債券のプロは米国債デフォルトの可能性についてどう見る?

トランプ政権が抱える問題は山積みです。3日には北朝鮮が6回目となる核実験を実施したほか、内政については足元で政府閉鎖と国債のデフォルト(債務不履行)懸念の財政問題が顕在化しています。  そこで毎月実施しているアンケート調査「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券市場担当者に米国債がデフォルトになる確率などについて聞きました。調査期間は8月29~31日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者138人です。  ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   米国債デフォルトの可能性は? 5日に再開予定の米議会の最優先課題は、29日に期限が迫る連邦政府の債務上限引き上げと、2018会計年度(17年10月~18年9月)の予算案を成立させることです。米国では政府が国債を発行できる金額が法律で定められているため、上限を引き上げないと新たな借り入れや利払いができなくなり、米国債はデフォルト(債務不履行)に陥ってしまいます。そこで債券市場関係者に「米国債の債務不履行」が発生する確率を聞いたところ、債務不履行が発生する確率は0~10%と回答した人が最も多く、単純平均で7.1%となりました。   また、新年度の予算についてはトランプ大統領が公約で掲げたメキシコとの国境に壁を建設することに固執しており、これがネックになっています。トランプ氏は建設費を予算に盛り込まなければ政府を閉鎖するとコメントしています。昨年の大統領選で掲げた大半の公約が頓挫し、支持率が低迷するなか、打開策として壁の建設にこだわっているようです。  米政府機関が閉鎖された場合、緊急の機能以外は停止し、公共施設の閉鎖や事務処理の遅れなど様々な問題が発生します。直近では2013年10月に政府機関が一部閉鎖され、景気にも影響を与えました。  債券市場関係者に「米国の政府機関の閉鎖」の確率についても聞いたところ、11~30%との回答が最も多く、閉鎖される可能性は単純平均で25.2%でした。仮に米国の政府機関が閉鎖された場合、米国の金融市場はどのように反応すると予想されますかと質問したところ、米国10年国債利回りは「小幅低下」、ドル円相場は「小幅円高」、ダウ工業株30種平均は「小幅下落」という結果が最も多くなりました。 市場関係者からは「米政府の短期的な閉鎖については既にコンセンサスに近く、それだけで大きく反応することはないと思う。ただ米議会が問題意識を共有しながら解決力の欠如により、事態が長引いた場合(あるいはデフォルトに至る場合)はトリプル安となる可能性も否定できない」といった声が聞かれました。   リスクオフなら日本国債の利回り、どこまで低下? 米国の財政問題や地政学的リスクなど、リスクオフの材料が目立ちますが、日本の国債利回りは年内にどこまで低下する可能性があると思いますかと聞いたところ、10年物国債利回りで-0.04%という結果になりました。 20年国債利回り   0.44%  10年国債利回り  -0.04%  5年国債利回り  -0.19%   また、日本の10年国債利回りがマイナス水準で定着しそうな場合、日銀はどのように対応すると思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「国債買い入れの小幅減額」が66%、「国債買い入れの大幅減額」が21%、「国債買い入れ額の維持」は10%でした。 市場関係者からは「日銀の国債購入が減額されるなかでもYCC(イールドカーブ・コントロール)は機能しているとみえ、需給は限界的に緩むなかでも金利の上昇圧力は限定的」「QQEを進めている以上、減額の大幅修正は認められず小幅な修正にとどめ、スタンスを堅持する方針を示すと考えられる。海外発の地政学リスクは、日本の景況感と別であり、日銀も金利低下と物価を分ける論理で国債買い入れ額を正当化すると考えられる」などの声が聞かれました。   債券価格変動要因は海外金利などに注目 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り低下を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.029%、3カ月後が0.048%、6カ月後が0.067%と、7月調査(0.069%、0.077%、0.088%)に比べていずれも低下しました。今後6カ月程度を想定した注目される債券価格変動要因で最も多かったのは「海外金利」で38%、次いで「短期金利/金融政策」が37%でした。 資産運用担当者65人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が前回より2ポイント低下の65%となったものの、「ややアンダーウエート」、「ややオーバーウエート」は27%で前回と変わらず、「かなりアンダーウエート」が4%で2ポイント上昇しました。当面の投資スタンスについては「現状を維持する」が80%と引き続き多数を占めています。    

ジャクソンホール会議で何かが起こる?

