て完成したという、ウォータースライダー型そうめん流しマシンだ。報道などによると、昨年発売したマシンは初回生産分が夏を待たずに完売、再生産分も全数出荷したという。今回は高さ76センチ、“走麺距離”は5メートルと巨大化した。一般家庭のテーブルにギリギリ乗るサイズという。希望小売価格は1万6800円と安価ではないが、同社のそうめん流しマシンは静かなブームになりつつあるようだ。 一般に、おもちゃ会社の収益はクリスマスのプレゼント需要が発生する10~12月期に偏る傾向があり、タカラトミーにもそうした傾向が見て取れる。夏場はどうしても、おもちゃ屋よりも山へ海へと出かけてしまうケースが多いとみられ、7~9月期の業績は伸びにくいもよう。ただし、この収益が伸びにくい期間に何かヒット商品でひと山あれば、収益の大きな支えになるだろう。タカラトミーアーツは、缶ビールから注いだビールに生ビールのような泡を作り出すことができるビアグラス「ジョッキアワー」で、2012年の日本おもちゃ大賞のハイターゲット部門「大賞」を獲得。実は夏に強いおもちゃメーカーかもしれない。タカラトミーは「夏のおもちゃ」を新たな収益の柱にできるだろうか。 【QUICK情報・ナレッジ・開発本部コンテンツ編集G:山本学】  

日銀、金融政策の現状維持を決定 大手証券の見方「出口遠のく」「2%目標撤回」「影響は限定的」

日銀は19~20日の金融政策決定会合で現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策の維持を決めた。物価上昇率が安定的に2%に達する時期は「19年度ごろ」と従来予想から1年先送りする。 日銀が2013年4月に異次元緩和を始めて以来、先送りは6回目と物価上昇への道のりの長さが感じられる。大手の証券会社は日銀の動きをどう見ているのか。 ■ゴールドマン「物価見通しの弱気さは想定以上、『出口』はさらに遠のいた」 日銀金融政策決定会合を受けてゴールドマン・サックス証券の日本経済チーフエコノミストを務める馬場直彦氏は20日付のリポートで「異次元緩和からの『出口』はさらに遠のいた印象だ」と注目する2点を上げた。 ①消費者物価が2%に達する時期は2018年度ごろから19年度に先送りされたが、当社では物価目標の達成時期は次回の10月の展望レポート時に先送られると考えていたため、物価見通しに対する日銀の弱気さは想定以上だ。 ②特に物価について「なお力強さに欠けており、引き続き注意深く点検していく必要がある」と、さらに下振れリスクが強調されている。 今後の金融政策に関しては「いくら2%目標が遠のくとも、マイナス金利の深堀をはじめとする追加緩和策は円急騰などのショックが生じない限りは選択されない」とみていた。  一方で、「イールドカーブ・コントロール(YCC)やETF(上場投資信託)などの買入方針は各種インフレ率が安定的に1%程度まで上昇するまでは維持される」との見方を示し、「当社の物価予測に照らすと、少なくとも17年度中は現状維持」と予想した。 ■野村、日銀は「2%インフレ目標撤回」の可能性も 日銀が20日公表した「展望レポート」では、成長率見通しが引き上げられる一方、物価見通しは引き下げられ、2%の物価安定目標の達成時期は前回の「18年度頃」から「19年度頃」へ先送りした。 野村證券の中島武信クオンツ・ストラテジストは20日付のリポートで、「2019年度においても2%インフレ目標が達成されない可能性が意識されている以上、日銀は現在の政策を当面継続する可能性がある」と指摘した。 一方、リスクシナリオとして「2%インフレ目標撤回」の可能性もあるとして、「総括検証から1年になる今年の9月かそれ以降に総括検証第2段が実施され、日銀が政策かインフレ目標のどちらかを変更するリスクには注意しておきたい」と述べている。 ■SMBC日興、日銀「物価見通し下方修正のマーケットインパクトは限定的」 日銀の金融政策決定会合を受けて、SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは20日付のレポートで「大方の予想通りで、サプライズは無い」と指摘した。物価見通しの下方修正などについては「日銀が物価見通しを引き下げても、マーケットインパクトは限定的となろう。日銀予想が市場予想に近付いただけであり、市場予想が変わるわけではないからだ」とした。 先行きに対しては「日銀は今回物価見通しを下方修正したが、そもそも無謀な予想であり修正は必至であった。下方修正をしてもなお17年の+1.1%、18年の+1.5%という予想であり、まだ高すぎるように思われる。再度の下方修正があり得る」との見方を示した。   ※この記事はQUICKがQUICK端末に配信するオプショナルメニュー「QUICKデリバティブズコメント」の一部を抜粋したものです。

