2017衆院選 自民29%、希望18%、立憲民主18% 世論調査(JX通信調べ)

  報道ベンチャーのJX通信社が7~8日に実施した東京都内での衆院選情勢調査(第3回)で、前回比例東京ブロックで首位だった希望の党への投票意向が11ポイント下落し18%にとどまった。一方、自民党は1ポイント増の29%で首位を奪還。初登場の立憲民主党がは18%で希望の党に並んだ。共産党は3ポイント減の7%、公明党は1ポイント増の6%となった。 支持政党別では、支持する政党はないとしたいわゆる無党派層が34%、自民党が26%となったほか、初登場の立憲民主党が15%、そして希望の党が13%、共産党が5%、公明党が5%と続いた。前週比で自民党の支持率が1ポイントの微減に留まった一方、投票意向先としての数値を大きく減らした希望の党は、支持率でも3ポイント減と失速が目立っている。 小池都知事、不支持率が初めて支持率を上回る 東京都内での小池百合子知事の支持率は前週比11ポイント減の37%となり、直近2週間での下落幅は21ポイントになった。不支持率は54%と、今年1月のJX通信社の都内情勢調査開始以来初めて支持率を上回った。対する安倍政権への支持率は41%、不支持率は53%となっている。 有権者が投票にあたって最も重視する政策課題を聞いたところ、「外交や安全保障」を挙げた有権者が最も多く、23%に上った。次いで「医療や福祉」19%、「景気や雇用」18%と続いている。昨今の北朝鮮情勢の緊迫化を受けて、通常は上位に来ない「外交や安全保障」が有権者の関心事としてクローズアップされている格好だ。 調査はJX通信社がRDD(乱数番号自動生成)方式で行い、1003の有効回答を得た。 (QUICK NewsLine)  

優待の悲劇、額面5倍の豚角煮セットやQUOカード 特設サイトで確認

東京株式市場で恒例の「優待の悲劇」が2017年9月末にも発生した。前日26日に3月期や9月期決算の企業は権利確定日を迎えた。日証金はきょう27日昼、信用取引で空売りをする投資家が株式を借りる際に払う手数料「逆日歩」の前日26日分を発表した。株主優待だけを狙った「両建て投資家」には、約2万円の豚角煮セットや額面5倍のQUOカードなど割高な優待が手元に残ったようだ。 両建て取引で株価の変動リスクなく優待を確保 株主優待のある銘柄の株を買って権利を確保、同時にその銘柄に信用売りを出す。その後に買いと売りの取引を解消すると株価の変動リスクをなくして株主優待が手に入る。この「両建て取引」は株式市場で有名だ。その結果、空売りが膨らんで割高な株主優待がしばしば出現する。 5倍になった豚角煮セット、割高なQUOカード 9月26日に権利確定日を迎えた企業の最低単元の株主優待と逆日歩を比較すると、カネ美食品(2669)では3000円相当のセレクトグルメ配達便を手にするためのコストは1万7280円だった。優待の内容は「豚角煮セット」や「かに缶詰・ふかひれスープ缶詰」、「カゴメフルーツジュースギフト」だ。両建て投資家にとってはスーパーで購入するよりも5倍超も割高な食品類となった。 優待で割高になりやすいのが換金しやすいQUOカードだ。システムリサーチ(3771)の株主優待は2000円のQUOカードだ。両建て投資家にとってこの金券を手にするためのコストは1万1040円となった。成学社(2179)では1000円のQUOカードが5280円、ソネック(1768)では4320円と割高だった。 ゴルフ場の優待券など割安なケースも 一方、SANKYO(6417)では平日1万円のゴルフ場の優待券が1125円と割安に手に入った。学研HD(9470)はグループが発行する4000円相当の雑誌や書籍、キャラクターグッズに対して手にするコストは810円と割安だった。 ■QUICKが提供するQUICK Knowledge 特設サイト「株主優待ウオッチ」より ◆逆日歩(ぎゃくひぶ)とは ◆ 信用取引において信用売り(空売り)が、信用買い(空買い)を上回り、株券が足りなくなった場合、株を貸してくれる人に支払う貸株料のこと。通常の信用取引では、投資家が信用買い(空買い)をした際に徴収される金利を日歩といい、買い方が日歩を支払い、売り方が受け取る。これとは逆に、売り方が買い方に日歩を支払うことを逆日歩という。(QUICK用語集より) 【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】   ■QUICKのサービスについてはこちら http://corporate.quick.co.jp/service/professional/#forAdvisor *本情報は、現時点までの値動きの分析であって、現在または過去における有価証券の価値の情報を提供するものであり、将来における有価証券の価値(値上がり益、利子、配当等の経済的価値)に関する情報を提供するものではありません。

神戸鋼、脱踊り場の鍵は石炭火力?