金融市場関係者が注目する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が来週に迫ってきました。今年はドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が3年ぶりに出席し、量的金融緩和の段階的縮小(テーパリング)を示唆するとの思惑もあります。発言の内容次第では外国為替相場に影響を与えることもありそうです。  そこで、毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、ジャクソンホール会議で注目しているテーマなどについて外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は8月7~10日、回答者数は74人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   ECB総裁の発言に注目集まる ジャクソンホール会議は主要国の中銀トップのほか、有力経済学者らが集まって経済政策などを討議する経済シンポジウムです。毎年8月下旬に米西部ワイオミング州にある全米有数の観光地ジャクソンホールで開催されます。バーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長が金融政策について発言したことなどから、注目されるイベントの一つになっています。今年は24~26日に予定されており、テーマは「ダイナミックなグローバル経済を促進する」です。  こうしたなか、外為部門などの市場関係者に同会議で注目しているテーマについて聞いたところ、最も多かったのが「欧州の金融政策」で6割を占め、次いで「米国の金融政策」が4割弱となりました。ただ、ジャクソンホール会議後の円相場については、「とくに影響はなし」が4割弱と最も多く、相場への影響は限定的との見方です。市場関係者からは同会議にイエレンFRB議長が出席し、来年2月までの任期について進退を示唆するかどうかに注目しているといった声も聞かれました。     年内はレンジ相場が続くとの予想が約7割 次いで2017年のドル円相場は狭いレンジでの推移が続いていますが、年内にドル円相場がどう動くと予想しますか、と質問。最も多かった回答は「110~115円のレンジ相場」で7割弱を占めました。その一方で、「115円より明らかに円安」が16%、「110円より明らかに円高」が15%とほぼ同数で分かれましたが、前月調査より円安の予想が低下し、円高の予想が高まる結果となりました。  また、3日に第3次安倍第3次改造内閣が発足。金融市場では次の総選挙のタイミングに関心が移りつつあります。そこで衆院解散・総選挙の時期はいつになると予想しますか、と聞いたところ最も多かった回答は「2018年の通常国会以降、年前半まで」で39%、次いで「2018年秋の臨時国会以降、12月の任期満了まで」が33%でした。     事業法人の前提為替レート110円台後半 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは8月末の平均値で1ドル=110円69銭と、7月調査(113円70銭)から円高にシフト。3カ月後の10月末には111円34銭、6カ月後の1月末には112円77銭との予想です。今後6カ月程度を想定した注目の為替変動要因は、「金利/金融政策」でした。特にユーロについては金融政策の転換点にあるため、金利/金融政策への注目度が高い結果になりました。  ファンドの外貨建て資産の組入状況について運用担当者に聞いたところ、「ニュートラル」が8割と最も多く、相変わらず様子見スタンスが強いようです。また、事業法人の業績予想の前提為替レートは平均値で1ドル=110円87銭、1ユーロ=118円95銭でした。  

株式市場が安倍改造内閣に望む政策は構造改革

  3日に発足した第3次安倍第3次改造内閣は手堅い布陣となり、新鮮味に欠けたため、株式市場への影響は限定的のようです。そこで、今回は毎月実施している株式の市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」を通じて、安倍内閣の支持率の行方や株式にとって望ましい政策などについて聞きました。調査期間は8月1日~3日、証券会社および機関投資家の株式担当者151人が回答。 安倍内閣の支持率は「小幅に回復」が半数以上 新内閣は19人の閣僚のうち、麻生太郎副総理・財務相や菅義偉官房長官ら5閣僚が留任して政権の骨格を維持するなど経験者を軸とした陣容になりました。初入閣は6人にとどまり、政権基盤の安定を重視しました。安倍首相自身はこの新内閣について、経済再生を最優先とする「仕事人内閣」と称しています。  一方、市場の改造内閣に対する期待はあまり大きくないようです。内閣の支持率は今後どうなると思いますか、と聞いたところ最も多かったのは「小幅に回復する」が56%と半数以上を占め、次いで「ほとんど変化しない」が31%でした。 市場関係者からは「存在感は薄いが、安定感がある。比較的若く、清新さもあり、一般世論の支持、安心感を得られよう」「現状では自民党に代わる政党がないため、引き続き自民党政権が継続すると見込むが、支持率回復のためにも積極的な財政出動か減税策などの実施を期待したい」「安倍政権の支持率はこの先はそれほど上がることはなく、じり貧になると予想する。理想論にはなるが、若さと独特の雰囲気を持ち、国民の受けも良い小泉進次郎氏をトップに据えることができれば、国内外で日本に対する評価が大きく変わると考える」などの意見があがりました。   では、安倍内閣の支持率低下は株価にどのような影響を与えると思いますか、と聞いたところ、最も多かった回答は「影響しない」で32%、次いで「方向感はないが、ボラティリティーが高まる」が25%という結果になりました。 市場関係者からは「自民党1強の状態は変わらないため、大勢に影響は無し」との声があった一方、「今回の安倍内閣支持率低下は外国人の投資マインドを抑える材料といえます」との指摘もありました。   次に株式市場にとって望ましいのは、どのような政策だと思いますかと質問。最も多かったのは「構造改革(規制緩和・働き方改革など)」で59%と半数以上を占め、次いで「積極的な財政出動・減税」が22%でした。 市場関係者からは「経済面では現行の成長重視路線をおおむね引き継ぐ公算で、大規模金融緩和、ある程度の積極財政、働き方改革をはじめとする構造改革を推進する姿勢を保ち、市場からの歓迎を得られよう」「支持率低下が止まるかがポイント。次第に経済政策に注目が集まりそうだが、アベノミクスの深堀りは難しそうだ」といった声がありました。  また、株式市場にとって安倍首相に代わる次の首相は誰が望ましいと思いますか(カッコ内の年齢は2017年8月7日時点)と聞いたところ、最も多かったのは党政調会長に就任し「ポスト安倍」の有力候補とされる「岸田文雄氏(60)」で35%でした。次いで「小泉進次郎氏(36)」が15%、「石破茂氏(60)」が14%でした。市場では「若いリーダーに代われば、日本が変わるのだという強いメッセージになると思われる」「小泉進次郎氏はまだ若いが、新しい風を吹かせてくれそうなところを好感。既存の政治家では市場は満足しないのでは」といった若手待望論も聞かれました。   8月末の日経平均予想は1万9979円 「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しについては、8月末の水準で1万9979円(平均値)の予想でした。前回調査(確報)の2万0057円に比べて下方シフトとなりました。10月末には2万0198円、18年1月末は2万0634円の見通しです。  今後6カ月程度の株価の変動要因としては、「景気・企業業績」との指摘が多くなりました。   国内株式の組入比率「ややオーバーウエート」が上昇  国内の資産運用担当者55人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前回調査より4ポイント低下して52%、一方で「ややオーバーウエート」が同3ポイント上昇して31%となりました。 セクター別の投資スタンスについては、「オーバーウエートとアンダーウェート」のバランスをみると、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのが「電機・精密」、逆にアンダーウェートの比率が最も高くなったセクターは「公益」でした。

