全産業DIがプラス圏浮上、製造セクター軒並み改善(2016年12月)

全産業DI、プラス圏へ改善 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年12月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス16となり、前月(マイナス1)から17ポイント改善しました。プラス圏に浮上するのは2015年10月以来、1年2カ月ぶりになります。特に製造業DIは3カ月連続で改善。プラス26と前月(マイナス3)から29ポイントの大幅改善となり、全体の業績見通しの押し上げに寄与しました。非製造業DIはプラス4と前月(プラス1)から改善しました。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがプラスに転じたということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 全産業DIの過去の推移をみると以下の通りになります。 8月・・・・・・ 16 9月・・・・・・ 10 10月・・・・・・ 3 11月・・・・・・▲3 12月・・・・・・▲3 1月・・・・・・▲3 2月・・・・・・▲20 3月・・・・・・▲30 4月・・・・・・▲30 5月・・・・・・▲33 6月・・・・・・▲36 7月・・・・・・▲34 8月・・・・・・▲27 9月・・・・・・▲27 10月・・・・・・▲18 11月・・・・・・▲1 12月・・・・・・ 16 最も悪化した6月のマイナス36から徐々に改善傾向をたどると、10月から回復基調が明確になり、12月にはプラス圏まで戻し、2015年8月の水準まで改善しました。その背景として、9月下旬以降から円安・ドル高が進んだことが挙げられます。円安進行で輸出関連企業を中心に収益改善期待が高まり、コンセンサスDIの大幅改善につながりました。 非鉄金属など、マイナスからプラスに大幅改善 業種別のDIをみると、16業種中、プラスは11業種になり、前月の8業種から増加しました。前月からのDIの動きを業種別に見ると、以下のようになります。 ↑プラスが拡大・・・・・・・・・・・・「機械」「建設」「情報通信」「卸売」 ↑マイナスないしゼロからプラスに転換・「化学」「非鉄金属」「電機」「輸送用機器」「銀行」 ↑マイナスが縮小・・・・・・・・・・・「小売」 ↓プラスが縮小・・・・・・・・・・・・「食料品」「医薬品」 ↓プラスからゼロに縮小・・・・・・・・「不動産」 →ゼロで横ばい・・・・・・・・・・・・「その他金融」 ↓プラスないしゼロからマイナスに悪化・「サービス」 ↓マイナスが拡大・・・・・・・・・・・「鉄鋼」 業種別にみると、改善の兆しを示す業種が多くなっています。「プラスが拡大」から「マイナスが縮小」までを改善の兆しをみせている業種であると考えると、合計で10業種が改善していると言えそうです。特にマイナスからプラスに転換したセクターでは、「非鉄金属」が70ポイント、「輸送用機器」は49ポイントなど、大幅な改善がみられました。 次に、DIを製造業、非製造業の別でみてみましょう。 過去一年間の製造業のDIは、 1月・・・・・・▲11 2月・・・・・・▲35 3月・・・・・・▲48 4月・・・・・・▲47 5月・・・・・・▲47 6月・・・・・・▲48 7月・・・・・・▲49 8月・・・・・・▲45 9月・・・・・・▲38 10月・・・・・・▲25 11月・・・・・・▲3 12月・・・・・・ 26 これに対して非製造業DIは、 1月・・・・・・・8 2月・・・・・・▲3 3月・・・・・・・1 4月・・・・・・▲1 5月・・・・・・▲9 6月・・・・・・▲18 7月・・・・・・▲15 8月・・・・・・▲7 9月・・・・・・▲15 10月・・・・・・▲10 11月・・・・・・・1 12月・・・・・・・4 でした。 製造業、非製造業ともに改善傾向を示しており、特に製造業は11月のマイナス3から、12月にはプラス26と大幅な改善がみられます。これはトランプ次期米大統領の政策期待による円安進行が背景とみられます。もちろん期待先行の側面もあり、円安・ドル高の反転リスクには目を配る必要もありそうですが、非製造業も改善基調にあることで、全体業績見通しは底堅さを増しているといえます。1月下旬以降の業績公表段階で企業側がどの程度、明るい見通しを示すかどうかが当面の注目ポイントになりそうです。 ディスプレー企業に前向き評価 銘柄数の内訳は、「強気」が149銘柄で、「変化なし」が179銘柄、「弱気」が82銘柄になりました。3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップすると、下記のようになります。  <上方修正率の大きい銘柄> 1位 JDI(6740)・・・・・・・・628.05% 2位 シャープ(6753)・・・・・・・146.93% 3位 太陽誘電(6976)・・・・・・・101.99% 4位 新電工(6967) ・・・・・・・・66.60% 5位 SUMCO(3436) ・・・・・・66.15%  <下方修正の大きい銘柄> 1位 コロプラ(3668) ・・・・・・▲51.95% 2位 アンリツ(6754) ・・・・・・▲47.55% 3位 サイバダイン(7779) ・・・・▲46.96% 4位 リコー(7752) ・・・・・・・▲41.87% 5位 カシオ(6952) ・・・・・・・▲26.48% 3カ月前比で、純利益の上昇修正率が最も大きかったのはJDIで628.05%。産業革新機構から750億円の資金支援を受けることが決定し、スマホ向けの中型有機ELパネル事業の拡大が期待されています。JDIと同じく再建途上にあるシャープが2位に入っており、台湾・鴻海精密工業の傘下で、テレビ用の大型液晶パネルに注力する方針を明らかにしています。両社の生き残りを賭けた動きが活発になってきたといえそうです。 (ライター・下村祥子)

円安進行が本格寄与、全産業DIでプラス圏浮上が視野に(11月)