※QUICKのオプションサービス「QUICKエクイティコメント」で配信された記事を再編集しています。 神戸製鋼所は9月12日に加古川製鉄所(兵庫県加古川市)で2期目の脱りん炉が8月に稼働を開始したと発表した。高炉から取り出したばかりの溶けた鉄から、不純物を取り除くための設備で、設置に90億円を投じた。自動車向けの高級鋼板などを製造するには欠かせない工程だ。これで総額1045億円をかけた加古川製鉄所の設備投資が完了したもよう。10月末の神戸製鉄所(神戸市灘区)で高炉を停止し、加古川製鉄所に集約するための準備がひととおり整ったことになるという。 <10月末で停止を予定する神戸製鉄所(神戸市灘区)の高炉>   高炉跡地に石炭火力発電所 「電力事業」を収益の柱に 神戸製鉄所の高炉跡地に建設を予定するのは石炭火力発電所だ。同社は既に隣接地で、2基の石炭火力発電所を運転している。1基目が運転を開始したのは2002年で、04年に2基目を増設。現在は140万キロワットを発電して、電力を関西電力に販売している。これだけでも神戸市のピーク時の約7割をカバーする電力だが、さらに神戸鋼は2基130万キロワットと大規模な発電能力を持つ発電所を建設する予定だ。 16年4月に発表した21年3月期を最終年度とする中期経営計画では、従来の鉄やアルミ・銅の「素材系事業」、圧縮機やコベルコ建機などの「機械系事業」に加え、新たに「電力事業」を収益の柱と位置付けた。16年7月には都市ガスを燃料に火力発電する真岡発電所(栃木県真岡市)を着工。神戸製鉄所の高炉跡地に増設する発電所についても、環境アセスメントの手続きに入っており、「収益の3本柱」化は順調に見える。   火力発電に地元住民から不安の声 ただ、ここにきて神戸鋼の株価は踊り場状態が続いている。中国での鋼材需要回復などを追い風に、JFEHDが今月14日に年初来高値を更新したのに対し、神戸鋼は7月31日の年初来高値を上回れないままだ。アナリストの間では高炉株におおむね強めの投資判断が目立つ中で、あるベテランの市場関係者が「神戸鋼は電力事業が当初の計画通り順調に進むかという点で、先行きに不透明さを感じる投資家も一部にいるようだ」とこぼしていた。   <神戸鋼とJFEHDの7月末を100とした株価チャート QUICK端末(ActiveManagerより) というのも、神戸で増設する発電所が石炭火力であることから、環境への影響を懸念する住民の声が増えているからだという。地元紙の神戸新聞が手厚く報じている。いくつか拾ってみると「石炭発電に意見書495通 神鋼公表『健康被害心配』の声も」(9月21日付)、「石炭火力発電所計画 神鋼 問われる説明姿勢」(9月20日付)、「神鋼火力発電 公害患者団体 設置是認せず 県などに要請書提出」(9月1日付)――といった見出しが並ぶ。 神戸鋼が現在、売電用に運営しているのは神戸の出力140万キロワットの発電所のみ。建設中の真岡発電所は出力124.8万キロワットの計画だ。新たに神戸で計画している発電所は130万キロワットだから、同社の出力全体で約3分の1を占める重要な発電所になる。23年3月期までに順次稼働する予定だが、建設が遅れたり、あるいは建設できないといった事態になれば、電力事業の中長期的な収益予想を大きく見直す必要に迫られかねない。 7月に4回の住民説明会 「国の計画、法を順守」 神戸鋼はQUICKエクイティコメントの取材に対し、7月に4回の住民説明会を開催したうえ、環境影響評価準備書への一般意見に対する事業者見解の提出や、公聴会への出席を通じて、住民からの意見に対応していると説明。大気汚染や二酸化炭素の排出など環境への影響についても、高効率の発電設備を導入することなどで「国の計画、法を順守していく」(秘書広報部)としている。客観的に見れば、法的に逸脱している部分がなければ、発電所建設は計画通り進む公算だ。 とはいえ足元では石炭火力発電の建設に逆風が吹いている。同じ兵庫県内でも今年4月、Jパワー(9513)が石炭火力で発電する高砂火力発電所(兵庫県高砂市)の建て替えを延期したことが明らかになっていた。売電先である関西電との交渉がまとまらなかったという。その関西電も1月、節電の浸透などを受けて当初の見込みより投資回収に時間がかかると判断し、赤穂発電所(兵庫県赤穂市)で石炭への燃料転換を取りやめたと発表した。 神戸鋼が中期計画で目指す財務指標である「ROA(総資産利益率)5%以上」「負債資本倍率(DEレシオ)の1倍以下堅持」は、21年3月期の目標。神戸の新たな発電所稼働は、ひとまず織り込まれていない。だが、中長期的な成長イメージの中に、新たに収益の柱として「電力事業」をきちんと位置づけられるのか。それを見極めるうえで今後、神戸製鉄所の石炭火力発電所計画が改めて注目される展開もありそうだ。 【QUICKエクイティコメント:山本学】 QUICKエクイティコメントはQr1などQUICK端末のオプションサービスです。端末オプションではすべてのニュースをリアルタイムでご覧いただけます。 29日までフリートライアル実施中! http://corporate.quick.co.jp/service/professional/#forAdvisor *本情報は、現時点までの値動きの分析であって、現在または過去における有価証券の価値の情報を提供するものであり、将来における有価証券の価値(値上がり益、利子、配当等の経済的価値)に関する情報を提供するものではありません。

