注目の日銀副総裁、「雨宮・若田部氏案」と報道 市場はどう動くか

日本経済新聞電子版は日本時間16日午前2時、「政府は16日にも衆参両院の議院運営委員会理事会に日銀の正副総裁など国会の同意が必要な人事案を示す」と報じた。市場で関心が高かった副総裁候補には「日銀の雨宮正佳理事と早大の若田部昌澄教授を充てる案を検討中」としている。 雨宮理事の副総裁昇格はノーサプライズだ。1月の「QUICK月次調査<外為>」では副総裁候補についてヒアリング。雨宮氏は6割超の「オッズ」で筆頭候補であり続けた。実務にたけているとされ、政策の継続性に対する安心感を与える。 新しい日銀副総裁は? 1月のQUICK月次調査<外為> 今回の正副総裁人事のポイントを三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア・マーケットエコノミスト、六車治美氏は端的に「新しい日銀執行部の『リフレ度』が強まるか弱まるかは、岩田副総裁の後任次第」(2月6日付、「ポスト岩田」副総裁が左右する新執行部のリフレ度)と指摘している。 岩田氏の後任というのは日銀外から選ぶという意味だ。まず若田部氏の「オッズ」を前出の外為調査で確認すると23%だった。17年12月調査から11ポイント上昇していた。候補のテーブルに乗っていたうえに副総裁を予想する声も高まっていただけに、それほどサプライズではない。 政策スタンスについてはリフレ派でありハト派とされている。六車氏のレポートから引用を続けると以下のような姿が浮かぶ。 “若田部昌澄早稲田大学教授はインタビュー(日本経済新聞、12月27日)で19年10月の消費増税について、『14年のように増税をきっかけに消費が落ち込み、インフレ期待もしぼみかねない』とその影響を懸念している。金融政策については、『消費税増税の負の影響を吸収して、かつ物価が2%へ上がっていくほどの強力な緩和が必要』とし、『たとえば年80兆円をめどとしている日銀が保有する国債の拡大を年90兆円めどに引き上げるなど、一段と積極化する』ことが必要と述べた。イールドカーブ・コントロールの運用についても、『「0%程度」としている長期金利の誘導目標は厳密な「ペッグ(固定相場)」ではなく、金利がそれよりは上がらないようにするという「キャップ(上限)」のようにとらえればいい』と述べている” リフレ度で岩田氏と比較した場合の評価はどうか。シティグループ証券のチーフ FX ストラテジスト、高島修氏は13日付のレポートで「岩田副総裁はもともと強力な緩和論者で、日銀入りする前は、保守的だった白川前総裁までの日銀の姿勢を強く批判してきた。(中略)リフレ論者の若田部教授の場合で初めて現状比ほぼ変わらずといったところ」と指摘していた。 ここで比較論の対象となるのが本田悦朗・駐スイス大使。QUICK月次調査による「オッズ」は17%と若田部氏よりも低いが重要な候補の1人だったことに変わりない。同氏は「ヘリコプターマネー」政策に言及するなど相当なリフレ派の1人。執行部入りするようだと、一段とリフレ度が高まるというのが市場の想定だった。本田氏と比較すると若田部氏はややマイルドなリフレ度と市場には映るか。「金融財政政策の一体発動(言わばヘリマネ政策)を訴える本田大使の場合のみ、一段のハト派政策の可能性を嗅ぎ取って円安バイアスが生じる可能性がある」(高島氏)。 ゴールドマン・サックスは15日付のリポート「日銀人事Q&A」で、本田氏と若田部氏、雨宮氏、伊藤隆敏氏(コロンビア大学教授)の4人を副総裁候補に挙げていたが、やはり本田氏が市場参加者の目に「最もハト派的と映るだろう」と指摘していた。 「若田部副総裁誕生」の可能性が高まったが、1月26日付のレポートで「(雨宮氏以外の)もう一人の副総裁には、安倍政権がリフレ派の考え方を持つ人を送り込む可能性が高いと考えており、その第1補ととして若田部昌澄・早稲田大学教授を挙げたい」としていたのがJPモルガン証券だった。 ほぼメーンシナリオ通りの布陣が固まった場合、JPモルガンは相場動向を以下のように想定していた。 【JGB金利】副総裁の組み合わせに関わらず黒田総裁が続投となれば、海外投資家内では近い将来の金融政策の微調整に対する期待感がやや後退し、一時的に金利低下圧力が高まるだろう。2018年末に関しては、10年金利目標を 0.25-0.50%に引き上げると経済調査部が予想しており、その場合20 年金利は1.0-1.3%程度まで上昇することが予想される。 【円相場】市場のセンシティビティ、期待度に鑑みると、黒田総裁続投となれば短期的に 1~2円程度の円安となることは考えられるが、影響は長続きしないだろう。年末に向けての USD/JPY 予想は引き続き 108円~115円のレンジ内の推移と予想。日銀は10年金利目標引き上げを検討する際、円高が進んでいたり、米長期金利が低下しているような環境では引き上げを実行しないと考えられるため、円相場に対する影響は総じて限定的と考えられる。 【株式】ほぼ市場の想定線であり、短期的にはニュートラル。先々、インフレ率の上昇に伴って日銀が10年金利目標の引き上げに動くとの見方が強まれば、金融株が上昇し、株式市場の牽引役になると見込まれる。メインシナリオでの日経平均の高値想定(2018年中)は26,000円。 こう見ると黒田総裁、雨宮・若田部両副総裁の人事案に大きなサプライズはない。むしろ驚きがあるとすれば、JPモルガンが先月下旬に示していたような円安とは真逆の展開が始まっている点だろう。 (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

