米半導体ETF、今年2番目の資金流出 1カ月ぶり安値に

4日の米国市場で、半導体関連銘柄のETFの代表格であるiシェアーズSOXX ETFから大規模な資金が流出した。QUICK FactSet Workstationによれば7685万㌦(約86億円)の資金流出となり、今年最大を記録した11月3日(1億9022万㌦)に次ぐ流出規模を記録した。 この日のSOXXは2.40%安で大幅続落。米上院が2日に減税案を可決したものの、実効法人税率が低いとされるアップルなどの主力ハイテク株が売られる中で半導体関連も弱い動きとなった。SOXXは一時165.55㌦まで下げて10月25日以来、約1カ月ぶりの安値圏に沈んだことから見切り売りが続くのか警戒されそう。 ★iシェアーズSOXX ETFのファンドフロー (年初来、QUICK FactSet Workstationより)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

フェイスブックなどFANG売りの理由は? 注目リポートに税制改革も

4日の米国市場でフェイスブックなど主力ハイテク株のいわゆるFANG銘柄が売られた。マイクロソフトも安く、3日ぶりに急反落して3%超の大幅安となった。ゴールドマン・サックスが11月30日付のリポートで、フェイスブックやマイクロソフトなどを「大型投資信託がアンダーウエイトにしていた」と指摘。今年、高パフォーマンスを記録したハイテク株にリバランス売りが膨らむのではないかとの見方に加え、米上院が2日に法人減税案を可決したことを受け、法人実効税率の高い小売株を買う一方、実効税率の低いハイテク株を売る動きが活発化した。 「FANG」は米国のIT(情報技術)企業大手の頭文字をつないだ造語。2015年に米国の株式評論家ジム・クレイマー氏が広めたとされる。交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)、ネット通販のアマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、動画配信のネットフリックス(Netflix)、検索エンジンのグーグル(Google、現アルファベット傘下)の4社を意味する。FANGにアップル(Apple)を加えたFAANG、マイクロソフト(Microsoft)を加えたFANMG、半導体のエヌビディア(Nvidia)を加えたFANNGなど新たな造語も続々と生まれている。ちなみに「FANG」には「牙」の意味もある。 ニューヨーク証券取引所(NYSE)の「NYSE FANGプラス指数」でみても、FANG銘柄の下落は明らかだ。   ※QUICKでは12月4日(月)から、端末上で「NYSE FANGプラス指数」をサービスしています。フェイスブックやアマゾン、ネットフリックス、グーグルの親会社アルファベットなどを含む10銘柄程度の大型ハイテク株で構成。銘柄数は可変で、最低10銘柄となります。 米株式市場が注目するのは、連邦法人税率の大幅な引き下げを柱とする税制改革案の行方だ。米上院案では連邦法人税率を現在の35%から2019年に20%に引き下げる。米国の地方税(カリフォルニア州の場合)を含む法人実効税率は現在、40.75%だ。連邦法人税率が下がれば、この法人実効税率も大幅に下がる。 ただ米マーケット・ウォッチによると、企業がタックスプランニング後に、実際に支払った法人税(地方税含む)の割合を示す実効法人税率でみると、グーグルの親会社であるアルファベットはすでに21.1%、アップルで26.1%などとすでに実効税率は低い。こうした企業では連邦法人税率下げのメリットは、それほど大きくない可能性がある。 ★米主力企業の実効税率 銘柄名              実効法人税率 アップル            26.1% マイクロソフト         23.8% アルファベット          21.1% アマゾン・ドットコム       31.5% フェイスブック                  40.3% 出所:MarketWatch ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

トルコリラ、29円台に上昇 11月CPIが予想上回る 前年比12.98%上昇

4日発表のトルコの11月の消費者物価指数は前年比12.98%上昇と市場予想(12.4%上昇)を上回り、前月(11.9%)から上昇を加速させた。 ※QUICK FactSet Workstationより   14日の金融政策決定会合でトルコの中央銀行が利上げするとの予想が増え、トルコリラは対ドルで上昇、対円でも29円台へと大幅高となった。 ※QUICK ActiveManagerより ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

