東芝の筆頭株主 エフィッシモ・キャピタルとは何者か?!

東芝は19日の取締役会で、約6000億円の資本増強を決議したと発表した。海外の投資ファンドなど60社を対象に第三者割当増資を実施する。割当先は筆頭株主であるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントのほか、米キング・ストリート・キャピタル・マネージメントなど。1株当たりの発行価格は262円80銭と、17日終値(292円)を10%下回る水準とする。これにより、東芝は来年3月末までに半導体メモリー事業の売却が完了しなくても、2期連続の債務超過に陥らず、上場廃止は回避できる見通し。 <東芝の第三者割当先上位10社> 「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」はシンガポールに拠点を持ち、旧村上ファンド出身者が運営する投資ファンド。株主提案などに積極的な「物言う株主」として知られている。投資先では、ヤマダ電機に圧力をかけて配当金の増加等を勝ち取ったほか、宝飾品大手TASAKIがMBKパートナーズによる買収でイグジッドに成功した経緯がある。エフィッシモは保有比率で最も高い川崎汽船(38%超)を筆頭に、日産車体、TOC、ヤマダ電機なども15%程度を保有。エフィッシモの投資スタンスは明らかではないが、主に東証1部上場で業績等が落ち込んだ銘柄を株価が低位に沈む状況で大量に仕込むというスタンスと推察される。 東芝に対しては、春先の巨額損失計上で急落した際に大量取得し、筆頭株主となった。その際の取得理由としては「企業価値に比べ割安と判断した。成長を促すために対話することもあり得るが、現時点では具体的に想定していない」と説明していた。今回、東芝が実施する第三者割当増資に応じることでエフィッシモの株式保有比率は現在の10%弱から11%強に上昇し、筆頭株主の座は維持される見通し。今後どのよう形で東芝に圧力をかけていくのか注目されそうだ。 <エフィッシモキャピタルマネージメントの投資先一覧> ・2017年に大量保有報告書を提出した銘柄 (保有比率順) 【QUICKエクイティコメント・本吉亮】 ※QUICKのオプションサービス「QUICKエクイティコメント」の記事を再編集しました。「QUICKエクイティコメント」は日本株を中心に日々の相場動向をリアルタイムでLIVE解説しています。 関連記事 日本株21年ぶり高値、あのファンドも動き出す

戌年はブル・ドッグ ゴールドマン、今後1年の日経平均目標は2万5200円

ゴールドマン・サックス証券は11月17日付のレポートで、今後12カ月の新たなTOPIXの目標水準を2000、日経平均株価を2万5200円とした。戌年2018年の日本株について「内需主導の経済成長、支援的な財政・金融政策環境、利益成長の持続、需給環境の改善を追い風に、さらに上昇する」と予想。短期的には調整があるが「当社の2018年度予想一株当たり純利益(EPS)成長率9%と、株価収益率(PER)が上昇しない」ことを前提に、「現在の株価水準から15%の上値余地を見込む」とした。 外国人投資家の動向については「国内ならびにグローバルの良好なマクロ情勢、利益成長の持続、市場に有利な政策環境、依然として軽めのポジションなどから、18年に外国勢による買いの拡大が見込める」と予想。日銀によるETF(上場投資信託)買い入れについては「今後見直しが行われるとすれば、規模の拡大よりは縮小の可能性が高い」としつつも、「黒田総裁の任期が満了する18年4月まで大きな変化はないだろう」と指摘した。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金の動向については「現時点で国内株式組み入れ比率は25.3%と推計され、公的年金が短期的に国内株式をさらに大量に買う可能性は低い」と見通した。 銘柄選定については「市場ではバリュエーションのばらつきが高水準に達し、指数の表面下に銘柄選別によるアルファ(超過収益)創出機会が多数存在する」との見方を示し、IT設備投資、サービス消費、防衛費、中小型株を注目のテーマに挙げた。 ※QUICKのオプションサービス「QUICKデリバティブズコメント」の記事を再編集しました。「QUICKデリバティブズコメント」は日経平均先物、債券先物を中心に日々の相場動向をリアルタイムでLIVE解説しています。