前月に比べて大幅な改善示す 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年11月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス1となり、前月(マイナス17)から17ポイント改善しました。特に製造業DIは2カ月連続で改善。マイナス3と前月(マイナス25)から22ポイントの大幅改善となり、全体の業績見通しの押し上げに寄与しました。全体の業績見通しは悪化の一途を辿っていたトンネルから脱する兆しがみえてきたと言えそうです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。マイナス値は脱していないものの、ここ2カ月で大きく改善し、11月は2015年10月以来の水準まで回復しました。 全産業DIの過去の推移をみると以下の通りになります。 10月・・・・・・ 3 11月・・・・・・▲3 12月・・・・・・▲3 1月・・・・・・▲3 2月・・・・・・▲20 3月・・・・・・▲30 4月・・・・・・▲30 5月・・・・・・▲33 6月・・・・・・▲36 7月・・・・・・▲34 8月・・・・・・▲27 9月・・・・・・▲27 10月・・・・・・▲18 11月・・・・・・▲1 今年2月には2桁のマイナスに突入し、最も悪化した6月のマイナス36から改善傾向をたどると、11月はマイナス1まで急回復しました。この背景には、6月に節目の1ドル=100円を割り込むほど進んだ円高が9月下旬以降、一転して円安・ドル高に転じたことが貢献したとみられます。 円安はその後も一段と進み、11月末には114円台に突入したことから輸出関連企業を中心に増額修正期待が高まり、これがコンセンサスDIの大幅改善につながりました。 例えば、トヨタ自動車は、今年に入ってからの円高・ドル安局面で、業績見通しの前提となる想定為替レートを100円まで円高方向に見直していましたが、これが114円になれば為替要因だけで大幅な増益要因になります。ちなみにトヨタの場合、1円の円安で年間400億円の営業益の上振れ見込まれますから、14円幅の円安だと5600億円の営業増益要因になります。 来年3月に向けての為替レートがどうなるか次第ですが、いずれにしても現時点のコンセンサスの改善にこの円安がポジティブ要因に作用しているのは事実です。 製造業、非製造業ともに改善傾向 業種別のDIをみると、16業種中、プラスは8業種になり、前月の5業種から3業種改善しています。前月からのDIの動きを業種別に見ると、以下のようになります。 ↑プラスが拡大・・・・・・・・・・・・「食料品」「医薬品」「建設」「情報通信」  ↑マイナスからプラスに転換・・・・・・「機械」「卸売」「サービス」  →プラスで横ばい・・・・・・・・・・・「不動産」  ↑マイナスからゼロに回復・・・・・・・「銀行」「その他金融」  ↑マイナスが縮小・・・・・・・・・・・「電機」「輸送用機器」  →マイナスで横ばい・・・・・・・・・・「化学」  ↓プラスないしゼロからマイナスに悪化・「鉄鋼」「非鉄金属」  ↓マイナスが拡大・・・・・・・・・・・「小売」 業種別にみても、改善の兆しを示す業種が多くなっています。「プラスが拡大」から「マイナスが縮小」までを改善の兆しをみせている業種であると考えると、合計で12業種が改善していると言えそうです。特にマイナスからプラスに転換したセクターでは、機械はマイナス45からプラス11へ、卸売はマイナス22からプラス30へとは大幅な改善がみられました。 次に、DIを製造業、非製造業の別でみてみましょう。 過去一年間の製造業のDIは、 11月・・・・・・▲18 12月・・・・・・▲15 1月・・・・・・▲11 2月・・・・・・▲35 3月・・・・・・▲48 4月・・・・・・▲47 5月・・・・・・▲47 6月・・・・・・▲48 7月・・・・・・▲49 8月・・・・・・▲45 9月・・・・・・▲38 10月・・・・・・▲25 11月・・・・・・▲3 これに対して非製造業DIは、 11月・・・・・・・15 12月・・・・・・・12 1月・・・・・・・8 2月・・・・・・▲3 3月・・・・・・・1 4月・・・・・・▲1 5月・・・・・・▲9 6月・・・・・・▲18 7月・・・・・・▲15 8月・・・・・・▲7 9月・・・・・・▲15 10月・・・・・・▲10 11月・・・・・・・1 製造業、非製造業ともに改善傾向を示しており、とりわけ製造業が10月のマイナス25から、11月はマイナス3まで大幅に改善しています。これは前述したように、11月以降、急速に進んだ円安による影響が大きいと思われます。株式市場でも円安・ドル高を織り込んで株価が上昇しています。 ただ、円安・ドル高によって業績改善が見込まれる主力大型株中心の物色になっています。さらに、現在進行している円安・ドル高は、トランプ・ラリーの影響によるものが大きいだけに、今後の反転リスクには注意を払った方がよいかもしれません。期待先行のマーケットは、行き過ぎる恐れがあります。 厳しい製鉄会社の経営環境 銘柄数の内訳は、「強気」が90銘柄で、「変化なし」が177銘柄、「弱気」が95銘柄になりました。3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップすると、下記のようになります。 <上方修正率の大きい銘柄> 1位 SUMCO(3436)・・・・・・・・・50.50% 2位 任天堂(7974)・・・・・・・・ 48.84% 3位 セガサミーHD(6460)・・・・・ 48.41% 4位 グリー(3632)・・・・・・・・ 43.60% 5位 スズキ(7269)・・・・・・・・ 32.88%  <下方修正の大きい銘柄> 1位 神戸製鋼所(5406)・・・・・ ▲88.14% 2位 IHI(7013)・・・・・・・・・▲87.12% 3位 JFEホールディングス(5411)・▲70.40% 4位 川崎重工業(7012)・・・・・ ▲51.72% 5位 カシオ計算機(6952)・・・・ ▲43.31% 3カ月前比で、純利益の下方修正率が最も大きかったのは神戸製鋼所でした。また、3位にはJFEホールディングスが入っており、製鉄会社の苦戦が目立ちます。今後、円安・ドル高が進めば、それによる業績押し上げは期待できるものの、中国の過剰生産による価格下落が響いており、その需給が改善しない限り、当面、製鉄会社にとっては厳しい経営環境が続きそうです。

円安追い風にコンセンサスDI回復 非鉄金属・鉄鋼・電機など見通し改善(10月)

