中国、米国債購入を減額と報道 市場関係者の見方は?

米ブルームバーグが10日、「中国の外貨準備を見直す当局者らが米国債の購入を減らすか停止することを勧告した」と報じた。これを受け、同日の米債券市場では長期金利の指標である米10年物国債利回りが一時2.59%と10カ月ぶりの高水準をつけた。外国為替市場で円相場は一時111.27円までドル安・円高に振れた。 中国の外貨準備運用を巡っては、昨年末以降、様々な噂が飛び交っていたことは事実だ。 今回の報道はフェイクニュースなのか。市場関係者の見方をまとめた。    UBS、「中国の米債購入減額、米債利回りを動かすカギになるとは思えない」 UBSは10日付のリポートで、「中国の米債アロケーションが米債利回りを動かすカギになるとは思えない」と指摘した。中国が2013~2016年に米債を売却していたのは良く知られているが、当時は保有額を2000億㌦減らしていたとのこと。しかし米債利回りは低下(債券価格は上昇)し、中国の米債売りの影響は限られていた。一方で現在、米国債を最も多く持つのは米連邦準備理事会(FRB、2兆5000億㌦)のため、「FRBが緩やかなペースでバランスシートを縮小させる方針のため、米債利回りへの影響を考えるのは価値が無いことだ」とも指摘。その上で「もし中国が米債購入を調整するとしても、それは緩やかなものになるだろう。為替相場を管理するために加えて、(米債のボラティリティが高まって)自らが保有する米国債が傷まないようにするためだ」とも指摘した。 BMOキャピタル、「中国の米債購入減額、為替介入を減らすなら起こるかも」 BMOキャピタル・マーケッツは10日付のリポートで、「中国のニュースは誇張されたもので、統計からは中国が2017年10月に米国債を1270億㌦を買い増したことが示されている」と指摘した。その上で、「中国が大きな(外貨準備の)資産を持つ上で(米国債以外に)他の選択肢は無い」とも指摘。最終的な結論として、「中国が過去の一定期間に米国債の買い入れを減らしたのは、元安を進めるための為替介入(ドル買い・元売り)を減らしたことに起因するものだった」として、「そのような事象が再び起こるかも知れない」と見込んでいた。 MKMパートナーズ、「中国の米債購入減額、フェイクニュースだろう」 投資銀行のMKMパートナーズは10日付のリポートで「中国が保有する米国債の残高は過去6年以上、1兆2000億㌦ほどだった。この間、米債利回りは1.4~3.2%のレンジで揺れ動いており、我々の考えでは、今回の報道はフェイクニュースとして扱われるだろう」と指摘した。その上で、「本当にニュースなことは、なぜ金利がさらに上昇しないのかということだ」とも指摘した。 SGHマクロ、「中国は米国債の減額を決定せず、為替の安定が優先事項」 米調査会社のSGHマクロ・アドバイザーズは同日付のレポートで「中国政府の米国債の購入減額や停止に関する質問が多く寄せられた」とし、「中国政府が米国債の購入の減額や停止を決定したというはないだろう」と指摘した。 「米連邦準備理事会(FRB)が年3回の利上げを示唆していることから米国債の先行きを警戒しているのではないか」とする一方で、「通貨を安定させ為替市場でショックを避けることが最優先事項となるだろう」との見方を示した。 「中国政府と米政府に協定があると当社は理解している。中国人民銀行が米国債の買い入れ額を大幅に変更する場合、米政府に事前に通達する公算が大きい」とした。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

債券市場、日銀オペに注目 さすがに減額はない?