東芝、上場企業の4割が「上場廃止にすべき」 QUICK短観

東芝(6502)の不正会計を同じ上場企業はどんな目線で見ているのか。QUICKが実施したアンケート調査で、上場企業の4割が東芝について「上場廃止にすべき」と考えていると明らかになった。企業会計のルールを忠実に守っている多くの上場企業から東芝への不信感が募っている。   ■東芝の上場についてどう思うか、QUICKによる機関投資家と上場企業への調査 上場廃止にすべきが39%、上場は維持すべきは35%、その他は26% QUICKが上場企業にアンケート調査する2017年7月の「QUICK短期経済観測調査」で明らかになった。東証1部や2部の大規模企業、マザーズやジャスダックに上場する新興企業など300社が回答した。 東芝の上場についての考えを聞いたところ、「上場廃止にすべき」が39%で最も回答が多かった。「上場は維持すべき」は35%、「その他」は26%だった。 アンケートへのコメントでは「東芝を上場廃止にしないことが他の経営者の慢心につながり、他の会社で不正会計が増えてしまう」、「全社員ぐるみともいえる粉飾できちんと精査されるべき」、「明らかに上場廃止の基準に抵触しているのだから上場廃止にすべき」など厳しい声が目立った。 機関投資家の約7割が「東芝は上場廃止にすべき」 上場企業に投資する機関投資家の目はさらに厳しい。QUICKが6月5日に発表した6月の月次調査(株式)では機関投資家の約7割が東芝は上場廃止にすべきと答えた。 投資家にとって企業が会計のルールを守るのは投資判断の大前提だ。東芝は2015年4月にインフラ工事の会計処理に問題があったと発表、その後に不正会計の発覚や決算発表の延期を繰り返しながらも上場する株式として投資家に売買されている。 東芝が今後も上場を維持するためにはハードルは多い。2018年3月期末に債務超過を解消できるのか、内部統制に問題がある「特設注意市場銘柄」の指定は解除されるのか、延期している17年3月期の有価証券報告書は監査法人の適正意見をもらって提出できるのか。 上場企業や投資家が注目する東証の東芝上場に関する判断は、日本の株式市場の歴史に残るのは間違いない。   【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】

金融女子から本業・コスプレーヤーへ クールジャパンで目指す起業

 金融市場がまた1人、「異能の人」を送り出す。メガバンクを年内中に退職するHikariさんはコスプレーヤーの経験を活かした起業家の道を歩み始める。夢は日本のコスプレ文化の輸出だけでなく、海外へ関連グッズの販売を手掛けるスタートアップを立ち上げることだ。 リーマンショック直前に大手生保入社、1年目から株式運用部門へ  金融女子といってもHikariさんの経歴を表現するなら「運用エリート」が正確かもしれない。リーマンショック直前に国内大手生保へ入社し、1年目から株式の運用部門へ配属された。それまで興味のなかった運用だが、株式分析などを学ぶうちに関心を持った。QUICKなどの金融情報ベンダーの端末を使って毎日、データとにらめっこしていたという。英語も使えたため海外のプライベート・エクイティ・ファンド(PE)やヘッジファンド(HF)投資に関する運用チェックも任された。世界的なファンドともやり取りするようになった。  人事ローテーションの時期にリーマンショックが重なると、運用部門からの異動に現実味が増した。そこで選んだのが外資系生保へ転職。ここでもPEやHF投資に携わった。その後、縁あってメガバンクへ中途入行し、投資業務を継続した。  しかし、入行してからすぐに「印鑑の押し方が違う」と指摘されカルチャーショックを受けた。このまま銀行員として働き続けても、自分のやりたいことと違う道を進むだけではないかと疑問が膨らみ始めた。   コスプレへの目覚めは16歳 「かわいい」と言われ自信に  コスプレに目覚めたのは16歳。中学校時代に受けたイジメがトラウマだったが、先輩コスプレーヤーから「かわいい」と認められたことが大きな転機につながった。  「男子からかわいくないなど言われていたのに、『私もかわいくていいんだ』と自信が持てるようになった」(Hikariさん) ※映画「魔女の宅急便」の主人公・キキに扮するHikariさん。衣装は自主作成、撮影前にメイクも自分でこなした  社会人になって封印したコスプレ。解禁のきっかけはここでもリーマンショックだった。金融市場が大混乱に陥り、仕事にかかる負荷が急増。ため込んだストレスを発散するため再び衣装をまとった。  自費ながらコスプレーヤーとして「海外進出」も果たした。今では米国やドイツのほかアジア諸国などに多くのファンを抱える。  現地に赴いて実感したのは、日本のコスプレ人気は高いものの関連グッズの入手が困難な状況。趣味と実益を兼ねたビジネスモデルが次第に膨らみ始めた。軍資金についてもあてがないわけじゃない。金融界でファンド投資に携わった当時に築いた人脈がある。金融市場から撤退しコスプレに絡んだ進路を海外の投資家やシリコンバレーの関係者に伝えると「面白そうだね。何かやる時は声かけてよ」と出資意欲を示してくれたという。 今後も何らかの形で運用にはかかわっていきたい  今後はテレビにも出演する予定もあるHikariさん。「運用の奥深さを知りました。今後立ち上げようと考えているビジネスもスキームは金融市場で学んだことがベースになります。そして、今後も何らかの形で運用にはかかわっていきたい」と話していた。金融スキルを使ってクールジャパンの旗手へと躍り出るのか。新たな挑戦が始まった。 ※Hikariさんのインスタグラム: https://www.instagram.com/hika_ringo00/ 【QUICKコンテンツ編集グループ:岩切清司】