安倍政権、低支持率からの脱却はもはや無理!?

  日本経済新聞社とテレビ東京が実施した7月の世論調査によると、安倍政権の支持率は39%と前回の6月調査から10ポイント低下しました。加計学園問題や、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に関する日報問題などが低下の背景にあるようです。日報問題では稲田朋美防衛相が28日、引責辞任しました。 そこで毎月実施しているアンケート調査「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券市場担当者に安倍内閣の先行きについて聞きました。調査期間は7月25~27日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者140人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 安倍晋三首相   内閣改造でも政権立て直しは無理? 安倍首相は7月上旬の東京都議選で自民党が惨敗したことも踏まえ、8月3日に内閣改造に踏み切り、政権を立て直したい考えのようです。しかし、実際は難しいかもしれません。債券市場関係者に閉会中審査や内閣改造などを受けて内閣の支持率がどうなるか聞いたところ、「ほとんど変化しない」が46%と最も多く、「さらに低下する」は23%と7割近くが低支持率が続くとみています。一方、「大幅に回復する」との回答はわずか1%でした。 市場関係者からは「閣僚の責任問題や都議会選挙の結果を受けて現政権の信用力が低下しつつある中では、円滑な議会運営も難しくなることが予想される。安倍首相の統率力にも疑問符がつくことから、自民党内では次期総裁候補についての議論が活発になる可能性がある」との指摘がありました。一方、支持率回復策として北朝鮮やロシアに対するポジティブサプライズな外交をあげる向きもありました。 次に安倍晋三氏はいつまで首相を務めると予想しますかと質問したところ、最も多かった回答は「自民党総裁2期満了時(2018年9月)」で34%でした。市場では安倍政権に代わる受け皿が見当たらないとの理由から、安倍氏の続投を予想する声が多かったものの、「安倍次の選挙が勝てないとなれば、自民党は総裁交代に向けて動き出す」との見方もありました。         「ポスト安倍」は石破氏? 次に安倍首相の辞任後、次の首相は誰になると予想するか質問。最も多かったのは「石破茂」で31%、次いで「岸田文雄」が29%、「麻生太郎」で22%という結果となりました。  首相交代を受けて、アベノミクス(旧三本の矢)の行方はどうなると思いますか、と聞いたところ、「アベノミクスの部分的な見直し」が7割以上を占めました。また、首相交代時の10年国債利回りの予想は単純平均で「0.27%」でした。 市場関係者からは「安倍首相の後任は党内情勢から考えてアベノミクスの継承を掲げざるを得ないだろう。結局、程度の差はあるにせよ、大規模な金融緩和が続いて、債券市場の機能低下がさらに進むとみている」「安倍首相と現状の金融緩和の結びつきが強いため、首相交代は政策の転換を意識されるものの、日銀のロジックからは、緩和を縮小する状況には至っておらず、副作用が効果を上回るまでは、現状の金融政策が継続する可能性が高いと見込む」といった声が聞かれました。   国債組み入れ比率、8割が現状維持 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.069%、3カ月後が0.077%、6カ月後が0.088%と、6月調査の(0.054%、0.064%、0.076%)に比べていずれも上昇しました。今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因は「短期金利/金融政策」でした。 資産運用担当者65人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が前回より1ポイント上昇の67%を占め、「ややアンダーウエート」が4ポイント上昇の27%、一方「ややオーバーウエート」は5ポイント低下の4%でした。当面の投資スタンスについては引き続き「現状を維持する」が84%と多数を占めています。

イエレン発言で12月追加利上げのメインシナリオは変更?維持?