米ブルームバーグが10日、中国が米国債購入の減額や停止を検討していると報じた。米10年債利回りは2.59%台へ上昇。為替市場ではドル売りが優勢となり、111円台前半へ円高・ドル安が進んだ。 米債安や円高の要因として、9日の日銀オペ減額もあげられている。マーケット関係者からは「日銀発のグローバル・スティープニング?」「オペ減額を契機に、世界的なフラットニングが反転?」など、やや当惑した声もきかれた。 もっとも、日銀による異次元緩和の総括的検証以降、ステルステーパリングやカーブのスティープ化は順当な流れというのが円債市場関係者の大半の見方。グローバルに株式相場は堅調に推移しており、フラット化も進んでいることから、多少の減額は問題ないと判断したとしても不思議はないとの見方も多い。いずれにしろ積極的に金利水準を引き上げようとする意図はないのだろう。 ただ、9日の日銀オペでの超長期債買い入れ減額は意外感のあるタイミングであり、「市場とのコミュニケーションに支障を来した」(証券会社)点は否めない。今月は40年債入札、30年債、20年債と超長期債の入札が続く。金利上昇(スティープ化)が意識されやすい時期であり、意図が明確でない減額が行われれば、買いにくくなるのはいたし方ない。12日の40年債入札は気になるところだ。 また、10年金利の「0%」を修正させようとする意図はないとしても、0.06%まで上昇しているタイミングで減額が行われており、0.11%の壁が揺らぐ恐れもある。10日の10年債入札は無難に乗り越えたが、買いは続かなかった。 本日11日は、「1年超3年以下」「3年超5年以下」「5年超10年以下」のオペが予定されている。さすがに減額はないだろう。ただ、多少なりとも気にする向きがいることから、維持されれば相場の下支え要因になり得る。 米債は2.6%に接近後、買い戻されていることや、為替が円高に振れていることもフォロー。 一方、海外金利の水準自体は切り上がっており、JGBも金利上昇に振れやすい地合いが続こう。10年金利が0.11%に近づく場面があった場合、日銀がどう動くか注目される。 (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

日銀発のグローバル・スティープニング 海外金利は過剰反応か

日銀発の「グローバル・スティープニング」が市場を揺さぶっている。日銀による9日の超長期国債買い入れ減額に端を発した長期金利上昇の連鎖だ。 債券市場の動きをみると、金利の変化は海外の方が大きい。金利上昇幅は、日本の10年債利回りが1bpだったのに対し、米10年債は7.5bp。30年債は日本の2bpに対し米国は8.8bpだった。 LCH-JSCCスプレッド(ロンドンと日本のクリアリングハウス間のスワップレートの差)をみても、拡大基調が続いている。LCHの主要な参加者は海外勢であり、彼らは日本の市場参加者以上に円金利の上昇を見込んでいるということであろう(グラフは、20年スワップのスプレッド)。 ◆日本のJGBウオッチャーたちは冷静 仮に今回のベアスティープ化が日銀オペ減額をきっかけとするものならば、海外金利は過剰に反応している様にみえる。ただ、マーケットが反応した以上、日銀としても意識せざるを得ない。野村証券の中島武信氏は10日のレポートで、「今後は輪番減額を行いにくくなる可能性もある」と指摘。特に、日銀が10年に金利操作目標を設定している以上、5-10年の輪番は減らしにくいこといから、「他年限の輪番減額で10年が売られたときは、素直に買いで良い」と見ていた。 また、SMBC日興証券の森田長太郎氏は「超長期の日銀買い入れ減額は特に予想してはおらず、若干サプライズであったことは確か。しかし、減額の理由は恐らく、(1)昨年12月中旬以降、緩やかに進んでいた10-20年フラット化(約56bp→約53bp)への対応、(2)4月以降の超長期国債の月間1500億円ペースの減額への備え、という2つで説明されるだろう」と指摘。さらに「為替市場での突然の円高リアクションの方がサプライズであったと言えるが、為替市場での正常化スペキュレーションの活発化を裏付けるものではあった」と加える。 ただ「欧米債券市場で、日銀オペの影響がどの程度あったのかは分からない。欧州時間開始直後からの金利上昇ではなかったので、後付け的に解説が付いたというのが実際のところではあろう。しかし、2018年という年の投資ないし投機戦略のコアに『正常化トレード』を据える参加者が、グローバル市場において少なくないのは確か」としていた。 ◆為替市場では・・・ 大きな反応を見せたのは円相場。10日の取引でも一時、1㌦=112円割れを試す場面もあった。JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏は9日付のリポートで「もはや国債買い入れ額は主たる政策目標ではなくなっているのであるから、為替市場の反応は過剰反応と言って良い」と指摘した。 また「円買いの背景には、クロス円、特にEUR/JPY(ユーロ円)の円ショート・ポジションが大きく積み上がっているとの認識があったと考えられる」という。実際、IMMの投機的ポジションから計算したEUR/JPYの円ショート・ポジションは「2007年の円キャリー・トレード活発時のピークに近づいている」という。 その上で佐々木氏は「元々円を買い戻す口実を探していたところにタイミングよく、日銀が口実を提供したというだけだろう」としつつ、「しかし、市場参加者、特に海外の為替市場参加者の日銀に対する注目は高まっているのも事実だ」としていた。 (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米コダック急騰、一時2.4倍に ブロックチェーン・仮想通貨事業開始で