ブラックロック、石川製株を5%超取得

米運用会社ブラックロックの日本法人のブラックロック・ジャパンが石川製(6208)株を15日までに5.36%を取得したことが22日、分かった。ブラックロック・ジャパンが22日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で判明した。 保有目的は「純投資(投資一任契約に基づく顧客の資産運用および投資信託約款基づく資産運用目的)」としている。9月上旬には北朝鮮のミサイルによる地政学リスクの高まりで防衛関連と言われる石川製などに買いが集まっていた。 (QUICK NewsLine)   ■この1カ月の石川製の株価の推移 (QUICK ActiveManagerより) ■QUICKのサービスについてはこちら http://corporate.quick.co.jp/service/professional/#forAdvisor *本情報は、現時点までの値動きの分析であって、現在または過去における有価証券の価値の情報を提供するものであり、将来における有価証券の価値(値上がり益、利子、配当等の経済的価値)に関する情報を提供するものではありません。

海外の為替プロが見る世界 どうなる?日本の総選挙、次期FRB議長

日本の総選挙や日米中央銀行の人事など投資家に転機となる可能性のある材料が相次ぐ。英米系投資銀行ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)の通貨戦略責任者、マーク・チャンドラー氏に10月下旬投開票見通しの衆院選や各国金融政策の行方、次期米連邦準備理事会(FRB)議長の予想、中長期のドル円相場の見通しなどについて聞いた。   日本の総選挙は安倍・自民党の勝利の可能性が高い ――日本では安倍晋三首相が衆院を解散し、10月下旬に総選挙に踏み切るとの見方が強まっています。どのような展開を予想していますか。 「安倍・自民党の勝利の可能性が高いとみている。主な要因は2つある。ひとつは、最大野党の民進党は足元で離脱者も出るなど勢力の縮小傾向が止まらず、東京都議選で躍進した小池百合子都知事率いる地域政党で、側近の若狭勝衆院議員らによって進められている新党結成の準備も整っていない点だ」 「次に、自民党は夏以来、スキャンダルにより支持率を落としていたが、北朝鮮問題への強い対応で巻き返している。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票や米大統領選はサプライズとなったが、一方で欧州選挙はサプライズが起きなかった。日本の選挙は後者となるのではないか」 ――安倍首相は2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げで増える財源の使途変更を主要争点に据える考えだと伝わっています。裏を返せば、消費増税を実施することを意味しますが、この判断をどう評価しますか。 「過去、消費増税後に起きたことは、景気減速と(一時的な)インフレ上昇だ。19年10月に消費増税に本当に踏み切るのかどうか確証を持てないが、賃金が上がらない中での増税は日本の景気を押し下げる。米国では国内総生産(GDP)の7割を消費が占めるが、日本も同様に高水準を占めており、現段階では増税に動くタイミングではないと考える」 ドル円相場はいずれ上昇トレンド、上昇余地は1ドル=120円程度 ■米10年債利回りとドル円の変化率   ――10年近くに渡って続いてきた世界的な金融緩和政策に変化が出てきていますが、世界経済や投資への影響をどうみますか。 「先進7カ国(G7)ではカナダ、米国が利上げを実施し、英国も今後数カ月で利上げに踏み切る可能性が高い。こうした政策転換に対して各国の中央銀行は市場との丁寧な対話で金融政策の透明性とコミュニケーションを図っており、政策転換によってボラティリティー(変動率)が過度に高まるリスクをうまく抑えられるとみている」 「日本の投資家はより利益を享受するために、今後も相対的に高い利回りが見込める海外資産に目を向けることが考えられる。ただ、米国のヘッジファンドや運用会社は米国株を始めとするリスク資産について過大評価されていると警戒している。海外リスク資産の割高感が意識され、今後の調整余地に留意する必要も出てくる中で日本の投資家は厄介な状況に置かれているといえる」 ――日米金融政策の方向性は明らかに違いますが、今年のドル円相場は円高トレンドで推移しています。現状の評価と今後の見通しを教えてください。 「2016年末は1ドル=116円台だったが、現在は110円台前半での動きとなっている。一つの要因としては、トランプ米大統領が掲げた減税や財政拡張策の実現性に対する懐疑的な見方が強かったことが挙げられる。米国の経済成長と物価上昇の加速に賭ける『トランプ・トレード』の流れで生じた円安・ドル高の巻き戻しが起きている」 「先行きのドル円相場を予想する上で日米金利差が重要だが、日銀は長期金利をゼロ%程度に誘導するイールドカーブ・コントロールを導入しており、米長期金利の行方がカギを握る。米10年債利回りとドル円の変化率をみると8割程度の相関が確認できる」 「先行きについては、米税制改正の実現や2018年の米中間選挙に向けた景気浮揚期待などを背景に米長期金利の低下トレンドが続くとは想定しづらい。また、日銀の金融緩和の流れも続く見通しで、ドル円相場はいずれ上昇トレンドへと回帰するだろう。2018年までを見通すと、ドルの上昇余地は1ドル=120円程度まであるとみている。一方、120円以上の円安が進めば、米当局によるけん制発言がドルの上値を抑えるだろう」 現FRB議長のイエレン氏が再任か ――2018年2月に任期満了を迎えるイエレンFRB議長の後任はズバリ誰だと予想していますか。 「イエレン現議長が再任される可能性が高いとみている。イエレン氏は民主党員であり、トランプ大統領が主張する金融規制の緩和などに慎重な姿勢をみせており、彼女の再任を信じていない市場参加者は多いようだ。ただ、イエレン氏は極めて適切な仕事をしており、量的金融緩和(QE)のテーパリング(段階的な緩和縮小)を進める中で経済をうまくナビゲートしている。利上げも慎重に進め、金融引き締めに積極的な『タカ派』色が強まることはないだろう」 「9月のQUICK月次調査<外為>で、日本の外為市場参加者は過半数がイエレン現議長の再任を予想しているとのことだが、とてもスマートな考え方だと思う。日銀の黒田東彦総裁も任期満了が近付いているが、物価上昇率2%目標を果たしたいと考えているのではないか。黒田総裁が再任されても驚かない」 ~聞き手はQUICKロンドン支店長 荒木朋~ ■QUICKのサービスについてはこちら http://corporate.quick.co.jp/service/professional/#forAdvisor *本情報は、現時点までの値動きの分析であって、現在または過去における有価証券の価値の情報を提供するものであり、将来における有価証券の価値(値上がり益、利子、配当等の経済的価値)に関する情報を提供するものではありません。