Jフロント株が高値、パルコ効果に脚光 上野の客数7割増

4日の東京市場でJフロント(3086)が続伸して前週末比4.7%高の1989円まで買われ、年初来高値を2営業日ぶりに更新した。11月の売り上げ増が手掛かりで、その中身をみると訪日外国人(インバウンド)需要の追い風だけではなかった。11月にパルコ(8251)との初の協業で増床開業した松坂屋上野店(東京)の貢献も大きい。上野店の来客数は前年同月比7割増となり、2012年に子会社化したパルコとの相乗効果がようやく顕在化してきた。   1日に発表した傘下の大丸松坂屋百貨店の11月の既存店売上高は、前年同月比7.2%増だった。まず目に付くのは免税売上高の92%増という高い伸びだ。三越伊勢丹(3099)の44%増、高島屋(8233)の48%増を引き離し、「インバウンド需要を同業他社以上に取り込んでいる」(野村証券の青木英彦マネージング・ディレクター)のが投資家の買いを誘っている。 パルコとの協業効果も増収に寄与した。松坂屋上野店の南館跡地に新業態「パルコヤ」を11月4日に開業した。東京23区内のパルコ出店は渋谷以来、44年ぶりとなる。上野店の顧客層は高齢者の比率が高かったが、「パルコヤ」が目指すのは団塊ジュニア世代を中心とする30~50代の消費者の取り込みだ。かつて文化の発信地として渋谷パルコなどに通った世代だ。 「パルコヤ」も入る上野フロンティアタワーの11月4日の開業後、本館も含む上野店全体は客数が大きく伸び、売上高も2割増となった。小売業にくわしいGマネジメント&リサーチの清水倫典代表は「初のパルコとの協業の成果が、早くも出た」と評価する。 Jフロントは22年2月期までに全国で4カ所のパルコ型店舗を開業する予定で、21年には2店目を大阪市内の旗艦店、大丸心斎橋店の北館にオープンする。「幅広い顧客ニーズを取り組む姿勢をいっそう明確にする」(野村証券の青木氏)ことで、収益拡大を狙う。上野店はまだオープンしたばかりながら、成功体験を重ねていけば投資家の評価は「インバウンド」だけにとどまらなくなるだろう。 【日経QUICKニュース(NQN) 張間正義】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