元芸人が歩んだ「億り人」への道 〝ツイッター銘柄〟には手出さず

七夕の夜。都内でメディアや市場関係者が集まる食事会が開かれた。独立系投信の幹部や金融当局者などが交じる中、異色の参加者が井村俊哉さんだった。名刺交換すると大手芸能プロダクションのロゴに「『株』で生計を立てる芸人」との肩書き。いつものごとく興味を抱いた。 運用資産が1億円台に お笑いグループは6月に解散 芸人と聞けば生活が厳しい印象があるものの、「最近、億(1億円の大台)に乗ったんですよ」と景気がいい。「億り人」である。芸人の必要性がどこにあるのか素朴な疑問が浮かんだが、「お笑いグループは6月で解散しちゃったんです」という。 グループ名は「ザ・フライ」。2011年には大型お笑いコンペの1つである「キング・オブ・コント」で準決勝まで進出。ある程度の実力が認められたものの、ブレイクすることはなかった。起死回生の改名も不発に終わり、芸能事務所も退社した。 井村さんが株式投資を始めたのは20歳。芸人としての収入は微々たるものだったが「ドケチなんでキャッシュアウトを極限まで絞っても苦しいことはありませんでいた。お金に不自由したと感じたことはありません」という。 一方で株式投資は順調に進んだ。デイトレードのみならず中期保有も取り入れ16年の年間の売買代金は累計で120億円を超えた。ただ、今年に入って運用スタイルを一変させた。1日で400万円の損失が発生した日、生まれたばかりの子供を抱きかかえても、顔が悲壮感に満ちていると奥さんに指摘されたことがきっかけだった。 現在の投資先はネット広告を手がけるフリークアウト(6094)と立ち食いステーキの「いきなり!ステーキ」などを手がけるペッパー(3053)の2銘柄のみ。これに現金を合わせた運用総資産額が1億円を上回っている。トレードの頻度も極端に減った。 ツイッターで盛り上がる銘柄は反面教師に いま、個人投資家の間ではツイッターで盛り上がる銘柄の短期売買が注目を集めている。小型株投資を手がけるプロも無視はできない情報空間だ。だが、井村さんに〝ツイッター銘柄〟の話を向けると「まったくやらないですね」と眉間にシワを寄せた。「ありがたい面もあるんです。手を出してはいけない反面教師の銘柄というシグナルとして受け止めてます」。 食事会に参加していた別の市場関係者によると「あの著名投稿者の背後には3つくらいのグループがあるみたいですよ」という。「そこから銘柄名が降りてくるらしい。投稿者自身に明確な違法性が乏しいのも事実。なぜなら自分ではポジションを持っていないから」。 筆者もこの投稿者に会う機会があった際、自分で投資をしているのかを聞いてみたが、うまくはぐらかされたことがあった。 虚々実々が行き交う株式市場。井村さんは株式投資を続けるつもりだが、自分にあったビジネス探しも始めている。多様な投資家の存在がマーケットへ厚みをもたらすことを期待したい。 【QUICKコンテンツ編集グループ:岩切清司】