株式市場にノーベル賞の季節 「ペロブスカイト太陽電池」に注目

株式市場でノーベル賞関連銘柄を発掘する恒例の季節がやってきた。科学情報サービス会社の米クラリベイト・アナリティクスは20日、論文の引用数などからノーベル賞候補者22人の予想を発表した。 日本人では化学賞に桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授(64)が候補にあがった。21日午前の株式市場では薄くて軽く低コストが期待される「ペロブスカイト太陽電池」の関連銘柄の売買が盛り上がった。 「ペロブスカイト太陽電池」は産学官が協力して実用化を目指す 「ペロブスカイト太陽電池」は日本で産学官が協力して実用化を目指している。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2015年6月4日、太陽光発電の発電コスト低減に向けた新たなプロジェクトの始動を発表した。 そのうちの一つが「低コストペロブスカイト太陽電池の技術開発」だ。15年時点での同技術の採択先は早稲田大学や東京大学のほか企業ではパナソニック(6752)、東芝(6502)、積水化学工業(4204)、アイシン精機(7259)、富士フイルム(4901)だった。 NEDOが15年に発表した同プロジェクトでは20年までに発電コスト14円/kWhを実現する太陽電池モジュール、30年までに7円/kWhを実現する技術の確立を目指している。 ノーベル賞候補の宮坂教授が所属のベンチャーも脚光 ノーベル賞候補となった桐蔭横浜大学の宮坂教授が取締役を務める、同大学発ベンチャーのペクセル・テクノロジーズ(横浜市)も脚光を浴びている。 宮坂教授が取締役のペクセル社は光電変換技術の実用化に取り組む大学ベンチャー企業として2004年に発足した。ペクセル社はかつて藤森工(7917)や昭電工(4004)と「色素増感型」と呼ばれるタイプの太陽電池を共同開発していた。 21日午前の株式市場では藤森工は前日比9%高まで上げる場面があった。太陽電池に関連する銘柄に幅広く買いが入り、太陽電池の製造販売を手がけるエヌ・ピー・シー(6255)は前日比8%高まで上昇する場面があった。 2015年6月9日時点の基礎研究の分野における科学研究助成事業の研究成果報告書によると、ペロブスカイト関連化合物の産業財産権を持つ稀元素(4082)は前日比16%高まで買われた。 ノーベル賞関連銘柄の売買は短期的な傾向 株式市場ではノーベル賞関連銘柄の物色は秋の定番行事で、株価の上昇後に利益確定売りが急激に進み、中長期では影響がない場合も多い。 16年はノーベル生理学・医学賞を東京工業大学の大隅良典栄誉教授が受賞、関連銘柄とされたタカラバイオ(4974)やコスモ・バイオ(3386)、医学生物学研究所(4557)の株価は急騰後、1週間も待たずに急落した。 17年のノーベル賞は生理学・医学賞が10月2日、物理学賞が3日、化学賞が4日にそれぞれ発表される。 ■QUICKのサービスについてはこちら http://corporate.quick.co.jp/service/professional/#forAdvisor *本情報は、現時点までの値動きの分析であって、現在または過去における有価証券の価値の情報を提供するものであり、将来における有価証券の価値(値上がり益、利子、配当等の経済的価値)に関する情報を提供するものではありません。 【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】