中国での環境意識の高まり:自転車利用、カーシェア、植樹 HSBCレポート

 QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、HSBC中国のデビッド・リャオ(David Liao)社長兼CEOがレポートします。   11月6~17日、ドイツのボンで第23回国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP23)が開催された。COP23では、世界中の政府関係者が一同に会し、気候変動に関する世界的取組の今後について協議する。そこへ世界各国の政府にとっては意外な協力者が出現した。中国の13億8,000万人の消費者である。 中国の過去数十年にわたる飛躍的な経済成長は、人口の大半を貧困から脱却させたが、環境を犠牲にしてきたことは疑いようもなく、世界第2位の経済大国である中国の温室効果ガス排出量は世界最大である。中国の重工業が関連する大気汚染のニュースや、スモッグで包まれる国内の大都市のイメージが度々報じられている。 このため中国の消費者が環境を意識しているとの見方には説得力がないかもしれない。 しかし、中国の環境汚染がきわめて広範に拡大する兆候が浮上し、国民は気候変動に敏感になり新たな対策が必要と考えるようになった。 例えば市場調査会社のイプソスが8月から9月にかけて世界各国で実施した調査(※1)によれば、国内の気候変動を懸念する回答者が最も多かったのは中国で、回答者の24%が懸念事項上位3つのうちの一つに気候変動を挙げている。中国に次いでカナダが21%だったが、調査対象の26ヵ国の平均はわずか10%だった。 ※1 Ipsos, What Worries The World Survey, September 2017 https://www.ipsos.com/ja-jp/what-worries-world-autumn-2017J 同時に、中国で急速に拡大する中間所得層の間では、健康と生活の質に関する要求が一段と高まっている。こうした人々の多くはテクノロジーに詳しく冒険心が旺盛で、自分たちの嗜好や要望に応えようと革新的な民間企業が提供する新しいプロダクトやサービスを積極的に試そうとしている。 顕著な事例として、昨年1年あまりの間に急速に普及した自転車シェアリングが挙げられる。中国では一時は街路からほとんど姿を消した自転車が、現在は再び息を吹き返している。今や中国の多くの都市の街角や地下鉄の出口で、市民がモバイル機器をスキャンしてレンタル自転車の鍵を開け、毎日の通勤の最後の交通手段あるいはスーパーマーケットまでの足として利用する光景が見られる。 いたるところに自転車が駐輪されることを懸念する見方も一部にはあるが、こういった便利で低コストの取組をきっかけに、より健康的で経済的負担が少なく環境保全にもプラスとなるこの交通手段を、数百万人の中国人が再び愛好するようになっている。 自転車シェアリングサービスの新興企業として、中国のテンセントや米国シリコンバレーのベンチャーキャピタル、セコイア・キャピタルからの投資を得ているモバイクによれば、同社の1億人に上る顧客の自転車の利用はこの1年以内で倍増し、自動車での移動を半分に減らしたとされる。 さらにモバイク社は、10万人の顧客を対象に行った調査を基に、同社のサービス利用者は2016年半ばに計画がスタートしてからの1年間で、二酸化炭素排出量を54万トン減らしたと推計している。これは自動車を1年間に17万台減らしたことに相当する。 自動車を選好する人々にとっても、中国はカーシェアリングの試験台となりつつある。ドイツのミュンヘンを本拠地とする経営戦略コンサルティング会社ローランド・ベルガ―は、中国国内でカーシェアリングに利用される自動車の数は、大気汚染を抑止したい政府の取組を背景に、2025年まで毎年45%のペースで増加すると予想している。(※2) ※2 Roland Berger, Car Sharing in China (6 April 2017) https://www.rolandberger.com/en/press/Car-sharing-in-China-Size-of-fleet-to-grow-45-percent-per-year-through-2025-%E2%80%93-h.html 環境に特に配慮している事例として、上海拠点のEVカードは23都市で8,000台を超える電気自動車を短期レンタルしている。利用者はモバイル端末のアプリとキーカードを使って、1分間当たりわずか0.50人民元ないし1日当たり180人民元でレンタルできる電気自動車を探すことが可能だ。180人民元は30米ドルに満たない金額である。 政府の振興策もあって中国の電気自動車市場も活況を呈している。昨年1年間に中国では25万7,000台の電気自動車が登録された。これは世界全体の電気自動車登録台数の55%に相当し、米国での登録台数の3倍である。 また中国当局が化石燃料自動車を将来禁止することも視野に入れていることから、電気自動車の市場は急速な拡大を続けるだろう。中国当局がこうした取組みを検討していると9月に報道された一方で、今年に入ってからフランスや英国でも同じ趣旨の発表が行われた。 より一般的な市民生活レベルでも、環境保全の考え方は中国人の日常に浸透しつつある。2016年8月にはユビキタス・モバイル決済アプリのアリペイに「アント・フォレスト」というミニアプリが導入された。このアプリの利用者はウォーキングやネットショッピング、請求書のオンライン決済などを通じて「グリーンエネルギー」ポイントを獲得する。アント・フォレストに十分なポイントを貯めた利用者は、それを実際の苗木と交換し内モンゴル自治区の砂漠に植樹することができる。 国連の環境プログラムと協調してこの取組みを主導しているアント・ファイナンシャルの報告によれば、このアプリが導入されてからの6カ月間に2億人のユーザーが参加し、この間のユーザーの行動変化によって推計15万トンの炭素排出量が削減され100万本を超える苗木が植樹された。 世界全体に突き付けられている環境問題に比して、こうした動きの全てはほんのわずかな前進にすぎないかもしれない。しかし中国の人口と経済規模の大きさを考えれば、こうした進歩は中国国内だけでなく世界全体にとって重要である。 またこれは中国で急速に増加する中間所得層の要求に応えたい企業にとっての教訓でもある。英国のベビー服販売業者であれ、日本の自動車メーカーであれ、あるいはアメリカのレストラン事業者であっても、中国の消費者が製品やサービスの価格や利便性だけでなく環境への影響を一段と意識し始めたことには注意を向ける必要がある。 消費者とともに中国の政府当局も、気候変動に関するパリ協定を順守するとした上で、エネルギー消費抑制や排出ガス削減、再生可能エネルギー創出の取り組みを強く推進している。これらによって地球環境は改善されていくだろう。    

