株、急伸後も上値追う海外投信 トレンド重視のCTA買いが追随

いきなり700円高で始まった2018年の日経平均株価は、急伸翌日である5日も続伸した。海外の投資信託のなかでも市場平均を上回る運用成績を目指す「アクティブ型」のファンドが、日本株にまとまった買いを入れているとの指摘がある。彼らの上値追いにトレンド重視の商品投資顧問(CTA)の買いが追随し、大幅高の反動で出た短期的な利益確定の売りを吸収したようだ。 5日の日経平均は前日比208円高の2万3714円と続伸し92年1月6日以来、26年ぶりの高値を付けた。年初から2日間合計の上げ幅は949円と1000円に迫った。 4日の意外高を巡っては、株価指数先物への大口の買い戻しがけん引したとの見方があった。米シティグループが日経平均先物を2400枚、TOPIX先物を1600枚、日中取引でそれぞれ買い越していた。「シティがこれほど買い越すのは珍しい」と話すある外資系証券のトレーダーは「年明け後の相場下落を想定していた売り持ち高を慌てて買い戻した投資家がいるのではないか」と推測する。 損失覚悟のショートカバー(買い戻し)が4日の株高を加速したとすると、翌日は行き過ぎた上昇の反動で利益確定の売りが出るのは自然だ。それでも5日の日経平均が続伸したのは「年明けで期初の新規資金が集まった欧米の機関投資家が日本株にも買いを入れているため」(国内運用会社の売買担当者)という。 そのヒントとなるのが、連日で取引終了間際に入った買いだ。4日は終了までの1分間で東証1部の終日の売買代金である3兆2700億円の1割を超える4000億円の取引が成立した。5日も同じ時間帯に終日の3兆100億円の約13%にあたる3800億円の取引が成立した。 4日は取引終了後の15時35分に立会外取引で、花王やアサヒ、ホンダ、ブリヂストンといった日本を代表するような26銘柄に計474億円の買いも入った。取引終了間際やその後の立会外での買いは、海外投信からとの見方が有力だ。 海外勢は世界的な景気拡大を手掛かりに、景気変動に業績が連動しやすい日本の景気敏感株を買っているとみられる。5日の東京市場では、デンソー株が上場来高値を更新して初めての7000円台に乗せ、時価総額が初めて6兆円を上回ったファナック株も上場来高値を付けた。ソニーやパナソニックも上昇が目立った。   株高に弾みを付けているのが、ヘッジファンドの一種であるCTAだ。野村証券の高田将成クオンツ・ストラテジストは「日経平均が2万3000円を超えたことで上昇トレンドが続くとみたCTAは当面、買い持ち高を増やすだろう」と読む。CTAが重視するのは相場の方向性で「上がるから買う、買うから上がる」という循環になりやすい。値幅の大きさから相場の流れに逆らう逆張りで信用取引の売りを出す投資家は、劣勢に立たされる可能性がある。 【日経QUICKニュース(NQN) 張間正義】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