9日の米国市場でカメラを手掛けるイーストマン・コダックが一時7.65㌦まで上昇し、株価は前日比2.4倍に急騰した。この日にブロックチェーン事業戦略を発表し、画像の権利を管理する「コダックワン」、写真を中心とした仮想通貨の「コダックコイン」を提供する方針を明らかにした。「ブロックチェーン」「仮想通貨」という株式市場でホットなキーワードを発表文に盛り込んだこともあり、買いが殺到した。 コダックはかつてディスクカメラなど独自性に優れたカメラやフィルムを手掛けていたが、デジカメの普及に押され、2012年に米連邦破産法(チャプター11)を申請して経営破たん。その後は特許をアップルなどに売却していた。2013年にNYSEに再上場を果たしたものの、足もとの株価は3㌦台で低迷していた。 【QUICKエクイティコメント】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

仮想通貨バブル続く? 今度はリップル急騰 注目銘柄に浮上したのは…

 2018年も仮想通貨バブルが続きそうだ。これまでは「仮想通貨=ビットコイン」の色彩が強かったが、足元ではリップル(XRP)の存在感が強まっている。リップルは昨年初に1XRP=0.006ドルだったが、じりじりと上昇して12月初めには1XRP=0.25ドルに上昇。それが、12月22日に初めて1ドルの壁を突破すると、年明けに一気に4ドル近くまで急騰した。 ※出所:コインマーケットキャップのホームページより引用 リップルは既存の金融システムと新しい金融システムの中間に位置し、ビットコインに比べ決済にかかる時間が約1200分の1、取引コストも約1万8800分の1に抑えられるなど、ライバルの仮想通貨より安定性とスピード、セキュリティに優れ、既存の金融機関の扱いにも適しているとみられており期待する向きが多いという。一部報道で、米仮想通貨取引所の一角であるコインベースがXRPを新たに仮想通貨の取扱に加えない方針だと伝わり、米国時間4日夕方に1XRP=3.1ドル台まで一時急落する場面もみられた。だが、その後は1XRP=3.4ドル台まで値を戻しており影響は限定的ではなかろうか。 このリップルと関係性が深い銘柄がSBIホールディングス(8473)。XRPの発行体は米リップル社で、SBIはそのリップル社に約1割出資し、共同出資するSBIリップルアジアというジョイントベンチャーも傘下に持つ。リップル社が現在発行するXRPの総数は1000億だが、そのうちの約4割が市場に流通し、6割がリップル社が保有するとされる。SBIは直接XRPを保有しないものの、リップル社への出資を通じて間接的に60億XRPを保有することになる。 仮に1XRP=3ドル、1ドル=112円と仮定すると、SBIが間接的に保有する60億XRPの現在価値は約2兆円になると試算される。足元の株価急騰でSBIの時価総額は6000億円までに膨らんだが、間接保有するXRPの価値2兆円を勘案すると割安という皮算用になろう。乱高下する仮想通貨の価値が、どの程度企業価値や決算に反映されるのかなど不透明部分が多いため過信は禁物ながら、ネット証券最大手のSBIはXRPの価格変動に大きく左右される銘柄なったといえよう。 2017年は仮想通貨の高騰で多数の億万長者が生まれたもようだが、今春の確定申告では国税当局が手ぐすねを引いて待ち構えているという。値動きが激しく、税制面でも問題を抱える仮想通貨を直接売買することに二の足を踏む投資家にとって、SBIはその代替投資先になりうるかもしれない。 このSBIホールディングスと関係性が深いのがソルクシーズ(4284)。ソルクシーズはシステムインテグレーターの草分け的存在として金融向け(証券・保険・銀行・クレジット)や通信向け、基盤系、組込系などの専門に特化しているが、直近はIoTサービスやブロックチェーンなどFinTechを活用したビジネス拡大に注力。昨年10月には、SBIホールディングス子会社で仮想通貨の交換および取引サービスを提供するSBIバーチャル・カレンシーズと仮想通貨の交換および取引サービスにおけるシステム構築を支援することで合意している。 そのため「仮想通貨XRPの高騰→SBIが間接保有するXRPの含み益増大期待で株価上昇→SBIと関係性が深いソルクシーズにも短期資金流入」という構図が続く可能性もありそうだ。 【QUICKエクイティコメント・本吉 亮】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。  