株主優待、上場企業の35%が導入 長期保有優遇が大幅増 

日経平均株価の上値がやや重くなる中で株主優待制度に再び投資家の関心が向かいそうだ。制度を導入している企業数は過去最高水準に膨らみ、長期保有を促す仕組みと相まって個人株主づくりに貢献する。 優待は配当と並び、長らく個人株主が投資先を選別する際の重要なポイントとなっている。企業も安定株主づくりに向けて制度導入に意欲的だ。リーマン・ショック直後の2009~10年こそ導入企業数が若干の減少に転じたものの、11年以降は再び増加に転換。野村IRの調べによると、17年10月末時点では1409社が優待を実施する。5年前と比べて3割強の増加で過去最高を更新した。上場企業の35%が導入している計算だ。 「QUOカード」優待は2年で1.5倍 もともとは企業への理解を深めてもらう狙いもあって自社商品を贈るケースが多かったが、近年は異なった傾向もみられる。特徴的なのがQUOカードを優待に使う企業の増加だ。最終消費者向けの商品を扱っていないBtoB企業が積極的に参入し始めた結果と言え、17年10月末時点では319件と15年10月末時点(205件)と比べ1.5倍に急増している。 もっとも配当と性格が近いQUOカードについては、あえて優待品にする必要があるのか疑問視する投資家も多い。そのため「最近はゆかりのある土地の特産品を盛り込んだカタログギフトを利用するBtoB企業も増えている」(野村IRの福島英貴氏)といい、優待の魅力を高めようと企業も工夫を凝らす。QUOカードをはじめとした金券やカタログギフトで優待を実施する企業は、足元で541件にのぼる。 長期保有優遇が大幅増加 長期保有してくれた株主を優遇するタイプの優待制度の増加も近年の新しい動きだ。17年10月末時点では321件が同タイプを採用しており、14年10月末時点(124件)と比べ2.6倍に跳ね上がった。株の短期的な値動きに左右されず、長く保有してくれる株主を増やし、株価の安定や株主構成の充実につなげたいとの思いを企業が強めているからだ。 321件のうち59件は長期保有した株主のみが対象となる優待制度で、こちらも増える傾向にある。例えばキユーピー(2809)やコマツ(6301)は3年以上、焼津水産化学工業(2812)やビジネスブレイン太田昭和(9658)は1年以上の継続保有を条件に掲げる。高水準の株主還元要求や敵対的買収を仕掛けてきかねない「アクティビスト(もの言う株主)・ファンド」の根強い存在感が、長期保有優遇タイプを採用する一因として挙げられる。 相次ぐ不祥事、優待導入の背中押す? 興味深いのは優待制度を導入している企業の中で、個人株主に「不祥事があっても見捨てない」役割を期待する声がじわり高まっていることだ。野村IRの調査では、個人株主に求める役割として「不祥事などがあっても理解し、応援してくれる」との回答が14.1%と、前年から1.2ポイント、前々年と比べると1.9ポイント増加。水準としてはまだ高くはないが、着実に増えつつある様子がうかがえる。   東芝(6502)や三菱自動車(7211)、日産自動車(7201)、東レ(3402)など大手の不正が相次ぐ中、対岸の火事とは思えない企業が「ファンづくり」の必要性を痛感するのも無理はないかもしれない。14年に日本マクドナルドホールディングス(2702)の期限切れ鶏肉問題が発覚した際、客足が遠のく中でも株価の下げが限定的だったのは、個人株主に人気の優待が支えになったからとの指摘もある。 繰り返す優待の悲劇 もちろん、1単元でも持っていれば優待の対象になる企業は依然として圧倒的に多い。権利取り狙いで短期売買に勤しむ個人投資家は健在だ。目当ての優待を実施している企業の株を買うと同時に信用売りを出し、権利を確定したうえで反対売買する「両建て取引」を行い、価格変動リスクをなくす手法はよく知られている。 しかし同手法を活用する投資家が多いために、空売りをする投資家が株式を借りる際に払う手数料「逆日歩」が高騰するのも珍しくない。結果としてコストが優待サービスの価値と配当の合計額を上回る「優待の悲劇」がたびたび発生する。 11月に権利付き最終日を迎えた優待銘柄では、キャンドゥ(2698)が2000円分のギフト券と850円の配当を得るために2900円のコスト、タマホーム(1419)も500円のQUOカードを手に入れるために900円のコストが発生した計算だ。12月も件のマクドナルドをはじめ様々な銘柄を対象に優待権利取りが活発化しそうだ。 【QUICKコンテンツ編集グループ・内山佑輔】