「日立株との交換も選択肢の1つ」、アクティビスト来日で仕掛ける心理戦

 日立製作所とアクティビスト・ファンドのエリオット・アドバイザーズとの間で心理戦が続いている。3日にエリオットのロンドン拠点で運用を担当するジョルジオ・フルラーニ氏が来日。日立が買収したイタリア鉄道大手アンサルドSTSの買収に関し弁護士や投資家などとの意見交換が目的だという。案件の問題点を指摘し買収価格の引き上げを求める立場の正当性を訴えている。 ※ジョルジオ・フルラーニ氏 日立のSTS買収、エリオット「買収価格が不当に低い」  エリオットが日立にアプローチを始めたのは、2015年2月に日立が決めたSTSの買収だ。エリオット側の主張は「買収価格は少数株主にとって不当に低い」というもの。理由は当時STSを保有していた伊フィンメカニカから、同時に取得したアンサルドブレダの事業価値を高く見積もり、相殺する形でSTSの企業価値を意図的に抑えたという点だ。  STSは伊株式市場の公開企業である一方、ブレダは非上場企業。STS株の保有比率を100%に高めたかった日立は、TOB(公開買い付け)価格を抑えるために不正を働いたとエリオットは主張し、少数株主が不利益を被る案件としている。   さらにエリオットは伊裁判所も日立の不正を認定していると強調する。日立に見解を求めると「エリオットの主張が法廷で認められたことはなく、逆に複数回にわたって却下されている。日立は、常に法令に従い、事業を行ってきた」(ブランド・コミュニケーション本部、広報・IR部)とした。    2016年1月~3月に日立が実施したSTSのTOBでは1株9.68ユーロが応募者に支払われた。エリオットを筆頭に複数の株主は価格が不服としてTOBに応じていない。  来日したフルラーニ氏に適正価格を聞くと「少なくとも13ユーロ」と言い切った。ただ、その後に同氏はこう語り始めた。 STS株と日立株の交換も選択肢の1つ  「全てを現金で支払わなくてもいいと思う。例えば、少数株主が保有を続けているSTS株と日立製作所の株式を交換(Swap)するのもオプション(選択肢)の1つと考えていいのではないか」  エリオットは今年1月に突然、インターネット上に日立のSTS買収の問題点を指摘するサイトを立ち上げた。その中には上記コメントのような打開策は記されていない。改めてフルラーニ氏に「そのオプションは日立側へ正式に伝えたのか」と聞くと、「ノー。伝えていません」と明かした。   日立会長との面会求めるも、実現せず  これまでエリオットは2度にわたり中西宏明会長へ書簡を送付。現時点で返信はないという。面会も求めたがその機会は実現していない。    真っ向から主張が食い違う日立とエリオット。フルラーニ氏は「どのようなハッピーエンドを想定しているかと聞くのですか?まずは日立側が面談に臨むことが最初の1歩になると思いますよ」と明確なイグジット・ストーリー(出口戦略)への言及は避けた。    日立がSTSの買収に乗り出してから既に2年が経過した。1月にサイトを立ち上げ7月に来日したエリオットは水面下による交渉の限界を感じているのかもしれない。  日立は「日立の株主の利益に鑑み、適正価格以上での買取には応じるつもりはない」としていた。   【QUICKコンテンツ編集グループ:岩切清司】

「日銀は債務超過に陥らない」伊藤氏 コロンビア大学教授 日興AMセミナー

日興アセットマネジメントが6日に開催した機関投資家向けセミナーで米コロンビア大学の伊藤隆敏教授が登壇し、日米の出口戦略をテーマに基調講演をした。問題視されている日銀の債務超過の可能性について伊藤氏は、「損失は最小限に抑えることができる」と否定した。 米金融政策のメーンシナリオは、年内にもう1回の追加利上げとバランスシート縮小の開始だ。これを基に日銀の金融政策への影響を考えた場合、米金利上昇に伴い日本国債の金利に上昇圧力がかかるなか、日銀がイールドカーブ・コントロールを維持するかどうかが注目される。日銀はある程度の金利上昇を容認するとみている。国債保有残高の増加額のメドは80兆円から足元で60兆円までペースを落としてきた。バランスシートが膨らむことを避けたいため、80兆円に戻す選択肢は恐らくないだろう。  日銀は物価目標2%に届かなくても出口戦略に動く可能性がある。ただ、インフレ率が1.5%少なくとも1.0%を超えて上昇傾向になるまでは動けないだろう。仮に0.5%で出口に向かえば円高となってデフレに戻ってしまうからだ。米国に加えて日本も雇用環境が改善するなど実体経済は堅調なため、インフレ率は来年以降に上昇すると予想している。  出口戦略の手法は米国と同様に利上げとともに償還を迎えた債券の再投資を見送ってバランスシートを縮小させる形になるだろう。出口に向かうプロセスでの問題として日銀の債務超過が懸念されているが、いくつかの手段を講じることで回避できる。例えば、バランスシートを一気に縮小せず、ある程度再投資して3%程度の付利を得る方法もある。一部で日銀の損失額は当初7兆円前後と予想する向きもあるが、私は2.5兆円程度とみている。   コロンビア大学 伊藤教授   物価目標2%、達成できないとの見方が目立つ QUICKでは毎月、証券会社および機関投資家の債券担当者にアンケート調査をして「QUICK月次調査<債券>」として公表しています。直近6月の調査では日銀の「出口戦略」について140人に聞いたところ、物価目標2%について6割が「達成できないが、目標は維持される」と予想していました。一方、「達成できず、目標が変更される」との予想が3割、「達成できる」はわずか4%にとどまりました。  また、出口がくるとすれば、何がきっかけになるかとの問いでは、「首相の交代」との回答が最多で3割弱、次に「変更後の目標を達成」と「金融市場の激変」がともに約2割でした。    

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