「投資しながら貯める」資産形成の背中を押すフィンテック        ―QUICK資産運用討論会FIN/SUM(フィンサム)スペシャル―

QUICK資産運用研究所は9月19日、東京・丸の内で「QUICK資産運用討論会FIN/SUM(フィンサム)スペシャル」を開いた。日本経済新聞社と金融庁、Fintech協会が主催する「FINtech/SUMmit WEEK2017」のワークショップとしての開催。 200席近い会場がほぼ満席となり、金融とテクノロジーを融合したフィンテックが日本の資産運用を変える「切り札」になるか、金融庁をはじめ各界の代表者が熱のこもった意見を交わした。     金融庁参事官「多くの国民には『投資は貯めてからするもの』と思い込み」 討論は「資産運用はなぜ広がらないか」「マネーの流れを変えるには」「フィンテックは背中を押してくれるか」という3つのテーマに沿って進んだ。 今回の討論会ではフィンサムならではの試みとして、会場参加者にスマホを通じてアンケート調査する「参加型のパネルディスカッション」のスタイルを取った。 金融庁参事官の油布志行氏は「多くの国民には『投資は貯めてからするもの』との思い込みが染みついている。実際のところ、それでは将来の資産形成は難しい」との考えから、マインド(意識)を「投資しながら貯める」に変える政策の意味合いを説明。来年からスタートする「つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)」を通じた資産形成への取り組みの広がりに期待を寄せた。 回答者47人「金融機関は信用できる」がゼロ ロフトワーク代表取締役の林千晶氏は個人と金融機関との距離感を指摘した。金融機関の信頼性に関して会場参加者にスマホで回答を募ったところ、47名の回答者のうち「金融機関は信用できる」とした回答はゼロで「あまり信用できない」は20人ほどだった。フィンテックで金融機関がより身近になる余地は大きそうだ。 「高齢者だけを相手にした投資信託の販売ビジネスモデルはいずれ行き詰まる」というレオス・キャピタルワークス代表取締役社長の藤野英人氏は「金融庁は長官が『10年後の未来から舞い降りたターミネーター』として先頭に立ち、資産運用業界の将来を見据えた政策を立案している」と評価した。 フィンテックのアイデアがこれから具体化 日本でベンチャー企業を立ち上げたオーストラリア出身のマネーツリー代表取締役のポール・チャップマン氏は豪州と比べた日本の投資教育の不十分さについて問題提起。藤野氏は投資教育のはじめの一歩として個人が「働くことの素敵さ」を再認識することが不可欠であり、投資されるような会社であってこそ会社は素敵になるとの考えを披露した。 個人が安心して「投資しながら貯める」資産形成を始める――。そんな動きを後押しする様々なフィンテックのアイデアがこれから具体化してきそうだ、との認識を深める討論会になった。 (QUICK資産運用研究所) ◆QUICK資産運用討論会FIN/SUMスペシャル◆ 【テーマ】「フィンテックが変える日本の資産運用」 【日 時】2017年9月19日(火) 16:00~18:00 【場 所】新丸の内ビルディング9階 コンファレンススクエア Room901 【登壇者】パネリスト(50音順) ◯ポール チャップマン 氏(マネーツリー 代表取締役) ◯林 千晶 氏(ロフトワーク 代表取締役) ◯藤野 英人 氏(レオス・キャピタルワークス 代表取締役社長) ◯油布 志行 氏(金融庁 参事官) モデレーター ◯北澤 千秋(QUICK資産運用研究所長)