円が105円台接近、リスク選好でも上昇 日本政府の円高容認観測も

外国為替市場で円高・ドル安に再び拍車がかかった。15日の東京市場では一時1ドル=106円30銭近辺と2016年11月以来、約1年3カ月ぶりの高値を付けた。前日14日までとの大きな違いは、日米株高や変動性指数(VIX)低下で投資家のリスク選好意欲がだいぶ戻ってきたにもかかわらず、「低リスク通貨」の円に買いが進んだことだ。リスク選好の取引は主に対欧州通貨でのドル売りに集中し、対円のドル売りに波及しやすくなっている。   米株式相場は今週に戻り歩調を強め、14日まで4日続伸した。前週までの株安の引き金となったVIXは20を割り込み、投資家の不安心理が落ち着いたことを示すゾーンに入った。そこで為替市場の参加者はどう動いたか。円を売ってドルを買うよりも先に、「ドルを売って、ユーロや英ポンドだけでなく、ブラジルレアルや南アフリカ・ランドなど新興国の通貨を買う『リスク選好のドル売り』を増やした」(あおぞら銀行の諸我晃・市場商品部部長)という。   円はユーロや英ポンドに対してはドルとともに売られたものの、ドルを売ってユーロやポンドを買う勢いが勝った。もともと1月に3年1カ月ぶりの水準までドル安・ユーロ高が加速した局面で、円やスイスフランの対ドルでの上昇ペースはさほど速まらなかった。「そのためにドル安が波及する余地は相対的に大きくなっている」(あおぞら銀の諸我氏)とみられている。 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週まとめているシカゴ通貨先物市場の建玉報告によると、投機筋をあらわす「非商業部門」の円の売越幅は6日時点で11万枚超と大台を保っていた。今週に入ってにわかに強まった円高・ドル安に耐えきれなくなった円安派は少なくなかったと考えられる。海外で日銀による金融緩和政策の縮小観測が根強いこともあって、市場では「投機的な円の売り持ち高の解消は続く可能性が高い」(HSBC証券の城田修司マクロ経済戦略部長)との声が多い。 季節的な需給面でも円高・ドル安の余地がある。きょう15日は米国債の償還・利払い日に当たる。「(国内金融機関や生命保険会社などの機関投資家は)決算期末の3月に向けて利益や損失を確定させなければならず、円買いに傾きやすい」(大和証券の今泉光雄チーフ為替ストラテジスト)。足元の円高ペースについて行けず、円を買い遅れていた国内輸出企業からは3~6カ月程度の先物で円を買いたいとの注文が増えているようだ。 麻生太郎財務相は15日午前、現在の為替相場について「特別に介入が必要なほどの水準ではない」と述べた。海外投機筋の間では「日本政府は水準面でもスピードの点でも円高を容認している」との受け止めが広がっている。円の先高観は簡単には収まりそうにない。 【日経QUICKニュース(NQN ) 尾崎  也弥】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