原油相場に嵐の予感 OPEC・ロシアの協調減産に綻びも

原油先物相場に嵐の予感が漂い始めた。石油輸出国機構(OPEC)やロシアなど主要産油国は18年3月に期限を迎える協調減産を2018年末まで延長することで合意した。ただ、最近の原油相場上昇を受けてサウジアラビアやロシアでは減産ムードが薄れており、協調減産体制に綻びも垣間見える。米シェールオイル生産者はすでに将来の価格下落を見込んで備えを進めている。 11月30日にウィーンで定例総会を開いたOPECはロシアなど非加盟の産油国と協調減産を2018年末まで延長することで合意した。減産延長は織り込み済みだったが、これまで内戦などの影響を踏まえて減産を免除されていたナイジェリアやリビアにも産油量の上限が設定されたことは「需給の引き締まりにいくぶん貢献する」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員)と受け止められた。 ニューヨーク原油先物は日本時間1日の時間外取引で1バレル57.60ドル近辺と、前日の終値(57.40ドル)と比べてやや高い水準で小幅高となっている。株高によるリスク選好の流れも原油市場に波及している。利益確定売りは思ったほど膨らまず結果としてイベントを「無風」通過したように見える。 原油相場に死角はないのか。フジトミの斎藤和彦チーフアナリストは「ここからが(減産合意の)本当の正念場」と指摘する。焦点はサウジの生産動向だ。協調減産の合意内容に基づくサウジアラビアの生産量の上限は日量1005万8000バレルだ。今年1月から始まった協調減産でサウジはいちばん減産してきたが、9月から産油量が前月比で増加に転じ、10月には1005万6000バレルと、上限ぎりぎりに達している。 「これまで減産を進めた一方で、輸出量は減らしていなかったので、足元では国内在庫を増やすために増産している」とサウジは主張しているもようだ。もっとも、市場は冷ややかで「減産を主導してきたサウジが減産に積極的でなくなった」と受け止められている。9月以降は中東の地政学リスクなどを材料に原油相場も上昇し、減産の緊急性は原油相場が1バレル30ドルを切っていた16年冬と比べて低下しているのも一因だ。 「週末にロイター通信がOPEC月報に先立って発表する11月の産油量でサウジの産油量が上限を超え減産を順守しなくなれば、相場急落の引き金となりかねない」(斎藤氏)という。 サウジと断交が続くイランもサウジが減産しなくなれば、減産を順守するとは考えにくい。ロシアも「最近の原油高に伴うルーブルの上昇による自国経済への影響を不安視している」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之主席エコノミスト)といい、OPEC非加盟の産油国にも協調減産の足並みの乱れが見られる。 次回18年6月の総会では減産政策が見直される予定で、いったんは合意に至った18年末までの協調減産延長が完全に履行されるかはまだ不透明だ。 米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉報告によると、投機筋の買越幅が拡大する一方、投機筋以外の商業部門の売越幅も大きく膨らんでいる。「米シェールオイル生産者が将来の価格下落リスクを防ぐために差損回避(ヘッジ)売りをかけている」との見方が多い。 今後、需給の緩みで原油価格が下がっても生産者はあらじめヘッジして確定させた売値で売ることができるため、供給過剰感はますます強まることになる。そうなれば、投機筋も買いで持ちこたえることは不可能だろう。年末にかけてはこうした急落リスクにも目配せしておいたほうが良さそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 尾崎也弥】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