なぜ「コンソールゲーム」は復権するのか ゴールドマンのアナリストが見据える未来図

日経MJが選出した2017年ヒット商品番付で、西の横綱となったのが「任天堂ゲーム機」。同年3月発売の「ニンテンドースイッチ」が世界的に大ヒットを記録したほか、復刻版の据え置き型(コンソール)の「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」も話題となった。スマホという身近な端末と基本プレイ無料という敷居の低さを背景にモバイルゲームの市場拡大が続く一方で、やや押され気味だったコンソールゲーム市場。かつての雄が復権すると見るアナリストが出てきた。 証券会社のレポートとは思えない表紙 ゴールドマン・サックス証券のでゲームセクターを担当する杉山賢アナリスト。オフィスでも「調査」と称してゲームに手を伸ばしてしまうほどのゲーム好きを自認する同氏が昨年12月に「『The World of Games』 コンソール:Where the Games Begin」と題した重厚なレポートを発行した。表紙もデザイナーへ発注するなど、気合の入れようがうかがえる。 ◆ゲーム業界への関心が高まっている 「“ゲーム”というインダストリーが魅力のある投資対象になっている」(杉山氏)のはなぜか。消費者の娯楽にかける時間が増加するなかでゲームは成長が著しく、1時間当たりの利用額も増加。先進国での需要増に加えて、新興国での可処分所得の増加も追い風となるようだ。急成長を遂げる中国テンセントは利益の大半がゲームで稼ぐように、世界市場において投資家の関心は高まっている。 17年のゲーム業界のトピックスとして、杉山氏は「ニンテンドースイッチのヒット、ドラクエ新シリーズ(「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」)発売、モバイルゲームではモンスト、パズドラなどの既存勢力に替わる存在としてFGOが躍進し、海外では中国・韓国でリネージュがモバイルゲームとして大ヒットした」と指摘。「今後もモバイルゲームやPCゲーム市場が拡大する中でも、コンソールゲームは中心であり続け、重要なプラットフォームとして存在感が増す」とみている。 ゴールドマン・サックスの「『The World of Games』 コンソール:Where the Games Begin」より 1ゲーム当たりのプレイ時間が長くできるコンソールゲームは、「ハードコアゲーマーにとって最も安価で高機能なゲームを楽しめる選択肢であり、そのハードコアゲーマーの需要を取り込むことで一層成長する余地がある」(杉山氏)と指摘。ゴールドマンの試算では、市場規模は16年の423億㌦から25年に732億㌦に拡大するという。これは年平均成長率が6.3%でゲーム市場全体(5.0%)よりも高い水準を見込んでいる。 一般的に抱きやすい懸念はスマホによるモバイルゲームとのユーザーの奪い合い。だがモバイルのゲームはコンソールIPから派生した別のコンテンツ(多くの場合にはライトなもの)である事が多く、ユーザーもライト層が中心。カニバリゼーション(共食い)の懸念は乏しい。むしろ、「ポケモンGo」の社会現象を巻き起こした直後にコンソールゲームソフトで販売された「ポケットモンスター サン・ムーン」が大ヒットしたことから、モバイル市場が先導役になる形でコンソールに追い風が吹く構図も見えている。 ◆構造的な欠陥=コンソールの買い替え強要も克服 コンソールゲームのハードは6~7年程度で更新されてきたが、これは技術革新のためには必要不可欠な事象だ。ただ、前世代ハード用のソフトが使えなくなり、ユーザーには新たなコンソールの買い替えを半ば強要する展開になりがちだった。 ゴールドマン・サックスの杉山賢アナリスト ソフトメーカー側は制作に関わるコスト負担増などのデメリットもある。技術革新面ではPS2→PS3で性能が飛躍的な進化を遂げたが、それ以外はアップグレード的な変化に留まる。「全てのコンコールがインターネットと接続された状況を勘案すると、今後は『刷新』ではなくソフトの互換性があるなどの『更新』になり、ハードのビジネスからインストールべースに移行して、ゲーム内課金のARPUが上昇する」(杉山氏)。 さらに将来のポイントとなるのが携帯性=ポータブルだという。既に任天堂が実現して見せたが、このスタイルが普及するかどうか。電力消費量の縮小といった技術進歩の恩恵を受けるテーマにコンソールも浮上することになる。  ◆グローバル比較で日本のゲーム関連企業はディスカウント? 改めて投資の視点で関連企業を考察してみる。杉山氏が注目するのがバリュエーションの違いだ。欧米のゲーム企業はPERが23倍程度まで買い進まれている半面、日本のゲーム株はPER16倍程度にとどまる。 杉山氏はこのような格差が生まれた背景に「欧米企業がコンソ-ルゲームのデジタルシフトを推進した一方、日本企業はモバイル事業への注力を進めたことが背景にある」とみる。 ただ、ダウンロード、ゲーム内課金が全体の3割程度に過ぎず、今後の拡大余地が大きいことや、従来のように業績の浮き沈みが少なくなってきていることを勘案すると、日本のゲーム株には割安感があるという。 業績の安定成長とマージン拡大が見込まれる魅力的な買い推奨銘柄はソニー、Electronic Arts、カプコン、スクウェア・エニックス、Take-Two Interactive、Ubisoftだ。   【QUICKエクイティコメント・本吉亮】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