やはり「ドル安」転換なのか 米CPI上振れ、金利上昇でも円高基調

再び相場急変のきっかけになるかもしれないと、市場が警戒していた1月の米消費者物価指数(日本時間14日午後10時30分発表)は、市場予想の前月比0.3%上昇に対し、0.5%の上昇と強めの数字となった。コアCPIも予想の0.2%上昇を上回る0.3%上昇と上振れした。 発表直後、米10年債利回りは2.81%台から2.88%へ急上昇。その後も上げ幅を広げ、2014年1月以来となる2.92%まで上昇した。 しかし、外国為替市場の反応は複雑だった。発表直後、外為市場で円相場は1ドル=107円20銭前後から107円40銭台後半へ下落したものの、急速に下げ渋り107円レベルへ上昇した。その後は107円を挟んだ一進一退の動きとなった。 ドルインデックスの動きはより顕著で、発表直後に89.7から90.1に急上昇したものの、しばらくすると発表前のレベルに戻し、その後はジリジリと下落。東京時間15日午前6時ごろには89を割り込む「ドル安」となっている。 【ドルインデックスとドル・円相場の値動き】 (注)QUICK FactSet Workstationより作成 教科書的に考えれば、インフレの上昇で実質金利が低下し、ドル安に向かったと見ることができる。ただ、前年比ベースでみたCPIはコアともに概ね横ばい。期待物価上昇率を示す米ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)の上昇も長期金利を下回り、実質金利からのアプローチは説得力に欠ける。 今回のCPIの上昇要因としては「原油高を背景としたエネルギー物価の大幅上昇が主因。コアCPIの伸びも衣料品価格が押し上げており、足元で全般的なインフレ圧力が加速している状況にはない」(米国みずほ総研)。CPIと同時に発表された1月の小売売上高が下振れと相まって、ドル安要因になったと考えることもできる。ただ、為替市場だけが反応したというのも、マーケットに携わる者としては、納得できない。 マーケット感覚的には、やはり「ドル安地合いにある」ということなのかもしれない。トランプ米大統領は12日、不公正な貿易慣行を続ける国からの輸入品に「報復関税」を課すと発言。米国の保護貿易主義が強まることが懸念されている。 トランプ大統領就任以降、ドルインデックスの下落基調は明らかだ。米国がドル安政策に転換した可能性も捨てきれない。チャートをみれば、少し前までドル円が110~115円を中心としたレンジだったことの方が不思議に見える。ましてや、トランプ大統領は「中国や日本、韓国との間で莫大な金を失っている」と名指ししており、円高・ドル安懸念は簡単には払しょくできない状況だ。 「ドル安・円高地合い」のなかでは、ちょっとした材料で円高に振れる。債券市場では日銀の次期正副総裁人事やその政策が話題になっているが、このタイミングで「緩和縮小」の思惑が出ようものなら、一気に円高が加速しかねない。海外金利の上昇は円金利の上昇要因ではあるが、それが円高につながるようなら、日銀は断固として阻止するだろう。 (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

恐怖指数のVIXが急低下、「不安領域」脱す

14日の米国市場で「恐怖指数」と呼ばれる米株の変動性指数(VIX)が大幅に4日続落した。一時、18.99まで下げて19割れとなり、下落率が23%を超える場面があった。VIXは20を上回ると、市場の不安心理が高まった状態とされる。終値ベースで「20」を下回ったのは2月2日以来で、「不安領域」をひとまず脱したかたちだ。 14日は2月限VIX先物、VIXオプションの満期を迎えて、VIXは朝方から急低下してスタート。1月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比2.1%上昇となり、市場予想(1.9%上昇)を上回ったことで債券安・株高が進むなか、引けにかけて一段と低下する流れとなった。 終値ベースでは2月2日(17.31)以来の水準となり、VIXが急騰した5日以降の上げをほぼ帳消しにした。 【VIX先物の5分足チャート】 (注)QUICK FactSet Workstationより (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ビットコイン、相次ぐ不祥事にくすぶる下値不安 換金売りに警戒解けず