製造業中心に業績見通しが回復 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年10月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス18となり、前月(マイナス27)から9ポイント改善しました。製造業DIはマイナス25と前月(マイナス38)から13ポイントの大幅改善となり、全産業DIの改善を牽引する形となりました。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っていることを示しています。なおマイナス幅は大きいものの、10月は2016年1月以来の水準まで回復しました。 全産業DIの過去1年の推移をみると以下の通りになります。 10月・・・・・・ 3 11月・・・・・・▲3 12月・・・・・・▲3 1月・・・・・・▲3 2月・・・・・・▲20 3月・・・・・・▲30 4月・・・・・・▲30 5月・・・・・・▲33 6月・・・・・・▲36 7月・・・・・・▲34 8月・・・・・・▲27 9月・・・・・・▲27 10月・・・・・・▲18 8~9月とマイナス27で足踏み状態になりましたが、10月に入ってからマイナス18と急改善しました。最悪だった6月のマイナス36から順調に改善傾向をたどっていますが、この背景には為替の影響があると思われます。 5月には1ドル=111円台を付ける場面もあったドル円相場ですが、6月に節目の100円を割り込むまで円高が進んだ事から製造業を中心に業況が悪化しました。しかし、9月下旬以降は再び円安に転じ、10月下旬には105円台まで円安・ドル高が進行。製造業を中心に業績の先行きに明るい兆しがみえ始めたことがコンセンサスDIの数字にも現れたといえそうです。 非製造業DIの足下は脆弱 次に、DIを製造業、非製造業の別でみてみましょう。昨年以降の製造業のDIは、 10月・・・・・・▲12 11月・・・・・・▲18 12月・・・・・・▲15 1月・・・・・・▲11 2月・・・・・・▲35 3月・・・・・・▲48 4月・・・・・・▲47 5月・・・・・・▲47 6月・・・・・・▲48 7月・・・・・・▲49 8月・・・・・・▲45 9月・・・・・・▲38 10月・・・・・・▲25 これに対して非製造業は、以下の通りです。 10月・・・・・・・20 11月・・・・・・・15 12月・・・・・・・12 1月・・・・・・・8 2月・・・・・・▲3 3月・・・・・・・1 4月・・・・・・▲1 5月・・・・・・▲9 6月・・・・・・▲18 7月・・・・・・▲15 8月・・・・・・▲7 9月・・・・・・▲15 10月・・・・・・▲10 製造業DIはマイナスが続いていますが、7月のマイナス49を底に、10月はマイナス25まで改善しています。一方、非製造業も改善傾向をたどっていますが、消費者物価指数は相変わらず低迷しており、足下はやや脆弱と見た方が良さそうです。 「不動産」「電機」など13業種のDIが改善 業種別のDIをみると、16業種中、プラスは5業種になりました。先月はプラス業種が「情報・通信」のみだったことから考えると、先行きの業績に対する期待値が高まっている業種が増えていることが分かります。 前月からのDIの動きを業種別にみると、以下のようになります。 ①ゼロないしマイナスからプラスに転換   ⇒「食料品」「医薬品」「非鉄金属」「建設」「不動産」  ②マイナスからゼロに回復   ⇒「鉄鋼」  ③プラスからゼロに悪化   ⇒「情報・通信」  ④マイナスが縮小   ⇒「化学」「機械」「電機」「輸送用機器」「小売」「サービス」「銀行」  ⑤マイナスが悪化   ⇒「卸売」「その他金融」 業種別にみても、改善の兆しを示す業種が多くなっています。上記では、①・②・④が改善の兆しをみせている業種であると考えられますが、それを合わせると合計で13業種が改善しています。 業績の上向く力が弱い 銘柄数の内訳は、「強気」が57銘柄で、「変化なし」が184銘柄、「弱気」が123銘柄になりました。3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップすると、下記のようになります。 <上方修正率の大きい銘柄> 1位 グリー(3632)・・・・・・・52.34% 2位 セガサミーHD(6460)・・・37.78% 3位 三井化学(4183)・・・・・・31.81% 4位 東芝(6502)・・・・・・・・29.32% 5位 任天堂(7974)・・・・・・・28.38%  <下方修正の大きい銘柄> 1位 ベネッセHD(9783)・・・▲ 100% 2位 新光電気工業(6967)・・・▲95.89% 3位 日本写真印刷(7915)・・・▲72.71% 4位 リコー(7752)・・・・・・▲56.28% 5位 セブン&アイHD(3382)・▲55.59% 上方修正率のトップ5と、下方修正率のトップ5を比較すると、上方修正率は全般的にそれほど高くありませんが、下方修正率の数字は1位のベネッセHDのマイナス100%をはじめとして、非常にマイナス幅が大きくなっているのが分かります。この比較感で言うと、一部に業績堅調な銘柄は散見されるものの、業績が上向く力は弱いということが言えそうです。

非製造業DIの悪化目立つ 業種別DI、プラスは「情報・通信」のみ(9月)

全産業DIはマイナス27で変わらず 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年9月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス27となり、前月と同じでした。前月まで2カ月連続で改善し、業績モメンタムの悪化に歯止めがかかり始めたとの見方もできますが、企業を取り巻く環境には依然として不透明要因も多いため、先行き業績に対する慎重姿勢は続いているようです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 全産業DIの過去1年の推移をみると以下の通りになります。 9月・・・・・・ 10 10月・・・・・・ 3 11月・・・・・・▲3 12月・・・・・・▲3 1月・・・・・・▲3 2月・・・・・・▲20 3月・・・・・・▲30 4月・・・・・・▲30 5月・・・・・・▲33 6月・・・・・・▲36 7月・・・・・・▲34 8月・・・・・・▲27 9月・・・・・・▲27 6月時点でマイナス36まで下がったコンセンサスDIが、8月時点ではマイナス27まで改善しました。ただ、9月調査分もマイナス27で変わらず、やや足踏み状態です。9月初旬は1ドル=103円台だったドル円相場が、9月下旬にかけて100円台まで円高・ドル安が進んだことにより、主力大型株を中心に業績の先行きに対する懸念が浮上しました。 非製造業DIが悪化 次に、DIを製造業、非製造業の別で見てみましょう。昨年以降の製造業DIは、 9月・・・・・・▲5 10月・・・・・・▲12 11月・・・・・・▲18 12月・・・・・・▲15 1月・・・・・・▲11 2月・・・・・・▲35 3月・・・・・・▲48 4月・・・・・・▲47 5月・・・・・・▲47 6月・・・・・・▲48 7月・・・・・・▲49 8月・・・・・・▲45 9月・・・・・・▲38 これに対して非製造業は、 9月・・・・・・・25 10月・・・・・・・20 11月・・・・・・・15 12月・・・・・・・12 1月・・・・・・・8 2月・・・・・・▲3 3月・・・・・・・1 4月・・・・・・▲1 5月・・・・・・▲9 6月・・・・・・▲18 7月・・・・・・▲15 8月・・・・・・▲7 9月・・・・・・▲15 製造業DIはマイナスが続いていますが、7月のマイナス49を底に、徐々にではありますが改善傾向を見せています。一方、非製造業DIは6月にマイナス18という最悪の水準を付けたのち、8月にはマイナス7まで改善しましたが、9月は再びマイナス15へと悪化しました。物価上昇の気配がなく、消費者物価指数の上昇率が低下するなか、サービス業を中心にして価格を上げられない状況が続いており、業績見通しの悪化につながっているとみられます。 業種別DI、プラスは「情報・通信」のみ 業種別DIを見ると、16業種中、プラスになっているのは「情報・通信」のみ。0が2業種で、残りの13業種はマイナスでした。前月からのDIの動きを業種別に見ると、以下のようになります。 プラス値が低下・・・・・・「情報・通信」 プラス値が0に・・・・・・「建設」 0のまま変わらず・・・・・「医薬品」 プラス値からマイナス値へ・「食料品」「不動産」 マイナス値が改善・・・・・「鉄鋼」「非鉄金属」「電機」「卸売」「小売」「その他金融」 マイナス値が変わらず・・・「輸送用機器」 マイナス値が悪化・・・・・「化学」「機械」「サービス」「銀行」 8月調査分では、それ以前の結果に比べて業種別の数字は改善傾向にありました。しかし、8月の業種別DIがプラスを維持していた業種は5業種でしたが、9月調査分では1業種に減少。マイナス値が改善した業種も7業種から6業種に減り、マイナス値が悪化した業種が2業種から4業種に増えました。全産業ベースのコンセンサスDIが足踏みしているのも、こうした業種別DIの悪化を見れば納得が行きます。 グリーが46%上方修正率でトップ、下方修正トップはベネッセ 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。銘柄数の内訳は「強気」が57銘柄で、「変化なし」が187銘柄、「弱気」が169銘柄になりました。 <上方修正率の大きい銘柄> 1位 グリー(3632)・・・・・・・・・・・46.45% 2位 パイオニア(6773)・・・・・・・・・44.18% 3位 セガサミーHD(6460)・・・・・・・41.87% 4位 ソフトバンクグループ(9502)・・・・30.45% 5位 四国電力(9507)・・・・・・・・・・29.01% <下方修正の大きい銘柄> 1位 ベネッセホールディングス(9783)・▲100% 2位 日本写真印刷(7915)・・・・・・・▲73.88% 3位 神戸製鋼所(5406)・・・・・・・・▲50.86% 4位 不二越(6474)・・・・・・・・・・▲42.90% 5位 商船三井(9104)・・・・・・・・・▲41.50%