激動の日本株 安心して買えそうなのは・・・。エクコメ注目銘柄 

日経平均株価は11月9日のザラ場ベースで2万3382円まで上昇した後、同日後場の崩れから調整色局面入りし、わずか1週間で1000円近く下落した。16日は寄り付き直後に心理的な節目の2万2000円を割り込む場面もみられたが、売り一巡後に切り返すと先物主導で上げ幅を拡大し、15日の急落分(351円)をほぼ取り戻した。しばらく波乱含みの展開は続きそうだが、終値ベースで25日移動平均(2万2000円)割れを回避したことで目先、底入れを確認した公算が大きい。  調整一巡で再び騰勢を強めるか 相場の過熱感を示す東証1部の騰落レシオは16日時点で106.47%。騰落レシオは100%が中立で、120%超が買われ過ぎ、70%以下が売られ過ぎとされる。9月中旬からの相場急騰局面で120%超えが常態化していたものの、足元の下落で100%強の水準まで下落しており、過熱感は薄れてきたと言える。 また、3月期決算企業の中間決算発表で通期予想の上方修正が相次いだことから、日経平均のEPS(1株利益)は日を追うごとに上昇して16日時点で1533円となった。直近の相場下落も相まって、日経平均のPER(株価収益率)は14.58倍となっており、バリュエーション面でも割安感が出てきたとみられる。 日経平均採用銘柄の騰落状況は・・・ 今回の上昇相場のきっかけは、衆院解散の報道が伝わった9月中旬であるため、9月15日終値を起点とし、日経平均が終値ベースで高値を付けた11月7日、そして11月16日終値時点で、日経平均採用銘柄の騰落状況および寄与度を確認しよう。上昇局面A(9月19日~11月7日)と調整局面B(11月8日~11月16日)の騰落状況を分類したのが下記の表だ。 【局面別の225銘柄の騰落率内訳(数字は騰落銘柄数)】 「局面A:上昇 + 局面B:下落」というパターンが多く173銘柄(日経平均採用銘柄の76.9%に相当)もあり、「局面A:下落 + 局面B:上昇」というパターンはなし。一方で、「局面A:上昇 + 局面B:上昇」が38銘柄(同16.9%)、「局面A:下落 + 局面B:下落」は14銘柄(同6.2%)あった。注目したいのは、両局面で上昇した銘柄、両局面で下落した銘柄だろう。 【上昇局面Aでも調整局面Bでも上昇した日経平均採用銘柄(局面Bでのプラス寄与度順】 東京エレクトロンは上昇局面で35%超も上昇して、指数上昇に大きく貢献したが、直近の調整局面でも逆行高するなど力強さをみせている。東京エレクを筆頭に中間決算時に業績予想を大幅に上方修正した好業績銘柄が多くラインアップしている。 【上昇局面Aでも調整局面Bでも軟調だった日経平均採用銘柄(局面Bでのマイナス寄与度順】 その一方、上昇局面で下落し、直近の調整局面でも売られた銘柄は、中間決算時に業績予想を下方修正した銘柄などが多い。 *本情報は、現時点までの値動きの分析であって、現在または過去における有価証券の価値の情報を提供するものであり、将来における有価証券の価値(値上がり益、利子、配当等の経済的価値)に関する情報を提供するものではありません。 【QUICKエクイティコメント・本吉亮】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。  