アジア株急伸 景気指標が改善、中国の金利低下も好感

アジア市場で年初から株高が続いている。香港のハンセン指数が10年ぶりの高値を付け、中国本土や東南アジアでも主要な株価指数が軒並み高値圏にある。年末年始に発表された経済指標が総じて堅調な内容となり、好感した買いが広がった。資金流出懸念が後退し、中国では金利上昇が一服。ガバナンス改善期待につながる国有企業の改革など新興国特有の買い材料もある。米株高を追い風に投資家の買い意欲が戻ってきた。 香港のハンセン指数は2日に2%上昇して3万ポイントの大台を回復。足元で約10年2カ月ぶりの高値圏で推移している。上海総合指数も4日午前まで5日続伸し、今年に入って2%高となった。 中国メディアの財新などが4日発表した2017年12月の中国の非製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月から2.0ポイント上昇の53.9となり、14年8月以来、3年4カ月ぶりの高水準となった。2日発表の財新製造業PMIも0.7ポイント上昇の51.5と、4カ月ぶりの高さだった。輸出が好調なほか、内需をみても主要都市で不動産販売が伸びている。 中国の金融市場での資金需給の引き締まりへの警戒も後退した。中国人民銀行(中央銀行)は17年12月29日に、18年の旧正月(春節)で金融機関の資金需給が逼迫した場合に備えて、預金準備金のうちの2%を大手銀行が引き出せる臨時措置を発表。昨年末に4.9%超だった上海銀行間取引金利(SHIBOR)1カ月物は今年に入って4.6%台まで急激に低下した。 香港市場では、中国の証券監督当局が香港に上場する中国の国有企業について、市場で取引されない「非流通株」を一部の銘柄で試験的に売買可能にすると発表したことも買い材料視された。「政府の持ち分の減少で企業統治(コーポレート・ガバナンス)の改善が期待されるほか、流通株に基づいた時価総額の増加でハンセン指数などに占める比重も増えて資金流入につながる」(大和キャピタル・マーケッツ香港の熊力ストラテジスト)との声が出ている。 足元では東南アジアの年初の株式相場も堅調さが目立つ。高成長や経済改革を評価する買いが続いている。2日に発表されたシンガポールの17年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比3.1%増だった。ハイテクを中心とした製造業が好調で市場予想(2.6%増)を上回る高成長となったことを好感し、シンガポールの主要指数のST指数は4日午前時点で昨年末から2%上昇している。 輸出が好調なタイでは、タイ総合指数が3日に24年ぶりに過去最高値を更新した。ベトナムのVN指数は3日まで8日続伸し、1000ポイントの大台を突破。国有企業の民営化など経済改革への期待感が高く、海外投資家の買いを誘っている。フィリピン総合指数も3日まで6日続伸し過去最高値を更新するなど、ここへ来て急速に買いが強まっている。 直近は米ドルが主要通貨に対して売られており、米国の税制改革や利上げによる新興国からの資金流出懸念も後退した。台湾ドルは4年2カ月ぶり、シンガポールドルは2年8カ月ぶりの高値を付けた。人民元も4カ月ぶりの高値圏にある。米株高が続くなか、投資家の目はひとまず世界景気の回復やアジアの制度改革といった好材料に向いている。 【日経QUICKニュース(NQN ) 柘植康文、依田翼】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

膠着強める円相場 乏しかったサプライズ、HFT席巻で振れにくく

2017年の円相場は膠着感を強めたまま終わろうとしている。年間値幅は11円28銭(107円32銭~118円60銭)と、昨年16年の22円70銭(99円ちょうど~121円70銭)の半分以下しかない。16年に日銀のマイナス金利政策導入や英国の欧州連合(EU)離脱決定、「トランプ相場」などのサプライズ(驚き)が相次いだのに対し、17年は静かだった。小刻みに売り買いを繰り返すHFT(高頻度取引)の席巻もあって相場は振れにくくなっている。 将来の為替レートを予測する通貨オプション市場で、円の対ドル相場の予想変動率は29日8時時点で6.0~6.7%程度と、今年の最低水準で推移している。10月以降の直物相場は1ドル=111~114円台のレンジを結局抜け出せず、18年にかけてどちらかに大幅に振れるとの展望もまだ描けない。米追加利上げの可能性が意識される2カ月物、3カ月物は高めだが、それでも7%台にとどまる。 需給面では日本の貿易黒字を背景にした円高圧力がコンスタントにかかってくるものの、国内輸出企業が円の手当てを急いで円高・ドル安が加速する可能性は今のところ低い。日銀が18日に発表した12月調査の企業短期経済観測調査(短観)全容によると、事業計画の前提となる2017年度通期の想定為替レートは大企業製造業で1ドル=110円18銭だった。輸出企業が多い自動車と加工業種はそれぞれ110円20銭、110円08銭といずれも足元の112~113円台よりも高い。落ち着いて円買いの先物予約や円のコール(買う権利)オプションを通じた為替リスク回避(ヘッジ)を進められる状況といえる。 そんな中で欧米ヘッジファンドなどの投機筋のHFTが幅をきかせている。HFTに用いるコンピューターは今年、インターネット上の仮想通貨ビットコインなどのマイニング(採掘)競争によって格段に速くなった。マイクロ秒(1マイクロ=100万分の1)を超えるスピードで次々と注文を出し、円高、円安双方向に厚い壁を作る。 極めて狭い値幅で勝負するHFTは、相場が動かなければ動かないほど都合がよい。狭いレンジに収まる円相場がHFTのさらなる流入を招き、変動率を押し下げるサイクルも生まれている。 18年はどう見通すべきだろうか。市場参加者の多くは米金融政策をメインテーマとして挙げるが、物価上昇率の鈍さから「米連邦準備理事会(FRB)の利上げは、してもゆっくり」との観測が強い。そうなると日米金利差の拡大余地も限定的で、リスクに敏感な国内投資家などが円売りを膨らませるためのハードルはかなり上がる。 円の低変動率を嫌気する国内の個人投資家の一角は既に取引を離れ、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨に移っているようだ。今も外為証拠金(FX)取引を続けている個人投資家は、比較的狭いレンジの中で相場の流れに逆らう「逆張り」の手法が多い。円相場の膠着は長期化するかもしれない。 【日経QUICKニュース(NQN ) 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