業績モメンタム悪化に歯止め? 食料品DIなどプラス拡大、化学・銀行はマイナス縮小(8月)

全産業DIはマイナス27に改善 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年8月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス27となりました。前月から7ポイント改善しました。同DIの改善は2カ月連続となります。絶対値をみると依然として企業全体の業績見通しは厳しいと言わざるをえませんが、米景気の拡大や政府・日銀の経済対策への期待といった下支え要因を背景に業績モメンタムの悪化に歯止めがかかり始めた可能性もありそうです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 全産業DIの過去1年の推移をみると以下の通りになります。8月・・・・・・ 169月・・・・・・ 1010月・・・・・・ 311月・・・・・・▲312月・・・・・・▲31月・・・・・・▲32月・・・・・・▲203月・・・・・・▲304月・・・・・・▲305月・・・・・・▲336月・・・・・・▲367月・・・・・・▲348月・・・・・・▲27 8月は前月に比べて7ポイント改善しました。もちろんマイナス27ポイントですから、水準そのものは決して良いとはいえませんが、今年3~7月までマイナス値が30ポイント以上だったことを考えると、若干、悲観ムードが緩んできた感はあります。 業種別DI、10業種が改善 食料品などプラス拡大 化学・銀行はマイナス縮小 業種別のDIをみると、前月からDIが改善したのは16業種中10業種となりました。詳細は以下の通りです。↑プラス拡大・・・・「食料品」「建設」「情報通信」↑マイナス縮小・・・「化学」「鉄鋼」「輸送用機器」「卸売」「小売」「サービス」「銀行」―マイナスが横ばい・「非鉄金属」「機械」↓プラス縮小・・・・「医薬品」「不動産」↓マイナス拡大・・・「電機」「その他金融」 7月は「プラス拡大」セクターはありませんでしたが、8月は3業種でプラス拡大がみられ、かつマイナス拡大のセクターは、7月の5業種に対して8月は2業種に減少。マイナス縮小となったセクターは、7月の5業種に対して8月は7業種に増えました。マイナス縮小セクターでは、化学がマイナス56からマイナス11へと改善したほか、銀行はマイナス38からマイナス20となりました。多くの業種において、業績の先行きに対する見方がやや良くなってきたと考えられます。 次に、DIを製造業、非製造業の別でみてみましょう。昨年以降の製造業DIは、8月・・・・・・ 109月・・・・・・▲510月・・・・・・▲1211月・・・・・・▲1812月・・・・・・▲151月・・・・・・▲112月・・・・・・▲353月・・・・・・▲484月・・・・・・▲475月・・・・・・▲476月・・・・・・▲487月・・・・・・▲498月・・・・・・▲45 これに対して非製造業DIは、8月・・・・・・ 179月・・・・・・ 2510月・・・・・・ 2011月・・・・・・ 1512月・・・・・・ 121月・・・・・・ 82月・・・・・・▲33月・・・・・・ 14月・・・・・・▲15月・・・・・・▲96月・・・・・・▲187月・・・・・・▲158月・・・・・・▲7 製造業、非製造業ともに、DIのマイナス値が縮小しました。両DIともプラス転換ではないため、まだ予断を許さない状況であることに変わりはありません。しかし、DIのマイナス縮小は、少なくとも企業業績予想が最悪期を脱したことを伺わせます。 日経平均株価も8月3日には1万6083円まで下落していましたが、8月末には1万6887円まで回復してきました。ドル円相場が一時の1ドル=100円割れの水準から103円前後まで戻したことも、株価にとっては好材料になっています。 ただ、6月の日銀短観で明らかになった各業種の想定レートによると、自動車は109円13銭、電機は112円34銭などとなっていました。そのため、103円前後の為替レートは、特に輸出製造業にとっては厳しい水準にあると言わざるを得ません。 また、7月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合でマイナス0.5%と、6月のマイナス0.4%よりも悪化。食料・エネルギーを除く総合も6月の0.5%に対して7月は0.3%と、伸び率が鈍化しました。生産効率を上げにくい非製造業の場合、物価の下落は業績の悪化につながりやすいだけに、物価の上昇率低下は業績にとってネガティブ要因になります。 東芝の上方修正目立つが… 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。銘柄数の内訳は「強気」が48銘柄で、「変化なし」が129銘柄、「弱気」が131銘柄になりました。 <上方修正率の大きい銘柄>1位 東芝(6502)・・・・・・・・・・52.42%2位 ソフトバンクグループ(9984)・・42.58%3位 セガサミーHD(6460)・・・・・29.56%4位 中部電力(9502)・・・・・・・・28.74%5位 三井化学(4183)・・・・・・・・24.29% <下方修正の大きい銘柄、▲は減少>1位 日本写真印刷(7915)・・・・・▲76.15%2位 神戸製鋼所(5406)・・・・・・▲55.43%3位 SUMCO(3346)・・・・・・▲54.90%4位 不二越(6474)・・・・・・・・▲43.01%5位 四国電力(9507)・・・・・・・▲42.35% 2016年3月期に、連結ベースで4600億円の最終赤字を計上した東芝ですが、国内外で1万4450人にも達する人員削減を含む大幅なリストラ策により、16年4~6月期決算は改善しました。株価も一時は200円を割り込んでいましたが、徐々に回復し、320円前後で推移しています。ただ、リストラによって事業部門の売却も行っており、リストラ効果が終息した後の業績改善には不透明な部分があるのも事実です。