膠着する円相場 115円の壁、ドル高アノマリーで突破なるか

外国為替市場で円相場の膠着感が強まっている。10月下旬以降、おおむね1ドル=113円台での小動きが続いている。市場関係者の間では115円の壁は厚いとの声も聞かれる。ドル円相場が再び動き出すきっかけは何か。北朝鮮など地政学リスクや米税制改革の行方に注目する向きが多いが、意外な材料もある。10~12月特有の「ドル高アノマリ―」だ。 「需給により年末に向けて115円を突破する可能性はある」。こう語るのは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジストの植野大作氏だ。 植野氏によると、10~12月の円相場は円安ドル高に傾きやすい。「この時期の米国は感謝祭、クリスマス、そしてニューイヤーと『お祭りシーズン』。これに伴って米国内外でドルキャッシュの需要が強まるほか、米系の多国籍企業などによる本国へ資金還流が起きるとの思惑も強まる」。その一方、「日本では会計年度の下期入りを機に国内機関投資家マネーが動くとの観測が広がりやすいほか、確定申告時期との絡みから個人の益出しの売買は年明け以降に持ち越されやすい」。 <三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジストの植野大作氏> 実際、データで確認してみると、過去5年連続でこの時期は円安ドル高となっている。 <過去5年間の10~12月期のドル円相場の値動き(1ドル/円)> それでは、2018年のドル円相場はどう動くのか。植野氏は利上げで非伝統的な金融政策からの出口戦略を進める米国と、マイナス金利付き量的・質的金融緩和が続く日本との金利差拡大からドル高を見込み、1ドル=119円台半ば程度をドルの上値のメドと予想している。 「米国の懸念材料は米連邦準備理事会(FRB)理事の空席が目立つこと。米税制改革の先送りは米景気にはプラスに作用するかもしれない。減税は足元の景気が堅調な時期ではなく、腰折れした際に実施した方がカンフル剤として効くからだ」(植野氏)。 今年9月末の円相場は1ドル=112円台半ばだった。年末に向けて「ドル高アノマリー」は再現されるだろうか。 ※この記事はQUICKのオプションサービス「QUICKデリバティブズコメント」で配信した記事を再構成したものです。

黒田日銀総裁「リバーサル・レート」に言及 講演のポイントはここ

日銀の黒田東彦総裁は13日、スイス・チューリッヒ大学で講演した。タイトルは「『量的・質的金融緩和』と経済理論」。日銀が公表した講演の邦訳によると、低金利環境がもたらす金融機関の影響について長めに話している。なかでも低金利で「かえって金融緩和の効果が反転(reverse)する可能性がある」という「リバーサル・レートの議論」への言及に市場は注目した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア・マーケットエコノミストの六車治美氏が読み解いた講演のポイントは以下の通り。 ▼総裁としては珍しく、低金利環境がもたらす金融機関への影響について長めに話していた。 ▼具体的には「金利を下げすぎると、預貸金利鞘の縮小を通じて銀行部門の自己資本制約がタイト化し、金融仲介機能が阻害されるため、かえって金融緩和の効果が反転(reverse)する可能性がある」という「リバーサル・レートの議論」に言及。その議論について「注目を集めています」と述べた。 ▼もちろん「現時点で、(日本の)金融仲介機能は阻害されていません」との結論に変わりはないが、「経済・物価情勢だけでなく、金融機関や金融市場の状況について幅広く目配りすることができる中央銀行の機能を、最大限活用していく必要があります」という発言には新鮮味があった。 ▼さらに「日本銀行は、各種の定性的な情報も考慮しながら、2%に向けたモメンタムを維持するために最も適切と考えられるイールドカーブの形状を不断に追求していく方針」という発言の、「各種の定性的な情報も考慮しながら」という部分はこれまでなかったものだ。 ▼10月18日にNYで行われた中曽宏副総裁の講演(進化する金融政策:日本銀行の経験)でも、「先行き、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、必要であればイールドカーブの形状についても調整を行っていく方針」という発言が、市場で「金利水準の調整を意識したものか?」との思惑につながったことは記憶に新しい。 ▼12月か1月の金融政策決定会合で、総裁・副総裁が海外講演で述べたような「必要であればイールドカーブ形状の調整も」「各種の定性的な情報も考慮しながら」などイールドカーブコントロールの柔軟化をイメージさせる文言が会合公表文に盛り込まれるかどうか注目される。 ※この記事はQUICKのオプションサービス「QUICKデリバティブズコメント」で配信した記事を再構成したものです。