インターネット上の仮想通貨ビットコインの下値不安がくすぶっている。欧米株安に一服感があり、前週のようなリスク回避の売りは見られなくなったため、相場は直近安値からはだいぶ戻した。半面、交換業者を巡るトラブルなどを嫌気してか、新たに流入してくるマネーの規模は細っている。既存の投資家がいつ換金売りに傾いてもおかしくないとの懸念は解けないままだ。 ビットコインの対米ドル相場は日本時間6日に約3カ月ぶりに1ビットコイン=6000ドルを下回った後、9000ドル前後まで持ち直したが、ここにきて動きが鈍くなってきた。14日9時30分時点では8600ドル台で推移している。買い手は下落時に売り持ちを増やしたディーラーの反対取引が中心で、商いは特に膨らんでいない。 情報サイトのコインマーケットキャップによると、14日6時前の時点で直近24時間の仮想通貨全体の売買高は173億ドル程度と、最も活況だった1月5日の700億ドル程度の4分の1になった。前週は何度か300億ドル台を回復したが、キープできなかった。 日本の仮想通貨交換業者コインチェックにおける仮想通貨NEM(ネム)の巨額流出事件に続き、イタリアの同業ビットグレイルでも通貨Nano(ナノ)の盗難が発覚。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば流出額はドル換算で1億7000万ドルに達した。ビットグレイルはツイッターで「顧客への全額返還はできない」と早々にさじを投げ、市場心理を冷やした。あまりにも早い白旗宣言に対し「ほんとうに盗まれたのか」と疑問の声が上がったほどだ。 コインチェックは13日、顧客が日本円でプールしているお金の出金を再開したものの、仮想通貨建て資産は留め置いたままだ。「前週にかけての相場急落を見ているだけに、いざ出金再開となれば換金売りが広がるのではないか」(国内証券のセールスディーラー)との警戒感が強まっている。ネム流出問題が起きた当初「出金を速やかに再開できれば市場全体のダメージは少ない」(ロンドンに拠点を置くヘッジファンド、ゼニファス・キャピタルの鈴木涼介氏)と楽観していた大口投資家の視線も厳しくなった。 仮想通貨のデリバティブ(発生商品)取引のプラットフォームを提供するレッジャーXではビットコインのプット(売る権利)オプションに高値が付きやすくなっている。今月12日は3月30日を期日とする権利行使価格1万ドルのプットが1ビットコイン当たり2520ドルで成立した。コール(買う権利)は前日13日に成立した行使価格1万5000ドルのオプションが1ビットコイン当たり1800ドル程度だったが、期日は12月28日とだいぶ先の話だ。 昨年12月21日に初めて取引が成立し、話題となった行使価格5万ドルのコールオプションは今月13日、1ビットコイン当たり276ドルのコストで取引された。コストは昨年12月時点の3600ドル前後の1割にも満たない。「ビットコインは18年も上昇するかもしれないが、5万ドルは当たればもうけものの世界」――。昨年末に先高一辺倒だった相場観が、わずか2カ月でいかに劇的に変わったかを象徴している。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 今 晶】 ※NQNが配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

円急伸 根雪の売り持ち解消進む 黒田総裁「再任」で前提崩壊?