2018年の相場を読む 元号変わり目の大相場? 1ドル=120円予想も

武者リサーチの武者陵司代表は1日に配信したリポートで、「2018年はすべての条件が整い、勇気凛凛新たな船出に向かう、という年になるのではないか。ここ数十年これほどの好条件で新年を迎えることは初めてである。平成最後の年は新たな繁栄時代の幕開けの年である、と考える」と指摘している。周知の通り、日経平均株価が38915.87円で史上最高値を付けたのは昭和64年(平成元年)の1989年12月29日だった。今年は平成30年の2018年で、新元号が新たに決まる予定である。元号の変わり目に大相場があったうえ、今回は改元が2020年の東京五輪の前年となるため、インフラ投資関連の景気浮揚効果が最も高まると期待されている。 <昨年の日経平均の推移> 経済学的には、オリンピックによる景気浮揚効果は開催前が高いというのはよく知られており、五輪開催後は過剰投資を受けて景気が減速するのが通例だ。それを踏まえれば、オリンピック前の大相場は2020年ではなく、2019年にやってくると考えるのが自然である。五輪後も景気が良かった例外としては、2012年に開かれたロンドン五輪が挙げられる。当時はリーマン・ショックや欧州ソブリン危機といった不況要因があったため、五輪前の景気鈍化に加え、不況後の景気回復効果が大きかった。その他、国内の政治要因では憲法改正や9月の自民党総裁選、消費税引き上げ判断を踏まえれば、安倍政権としては景気を良くしなければならない環境でもある。 好調なスタートが見込まれる2018年相場だが、年頭だけに思わぬサプライズ・シナリオにも注意したい。米投資会社ブラックストーン・グループが2日、同社の副会長を務めるバイロン・ウィーン氏のビックリ10大予想2018を発表した。ウィーン氏はベテラン著名ストラテジストとして知られ、その意外な見立てには定評がある。今年にビックリ10大予想は下記の通り。 中国は北朝鮮の核開発能力を容認しないと決断 ブレグジットで欧州大陸諸国は結束 ドル高が進み、ドル円は120円に下落 S&P500指数は一時10%調整も年末に3000超え WTIが80ドルに上昇 米国で平均時給伸び率が年4%に迫る 米連邦準備理事会(FRB)は今年4回利上げ トランプ大統領、環太平洋経済連携協定(TPP)不参加は失敗と考え始める 11月の米中間選挙で共和党は敗退 中国の国内総生産(GDP)が5.5%に低下 【出所:https://www.blackstone.com/media/press-releases/byron-wien-announces-ten-surprises-for-2018 】 注目すべきは、3のドル高が進むということ。米国の実質成長率が3%を超え、ユーロドルは1.10㌦に下落し、ドル円が120円までドル高・円安に振れると見込んだ。米国企業によるリパトリエーションが米企業業績を助けるとしたほか、別の項目7ではインフレ率の上昇が懸念要因になるとも指摘している。ジャパナイゼーションの言葉に代表される通り、米国でも労働需給が逼迫する中でインフレ率が上がりにくい状況にあるが、原油高、減税効果による景気回復を受けて思わぬインフレ率の上昇となれば、2017年のドル安というトレンドは反転を迫られそう。ドル安を受けて堅調だったエマージング株式から、日本などの先進国に資金が向かう可能性がある。 市場からは「昨年のような半導体一辺倒の投資戦略では無く、銀行セクターなどリフレの恩恵を受ける銘柄へのシフトを考えた方が良さそうですね」(国内証券)、「FRBが50bpの利上げを行ったら驚きですが、原油が100㌦に向かうような状況になればインフレリスクも警戒されるかも? 東京五輪前の最後のバブル相場を見据え、本命はメガバンク、大穴はREITで良いのでは無いでしょうか?」(別の国内証券)といった声が出ていた。ウィーン氏のシナリオのようにFRBが4回の利上げを行うのかどうかも含めて、今年はインフレとドル安是正がトレンドを占うカギになりそうだ。なおウィーン氏は、追加した起こり得る予想で、「ビットコインのリスクが大きくなり過ぎて当局が取引を規制する」という気になるものも示していた。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ドル指数、3カ月ぶり低水準 米2年債利回りは上昇基調 逆相関強まる