エヌビディアCEO「スイッチがゲーム業界けん引」  8~10月期純利益55%増【米決算】

画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディアは9日、2017年8~10月期決算を発表した。純利益は前年同期比55%増の8億3800万ドル(約950億円)だった。 ▽エヌビディア 11月9日発表 2017年8~10月期実績(カッコは前年同期) 売上高     26億3600万ドル(20億400万ドル) 純利益     8億3800万ドル(5億4200万ドル) 1株益(GAAP)     1.33ドル(   0.83ドル) (NON-GAAP)    1.33ドル(   0.94ドル) 1株当たり利益(EPS)が市場予想を上回った。2017年11月-18年1月期(4Q)の見通しで売上高を26億5000万ドル±2%と見込み、市場予想(24億4000万ドル)を上回る数字で強気に見込んだことも好感され、同日の時間外取引では買いが優勢になる場面があった。 エヌビディアの決算資料によれば、相手先ブランド(OEM)と知的財産部門を除き、全てのセグメントの売上高が前年同期比で2ケタの伸びを記録した。特に増収率が高かったのが人工知能(AI)で需要が伸びている主力の1つデータセンター部門。前年同期比で2倍超に増え、売上高は5億100万ドルとなった。 エヌビディアのセグメント別売上高(百万ドル、決算資料より) <CEOコメント、決算資料より抜粋> 世界中の産業でAIの導入が進んでおり、素晴らしい四半期決算となった。GeForceとニンテンドースイッチは、ゲーム業界の成長の大きなけん引役となっている。また、わが社の新製品であるロボットDRIVE PX Pegasusは、世界各国の企業で採用されており、業績の拡大が続くと見込んでいる。 過去のインタビュー記事はこちら 任天堂スイッチからAI時代の必需品に エヌビディア日本法人代表に聞く        

日本株ETFにマネーの大規模流入、9カ月半ぶり

日経平均株価の上昇が止まらない。けん引役は海外の投資家だ。マネーフローも目に見える形で浮かび上がりつつある。QUICK FactSet Workstationのデータによると、米運用会社ブラックロックが設定する「iシェアーズMSCIジャパンETF」には7日、3億8800万㌦(約440億円)の資金が流入した。1月26日(4億5400万㌦)以来、約9カ月半ぶりの大規模流入となった。 ※QUICK FactSet Workstationより 上場投資信託(ETF)は機関投資家も個人も手軽に投資ができる金融商品。海外でも幅広い投資家層が日本株への関心を高めている可能性が出てきたようだ。それでも運用資産残高は180億㌦強。直近のピークにあたる2015年には200億㌦を超えていただけに、まだ買い余力があると言えそうだ。 【QUICKデリバティブズコメント・岩切清司】

アップル時価総額100兆円突破、株価は連日で上場来高値更新

8日の米株式市場でアップルが小幅に5日続伸し、一時は176.24ドルまで上昇して分割後の上場来高値を連日で更新した。特に買い材料は聞かれなかったが、3日にiPhoneの10周年記念モデル「iPhone X」を発売してからは下げ知らずで、強い流れとなっている。QUICK FactSet Workstationによると、8日終値時点のアップルの時価総額は9048億ドル(103兆円、1ドル=113.86円で換算)と、円換算ベースで100兆円を突破した。 <アップルの時価総額の推移> QUICK FactSet Workstationより作成 アップルが初代iPhoneを発売したのは2007年6月29日で、この日の時価総額は1060億ドルだった。iPhoneが業績をけん引する中、今年の10周年モデルの販売を受けて時価総額は8.5倍になった格好だ。市場では次の節目として1兆ドル突破が期待されているようで、自社株買いなどの株主還元策があれば一段高が期待されている。指数インパクトの大きさもさることながら、ヘッジファンドなどの保有が多いとされるアップルが強含めば、投資家のリスク許容度が増す相乗効果が期待されそう。 8日のダウ工業株30種平均は小幅に7日続伸し、6.13ドル(0.02%)高の23563.36ドルで終えた。ザラ場ベースの史上最高値は更新できなかったが、連日で史上最高値を更新した。この日の寄与度ランキングトップはジョンソン&ジョンソンで、ダウを約10ドル押し上げたほか、アップルも上昇寄与度上位に顔を出した。 ※この記事はQUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した内容です。QUICKデリバティブズコメントは、日経平均先物や債券を中心に相場動向をLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