14日の東京外国為替市場で円相場は急伸し、一時は1ドル=106円84銭近辺と米大統領選直後の2016年11月14日以来、1年3カ月ぶりの高値を付けた。前日13日の米株価が上昇したにもかかわらず14日の日経平均株価が一時大きく下げ、「きょうは動かない」とたかをくくっていた為替関係者の驚きを誘った。海外投機筋を中心にリスク回避の円買いが改めて進んだ。 「日銀の黒田東彦総裁が再任されると前週末に伝わり、海外勢の間に緩和縮小の思惑が再び強まった」。FXプライムbyGMOの高野保統チーフ・ストラテジストは日本株安・円高に歯止めがかからない理由について、そう解説する。 黒田氏は昨年秋以降、過度の金利低下が金融仲介機能の低下を通じて緩和効果を反転させる可能性に触れたり、物価上昇の兆候があると述べたりした。さらに日銀は1月9日、唐突に超長期債の買い入れ額を減らした。高野氏は「海外勢にとって、黒田体制は緩和策からの『出口』を目指し続けていると映っているのではないか」と深読みしていた。 欧米やアジアには、日本の積極緩和策の長期化を前提に根雪のように積みあがった円の売り持ちがある。ただでさえ相場が荒れてリスクをとれなくなっているところに日銀緩和の前提が崩れれば、持ち高整理の機運は高まらざるをえない。 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週まとめているシカゴ先物市場の建玉報告によると、投機筋をあらわす「非商業部門」の円の売越額は円高進行時にもあまり縮まらず、6日時点でも11万2876枚と10万枚の大台を超えていた。市場では「新たにユーロや英ポンドを対ドルで買い、対ユーロや対ポンドで円売りの『合成ポジション』を作るなどしてどうにか円の売り持ちをキープしようとしている」(外国証券東京拠点の為替ディーラー)との指摘が多い。反動のエネルギーは相当たまっていると受け取れる。 円が昨年9月に付けた17年通年の高値である1ドル=107円32銭を上回ったことで、チャート分析上は16年11月高値の101円19銭近辺まで節目らしい節目がなくなった。あえていえば区切りのよい105円ちょうど前後になる。円の上値余地の大きさが意識される状況だ。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 今 晶】 ※NQNが配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

円急伸、一時106円台 日経平均VI(145)と連動

14日の東京外国為替市場で円の対ドル相場が正午すぎに急伸。一時1ドル=106円台後半と2016年11月以来、1年3カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。 ドル円の106円台突入に合わせ、日経平均ボラティリティ―・インデックス(VI、145)も33に乗せた。その後、ドル円が107円台に戻す場面では、日経平均VIも31近辺まで低下するなど、連動する動きになっている。 ドル円相場が、2017年9月8日につけた17年の円最高値(107円32銭)をあっさりと突破したため、「個人投資家は戦意喪失パターンに入ったかもしれない」(国内証券情報担当者)との声も漏れている。 (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ドル円、1ドル=107円台 節目抜けなら100円台も視野

ドルの対円相場に下落圧力がかかっている。13日のニューヨーク外国為替市場でドルは対円で一時1ドル=107円40銭まで売られ、2017年9月8日につけた17年の安値(107円32銭)に迫った。世界的な株安の余波が続くなか、節目を更新すればドル安・円高に弾みがつきかねない。 13日のドル安進行は、米株が下げる場面で米長期金利の指標となる10年物米国債の利回りが低下(価格は上昇)したのが主因。昨年末以降、ドルと米長期金利の連動性が薄れ、米金利が上昇してもドルは下落していたが、再び以前の関係を取り戻しつつある。 SMBC日興証券の野地慎チーフ為替・外債ストラテジストは「足元では米国10年債利回りにピークアウトの兆しが見えるなか、ドル円が下落するという反応が見られている。あといくばくかの米国10年債利回りの低下があれば、ドル円が17年9月8日安値107円32銭をブレイクする」と予想。ブレークした場合、「108~114 円という2017年のドル円レンジのほぼ完全な『下方シフト』が生じる」という。 シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは14日のリポートで、日銀の黒田東彦総裁の再任報道を巡り安倍晋三首相が「白紙」と発言したことが円高・ドル安を招いたと指摘。ドル円は「2016年6月以降の上げ幅の61.8%押し(106円50銭前後)を下値メドに下値警戒が必要な局面」とみていた。そこから先は月足の雲の下限(100円60銭前後)までドル円を下支えするテクニカルな要因は見当たらないという。   【QUICKナレッジコンテンツグループ・大谷篤】

円高じわり、107円台 店頭FXのドル円ポジションは?