  7月半ばのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて、米利上げペースは緩やかに進むとの見方がにわかに広がっています。こうしたなか、FRBは規定路線通り12月の追加利上げに動くのかどうか、気になるところではないでしょうか。そこで毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、米国の金融政策の行方やドル・円相場の見通しについて外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は7月10~13日、回答者数は76人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   年3回利上げのシナリオを維持するか イエレンFRB議長は12~13日の議会証言で「さらに大幅な利上げが必要なわけではない」「今後数カ月は物価動向を注視する」などと発言。金融市場では追加利上げに消極的な「ハト派」寄りと受け止められ、円相場は一時1ドル=112円台と円高に振れました。  FRBは17年に3回(6月時点で2回実施)の利上げシナリオを示しているほか、資産縮小についても詳細を公表しています。市場では9月に資産縮小、12月に追加利上げがコンセンサスとなっています。そこでこの想定通りにFRBが動く確率について聞いたところ、「70~90%」と回答した人が最も多くなりました。また、規定路線となった場合、ドル・円相場は「緩やかに円安進行」との予想が多くなりました。市場関係者からは「米国の9月バランスシート縮小着手、12月追加利上げは既定路線で、実際に決定が行われても、影響は小さそうだ」との声が聞かれました。 ただ、フェデラルファンド(FF)先物市場から算出した利上げ確率は、17日時点で42.3%と5割を割り込みました。イエレン議長が注目する物価動向や経済指標の結果次第では追加利上げが難しいとの見方が広がり、円が買われる動きになるかもしれません。     世界経済をけん引する好調な米国経済ですが、年末に向けてどうなると予想しますか、と聞いたところ、最も多かった回答は「緩やかな拡大が続く」で約6割でした。米国経済については、7月半ばから本格化している4~6月期決算の内容も注目でしょう。     事業法人の業績予想の前提為替レート110円 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは7月末の平均値で1ドル=113円70銭と、6月調査(110円37銭)から円安にシフト。3カ月後の9月末には113円71銭、6カ月後の12月末には114円66銭との予想です。今後6カ月程度を想定した注目の為替変動要因は、「金利/金融政策」でした。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が「デフレの力がインフレの力に置き換わった」などと発言したことも影響しているようです。  ファンドの外貨建て資産の組入状況について運用担当者に聞いたところ、「ニュートラル」が8割超と最も多く、様子見スタンスのようです。また、事業法人の業績予想の前提為替レートは平均値で1ドル=110円72銭、1ユーロ=117円94銭でした。  

GPIFのESG投資参入は国内普及のきっかけになるか・・・

  公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は3日、環境や企業統治を重視した企業を選ぶ「ESG投資」の運用を始めたと発表しました。6月末時点で約1兆円を投資しているそうです。そこで、今回は毎月実施している市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」を通じて、「ESG投資」の効果などについて聞きました(証券会社および機関投資家の株式担当者157人が回答、調査期間は7月4日~6日)。   ESGは徐々に普及か ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を合わせた言葉です。このような非財務情報も考慮して投資するESG投資は欧米ではすでに普及しています。こうした「ESG投資」の動きは、年金や保険など国内の他のアセットオーナーに広がっていくと思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「徐々に拡大する」で7割弱を占めました。市場関係者からは「今後、他のアセットオーナーにも広がる可能性は十分あり、同様のコンセプトの投資信託が出てくることなども期待できるが、対象企業の株価パフォーマンスが向上するかは全く別問題。運用成果が伴わなかった場合、一時的なブームで終わる可能性が高い」と厳しい見方もありました。     GPIFが今回、採用した株価指数は英FTSEの「FTSE Blossom Japan Index」、MSCIの「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」、「MSCI日本株女性活躍指数」の3つです。英FTSEの指数にはトヨタ自動車(7203)、MSCIのジャパンESGセレクト・リーダーズにはKDDI(9433)が組み入れられているため、市場で話題になりました。足元の投資金額は1兆円ですが、今後は日本株運用の1割にあたる3兆円に増やす方針とのことです。     では、「ESG投資」は国内株式のパフォーマンスにどう影響すると考えますか、と聞いたところ、「長期的なパフォーマンス向上につながる」が35%、「一時的なパフォーマンス向上にとどまる」が18%となりましたが、最も多かったのは「影響がない」で44%という結果となりました。市場関係者からは「投資家がESGを機に日本株への配分を増やす様子が見られない現状からは、国内株式全体のパフォーマンスには影響はない」、「現時点では、投資パフォーマンスに対して意味を持つ動きというよりは、情報開示の拡大や評価手法の確立に向けた重要なステップ」といった見方もあるようです。     また、「ESG投資」が企業経営に与える最も大きな影響は何だと思いますか、という質問で最も多かった回答は「長期的な企業価値の向上を後押しする」で29%、次いで「非財務情報の開示が進む」が24%、「コーポレート・ガバナンスの強化につながる」が23%でした。市場関係者からは「ESG投資が広がれば、非財務情報の開示が進むとともに、短期的な決算数字だけでなく、企業の長期的価値への関心も徐々に高まっていくと思われ、良い事だと思う。一方で、今回採用された3指数の全銘柄を精査するとほぼお馴染みの大型株ばかりであり、銘柄を絞っているとは言い難いので通常のパッシブと大差ない印象」といった意見もありました。     顧問・相談役の「役割・報酬などの情報を開示すべき」が半数 経済産業省は、コーポレート・ガバナンス強化の一環として、上場企業を対象に顧問・相談役の役割を明示するルールづくりを検討しています。会長や社長が退任後も顧問・相談役として企業に残り、実質的な影響力を行使しているとの批判もあり、透明性を確保する環境整備も必要との判断ですが、このような動きをどのように考えますか。最も多かった回答は「役割・報酬などの情報を開示すべき」で48%、「企業の判断に任せるべき」が27%、「顧問・相談役の制度を廃止すべき」が20%という結果でした。  市場関係者からは「顧問・相談役の制度が企業の変革を妨げているが、これに限らず社外取締役もうまく機能していない。PBR1倍割れは割安株とも言えるが、経営陣の怠慢も現している。役割・報酬などの情報を開示する必要がある」、「顧問や相談役が企業活動にどの程度貢献しているのかどうかは不透明である。しかし、経営指導が出来る人材の確保という面もあることから、顧問の必要性については評価し難く、企業の判断に任せるべきだと考える」といった意見も聞かれました。        