進むか円安 日銀の金融政策維持で120円台の予想目立つ─2018年相場見通し

円相場は9月下旬から1㌦=110~114円のレンジで推移している。しかし、足元で公表が相次ぐ大手金融機関による円相場の予想は、2018年に円安に進むとの見方が多い。 大幅な円安を予想するUBSは18年末の円相場の目標水準を1㌦=122円とした。安倍晋三首相の再選に注目し、「日本ではインフレ率が徐々に低下すると予想している。日銀は現行の緩和的な金融政策を続ける公算が大きく、実質金利がさらに低下し、円安方向に進む」とのシナリオを掲げる。 日銀の金融政策に関しては、「イールド・カーブ・コントロール(YCC)で円相場とグローバル国債の利回りとの相関関係は高い水準を維持するだろう」(ゴールドマン・サックス)との指摘もあった。 一方でモルガン・スタンレーは18年末までに1㌦=105円までの円高を予想する。「世界的なリフレーション(緩やかな物価上昇)により、日銀が現行の金融緩和策からの脱却を迫られるほどインフレ率が上昇する。日本の長期金利は短期間で大幅に上昇するだろう」とした。 ▼大手金融機関の円相場の18年末予想 社名                 予想水準 UBS                  122円 ゴールドマン・サックス                    120円 ドイツ銀行                                120円 UBSウエルスマネジメント                115円 HSBC                                          114円 ソシエテ・ジェネラル                         114円 BNPパリバ                                    112円 バンクオブアメリカ・メリルリンチ       110円 モルガン・スタンレー                          105円 TDセキュリティーズ                        104円 【QUICKデリバティブズコメント・岩切清司】 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米CVSヘルスなど軒並み安 「デス・バイ・アマゾン」銘柄は? AI×ライターで追跡

11月30日の米国市場の時間外取引で、薬局チェーンのCVSヘルスなどドラッグストア関連銘柄が軒並み安となった。「アマゾン・ドット・コムが後発薬を手がけるマイランなどとドラッグストア関連で協議している」と伝わったのがきっかけだ。アマゾンの進出で影響を受ける「デス・バイ・アマゾン」銘柄は―ー。QUICKのオプションサービス「エクイティコメント」は日本時間12月1日早朝から、「QUICK AI速報」と組み合わせた「AI記者×ベテランライター」のコラボで、追跡した。 まずは、人間の記者が第一報「アマゾンがドラッグストア関連で協議」をキヤッチ 次に、AI記者。マケッソン(薬品卸売業)、CVSヘルス(薬局チェーン)などアマゾンのドラッグストア参入で不利益をうけそうな銘柄の下げをキャッチ。 そして続いて、人間の記者。連想売り波及の背景をわかりやすく解説。   【コンテンツ編集グループ・矢内純一】      