1時間睡眠? 寝袋? 大槻さん、アナリストのお仕事って大変ですね  

理論派、賢そう、高給取り――。アナリストという職に対する一般的なイメージは、おおよそこんな具合だろうか。発する一言、レポートに記載した一文が相場を動かす影響力を持つこともあり、金融業界では花形の職業のひとつとされる。しかし、実際は異なる。華やかさとは裏腹に肉体労働で機関投資家の厳しい評価にさらされる毎日だ。「金融女子」としてキャリアを積み上げてきた著名アナリスト、マネックス証券の大槻奈那さんに聞いた。   信託銀行でキャリアをスタート、バブル崩壊後に不良債権の現実に直面 「外資系証券でアナリストをしていた当時は朝5時に出社し、夜中の1~2時まで働いていました。繁忙期は寝袋持参で1時間睡眠のこともあったんですよ」。現在マネックス証券でチーフ・アナリストを務める大槻奈那さんだ。穏やかな風貌の大槻さんがこんな激務をこなしてきたとは、とても思えない。なぜ金融業界に足を踏み入れたのか・・・。    大槻奈那さん キャリアは日本経済がバブル景気に沸く頃、三井信託銀行(現:三井住友信託銀行)の総合職としてスタートした。女性の総合職は当時珍しく、約110人の新入社員のうち、わずか3人だったという。新橋支店の融資課に配属され、不動産・建設会社を中心とした法人営業を担当した。 信託銀行を就職先として選んだ理由はシンプルだ。都銀に比べ広範な業務ができて極端な地方転勤がないこと。「(東京大学)文学部卒業だったうえ、短期留学で活動が遅れたので都銀への就職は厳しいと思って・・・」(大槻氏)とは言うが、若いころから不動産に興味があった点も信託銀の門をたたいた動機の1つだという。 時代はバブル末期。不動産価格は説明不可能なほど高騰した。そして崩壊の序曲が奏でられると、おのずと返済が厳しさを増す債務者との面会が増えた。財務内容が悪化している企業経営者たちに売却すべき資産などについて助言するようになった。経営的には深刻な状況だったがバブル崩壊直後だったこともあり、売却した資産で利ざやを稼げるケースも多く、こうした経営者たちにはなぜか活気があったという。クレジットアナリストの道を歩むスキルを結果的に磨き始めたのはこの頃からだ。その後は、銀行で不良債権処理業務に携わり企業の信用評価のスキルを積んだ経験を生かし、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパンに転職した。   リアルタイムで善し悪しが判断されるブローカーズポイント 新聞やテレビ・雑誌などに登場することも多いアナリスト。華やかに見えるものの、「シゴト」としては決して楽ではない。証券会社のアナリストは、お客さんにあたる運用会社による評価がすべてといっても過言ではない。お給料のほか社内的なポジションも大きく左右される。証券会社と運用会社の間にはアナリストの評価システムが構築されており、ほぼリアルタイムで更新される。「毎朝、パソコンの画面に出るんですよ。私の評価がどうなっているのか。もちろん下がっていることもあります・・・それがキツくて。評価を下げた方が誰かも何となくわかりますから。精神的なプレッシャーは相当なものでした」 運用会社が証券会社に支払う手数料は主に「ブローカーズポイント」というポイント制で決まる。このポイントの中にはアナリストが執筆するレポートやコメントも含まれる。それらに対して悪い評価が続けば自社の売り上げに悪影響を及ぼしかねない。高まるプレッシャーが睡眠時間を削ることになった。 画像はイメージ   突っ走ったキャリアの道、その傍らにある1つの後悔 社会人になってから寝る間も惜しんでキャリアを積み上げていった大槻さん。インタビューの中でプライベートに関する質問を投げかけてみると、直後に出てきたのは「後悔が1つあるんです」という一言だった。それは「子供を生まなかったこと」だという。仕事で脂が乗るにつれ、子供という選択肢の優先順位は自然と低くなっていったうえ、当時は子供を持つことへの関心も低かった。時が経つにつれ「親族の子供などを見てふと感じたことがあったんです。感じたことのない愛情を持てたのかもしれない、と」。 現在は名古屋商科大学の経済学部で教授として、将来日本経済や金融業界を担うであろう若者たちに金融システムや、国際金融などについて教えている。今回のインタビューは女子大学生や若い女性社会人に向けた「先輩」からのメッセージになると意識していたようだった。   MiFID2でアナリスト半減!? アナリストとしてはベテランの大槻さんが今、危惧している事があるという。それは人工知能(AI)の台頭と、欧州で来年からスタートする新金融規制「第2次金融商品市場指令(MiFID2)」だ。この規制は、運用会社がこれまで証券会社などに支払っていた費用を金融商品の売買手数料と、調査費に分離して管理・開示することが求められるというもの。投資家保護が目的だが、費用が明らかになることで調査レポートなどの必要性が問われ、結果としてアナリストが淘汰される懸念がある。 大槻さんはAIに仕事を奪われる前に新規制により世界のアナリストが半減してしまうかもしれないという。しかし、それよりも大手の機関投資家と一般投資家との間に生まれる情報格差を心配している。「これからのアナリストは情報格差を埋めることがより一層求められるでしょう」と、大槻さんは話す。 【QUICKコンテンツ編集グループ:根岸てるみ、岩切清司】