28日にドル指数(DXY)が92.64で終えた。QUICK FactSet Workstationによれば終値ベースで9月22日(92.17)以来、3カ月ぶりの低水準だ。米10年債利回りが2.43%に低下する中、ユーロや円に対してドルが売られる展開に。米マーケット・ウォッチによれば、この日の米10年債利回りは5.4bps低下し、一日の利回りの低下幅としては9月5日以来、3カ月ぶりの大きさを記録したという。税制改革法案が成立して来年の景気刺激効果が期待される半面、米債市場では米連邦準備理事会(FRB)の利上げが順調に進むことで景気減速懸念を織り込む動きとなっているのかも知れない。 足もとでは、2年債利回りが急上昇してイールドカーブのフラット化が急速に進んでおり、2年債利回りとDXYの逆相関の動きが強まっている。 米債利回りとドル指数の推移 ※米10年債利回り(白)、2年債利回り(緑)、ドル指数(青) (QUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米税制改革は売り材料? 利払い控除に上限、繰り延べ税金資産は縮小

「来年も米景気が上向く兆しが現われている!これも全て我々が推進する減税法案によるものだ。来年は米企業と雇用にとって素晴らしい年になるだろう!米株式市場も恩恵にあやかること間違いなしだ!」――。トランプ米大統領は自身のツイッターで、約30年ぶりとなる米税制の抜本改革を自賛している。連邦法人税率は35%から21%に下がり、米企業の税負担は10年間で6500億ドル(約73兆円)減るとされる。だが足元では、個別株で税制改革が売り材料になる事例も出てきた。市場が注目するのは、税制改革に盛り込まれた利払い控除の上限設定と、法人税率下げに伴う繰り延べ税金資産の縮小だ。 ■英蘭シェルが反落 米税制改革法成立の影響で20億~25億ドルの費用計上へ 27日の米株式市場で、英蘭系石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルが反落。66.23ドル(前日比-0.31ドル、-0.46%)で取引を終えた。 米税制改革法の成立を受け、シェルは繰り延べ税金資産の評価額の減少に伴い、2017年4Q(10~12月期)の米税制関連の費用が20億~25億ドルになるとの見通しを示した。 企業は不採算の時期に繰り延べ税金資産を計上し、将来の税負担を軽減するために使うことができるが、税制改革により法人税率が35%から21%に大幅に引き下げられたため、繰り延べ税金資産の価値が帳簿上少なくなり、こうした費用の計上を強いられたという。  ■板硝子(5202)、今期純利益一転82%減 米法人減税で繰延税金資産を見直し 板硝子(5202)は27日、2018年3月期の連結純利益が前期比82%減の10億円になりそうだと発表した。従来予想の80億円から下方修正し、一転の減益見通しになった。QUICKコンセンサスの94億円(4社平均)からの下方かい離も一段と広がった。 22日に米税制改革法が成立し、連邦法人税率が35%から21%に引き下げられる。このため米国で発生した繰り延べ税金資産の評価額を見直すことなどが主因。売上高、営業利益の見通しは据え置いた。 今期の業績予想は下方修正したが、特に新たな現金支出は発生しない見込み。加えて板硝子は今後米国で発生する税金費用は削減されるとみている。 ■「減税開始前に積極的な損失確定の売り、対象はエネルギー関連企業などか」 グッゲンハイム 独立系運用会社のグッゲンハイム・パートナーズでグローバルCIO(最高投資責任者)を務めるスコット・ミナード氏は27日付のレポートで「米税制改革法案の可決で米景気が上振れると投資家は強気だったが、詳細と実施の時期が明らかになった。一部の投資家は自分の利益を優先して行動するだろう」と指摘した。 損失確定の売りの対象としてはエネルギー、素材、メディア関連の企業を挙げ、「負債が多い企業」とした。 