ビットコインに集まる個人マネー 関連株は人気離散

 東京株式市場で仮想通貨関連銘柄の売買が細っている。代表的な仮想通貨であるビットコインの値上がりが続くが、個人投資家が関連銘柄への物色を進める動きはみられない。仮想通貨は値動きの荒い対象の域を出ず、決済手段としての利用拡大を描く投資家は少ないからだ。仮想通貨の上昇で投機的な取引を好む投資家はビットコインそのものを取引し、関連銘柄の注目度の低下を促している。  ビットコインのドル建て価格は29日、初めて1ビットコイン=1万ドルの大台に乗せた。調整らしい調整を経ず、この1カ月で約60%も上昇した。  半面、株式市場では関連株の売買が膨らむ気配はない。子会社が仮想通貨取引所を運営し関連銘柄の代表格であるリミックスポイント(3825、2部)株の1日平均の売買高は11月が約16億円と、仮想通貨関連が注目を集めた5~6月(約111億円)の1割強にとどまる。  株価も軟調だ。リミックス株は30日に約5カ月ぶりの安値を付けた。仮想通貨の口座開設が増えていることを追い風に、13日に2018年3月期の連結最終損益見通しを5億2800万円の黒字(前期は4200万円の赤字)と、従来予想の4億300万円の黒字から引き上げた。それにも関わらず材料視する向きは乏しい。インフォテリア(3853、マザーズ)なども弱含んでいる。  ネット証券大手の楽天証券では、任天堂(7974)など東証1部の業績成長の期待が高い銘柄に、短期売買の個人が集中している。土信田雅之シニアマーケットアナリストは「仮想通貨関連が売買代金の上位に顔を出すことはなくなった」と話す。  米CMEグループなどはビットコインに関連する先物商品の上場を計画している。だが機関投資家の間では「決済手段として普及しなければ裾野は拡大せず、仮想通貨関連の事業の収益寄与は織り込めない」(いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員)との声が多い。  松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「投機的な売買を好む個人がビットコイン自体を取引対象にしていることも、株式市場で関連株の売買が盛り上がらない理由だ」とみる。  仮想通貨の口座開設の目的が純粋な投資に限られるのなら、ビットコインが上昇しても関連銘柄への業績貢献は乏しい。それならば企業ではなくビットコイン自体に買いを入れた方が良い――。そんな個人投資家が増えているようだ。〔日経QUICKニュース(NQN) 田中俊行〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

運用会社、ロボット見本市に初出展 関連投信のアピールに躍起

世界のロボットメーカーが一堂に会する国際ロボット展が29日、東京ビッグサイト(東京・江東)で始まった。ファナック(6954)などが自社の技術をアピールするなか、日興アセットマネジメント(東京・港)といった資産運用会社が異色の「ロボット」関連として出展している。 国際ロボット展は日本ロボット工業会(東京・港)などが主催し、国内のほか中国やドイツなどから612社・団体が出展した。生産現場の人手不足対策などを背景にロボット分野への関心は高い。 会場には運用会社の日興アセットマネジメントとアクサ・インベストメント・マネージャーズがロボットメーカーに混じってブースを構える。大和証券投資信託委託(東京・千代田)もアクサと共同出展している。運用会社の出展は初めてという。いずれもロボットメーカーに投資する投資信託を紹介している。 「ロボット業界の関係者などロボットに関心がある人にファンドをアピールしたい」(日興アセット)という。蛇の道は蛇。その業界に詳しい人なら業界の投信を買ってくれるだろうという算段のようだ。 日興アセットは「グローバル・ロボティクス株式ファンド」の運用方針などを解説する。同ファンドの運用残高はシリーズ4本で計8300億円に膨らんでいる。「グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)」の基準価格は27日時点で1万5275円。日本企業ではキーエンス(6861)や安川電(6506)、海外企業では米ロックウェル・オートメーションやスイスのABBなどに投資している。 ロボット関連銘柄の株価は堅調に推移 大和投資信託はアクサ・インベストメンツを通じ、ドイツのシーメンスなどを組み込んだ「ロボット・テクノロジー関連株ファンド―ロボテック―」を運用している。アクサのファンドマネジャーが投資先の技術やサービスについて投資家に説明する機会を設ける。 金融庁は金融機関に「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」を求めており、運用会社も投資家から選ばれる存在にならなければならない。これまでは投信の販売を銀行など販売会社に頼っている面が大きかった。楽天証券経済研究所の篠田尚子ファンドアナリストは「運用会社が直接、投資家と接点を持とうとしている」と評価していた。 【日経QUICKニュース 岩本貴子】  ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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