コンセンサスDI、マイナス幅が縮小 食料品DIはプラス転換(7月)

全産業DIはマイナス34に改善 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年7月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス34となりました。前月から2ポイント改善しました。とはいえ、絶対値をみる限り、企業全体の業績見通しは厳しい状況であることに変わりはありません。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 7月28~29日に開催された日銀金融政策決定会合では、上場投資信託(ETF)の買い入れ額が従来の年間3.3兆円ペースから6兆円へと引き上げられたほかは、特に大きく変わったものはありませんでした。事前には、ヘリコプターマネーやマイナス金利の深堀り、現在年間80兆円の量的緩和を100兆円まで拡大するなど、さらなる金融緩和への期待感が高まっていましたが、市場関係者にとってはやや期待外れだったのでしょう。金融政策決定会合の内容が報道されると、ドル円は再び円高に向かいました。また、物価水準も相変わらずデフレ気味に推移しており、マクロ環境は企業にとって、相変わらず厳しい状況が続いています。 物価上昇率の低下で非製造業の見通し厳しい 業種別のDIをみると、16業種中プラスだったのは4業種でした。前月からのDIの動きを業種別にみると、以下のようになります。プラス値が横ばい・・・・・・・・「不動産」プラス値が低下・・・・・・・・・「医薬品」「建設」マイナス値からプラス値へ改善・・「食料品」マイナス値からゼロへ改善・・・・「情報・通信」ゼロで変わらず・・・・・・・・・「その他金融」マイナス値が改善・・・・・・・・「機械」「電機」「卸売」「サービス」「銀行」マイナス値が悪化・・・・・・・・「化学」「鉄鋼」「非鉄金属」「輸送用機器」「小売」 次に、DIを製造業、非製造業の別でみてみましょう。昨年以降の製造業DIは、7月・・・・・・68月・・・・・・109月・・・・・▲510月・・・・・▲1211月・・・・・▲1812月・・・・・▲151月・・・・・▲112月・・・・・▲353月・・・・・▲484月・・・・・▲475月・・・・・▲476月・・・・・▲487月・・・・・▲49となっています。 これに対して非製造業DIは、7月・・・・・・178月・・・・・・179月・・・・・・2510月・・・・・・2011月・・・・・・1512月・・・・・・121月・・・・・・82月・・・・・▲33月・・・・・・14月・・・・・▲15月・・・・・▲96月・・・・・▲187月・・・・・▲15となりました。 製造業に比べて非製造業の方がマイナス値は小さいものの、数値的には決して良いものではありません。物価水準の低下は、生産性の向上が難しいサービス業にとって、業績の悪化につながりやすいのが上記の数値にも表れています。 消費者物価指数は、食料およびエネルギーを除く総合でも、対前年同月比で4月・・・・・0.7%5月・・・・・0.6%6月・・・・・0.4%というように徐々に上昇率が低下しています。この数値が上向いていかない限り、サービスを中心とする非製造業の業績に対する期待感は厳しい状況が続きそうです。 ベネッセHDの下方修正率大きく 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。銘柄数の内訳は「強気」が65銘柄で、「変化なし」が100銘柄、「弱気」が184銘柄になりました。 <上方修正率の大きい銘柄>1位 東芝(6502)・・・・・・・・・・98.18%2位 コスモエネルギーHD(5021)・・66.75%3位 中部電力(9502)・・・・・・・・47.28%4位 昭和シェル石油(5002)・・・・・35.51%5位 レンゴー(3941)・・・・・・・・29.17% <下方修正の大きい銘柄、▲は減少>1位 ベネッセHD(9783)・・・・・▲98.94%2位 ジャパンディスプレイ(6740)・▲80.33%3位 新光電気工業(6967)・・・・・▲76.79%4位 パイオニア(6773)・・・・・・▲75.71%5位 千代田化工建設(6366)・・・・▲68.19%

業績期待指数の悪化止まらず サービス業中心に非製造業が低迷(6月)