円相場がじわり円高方向に傾いている。ドル円は一時、1ドル=107円台半ばまで上昇し、円の昨年の高値である107円32銭をうかがう展開にある。ドル円相場の需給で存在感を示す日本の個人投資家、いわゆる「ミセス・ワタナベ」はどう動いているのか。 外為証拠金取引(FX)や海外通貨先物の統計を一覧できる「QUICK店頭FX建玉統計」でみると、店頭FXのドル買い残高は11%増えた。対照的に売り残高は36%も減少。ドル買いの比率は82%に達し、14年6月以来の高水準に跳ね上がった。 ※「QUICK店頭FX建玉統計」http://www.quick.co.jp/page/fx_position.html 「ミセス・ワタナベ」の動向に詳しい外為どっとコム総合研究所の調査部長、神田卓也氏によると、「個人は昨日も買い越し。投げを上回る押し目買いが入ったようです。逆張り戦略を変える気はなさそうに見えます・・・」とのこと。 日本の個人投資家は「投げ」を上回る「ドル買い」に賭けているもようだ。 【QUICK Money Worldの公式ツイッター】https://twitter.com/QUICK_QMW/status/963530403947556864   <ドル円とQUICK店頭FX建玉>   (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

インフレが来る? 米CPI今夜発表 金利上昇加速も

米国発の金融・資本市場の動揺が続いている。起点となったのは、2月2日発表の1月の米雇用統計で、賃金の伸び率が市場予想以上に伸びたことだった。市場ではインフレ懸念が台頭。米10年債利回りは12日に2.9%レベルまで上昇し、その後も2.8%台で高止まりしている。 気になるのは米金利の長短スプレッドが拡大傾向にあることだ。将来のインフレを警戒して、ベンチマークの10年債利回りでみた長期金利が上昇する一方、FRBの金融政策の影響を受けやすい2年債利回りの上昇幅は限られている。インフレ進行に対し、FRBの利上げペースが遅れる「ビハインド・ザ・カーブ」を警戒した動きにもみえる。 FRBがインフレを抑えられないとマーケットがみれば、金利上昇は加速するおそれがある。目先の注目点は、日本時間14日午後10時30分に米労働省が発表する1月の米消費者物価指数(CPI)で、インフレ懸念がさらに高まるかどうかだ。 (チャートはQUICK FactSet Workstationより作成) QUICK FactSet Workstationによれば、CPIの市場予想は前月比+0.3%(前回+0.1%)、コアCPIは+0.2%(同+0.3%)と見込まれている。前月比でモメンタムとしての物価上昇傾向が確認され、前年同月比で前月の+2.1%を上回る強めの数字が出た場合、FRBが「ビハインド・ザ・カーブ」に陥るとの懸念が広がるおそれがある。米長期金利の上昇が加速し、株式相場のかく乱要因になる可能性もありそうだ。 米消費者物価指数の前年同月比上昇(下落)率 ※米労働省ホームページより (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

VIX先物の清算値、価格操作か 当局が調査 米紙報道

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版は13日、恐怖指数とも呼ばれるVIXに関して「先物の清算値算出で価格操作されているとの主張を受け、米規制当局が慎重に調べている」と報じた。 VIX指数は、S&P500のオプションのボラティリティを元に算出されているが、VIX先物に影響を与えようとしてS&P500のオプション価格を意図的に操作したのではないかと金融業界の自主規制団体である金融業界規制機構(FINRA)が調べているという。 ただ、法律家や学者からは価格操作は難しいのではないかとの指摘が出ているとのこと。 VIXの価格操作疑惑に関しては、12日にロイターが「VIXの操作が行われたと告発する書簡が米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)に提出された」と報じたばかり。匿名の書簡では、S&P500のオプションのクオートを提示するだけでVIXを操作することが可能だと主張していたといい、VIXが激しい動きとなる中で関心が高まっているもようだ。 13日のVIXは3日続落して2.50%安の24.97で落ち着いて終えた。 (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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