日銀の出口戦略のきっかけは首相交代!?

  欧米の中央銀行が金融政策の正常化に向けて舵を取り始めた一方、日銀の出口戦略にはメドが立っていません。そこで今回は毎月実施しているアンケート調査「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券市場担当者に日銀の「出口戦略」のきっかけやタイミングなどを予測してもらいました。調査期間は6月27日~29日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者140人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   物価上昇率2%は「達成できないが、目標は維持される」が6割超 日銀は6月15~16日に開いた金融政策決定会合で、金融緩和策の現状維持を決め、黒田総裁は物価上昇率が目標の2%を安定的に超えるまで資金供給量の拡大を続けると、従来の説明を繰り返しました。しかし「物価目標2%」の達成が見通せないにもかかわらず、市場の関心は金融緩和からの「出口」に対して高まっています。 そこで「物価目標2%」の達成について聞いたところ、最も多かったのは「達成はできないが、目標は維持される」で64%、続いて「達成できず、目標が変更される」が30%、「達成できる」との回答はわずか4%に止まりました。 市場関係者からは「国内景気は東京オリンピック関連の需要に支えられ、実感を伴わない景気回復傾向が20年まで続くと見るが、2%の物価安定の目標には達しないと予想。日銀は総括をしながら現在の政策を継続する。仮に2%程度の物価上昇率が安定的に継続すると判断された場合は伝統的な金融政策へ回帰し、マイナス金利解消などが検討されると見るが、2%の物価安定の判断は容易ではない」という意見や、「現実的な話として、現状目標達成を信じている市場関係者は極めて少数派だと思われる。出口=目標達成ではなく出口=目標達成断念という出口論のあり方を見つめなおす議論したほうが現実的だと考えている」といった声も聞かれました。   では、もし日銀が「出口」に向かうとすれば、何がきっかけになると思いますか、という問いに最も多かった回答は「首相の交代」で26%、次いで「変更後の目標を達成」と「金融市場の激変」が23%で並びました。「その他」としては「日銀総裁の交代」という意見が目立ちました。 市場関係者からは「リフレ派のブレーンに囲まれている安倍首相が在任している限り、多少の枠組み修正はあるにせよ、大規模な緩和が続いていく公算が大きい。後任の首相が『アベノミクス』継承を掲げる場合、この金融緩和はますます終わりが見えなくなる」「他国が金融緩和を縮小させる流れの中で、日本だけが目標を達成できず金融緩和を継続して、その結果、通貨安(円安)がさらに進み、海外からの圧力で出口を模索するといった流れになると考えている」といった意見があがりました。 さらに「出口」としての緩和縮小の最初の手段は何だと思われますかと聞いたところ、「長期金利目標の引き上げ・解消」が最も多く53%、次に「国債買い入れ額の明示的な縮小」が51%、「マイナス金利の解除」が34%、「ETF・J-REITの買い入れ額縮小」が31%、「社債・CPなどの買い入れ額縮小」が12%という結果になりました。また、日銀が「出口」を宣言して着手する時期で最も多かった予想は「2018年度中」で32%でした。     注目の変動要因は海外金利 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.054%、3カ月後が0.064%、6カ月後が0.076%と、5月調査の(0.046%、0.057%、0.073%)に比べていずれも上昇しました。  今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因で、最も多かったのは「海外金利」で前回とかわらずの36%、次いで前回から2ポイント低下した「短期金利/金融政策」が35%でした。「債券需給」は前回から2ポイント低下したものの13%をキープしています。  同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については、「政府・日銀のオペレーション」が前回と変わらずの64%で最も多く、次いで「外国人」が11%、「都銀・信託銀行(投資勘定)」が10%、「生損保(年金除く)」が9%、「地方銀行」が5%で続きました。   国債組み入れ比率、「現状維持」が8割強を維持 資産運用担当者66人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が66%を占めるも7ポイント低下し、「ややアンダーウエート」が5ポイント上昇、「ややオーバーウェート」が4ポイント上昇しました。当面の投資スタンスについては相変わらず「現状を維持する」が83%と多数を占めています。