健闘した日本の中小型株 17年、世界34指数で上昇率2位

2017年は世界の株式市場で日本の中小型株の健闘が目立った。日経ジャスダック平均株価の昨年末から前日27日までの上昇率は43.7%に達し、世界の主要34株価指数の中で比較すると、上昇率は2位だった。27日には1990年7月以来約27年ぶりの高値を付けた。好業績で独自の経営ノウハウを持つなど、小粒だがキラリと光る銘柄に個人や外国人の資金が流入した。 世界の主要株価指数で上昇率が最も高かったのはアルゼンチンのメルバルの72.6%だが、日経ジャスダック平均はこれに次ぐ。米国の代表的な中小型株指数であるラッセル2000は13.8%にとどまった。 いちよし証券投資情報部の宇田川克己課長は「業績が改善したマクドナルドが代表するような伝統銘柄の復活が貢献した」と分析する。マクドナルド株は今年1年で64.7%上昇した。 岡三証券の小川佳紀日本株式戦略グループ長は「業績の裏付けがあり、株価が上昇しているジャスダック銘柄に海外機関投資家の目が向かった」と話す。 代表例は、100円ショップ大手のセリアで72.8%上昇した。POS(販売時点情報管理)データを活用するなど、他社にない経営ノウハウを持つうえ、最近はDIY関連商品を中心に女性客の開拓にも積極的だ。QUICK・ファクトセットによれば、米運用大手キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメントの保有比率は昨年末の3.84%から直近は6.42%に上昇した。 株価が2.3倍になったハーモニック・ドライブ・システムズにも外国人の買いが目立った。同社はロボットや半導体製造装置向けの減速機を手掛ける。 過去は、日経ジャスダック平均は日経平均にほぼ連動するケースが多かったが、日経平均の年初来の上昇率は19.9%にとどまり、昨年末以降は2つの指数の勢いに差がみられる。海外勢は日本の大型株は一通り保有しており、物色の裾野を広げる動きは来年も続くとみられる。 世界の主要34株式指数の上昇率ランキング 1位 メルバル(アルゼンチン)       72.6 2位 日経ジャスダック(日本)       43.7 3位 BIST100(トルコ)         43.5 4位 ハンセン(香港)           34.5 5位 東証マザーズ(日本)         30.9 6位 ナスダック総合(米国)        28.9 7位 SENSEX(インド)        27.4 8位 ボベスパ(ブラジル)         26.3 9位 ペルーゼネラル(ペルー)       25.9 10位 ダウ工業株30種平均(米国)      25.4 11位 BUX(ハンガリー)          22.5 12位 NZX50(ニュージーランド)      21.7 13位 EGX30(エジプト)          20.7 14位 OBX(ノルウェー)         20.5 15位 TOPIX(日本)          20.5 16位 韓国総合(韓国)           20.2 17位 日経平均(日本)           19.9 18位 S&P500(米国)           19.8 19位 ジャカルタ総合(インドネシア)    18.5 20位 FTSE/JSEトップ40(南アフリカ)18.4 21位 ST(シンガポール)         17.7 22位 FTSE MIB(イタリア)     15.4 23位 SMI(スイス)           14.7 24位 DAX(ドイツ)           13.8 25位 ラッセル2000(米国)          13.8 26位 加権(台湾)             13.3 27位 CAC40(フランス)         10.4 28位 オールオーディナリーズ(豪州)      7.9 29位 FTSE100種(英国)          6.7 30位 IPC(メキシコ)            6.6 31位 TA125(イスラエル)           6.1 32位 S&P/TSX総合(カナダ)       6.0 33位 上海総合(中国)             5.6 34位 RTS(ロシア)            ▲0.3 (注)指数は一部略称、昨年末から27日までの騰落率(一部26日時点)、▲は下落。 【日経QUICKニュース(NQN) 太田明広】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