米国の税制ではこれまで、企業の利払い費(支払利息)控除に制限はなかった。だが、今回の税制改革により、今後4年間は年間のEBITDA(利払い・税・償却前利益)の30%が控除の上限となる。2021年以降はさらに厳しくなり、利払い費の控除上限は年間のEBIT(利払い・税引き前利益の30%となる。 ミナード氏は「EBITDAの30%を超える支払利息を控除できないことで、負債の多い企業は影響を受けるだろう」と分析。さらに「資金調達の方法を(借り入れから)増資に移行する企業が出てくる可能性がある」との見方を示した。 【QUICKエクイティコメント&QUICKデリバティブズコメント】 ※QUICKエクイティコメント、QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

2018年初めにもiPhone値下げ? 関連株の一角が急落

台湾メディアのDIGITIMESが22日、アップルの最新スマートフォン(スマホ)「iPhone X」が米国などで予想よりも予約数が少なかったため、2017年10~12月期(4Q)の出荷数が3000万~3500万台となり、2018年1~3月期(1Q)も同水準か、さらに落ち込みそうだと報じた。 日本では供給が逼迫していると言うものの、2018年に有機エレクトロ・ルミネッセンス(有機EL)ディスプレーで2機種、液晶ディスプレーで1機種の新機種の発売を予定しているとされる中、記事では「2018年初頭にもiPhoneの価格を引き下げるのではないかと噂されている」と報じていた。 アップルの値下げ観測を受け、25日の台湾市場ではラーガン・プレシジョンが4.76%安と大幅安となった。鴻海精密やペガトロンは小安く終えた程度だったが、アップル関連の一角が急落していた。 ラーガン・プレシジョン(大立光電)の株価は急落 DIGITIMESの報道に対し、ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズは22日付のリポートで、「2017年4QのiPhone出荷台数を8120万台と見込んでいた」としながら、「このうち74%はiPhone 8、iPhone Xが占めるだろう」と指摘。新機種の出荷がホリデーシーズンで7割ほどを占めていた過去の平均値を踏まえたものという。その上で、iPhoneの平均販売価格は820~830㌦と見込まれ、現在の同社予想(763㌦、前年同期は695㌦)を上回るだろうと指摘。来年に本当に値下げが行われるかどうかについては言及しなかったが、高価格機種のiPhone Xの登場によって4Qの実績でiPhoneの平均販売価格が強い数字になる可能性を見込んでいた。 DIGITIMESの記事 https://www.digitimes.com/news/a20171222PD208.html ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米経済、物価上昇加速か 期待インフレ率上向きに サプライズ指数は6年ぶり高水準

先週発表された米経済指標は住宅関連指標を中心に、市場予想を上回る強い結果が続いた。各種経済指標の市場予想と実績値との乖離を指数化したシティグループのエコノミクス・サプライズ指数は前週末22日に84.5と、2012年1月以来、約6年ぶりの高水準まで上昇した。 これまで強い経済指標にも反応が鈍かった米BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)も1.9%台へ乗せており、将来の物価上昇加速を織り込み始めている。 エコノミクス・サプライズ指数、米BEIとも上昇基調   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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