任天堂スイッチからAI時代の必需品に エヌビディア日本法人代表に聞く

株式市場では世の中の技術革新に合わせていくつも大きなテーマが立ち上がる。人工知能(AI)や自動運転、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」に医療や次世代ゲーム。米半導体大手のエヌビディアはこの多くの分野で技術の中核を担っている。 エヌビディアはゲームの画像処理半導体(GPU)のメーカーとして1993年に創業した。1999年1月22日に米ナスダックに上場したエヌビディア株の初値は1.75ドル、約20年が経過した今では170ドル前後と100倍にもなった。 足下では任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」などゲーム向けとデータセンターのサーバー向けのGPUが好調だ。エヌビディアの強さの源泉はどこにあるのか。日本法人の代表で米国本社副社長も兼ねる大崎真孝氏に聞いた。 ただの半導体メーカーではなくシステムまで一貫して手がける ――エヌビディアとはどんな会社でしょうか 「半導体のハードからシステムまで一貫して手がけるAIコンピューティングカンパニーだ。他の半導体のチップメーカー、システムを提供する会社などとは大きく異なる」 「当社の従業員は1万1000人で、そのうちエンジニアが8000人だ。ハードのエンジニア3500人に対してソフトのエンジニアは4500人。半導体のメーカーでここまでソフトのエンジニアを抱えている会社はいないだろう」 ――会社の強みはどこにありますか 「ゲーム用のGPUの高い演算能力がスパコンなどにも使われるようになり、今ではAI開発の現場のプラットフォームになっている。AIの技術を開発するベンチャーたちが利用しているのも当社のプラットフォームだ」 「自動運転であれ医療であれ、AIの現場で起きているのは、多くのデータを学習しそれにより認知・判断するディープラーニング(深層学習)が主流だ。膨大なデータ量を扱うため、逐次処理のCPUよりも大規模並列処理のGPUが適している」 技術革新の早いAIの世界では専用品より標準品 (AI開発のプラットフォームになるエヌビディアのGPU) ――エヌビディアのGPUにはどんな特徴がありますか 「当社が提供しているGPUはAIの特定用途に向けた専用製品ではなく標準製品だ。今のAIの世界は技術革新の進化が早すぎて専用のチップを作り込んでもすぐ陳腐化してしまう。10~20年後にAIの進化のスピードが成熟化すれば特化型の半導体も活躍する場が出るかもしれないが、現状では標準製品がベストだろう」 ――標準品である強みとは 「エヌビディアのGPUは『CUDA』という並列プログラミングの統合開発環境を提供している。エンジニアはスーパーコンピュータからロボット、自動運転車などに搭載されるGPUまで同じコードが使える。これがソフトを含めた標準環境を有する標準製品の強みでエヌビディアのすべての製品は同じソフトウエアが走る」 「CUDAは世界中の1000を超える大学の講座で教えられている。このCUDAを習得したコンピュータサイエンティストたちが昨今のAIの潮流を作っていると言っても過言ではない」 世界で引く手あまた、日本の技術をリスペクト (エヌビディアが提供する自動運転車向けAI車載コンピューター) ――自動運転では欧米メーカー、トヨタとも提携しました 「実は自動車メーカーとの歴史は長い。10年前から車のカーナビの分野ではパネルの画像の部分を担当してきた。自動運転の技術が進んできてからメーカーと組み始めたのではなく、必然的な流れでの提携も起こっている。自動運転に関して既に100社以上のパートナーと提携をしている」 ――大手企業から新興市場の企業までエヌビディアとの提携を発表しています 「先方や他社との関係もあり、発表されている提携はあくまで一部にとどまる。公表されているよりも多くの企業が当社の技術を利用している」 ――今後、注力する分野はどこになりますか 「当社にとってAIは最重要分野だ。ただしゲームや映画、あらゆる分野での設計の現場での画像処理技術の分野も凄まじく成長する。環境配慮型都市のスマートシティーなどビジュアリゼーション(物や現象の可視化)とAIの融合といった新たな技術も生まれつつあり、エヌビディアは多くの分野に力を注いでいく」 ――会社として日本市場をどう見ていますか 「当社は日本をアジアの一つの国ではなく、独立した『日本部門』として重要視している。それは日本の技術をリスペクトしているためだ。日本はゲームや自動車、医療、ロボットなど多くの部門で世界トップクラスの技術を持っており、まだまだ伸びていくだろう」   大崎真孝(おおさき・まさたか) 1991年近畿大学理工学部卒業後、半導体の製造・販売の日本テキサス・インスツルメンツ株式会社に入社。エンジニアと営業を経験した後、米国本社に異動して事業開発を担当した。2010年に首都大学東京経営学博士前期課程を卒業(MBA)、2014 年にエヌビディアに入社した。 現在はエヌビディア日本法人代表兼米国本社副社長として日本におけるAI コンピューティングの普及に注力している。 【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】

ビットコイン、11月に再分裂も? 国際通貨研の志波氏

「ビットコインに再分裂の火種がくすぶっている」。こう指摘するのは公益財団法人国際通貨研究所の志波和幸主任研究員だ。8月の分裂騒動を機に取り決められた事案が守られず、一部の関係者の間で不満が生じているという。 8月のビットコインの分裂騒動が持ち上がった背景には、取引増加にシステムが対応できず、ビジネスの収益機会を逃していることに関係者が不満を抱えていたことがあると、志波氏は説明する。この不満を解消するため、A案とB案が提示されたが決まらず、最終的に折衷案が採用された。折衷案とは、急増するビットコインの取引を成立させるため、まずはデータ圧縮プログラムを導入するA案を実施し、一定期間後に処理容量を増量する(今回は1メガバイトから2メガバイトに倍増)B案を実行するという2段階の対応を指す。ビットコインの多くの関係者がこの折衷案を支持したが、一部が反対。この結果、8月2日にビットコインからビットコインキャッシュが分裂・誕生した。 その後、ビットコインについてはA案まで実行されたが、それと同時にB案のプログラムをあらかじめ導入したサーバーを開発関係者がビットコインシステムにアクセスできないようにした。容量の引き上げは11月半ばを予定していたため、当初から「折衷案」を支持していたグループの主導のもと、その時期が近づくにつれ再び分裂騒動が高まるかもしれないと志波氏は予想する。「実際に一部の取引所からも不満の声が上がっている」(志波氏)という。 なお、国内の大手取引所ビットフライヤー(東京・港)によると、1ビットコインあたりの価格は9月4日時点で52万円を挟んで推移し、分裂後に約8割上昇している。ただ、志波氏は「外国為替とは異なり、ビットコインの理論値を算出する方法が現時点で見いだされておらず、割安なのか割高なのか判断することは難しい。一方、8月に分裂したビットコインキャッシュの流通を促している関係者は、その利便性などの説明責任を充分に果たしていない」と指摘する。 公益財団法人国際通貨研究所  志波和幸 主任研究員 <プロフィール> 1969年東京生まれ。 東京大学経済学部卒業。 1992年三菱銀行(現:三菱東京UFJ銀行)入行後、 国内外営業及び融資審査、ディーリング業務、持株 会社(三菱UFJフィナンシャルホールディングス) で信用リスク管理業務に従事。2016年2月より現職。