米金融政策、年3回利上げのシナリオ通りに進む?

低調な5月の米雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが緩やかになるとの見方が広がり、9月の米追加利上げは見送られるとの観測も浮上しています。そこで、毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、外国為替市場の担当者に9月の利上げの可能性や、トランプ大統領の退任時期などについて聞きました。調査期間は6月5~8日、71人が回答。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   9月の米追加利上げの可能性は? 2日に発表された5月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を下回りました。6月13~14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げは確実視されていますが、その後の利上げペースは想定より緩やかになるとの見方が浮上し、追加利上げのシナリオが見えにくい状況です。9月に利上げを見送れば、FRBが見込んでいる「2017年に3回の利上げ」が実現しない可能性も浮上してきます。 では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が6月に利上げをした場合、9月にも追加の利上げを実施する可能性はどのぐらいと予想しますか。最も多かった回答は「70~90%」と「50%」がそれぞれ24%となり、次いで「51~69%」が17%でした。9月の利上げを70%以上と予想する人が25%を占める一方、五分五分と予想する人も24%、30%以下と予想する人も2割近くという結果となり、やはり今後の利上げペースを読み切れないのが現状のようです。 市場関係者からは「FRBの緩やかな金融引き締め路線は、当面継続する事は揺るぎない」、「6月FOMC、7月半年次議会証言、8月ジャクソンホール等、イエレンには時間をかけて9月利上げを説明する時間的余裕がある」などの声が聞かれました。       ロシアゲートで揺れるトランプ政権 トランプ米大統領が、ロシアとの不適切な関係を巡る「ロシアゲート」疑惑で批判が強まっています。捜査は継続中であり、弾劾に追い込まれる可能性は低いものの、トランプ大統領への期待感は後退しています。外国為替担当者にトランプ氏が2017年内に米大統領を退任する可能性はどれぐらいと思いますかと、先月調査と同じ質問をしたところ、前回を上回る約6割が退任の可能性は低いと回答しました。 では、辞任や再選も含めて、最終的にトランプ大統領の任期は何年までと予想しますか、と聞いたところ、最も多かった回答は「2021年1月(任期満了)」までが6割以上を占める結果となりました。 とはいえ、市場関係者からは「現在の数々の疑惑を払拭することは難しいと考えられ、政策で支持を取り付けるしか方法は無いだろう」、「先のG7首脳会議では貿易問題や環境問題を巡り、米国と他国が衝突する場面もみられたが、トランプ米大統領が米国第一の政策を推進していく限り、今後もこれらの問題に関する国際協調は難航するであろう。また国内でもオバマケア改革や景気対策、政府多数高官の承認未済など課題は山積で、政策運営は容易ではない」などの厳しい意見が多く聞かれました。     為替リスクに慎重姿勢へと逆戻り 「ニュートラル」75%に上昇 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは6月末の平均値で1ドル=110円37銭と、5月調査(112円38銭)に比べて円高にシフト。3カ月後の8月末には110円86銭、6カ月後の11月末には112円46銭との予想です。今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、政治的リスクがやや後退し、円とドルとユーロのすべてで「金利/金融政策」となりました。 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのか聞いたところ「オーバーウエート」が前回調査の33%から13%に下落する一方、「アンダーウエート」が0%から13%に上昇、「ニュートラル」も67%から75%に上昇し、為替リスクに対して慎重姿勢へと逆戻りしています。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、円相場の平均値は1ドル=112円03銭、1ユーロ=118円70銭でした。  