日経平均のPER、S&P500に接近 QUICK・ファクトセットで18倍

日経平均株価が26年ぶりの高値圏に浮上したことで、投資家の関心は割高感の強弱に移りつつある。判断にあたって投資家が利用する指標が株価予想収益率(PER)。高いほど投資家の期待が強く、株価水準としては割高と判断される。QUICK FactSet Workstationによると、今後12カ月先の業績予想を基にした日経平均のPERは3日に17.81倍まで上昇した。これは2016年12月下旬以来およそ10カ月ぶりの高水準だ。 株価は26年ぶりの水準まで上昇してきたが、先行きの業績期待が高まっているため、PERは直近のレンジ内にとどまっている。指数採用企業の1株あたり予想利益(EPS)が切り上がり、PERの上昇を抑えている。 ※QUICK FactSet Workstationより 一方、世界市場で見比べると日経平均は割安とは言えなくなりつつある。機関投資家が運用指標の参考にする米S&P500種株価指数は18.10倍。日経平均と大差はない。欧州の主要600社で構成するSTOXX600指数のPERは15倍台にとどまり日経平均はこれを上回る。 ただ、TOPIXのPERは15倍台だ。日本株全般で見れば、まだ割安感が残っているとも言えそうだ。 【QUICKデリバティブズコメント・岩切清司】 ※この記事はQUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した内容です。QUICKデリバティブズコメントは、日経平均先物や債券を中心に相場動向をLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。      

画像処理半導体のエヌビディア、2桁増益予想 減速感も台頭か【米決算プレビュー】

GPU(画像処理半導体)大手のエヌビディアが米東部時間9日午後5時(日本時間10日午前7時)に3Q(8~10月期)決算発表を予定している。QUICK FactSet Workstationによると、市場予想のEPS(1株利益)は前年同期比13.9%増の0.95ドルが見込まれている。四半期ベースで2桁増収増益は続くものの、売上高はこれまでの5割増収、純利益は2倍強と急速に伸びていたことを勘案すると、若干の減速感が否めないかもしれない。なお、ソフトバンク(9984)が10兆円ファンドと称される「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じてエヌビディアに多額の出資をしており、ソフトバンクの株価動向にも影響を与えるとみられる。 【8~10月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高       :23億6360万ドル(17.9%増) ・純利益             : 5億9710万ドル(10.2%増) ・EPS                  : 0.95ドル(13.9%増) ~~~売上高の部門別内訳~~~ ・ゲーム部門     :12億8000万ドル (2.9%増) ・映像化部門    : 2億3500万ドル(13.5%増) ・データセンター部門: 4億1600万ドル(92.1%増) ・自動車部門    : 1億4200万ドル(24.9%増) ・OEMその他   : 1億8200万ドル (2.0%減) ※QUICK FactSet Workstationより エヌビディアはコンピューターグラフィックスの先端を行くビジュアルコンピューティング企業で、PCやモバイル機器に搭載される高性能なグラフィックスチップとプロセッサの開発・製造を手掛ける。製品用途は、PCの画像処理から、ゲーム機、専門可視化装置、データセンター、AI、仮想通貨のデータ処理、自動車等へと拡大。任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のメーンプロセッサーにエヌビディア製のモバイルプロセッサ「Tegra」が採用されている。ゲーム向けのグラフィック処理などに使ってきたGPUはAIの技術を取り込みやすい特長があり、ディープラーニングに適しているとみたトヨタ自動車(7203)やテスラなどが相次ぎ採用。エヌビディアのGPUは世界の自動車・部品大手に自動運転車の研究で使われており、レベル5と呼ばれる完全自動運転の技術開発に弾みがつく可能性があるとみられている。 【エヌビディアの時価総額の推移】(単位:100万㌦) ※QUICK FactSet Workstationより作成 2Q(5~7月期)決算では、「ニンテンドースイッチ」を含むゲームに加えて、AI、仮想通貨のデータ処理向けなどの好調で市場予想を大幅に上回る着地となりながらも、決算発表直後は売られた。データセンター向けが市場予想ほど伸びなかったことが嫌気された経緯があり、全体業績の動向は勿論のこと、用途向きの伸びにも注目したい。 ◎過去の決算と株価の推移はQr1などQUICK端末のナレッジ特設サイト「米決算プレビュー」で確認できます。 【過去20四半期決算分析】 EPS実績  対市場予想 上振れ回数    18 下振れ回数       2 EPS実績/市場予想(%) 平均乖離率   +42.0 平均上振れ率    +50.0 平均下振れ率    -30.2 決算発表直後1日の値動き 上昇回数     13 下落回数     7 平均騰落率    +5.6 平均上振率       +10.5 平均下振率         -3.5 ※QUICK FactSet Workstationの「サプライズ履歴」より作成 同社の決算発表は概ね市場予想を上回って着地するケースが多く、過去5年(20四半期)で18回も上振れ。その際の平均上振れ率は50%にも達する。その一方で、2回下振れしたが、その下振れ率は30%。この決算発表直後1日の値動きは、13回が上昇し、7回下落。平均上昇率10.5%、下落率は3.5%だった。 傾向的に市場予想を大幅に上回る着地となり、株価もポジティブに反応することが多い。ただ、市場予想を上回る決算ながら利益確定売り等などで売られたケースも少なくないだけに注意が必要だろう。今回は株価が最高値圏にありながら、増益率が鈍化するとみられるなど警戒感が強いだけに、市場予想通りの着地や若干の上振れ程度ならば利益確定売りに押される可能性が高そうだ。逆に、成長鈍化を払拭するような大幅増益決算となれば、株価上昇に弾みがつくかもしれない。 【QUICKエクイティコメント・本吉亮】 ※QUICKエクイティコメントは、国内株・北米株を中心に相場動向をLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