止まらぬ原油高、OPEC減産「出口」に現実味 はらむ急落リスク

国際商品市場で原油相場が急伸した。中東の産油国リビアでの原油パイプラインの爆発を受け、供給不安が高まった。ニューヨーク(NY)原油先物が2年半ぶりに1バレル60ドルの大台を突破したことで、2018年は石油輸出国機構(OPEC)がこれまで続けてきた減産の「出口戦略」に動くとの観測も浮上している。 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物 リビアの原油パイプライン爆発は武装集団によるもので、日量で最大10万バレルの供給が失われるとみられる。OPECの月報によると11月のリビアの産油量は97万バレルで最大でも1割程度の減少と影響は少ないようにみえる。だが、爆破されたとなれば復旧には相当の時間を要するため、影響の長期化が懸念されている。 最近では米国がエルサレムをイスラエルの首都と認めたことに対してイランが反発するなど中東情勢は油断ならず、地政学リスクがにわかに高まった。北半球での冬場の暖房向け需要も重なって需給の引き締まり観測が広がり、NY原油先物は26日に一時1バレル60.01ドルと、約2年半ぶりの高値を付けた。中東に近い国際指標である北海ブレント先物は67ドル台まで上昇した。 相場急伸を受け、18年に向けては「OPECが減産政策の『出口戦略』を始める」(フジトミの斎藤和彦チーフアナリスト)との観測が出ている。OPECはロシアなど他の産油国とも協調しながら足元で計日量180万バレル程度の減産をしている。今年11月の定例総会でも減産を18年末まで延長することで合意した。だが同総会で示唆した18年6月総会での政策見直しが、急速に現実味を帯びてきた。 米国産のシェールオイル輸出は増加しており、相場回復でさらに生産が増える可能性が高い。米産シェールとのシェア争いを見越し、中東産油国で減産ムードが低下するのは避けられそうにない。 政策見直しとなれば各国の減産幅をどの程度縮小させるか調整が難しいため、減産継続か打ち切りかの2択となる可能性が高い。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之主席エコノミストは「来年6月の総会で減産打ち切りを決めるにしても『1年後をめど』などと時間軸に余裕を持たせる可能性が高い。だが、政策転換に伴う相場の急落リスクには警戒が必要だ」と話す。 OPECと市場との対話は難しさを増しており、足元の上昇基調を長期的に保つのは容易ではなさそうだ。【日経QUICKニュース(NQN) 尾崎也弥】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