東芝、機関投資家の7割が「上場廃止すべき」 QUICK調査

 東芝に対する投資家の目が厳しくなっている。QUICKが実施した6月の月次調査(株式)では機関投資家の約7割が東芝は上場廃止すべきと答えた。不正会計の発覚や決算発表の延期を繰り返す東芝の上場に関する問題は、市場がどうあるべきかとの問いにもつながる。  東芝が4月11日に発表した決算について、監査法人は適正ではなく「意見不表明」と判断した。東芝が現在でも上場維持していることを機関投資家はどう思っているのか。6月の月次調査で証券会社や投信投資顧問、銀行など147人に聞いた。  東芝が「上場廃止すべき」と答えたのは全体の67%だった。「上場維持すべき」は24%、「その他」は8%だった。 「厳しく制裁与えるべき」、「国策企業なので慢心があるのではないか」との声  上場廃止すべきと答えた投資家からは「マーケット・従業員・顧客の信頼を裏切った企業には厳しく制裁を与えるべき」「単純に粉飾で上場廃止でよい」「東芝は国策企業なので許されていいという慢心があるのではないか」と厳しい意見が相次いだ。  東芝は2015年4月にインフラ工事の会計処理に問題があったと発表、その後に不正会計や巨額の減損、決算発表の延期など企業統治(コーポレートガバナンス)の問題が続出した。  東芝が上場を維持している間、東芝以外のほぼ全ての上場企業は東京証券取引所のルールを守って決算発表を期限内に行い、監査法人から決算について適正意見をもらっている。 上場廃止か維持かは「東証が決めるべきこと」との意見も  大きな問題が起きても上場が維持できるという実績が残り続ける場合、日本の資本市場の信頼を損なう。さらに、他の企業にとって東芝が上場維持できるのだからガバナンスに問題があっても大丈夫というお墨付きを与えかねない。  東芝が上場を廃止か維持すべきかについて、機関投資家からは「東証が決めるべきこと」と中立の立場をとる意見も目立った。東証は東芝の今後をどう判断するのか。投資家保護や企業のモラルハザード(倫理の欠如)の観点からも注目が高まっている。 【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】 (QUICK NewsLine)

マイナス金利の導入から1年、債券市場のプロの評価は?

  日銀がマイナス金利を導入してから1年が経過しました。また、昨年9月に導入したイールドカーブ・コントロール(YCC)は、世界的に金利が上昇した局面でも日本の長期金利はゼロ%程度の目標水準に維持された一方、その副作用に警鐘を鳴らす意見も聞かれます。今回はこのマイナス金利や「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」が物価押し上げに寄与したかどうか、毎月実施しているアンケート調査「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券市場担当者に聞いてみました。調査期間は5月23日~25日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者145人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   マイナス金利、「効果なし」が6割 日銀が導入したマイナス金利とイールドカーブ・コントロールについて、物価押し上げに向けた金融緩和としてそれぞれをどう評価しますか? と質問したところ、マイナス金利について、最も多かった回答は「効果なし」で60%、「まだわからない」が27%、「効果あり」が13%となりました。また「イールドカーブ・コントロール」についても「効果なし」が45%で最も多く、次いで「まだわからない」が39%、「効果あり」が16%という結果になりました。       また、運用担当者にマイナス利回りの債券を購入してきましたか、と聞いたところ、最も多かった回答は「購入していない」で半数近くを占めましたが、購入したなかでは「売却目的」と「保有目的」が29%、「担保目的」が4%でした。 市場関係者からは「マイナス金利は適用残高が多い地銀などの負担が大きく、経営体力が削がれる状況が続いている。また、YCCが導入された後も足元では、債券市場は動意に乏しい展開が続いており、今後についても流動性の低下が進行する可能性が高い。年後半に物価は幾分上昇すると見込まれるが、現状の政策での2%達成は厳しいと考える」といった声が聞かれました。 なお、日銀の黒田東彦総裁は5月中旬の米紙のイベントで「日銀は(出口戦略のための)十分なツールを持っている」などと出口戦略について言及し、話題になりました。       金利水準次第なら国債への投資も増やす? 今年度のポートフォリオの方向について運用担当者に聞いたところ、最も多かった回答は「外債を増やす」で44%、次いで「金利水準次第で国債を増やす」が38%、「株式を増やす」が34%、「社債を増やす」が33%、「オルタナティブを増やす」が24%と続きました。 市場関係者からは「欧米の政治不安やテロなどの地政学リスクが続いていることや、低インフレ率と欧州中央銀行(ECB)、米連邦準備理事会(FRB)の緩やかな量的緩和の解除と日銀の強力な金融緩和が継続することから、国内金利は現状の低金利が長期化するリスクがある。円債を積極的に買う投資家が依然として少ない中で、市場流動性の低下と市場機能低下により、金利上昇リスクに過敏になりやすい地合いが続くとみる」といった声が聞かれました。     債券価格変動要因、「債券需給」への関心高まる 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.046%、3カ月後が0.057%、6カ月後が0.073%と、4月調査の(0.033%、0.049%、0.068%)に比べていずれも上昇しました。 今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因で、最も多かったのは前回調査とかわらずの「短期金利/金融政策」と、前回から5ポイント低下した「海外金利」で、ともに36%でした。次いで、前回から8ポイント上昇した「債券需給」が15%と関心が高まっています。 同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については「政府・日銀のオペレーション」が最も多く64%を占め、次いで「都銀・信託銀行(投資勘定)」が11%、「外国人」が10%、「生損保(年金除く)」が7%、「地方銀行」が4%で続きました。     国債組み入れ比率、「現状維持」9割近くまで上昇 資産運用担当者69人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が74%を占める一方、「ややアンダーウエート」が10ポイントも低下しました。様子見ムードのようです。当面の投資スタンスについても「現状を維持する」が87%と多数を占めています。        

どうなる「ロシアゲート」疑惑、円相場への影響は?