株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年6月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス36となりました。前月から3ポイント悪化し、マイナスは8カ月連続。国内景気の先行き不透明感などを背景に、引き続き、企業は厳しい収益環境に置かれているようです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 今はやや落ち着いていますが、6月23日に行われたイギリスのEU離脱をめぐる国民投票では離脱が多数となりました。瞬間、外国為替市場では円が買われ、一時は1ドル=100円を割り込む水準まで円高が進みました。一時期のマーケットの混乱が落ち着いたとはいえ、現在のドル円は1ドル=102円前後。輸出企業の採算レートが1ドル=103円ですから、現状でもすでに輸出企業にとっては採算割れの水準にあります。業績見通しについて弱気の見方が多いのは、円高に原因があると考えられます。 デフレ色が強まり非製造業のDIが悪化 今回の特徴は金融と製造業のDIが下げ渋りを見せたにもかかわらず。全体のDIの下落が止まらなかったことです。原因を探るためにも、DIを製造業、非製造業の別で見てみましょう。昨年7月以降の製造業のDIは、 7月・・・・・・6 8月・・・・・・10 9月・・・・・・▲5 10月・・・・・▲12 11月・・・・・▲18 12月・・・・・▲15 1月・・・・・・▲11 2月・・・・・・▲35 3月・・・・・・▲48 4月・・・・・・▲47 5月・・・・・・▲47 6月・・・・・・▲48 これに対して非製造業は、 7月・・・・・・17 8月・・・・・・17 9月・・・・・・25 10月・・・・・20 11月・・・・・15 12月・・・・・12 1月・・・・・・8 2月・・・・・・▲3 3月・・・・・・1 4月・・・・・・▲1 5月・・・・・・▲9 6月・・・・・・▲18 前述の通り、輸出企業の採算レートを割り込む円高が進んでいることで、製造業の業績見通しは改善の兆しは見えない状況です。加えて深刻なのが非製造業で、今回調査のDIは、前回調査のマイナス9を大きく下回るマイナス18でした。 人手を機械やコンピュータに置き換えて合理化を進めるのが困難なサービス業にとって、物価の下落は収益性の悪化に即、つながります。7月1日に発表された5月の消費者物価指数は、食料及びエネルギーを除く総合で0.6%。2014年の年平均が1.8%だったのと比較すると、デフレに近づいている考えられます。物価に上昇の兆しが見えてこない限り、非製造業のDI悪化は避けられないとの見方もあります。 実際に業種別のDIを見ると、16業種中、DIがプラスを維持しているのは「医薬品」、「建設」、「不動産」の3業種で、前月と変わらず。「鉄鋼」は2カ月連続でマイナス100でしたが、今回調査ではマイナス75に改善。「サービス」が前回調査のマイナス5からマイナス34へと大きく悪化しました。 業績見通しは弱気銘柄の数が増加 銘柄数の内訳は、「強気」が63銘柄で、「変化なし」が123銘柄、「弱気」が205銘柄になりました。前月に比べて、弱気銘柄が大幅に増えています。 予想純利益率の上方修正率(3カ月前比)の高かった上位5銘柄は以下の通りです。 東芝(6502)・・・・・・・・・・・・・・・・・201.25% 中部電力(9502)・・・・・・・・・・・・・・52.40% 昭和シェル石油(5002)・・・・・・・・・35.51% レンゴー(3941)・・・・・・・・・・・・・・・25.50% ペプチドリーム(4587)・・・・・・・・・・23.96% 一方、下方修正率ランキングの上位5銘柄は以下の通りです(▲は減少)。 ベネッセHD(9783)・・・・・・・・・・▲98.94% ジャパンディスプレイ(6740)・・・▲81.37% パイオニア(6773)・・・・・・・・・・・▲79.20% 四国電力(9507)・・・・・・・・・・・・▲67.77% 日本郵船(9101)・・・・・・・・・・・・▲63.32%

業績期待指数は一段と悪化 電機など下振れ、医薬品は大幅改善(5月)

全産業DIマイナス33に悪化 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年5月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス33となりました。前月から3ポイント悪化し、マイナスは6カ月連続。国内景気の先行き不透明感などを背景に、厳しい収益環境に置かれている現状が浮き彫りとなる結果となりました。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 4月調査時点では2カ月連続のマイナス30で下げペースがやや足踏みとなり、今後の流れが注目されましたが、5月調査ではマイナス33と悪化しました。マイナス幅が拡大したことによって改めて足元の企業業績の悪さが浮き上がりました。 気になるのは、雇用がタイトな割に物価がデフレ気味であることです。4月の完全失業率は3.2%と極めて低水準ですが、4月の消費者物価指数(CPI)は「食品およびエネルギーを除く総合」でみても、前年同月比で0.7%の上昇でしかなく、総合もしくは生鮮食品を除く総合ではマイナス0.3%と、むしろデフレ色が徐々に濃くなっているのが分かります。 2017年4月に予定されていた消費税率の8%から10%への引き上げは、2年半先延ばしになる公算が大きくなっていますが、本来、政府・日銀の当初の目算では現時点でCPIは2%の上昇率に乗せているはずで、それが未達であることに、日本経済の現状の厳しさがうかがわれます。 機械・電機DIなどマイナス値拡大 医薬品は大幅改善 業種別DIをみると、16業種中、DIがプラスを維持しているのは「医薬品」「建設」「不動産」の3業種。医薬品は4月調査のDIが0でしたが今回、プラス64へと大幅に改善しました。また、「その他金融」は前月と変わらず0です。残りの業種はすべてDIがマイナスで、それぞれの動向は以下のようになります。 ・マイナス値が悪化 ⇒「機械」「電機」「輸送用機器」「情報・通信」「小売り」「銀行」 ・マイナス値が横ばい⇒「鉄鋼」 ・マイナス値が改善 ⇒「食料品」「化学」「非鉄金属」「卸売」「サービス」 世界経済や円相場の動向が業績に左右する機械や電機・輸送用機器といった輸出関連企業の業績下振れ懸念が高まっています。また、鉄鋼は、4月調査と同様に5月もマイナス100に張り付いており、状況の厳しさがうかがわれます。 非製造業DIのマイナス値が拡大 次にDIを製造業、非製造業の別でみてみましょう。昨年5月以降の製造業DIは、 5月・・・・・・ 12 6月・・・・・・ 13 7月・・・・・・ 6 8月・・・・・・ 10 9月・・・・・・▲5 10月・・・・・・▲12 11月・・・・・・▲18 12月・・・・・・▲15 1月・・・・・・▲11 2月・・・・・・▲35 3月・・・・・・▲48 4月・・・・・・▲47 5月・・・・・・▲47 これに対して非製造業は、 5月・・・・・・・15 6月・・・・・・・16 7月・・・・・・・17 8月・・・・・・・17 9月・・・・・・・25 10月・・・・・・・20 11月・・・・・・・15 12月・・・・・・・12 1月・・・・・・・8 2月・・・・・・▲3 3月・・・・・・・1 4月・・・・・・▲1 5月・・・・・・▲9となっています。 製造業は3月調査のマイナス48を大底に、4月、5月はマイナス47でやや下げ止まり感が出ています。急激に進んだ円高が一服し、1ドル=110円近辺で推移していることから、輸出業種を中心に、目先の安心感が浮上しているようです。 ただ、気になるのは非製造業のDIが急速に悪化したことです。やや下げ止まったとはいえ、製造業DIはこの1年でみても最低水準です。このまま製造業の景況感悪化が長引けば、その悪影響は非製造業にも波及する恐れがあります。製造業、非製造業ともにDIの悪化が続けば、デフレ警戒感はさらに強まり、個人消費の悪化、CPIの下落、企業収益の悪化など、日本の経済情勢は一段と厳しさを増す恐れがあります。 東芝が上方修正率トップに 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。上方修正率トップは東芝でした。東芝は会計不祥事に伴う経営危機を受けて大規模なリストラを進めてきました。経営資源の集中を進める中、主力である半導体事業に対する再評価の機運が高まったことが上振れ期待につながったようです。 予想純利益率の上方修正率(3カ月前比)の高かった上位5銘柄は以下の通りです。 銘柄名              修正率 東芝(6502)・・・・・・・・・・・247.61% 小野薬品工業(4528)・・・・・・・ 35.05% 中部電力(9502)・・・・・・・・・ 28.46% 鹿島(1812)・・・・・・・・・・・ 26.64% エーザイ(4523)・・・・・・・・・ 24.37% 一方、下方修正率ランキングの上位5銘柄は以下の通りです(▲は減少)。 銘柄名              修正率 ジャパンディスプレイ(6740)・・ ▲53.12% エイチ・アイ・エス(9603)・・・ ▲52.15% 東京ガス(9531)・・・・・・・・ ▲46.62% イオン(8267)・・・・・・・・・ ▲46.34% ソニー(6758)・・・・・・・・・ ▲46.08%