南ア・ランド急伸 政治改革に期待、景気実態は映さず プラチナ輸出に打撃

2017年終盤の外国為替市場で、南アフリカの通貨ランドが急上昇している。対米ドルは日本時間26日午前の時点で1ドル=12ランド台半ばと11月に付けた今年の安値である14ランド台から大きく持ち直し、3月に付けた年初来高値の12ランド台前半に迫った。南ア政権に改革の兆しが見えたことを好感し、代表的な高金利通貨として見直す動きが広がっている。 ランドは対円では1ランド=9円台と2015年10月以来、約2年2カ月ぶりの高値を付けた。ランドの対円取引は日本で外為証拠金(FX)取引を手掛ける個人投資家「ミセスワタナベ」の独壇場といっていい。トルコリラやメキシコペソに流れていた投資家の一角がランドに戻ってきたと考えられている。 ランド買い加速のきっかけは、18日実施の与党・アフリカ民族会議(ANC)の党首選で、ラマポーザ副大統領が次期議長に選出されたことだ。ズマ大統領の汚職疑惑から経済改革が頓挫するなか、産業界出身で改革にも前向きとされるラマポーザ氏の台頭でズマ旧体制からの脱却に期待が高まった。 ミセスワタナベのように低金利のもとで運用難に悩む投資家は高金利商品に飢えている。多少の悪材料は気にしない傾向がある。南アと同様に政情不安が強いトルコのリラへの資金流入がなかなか衰えないのはそのためだ。 それでも南アの政治・経済はまだ楽観できない。与党内での権力争いは激しく、ラマポーザ氏がすぐに発言力を強められる可能性は低い。ズマ氏の任期が満了する19年に向けて次期政権を巡る曲折はまだまだありそうだ。「期待先行のランド買いには限界がある」(第一生命経済研究所の西浜徹・主席エコノミスト)との指摘が出ている。 実体経済を反映したとはいえないランド高は、南アの主要輸出品である白金(プラチナ)やパラジウム関連産業に打撃を及ぼしかねない。プラチナ生産に占める南アのシェアは6割を超えるとされる。「ランド高による輸出価格の上昇はロシアに対する競争力低下に直結する」(フジトミの斎藤和彦チーフアナリスト)。ロシアがランド高に乗じて生産を伸ばすとのシナリオも描ける。一度失った輸出のシェアを取り戻すのは容易ではない。 南アはすでに、経済政策の失敗による政府債務の増加で財務基盤が悪化している。格付け会社からの評価は厳しい。大手格付け会社のS&Pグローバルやフィッチ・レーティングスは南ア国債の格付けを投機的階級に引き下げ、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは南アを格下げ方向で見直している。18年にランドが上昇するにしても一筋縄ではいきそうにない。 【日経QUICKニュース(NQN) 尾崎也弥】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

ビットコイン急落 新規参入の「ミスターワタナベ」に打撃 常連組はなお余裕

22日に突如強まったインターネット上の仮想通貨ビットコインの下落は、少額の資金で運用額を増やすレバレッジが得意な日本の個人投資家も直撃した。その持ち高解消が相場の一段安を促したとみられる。欧米メディアや金融機関が外為証拠金(FX)取引の「ミセスワタナベ」になぞらえ、「ミスターワタナベ」と呼ぶほど国内のビットコイン投資家の存在感は大きい。 FXと仮想通貨の情報サイト、ファイナンス・マグネイトによると、世界のFX取引でレバレッジを使った運用のうち、ミセスワタナベが占める割合は2017年1~3月期の時点で4割を超えていた。ビットコイン業界では「レバレッジ慣れしたミセスワタナベの一角がビットコインに流れ、相場を押し上げてきた」との声が強い。ビットコインの対円取引でもほぼ半分は日本勢との指摘がある。 ビットコインは取引所を介さない相対取引「ローカルビットコイン」の規模が大きく、全体像の把握は難しい。取引所データに基づいた「ミスターワタナベ」の比率計算が正しいかは微妙だ。ただ、ローカルビットコインで傾いた持ち高はかなりの割合で正規取引所に持ち込まれる。日本勢が実際に5割なのかはさておき、それなりに高い比率で売り買いをしていると考えていいだろう。持ち高整理の売りがもたらすインパクトはおのずと増す。 ここで注意しなければならないのは、足元でビットコインを売っている「ミスターワタナベ」のうち、多くは最近1~2カ月の新規参入組という点だ。ドル建て価格が1ビットコイン=1万ドルの節目をあっさりと超え、上昇ペースを速めた局面で「これはもうかりそうだ」とレバレッジ併用で買いに加わった投資家が中心。買いの平均コストが悪かったために逆回転に耐えられなかったわけだ。 一方、ミスターワタナベの主流派は17年前半の5000ドルを下回っていた段階でビットコインを買い進めたため、特に動じていない。足元の1万ドル前後でも十分利益が出ているからだ。「下落はむしろ買い増しの好機ととらえている」(国内仮想通貨取引所の営業担当者)という。 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)やシカゴ・オプション取引所(CBOE)の先物開始でヘッジファンドなどの投機筋は売りを膨らませることが可能になり、22日も一部の商品投資顧問(CTA)が先物売りを仕掛けていた。もしファンドの揺さぶりにミスターワタナベが巻き込まれれば相場の下値余地は広がるが、今のところはまだその心配はなさそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN ) 編集委員 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