  トランプ政権とロシアとの不適切な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」が真相究明に向けて動き出しました。米司法省は特別検察官の設置を決め、ロバート・モラー元米連邦捜査局(FBI)長官を任命しました。ただ、この問題の行方により、トランプ政権が看板政策とする大型減税や大規模なインフラ投資の実現が危ぶまれる可能性もあります。 また、北朝鮮が21日に弾道ミサイルを発射するなど、不穏さを増しています。そこで、毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、外国為替市場の担当者にこれらの外部要因が円相場に与える影響などについて聞きました。調査期間は5月15~18日、67人が回答。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   ロシアゲートでトランプ大統領、退任の可能性は? 「ロシアゲート」とは、トランプ政権による捜査妨害疑惑です。昨年の米大統領選が有利になるよう、トランプ氏の側近とロシア政府が接触していた可能性があるとして捜査されていましたが、この捜査を妨害するため、トランプ大統領がコミー前米連邦捜査局(FBI)長官を解任したのではないか、という疑惑が浮上しています。米史上最大の政治スキャンダルでニクソン元大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」と類似していることから、「ロシアゲート」と呼ばれています。 ロサンゼルスで自身の解任のニュースを見たコミー氏は、最初はいたずらだと思って笑っていたと報じられています。というのも、FBI長官の任期は10年でコミー氏は2013年に就任したからです。任期途中の解任は1993年以来2人目です。トランプ政権側の解任の理由は、大統領選におけるヒラリー・クリントン氏の私用メール問題への対応不足としています。  外国為替担当者にトランプ氏が2017年内に米大統領を退任する可能性はどれぐらいだと思いますかと聞いたところ、約半数が退任の可能性は低いと回答しました。     では、トランプ氏が2017年に米大統領ではなくなった場合、ドル円相場はどのように動くと予想しますかと聞いたところ、最も多かったのは「円急上昇」が39%、続いて「円強含み」が30%と、円高に動くとの予想が7割近くを占めました。 市場関係者からは「(トランプ大統領の)弾劾はほぼないと考えるが、身内の共和党内からもそのような話題が上がっていることに留意。弾劾が現実味を帯びてくると、一度は金融市場のボラティリティが上昇し、円買いドル売りに動くと考えるが、ペンス副大統領など政治経験が豊富な後任が選ばれるとドル円は反転上昇となると予想」という声が聞かれました。     メーンシナリオ通り6月米利上げか ドル・円相場をみるうえでもう一つの注目は米金融政策です。金融市場のコンセンサスは、6月にと9月に利上げ、12月に資産縮小に動くのがメーンシナリオと言われています。現時点で、このメーンシナリオ通りになる可能性は何%だと思いますかと質問したところ、最も多かったのは「51~69%」で30%でした。 また、2017年6月末にドル円相場はどの程度の水準になっていると予想しますか、と聞いたところ、「114円台」が19%と最も多く、次に「115円台」「113円台」「110円より円高」が16%で並びました。調査期間中の水準(112円44銭~113円64銭)よりやや円安が進むのでは、との声が多い予想になりました。       米国と北朝鮮が合意したら、ドル円相場はどう動く? 北朝鮮情勢が大きく動いていますが、2017年内に北朝鮮関連のイベントで、どのようなケースが起こりうる可能性が高いと思いますかと聞いたところ、最も多かった回答が「不透明な状況が続くが為替に大きな影響を与えない」で63%を占めました。次いで「緊張が高まる情勢に傾いて円高進行」が18%でした。 また、米国と北朝鮮が合意する、もしくは合意に向けた前向きな検討が公式に両国から発表された場合、ドル円相場はどのように動くと予想しますか、と聞いたところ、「1日で2円程度の円安」が33%で最も多く、「1日で1円程度の円安」が25%、「小幅に円安」が22%で続きました。一方で、「円高に振れる」は3%に止まりました。         ファンドの外貨建て資産組入 「オーバーウエート」33%に上昇 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは5月末の平均値で1ドル=112円38銭と、4月調査(110円38銭)に比べて円安にシフト。3カ月後の7月末には112円50銭、6カ月後の10月末には113円32銭との予想です。今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円とユーロは「金利/金融政策」、ドルは「政治と外交」でした。 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのか聞いたところ「アンダーウエート」が前回調査の20%から0%に下落する一方、「オーバーウエート」が10%から33%に上昇し、積極的な姿勢に傾いています。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、円相場の平均値は1ドル=111円36銭、1ユーロ=116円20銭でした。    

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