業績期待指数、3年4カ月ぶり低水準 鉄鋼・輸送用機器など見通し悪化(4月)

全産業DIマイナス30、3年4カ月ぶり低水準 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年4月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス30となりました。前月と同じだったものの厳しい収益環境にあるのは変わらず、2012年12月(マイナス32)以来の低水準となりました。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 4月の日銀金融政策決定会合では、事前に噂されていた、もう一段の金融緩和は行われず、市場では「ネガティブサプライズ」となりました。当面、マイナス金利の浸透度合いを見極めるという日銀のスタンスが明確になったことから、ドル円は一時1ドル=106円台まで円高・ドル安が進み、かつ日経平均株価も急落しました。各種経済指標を見ても、個人消費関連は停滞感が強く、企業の生産・出荷は一進一退が続いています。景気の先行き不透明感に加え、円が急伸したことから、企業業績の悪化懸念が強まっています。 鉄鋼や輸送用機器DIが悪化 プラス維持は建設・不動産のみ 業種別DIをみると、16業種中、かろうじてプラスを維持しているのは「建設」と「不動産」の2業種のみ。とはいえ、DI値は建設が低下、不動産は変わらずで、さえない状態です。またDI値が0の業種は「医薬品」と「その他金融」の2業種で、医薬品は3月のマイナス15から0へ改善。一方、その他金融は25から0へ悪化しました。 残りの業種はすべてDIがマイナスで、それぞれの動向は以下のようになります。 ・マイナス値が悪化 ⇒「食料品」「化学」「鉄鋼」「非鉄金属」「輸送用機器」「卸売り」 ・マイナス値が横ばい⇒「情報・通信」 ・マイナス値が改善 ⇒「機械」「電機」「小売り」「サービス」「銀行」 鉄鋼や非鉄金属、輸送用機器など海外経済の減速や円高進行が業績面での重荷になりやすい業種の見通し悪化が顕著となっています。 内閣府が発表した「平成27年度企業行動アンケート」によると、上場製造業の採算レートは1ドル=102円30銭となっており、現在の水準であれば採算割れにはなりません。しかし、4月1日に発表された日銀短観によると、大企業・製造業の2016年度の想定為替レートは1ドル=117円46銭。106円前後という水準が続けば、業績の下方修正が相次ぐ恐れがあります。 イオンの見通し悪化が目立つ 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。業績の下方修正率が最も大きいイオンは、アナリストの業績予想で「弱気」の見方が「強気」を上回っています。 予想純利益率の上方修正率(3カ月前比)の高かった上位5銘柄は以下の通りです。 銘柄名              修正率TDK(6762)・・・・・・・・・・64.45%小野薬品工業(4528)・・・・・・・60.97%日本板硝子(5202)・・・・・・・・59.82%鹿島(1812)・・・・・・・・・・・32.30%中部電力(9502)・・・・・・・・・31.49% 一方、下方修正率ランキングの上位5銘柄は以下の通りです(▲は減少)。 銘柄名              修正率イオン(8267)・・・・・・・・・▲65.16%ジャパンディスプレイ(6740)・・▲48.41%新光電気工業(6967)・・・・・・▲47.58%ファーストリテイリング(9983)・▲46.68%三井金属(5706)・・・・・・・・▲44.31%

業績期待指数5カ月連続マイナス 銀行DIは加速度的に悪化(3月)