話題のサービス「VALU」 法的な立ち位置は、リアルマネートレードの側面も

個人の価値をネット上で売買するサービス「VALU」が話題になっている。5月に始まったVALUは実業家の堀江貴文氏ら著名人の参加で利用者が急増した。8月には人気ユーチューバー・ヒカルさんのVALU内での価値が思惑により高騰した後に暴落。一連の騒動でヒカルさんは取引で得たビットコイン(5465万円相当)で「自社株買い」を行うと宣言する流れになっており、VALUの法的な立ち位置が議論になっている。 VALUは「無名の個人を支援していくサービス」 「だれでも、かんたんに、あなたの価値をトレード」。VALUはウェブサイトでサービスをそう紹介している。利用者はサービス内で自分の「VA」を発行でき、そのVAは参加者たちに取引されて価格が変動していく。VAを購入するためには仮想通貨のビットコインが必要だ。 サービスの狙いについて運営会社バリュの小川晃平代表は「夢を持った無名の個人に対して、多くの人が支援していくサービスができれば良いと思っています」と話す。VAの購入は発行者への支援という立てつけだ。 VAの発行者は保有者に対して「優待」を設定できる。VAの発行者は保有者向けサロンや情報提供などが可能だ。優待は義務ではなく、規約では「換金性の高いものや、金銭的な見返りの約束などを行うもの現金、BTCを含む仮想通貨、電子マネー」などを禁止している。 新サービスの資金調達は金商法に該当するのか VALUでは個人が不特定多数を相手にビットコインを媒介にして資金調達ができる。株式市場の個人版という形に見えるため、金融商品取引法(金商法)に該当するのではないかとの議論が起きている。 それぞれの資金調達が金商法の対象になるかどうかについて金融庁は「株式市場に似ているかどうかではなく有価証券に該当するかどうかで判断する」と説明する。 金商法には投資性の強い商品に対する包括的な定義として「集団投資スキーム(ファンド)持分」がある。特定の資金調達が集団投資スキームに当たった場合は有価証券とみなされて金商法の規制対象となる。 有価証券と見なされる集団投資スキームの3要件に当たらずか 集団投資スキームに該当するかどうかの判断に重要なのが3つの要件だ。①金銭などで出資が行われる、②その出資で事業を行う、③出資対象事業が生み出す収益の配当や財産の分配がある、の3つに分類できる。 VALUでVAを発行して調達した資金で事業を行えば①と②の要件が該当する。ただ、VA発行者が優待を実施しない場合は③の「収益の配当や財産の分配」が該当しない。優待を実施している場合の判断は難しいがVALUでは優待について直接的な金銭の提供を禁止している。 インターネットで小口資金を集める手法としては「クラウドファンディング」が既に広がっている。クラウドファンディングでの金商法の規制について金融庁は「寄付型か投資型かなどそれぞれの中身を見て判断している」と話す。VALUでも実質に応じて判断する必要がありそうだ。 サービス内でのポイント売買はRMTの側面も VAが有価証券に該当しない場合、VALUは無名の個人や堀江貴文氏らの名前を冠したポイントを売買して楽しむサービスとも言える。発行されたタイミングでのVAの購入は発行者への支援の側面がある。一方で、既に発行されたVAの売買は発行者本人と関係ない取引にもなりうる。 VALUでVAを購入するためにお金を使う行為は多くのスマートフォン(スマホ)アプリでゲーム内のアイテムを手にする「課金」と同じだ。ただ、VALUではサービス内に課金したモノを売買し、ビットコインを通じて再び現金化できる所に特徴がある。 特定のサービス内でのポイントを購入、その後に現金化できるVALUの形式はリアルマネートレード(RMT)とも言える。西村あさひ法律事務所の平尾覚弁護士は「RMTは法律上は違法とされていないが、規約の内容によっては規約違反となる」と話す。VALUにおいてRMTは規約違反とならない。 新しいサービス、意義や法律の議論が続く 金商法は投機性の強い金融商品に対しての投資者保護を目的としている。ただ、金融商品ではない投機的なモノに対しては消費者契約法や風営法など他の法律も存在する。 麻生太郎財務・金融相は8月15日にVALUについて「消費者保護と新しいものを育てることの両方を考える必要がある」との見解を述べた。VALUは個人が資金調達をする新しい形式に育つのか。新時代の資金調達方法と法制度の議論も交えて、VALUの注目度が高まっている。 【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】

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