米法人減税 大日本住友(4506)など27社、純利益5%超押し上げ 野村試算

野村証券は21日付で、2018年から始まる米国の法人減税が純利益を大きく押し上げる日本企業をまとめた。同社アナリストが調査対象とする約600社のうち、米国の減税で恩恵を受けるとみられる116社をまず選び出し、そこから減税額が18年度の予想純利益の5%を上回る企業を計算すると、大日本住友製薬(4506)や西本Wismettacホールディングス(ウィズメタク、9260)など27社となった。 <米国法人減税恩恵銘柄> 出所:21日付野村証券リポート 野村の投資家向けリポートによると、予想純利益と比べた減税効果が最も大きいのは大日本住友だった。野村のアナリストによる大日本住友の19年3月期の予想純利益は309億円で、これに対し予想される減税額は50億円で比率は16.3%に達する。そのほか、減税額の純利益に対する割合が大きいのはウィズメタクの15.6%、大和工業(5444)の12.1%、キッコーマン(2801)の12.1%、ユニゾホールディングス(3258)の10.1%などだったという。 27社のうち、予想される減税額そのものが最も大きいのはブリヂストン(5108)で261億円となる。ソニー(6758)の215億円、アステラス(4503)やコマツ(6301)の126億円などが続くという。 〔日経QUICKニュース(NQN)〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

パソナG(2168)株16%高 6~11月黒字確保もくすぶる懸念

21日の東京株式市場で、パソナグループ(2168)は一時、前日比325円(16.3%)高い2318円まで上昇した。12月1日以来、20日ぶりに年初来高値を更新した。2017年6~11月期の黒字転換を好感した買いが入ったが、一方で先行きには子会社の業績下振れリスクが残る。 20日の取引終了後に発表した17年6~11月期の連結最終損益が4億円の黒字(前年同期は8億円の赤字)になったことが大きい。5億円の赤字予想から一転、黒字転換したことを好感した買いが入った。企業から請け負う事務作業で、IT(情報技術)を使い効率化に取り組んだことで採算性が改善。顧客管理や給与計算などの業務の効率化で人件費負担が減った。17年5月期に1億2900万円の連結最終赤字に転落しており、復調の兆しが見えたとの評価が高まった。 パソナGは「労働契約法や派遣法など法制面の影響が不透明である」ことなどを理由に挙げ、18年5月通期の最終損益は10億円の黒字と据え置いた。ただ、最終黒字を確保できるかは依然として疑問が残る。子会社で福利厚生代行のベネフィット・ワン(2部、2412)の業績見通しに未達リスクがあるからだ。アナリスト予想の平均にあたるQUICKコンセンサス(11月30日時点、3社)の純利益見通しは44億円と、会社側の見通し(46億円)を下回る。 ベネ・ワンを担当するいちよし経済研究所の永田昌寿主任研究員も会社計画の未達を警戒する。永田氏は18年3月期の純利益を会社側より4億円少ない42億円と見込む。未達の理由に挙げるのは、ベネ・ワンの福利厚生サービスをソフトバンクグループ(9984)の携帯電話利用者に有料で提供するサービスの会員数が曲がり角を迎えていることだ。 きっかけは16年の総務省のガイドラインにより、スマートフォン(スマホ)の「実質0円」販売が事実上禁止されたことだ。0円販売時代はセット商品として加入する形式で利用者を増やしていたが、0円販売禁止後はサービスの説明が必要となる。面倒と考えた販売店側が提案をしなくなりやすい。 会社側はソフトバンクユーザー向けなど「パーソナル事業」の通期売り上げ見通しを46億円と見込むが、いちよしの永田氏は40億円にとどまると読む。計画から下振れると純利益を押し下げる。ソフトバンク向けなどの有料サービスにあたる既存の福利厚生サービスの延長上の事業のため、利益率の高い携帯利用者向け事業の成長鈍化はベネ・ワン業績に重荷になりそうだ。 ベネ・ワンを抱えるパソナの連結PER(株価収益率)は82倍前後。人材派遣で同業のリクルートホールディングス(6098)の38倍やパーソルホールディングス(2181)の29倍を大きく上回る。 いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「足元の株価は10億円の最終黒字見通しは必達目標で、業績の上方修正がなければ積極的に買い進めづらい」と話す。上期の上方修正の勢いを持続できるか。買い進めるにはパソナG本体だけでなく、ベネ・ワンの動向を注視する必要がありそうだ。 〔日経QUICKニュース(NQN) 高橋徹〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