この2カ月でコンセンサスDIが急速に悪化 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年3月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス30と5カ月連続のマイナスとなりました。2月末時点に比べ10ポイントの悪化となり、前月に続いて2012年12月(マイナス32)以来の低水準となりました。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 企業業績に対する懸念の高まりは株価にも表れており、日経平均株価は3月末にかけて3日続落。さらに、名実ともに新年度相場入りした4月1日は、日銀企業短期経済観測調査(3月、日銀短観)が市場予想以上に悪化したことが投資家心理を冷やし、同日の日経平均は594円安と急落し、今年4番目の下げ幅を記録しました。ドル円相場は1ドル=112円台と、主要企業の想定為替レートに比べて円高に振れていることも輸出企業を中心に業績の先行き懸念を高める要因となっています。 製造業DIは2012年11月以来の低水準に 製造業の先行きに対する厳しい味方は、DIにも明確に表れています。製造業DIは、昨年秋口以降マイナス幅を広げてきましたが、ここ2カ月で悪化度合いが加速し、3月はマイナス48と2012年11月(マイナス50)以来の低水準となりました。 これに対して非製造業DIは2月、1年4カ月ぶりとなるマイナスに転じましたが、3月はプラス1とかろうじてプラス圏に浮上しました。日銀がマイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入し、今後の追加緩和観測もくすぶる中でこうした政策が追い風になると期待される不動産など一部内需関連の業績期待がで高まったことが一因です。 銀行DIが大幅悪化 プラス幅拡大は不動産のみ 業種別コンセンサスDIをみると、2月に比べてDIのプラス幅が拡大したのは「不動産」のみにとどまりました。マイナス幅が縮小したのは「機械」、「卸売」の2業種でした。一方、プラス幅が縮小したのは「建設」と「その他金融」の2業種で、プラスからマイナスに転じたのは「食料品」、「情報・通信」の2業種。マイナス幅が拡大したのは「化学」、「医薬品」、「鉄鋼」、「非鉄金属」、「電機」、「輸送用機器」、「小売」、「銀行」の8業種となりました。 マイナス幅が拡大した業種のうち、銀行は2月のマイナス15からマイナス79へと大幅にマイナス幅を広げました。これは世界的な金融危機の余波で不良債権処理や減損損失の計上などにより大手銀行が軒並み大幅な最終赤字(2009年3月期)に転落した時期と重なる、2009年5月(マイナス89)以来の低水準です。 今回のDI悪化は日銀によるマイナス金利の導入により、業績懸念が一段と強まったからです。10年物金利までマイナスになり、20年、30年という超長期金利まで低下傾向をたどるなか、イールドカーブのフラット化が進み、銀行は収益を挙げにくい状態になっています。 市況悪化で海運の業績期待が後退 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。 TDKはスマートフォン(スマホ)向け電池が好調であることに加え、合弁会社設立に伴う一時益である約1500億円の計上が、業績の押し上げ要因になりました。一方、川崎汽船は原油安によって燃料安というメリットはあったものの、バルチック海運指数の低迷ぶりからも分かるように全体的に海運市況が悪化しており、業績見通しが不透明になっています。こうした海運業の業績低迷は、世界的な景気の低迷による影響ともいえるでしょう。 予想純利益率の上方修正率(3カ月前比)の高かった上位5銘柄は以下の通りです。 銘柄名            修正率TDK(6762)・・・・・・・・・57.62%鹿島建設(1812)・・・・・・・・30.20%中部電力(9502)・・・・・・・・28.39%ニコン(7731)・・・・・・・・・28.35%小野薬品工業(4528)・・・・・・28.22% 一方、下方修正率ランキングの上位5銘柄は以下の通りです(▲は減少)。 銘柄名            修正率川崎汽船(9107)・・・・・・・▲72.13%東芝(6502)・・・・・・・・・▲50.51%ジャパンディスプレイ(6740)・▲49.48%三井金属鉱業(5706)・・・・・▲47.38%イビデン(4062)・・・・・・・▲43.52%

業績期待指数、3年2カ月ぶり水準に急低下 非製造業はマイナス転落(2月)

全産業ベースのDIが急落 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年2月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス20と4カ月連続のマイナスとなりました。 2015年11月から16年1月まで3カ月連続でマイナス3が続いていましたが、ここにきて一気にマイナス幅が拡大し、2012年12月(マイナス32)以来3年2カ月ぶりの低水準となりました。 DIの急速な悪化はそれだけ、業績見通しを下方修正するアナリストが増えていることを示しています。2月に入り一時1ドル=110円台まで一気に進んだ円高が輸出関連企業を中心にした業績の先行き不安につながっています。また、米アップルの「iPhone(アイフォーン)6」の販売不振を受けて電子部品関連の業績見通しも下方修正が相次ぎました。 銘柄数の内訳は「強気」が60銘柄と前月比30銘柄減、「変化なし」が184銘柄で変わらず、「弱気」も100銘柄で変わらずになりました。変化なし、弱気は前月と変わりませんでしたが、強気が30銘柄も減るあたり、企業業績は徐々に厳しさを増しつつあるようです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 非製造業DIは1年4カ月ぶりマイナス転落 製造業DIはマイナス35と1月(マイナス11)から24ポイント悪化、水準としては2012年12月(マイナス46)以来の低水準となりました。 現在の為替レートは1ドル=112~113円程度。2月に付けた110円台からはいくぶん円安方向にはありますが、国内主力企業の想定為替レートが115~118円程度であることを考えると想定よりも円高水準であることは変わらず、この水準が続くと輸出関連企業にとっては業績悪化懸念につながります。世界経済の減速懸念など1~3月期は厳しい事業環境にあるとみられ、今後、業績のもう一段の下方修正を強いられる企業も出てくる可能性は高そうです。 一方、非製造業DIはマイナス3と2014年10月(マイナス10)以来、1年4カ月ぶりにマイナスに転じました。内需関連には円高や原油安などが仕入れコストの減少につながり業績に追い風になる企業もあるとの見方も成り立ちますが、最近は円安進行によるインバウンド(訪日外国人)の増加に伴う業績への恩恵を享受していた企業も少なくありません。国内の個人消費に力強さがみられないなか、インバウンド需要にも陰りがみえてくるようだと非製造業の見通しも厳しさが増してくる恐れもあります。 輸送用機器や化学の見通しが急速に悪化 業種別コンセンサスDIを見ると、1月調査に比べてDIのプラス幅が拡大したのは「食料品」「建設」「その他金融」の3業種のみでした。これに対して、「機械」や「電機」は1月調査から一段とマイナス幅が拡大。「化学」や「輸送用機器」などは1月調査のプラスからマイナスに転じ、それぞれマイナス33、マイナス58となりました。いずれも円高の影響を大きく受けたものと思われます。このほか、「医薬品」「小売」も1月調査のプラスから2月はマイナスに転じました。 電力会社の上方修正相次ぐ 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。 ユニーグループHDは下方修正率のトップとなりました。GMS(総合スーパー)の利益率悪化などが業績の足を引っ張っる構図となっています。一方、それとは逆に電力会社の上方修正が目立っていますが、これは原油やLNG(液化天然ガス)の輸入価格が大幅に低下したことによって、収益の改善期待が急速に進んでいることが要因のようです。 予想純利益率の上方修正率(3カ月前比)の高かった上位5銘柄は以下の通りです。 銘柄名           修正率中部電力(9502)・・・・・・・32.66%ニコン(7731)・・・・・・・・30.45%東北電力(9506)・・・・・・・28.76%東京電力(9501)・・・・・・・24.16%小野薬品工業(4528)・・・・・21.42% 一方、下方修正率ランキングの上位5銘柄は以下の通りです(▲は減少)。 銘柄名           修正率ユニーグループHD(8270)・▲99.58%川崎汽船(9107)・・・・・・▲83.06%東芝(6502)・・・・・・・・▲67.17%日本板硝子(5202)・・・・・▲52.55%住友金属鉱山(5713)・・・・▲43.90%

人気記事

  1. 登録されている記事はございません。

最新記事

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

PAGE TOP