サイバダイン(7779)が大幅高 医療用ロボが米で市販承認 「HALに春が来た」

サイバーダイン(7779)株が大きく値上がりしている。装着型ロボット「HAL」が17日付で米食品医薬品局(FDA)の市販承認を取得したことで、米国事業での収益期待が高まったためだ。20日の終値は前日比235円(12.87%)高の2060円となった。ここ2日間での上昇率は20%を超える。 今回、FDAから承認を得たのは、下半身に装着して歩行を補助する「HAL医療用下肢タイプ」。 Prof. Sankai, University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc.   11月半ばにFDAの承認が近いと伝わってから、株価は上昇基調にあった。FDA承認を受け、野村証券は19日付で「HALに春が来た」としてサイバダインの目標株価を3400円から3700円に引き上げた。投資判断は3段階で最上位の「バイ(買い)」で据え置き。米国でHALによる治療が2019年3月期以降立ち上がり、中長期に治療可能な病院数や患者数の増加が加速すると予想した。   ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

日本株の上値抑える日銀出口論 「現状維持」なら上昇か

「日本は金融実験からそっと抜け出す」。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が18日夕に配信した記事が市場で話題だ。市場関係者の間では、日本でも金融政策の変更が意識され始めた。日銀は20~21日、金融政策決定会合を開くが、近い将来、長期金利の誘導目標の引き上げや上場投資信託(ETF)の購入減額はあるのか――。買いを見送り、様子を眺める投資家が増えている。 WSJは記事の中で、「18年1~3月期にゼロ%程度としている長期金利の誘導目標を引き上げる」との専門家の見解を紹介した。日銀の黒田東彦総裁が11月13日にスイスでの講演で「金利が下がり過ぎると金融仲介機能を阻害し、金融緩和の効果を反転させる」という「リバーサル・レート」(金利効果の反転)について振れたのが発端だ。 講演があった11月13日を100とした場合、直近で米ダウ工業株30種平均は105に対し、日経平均は101と出遅れが鮮明だ。日銀の金融緩和姿勢の変化を投資家が警戒し始めている。 今週の日銀会合では現状の政策維持を決めるとの見方が大勢だが、実際に現状維持が確認できれば、いったん株を買い戻す投資家が増える可能性はある。 だが、買いが続く保証はない。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは来年、日銀が長期金利の誘導目標を0.25%程度に引き上げる「微調整」を実施すると予想している。 理由はこうだ。米国では物価上昇を抑えていた携帯電話料金の引き下げ効果が来年春以降に一巡する。その結果、米金利が上昇し、外国為替市場で円安・ドル高が進む。円安で日本の物価にも押し上げ要因が働く――という読みだ。 ETF購入を巡っては証券界でも「不要論」や「減額容認論」が増えている。日経平均株価が約26年ぶり高値圏に上昇したためだ。SMBC日興証券の伊藤桂一氏は12日付のリポートで、「株価上昇はファンダメンタルズの改善で説明でき、ETFを減額しても株価への影響は軽微」と分析した。 もちろん現状では、来年も現在の政策維持が市場のコンセンサスだ。「来年、任期を迎える黒田東彦総裁が留任すれば、物価上昇率2%を目指すための現在の政策パッケージの変更はない」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)との見方が多い。 東海東京調査センターの鈴木誠一シニアマーケットアナリストは、「ETFは、よほどの株価上昇が起きない限り、6兆円枠は維持する」と話す。日銀が、わずかな修正でも行えば、市場は株安・円高で反応し、日銀はそうしたリスクを極力、避けたいはずとみているからだ。 ただ、物価圧力が高まれば、金融緩和姿勢に変化が起きるのは自然の流れだ。来年以降も折に触れて、日銀の緩和政策修正への警戒感が日本株の上値を抑える可能性が高い。 【日経QUICKニュース(NQN ) 張間正義】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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