日本株21年ぶり高値、あのファンドも動き出す

21年ぶりの高値圏に浮上した日本株。塩漬けにされていた株に売り抜けの好機到来と言える。それは個人投資家のみならず、「物言う株主(アクティビスト)」にとっても追い風となっているようだ。 ※この記事はQUICKのオプションサービス「QUICKエクイティコメント」で2日に配信したニュースを再構成したものです。 旧村上ファンドがイグジットに成功? 電子部品商社の黒田電気は10月31日、投資ファンドのMBKパートナーズによる完全子会社化を目的としたTOBに賛同すると発表。買収総額は1000億円強で、TOB価格は1株2720円とした。これは10月31日終値(2020円)を34.7%上回る水準だったことから、翌11月1日は買い注文が殺到しストップ高比例配分となった。 黒田電気は、旧村上ファンド系投資ファンドであるレノが実質的な筆頭株主で、村上世彰氏の愛娘の野村絢氏、村上世彰氏と関係の深いオフィスサポートなどの共同保有分を含めて約37%も保有しており、このたびTOBの応募でMBKと合意したという。黒田電気側は液晶関連の取引減少で業績が悪化するなか、MBKから資金や人材などの支援を得て事業基盤を再構築するとしているが、レノがイグジットに成功したとみるのが妥当だろう。 これには伏線があった。黒田電気が6月末に実施した株主総会では、レノが提出した社外取締役を選任する株主提案を賛成多数で可決された。「物言う株主」による株主提案が可決されるのは極めて異例で、2009年にアデランスの総会で米スティール・パートナーズが推す取締役の選任が可決されて以来(約8年ぶり)だったという。黒田電気側はレノの提案に反対していたが、他の少数株主もレノに賛同したことで株主提案が可決された。レノは黒田電気に他社との経営統合や株主還元の強化を求めて圧力を強めていく方針としており、今回のイグジットにつながったとみられる。 ●黒田電気の株価チャート(QUICK ActiveManagerより)   レノ、次の標的は? 今回の黒田電気からさかのぼること約1年前、2016年11月末にはゴルフ場運営大手のアコーディアゴルフが、投資ファンドMBKパートナーズによる買収で上場廃止となった。アコーディアゴルフも旧村上ファンド系投資会社のレノが実質的に筆頭株主で、共同保有分を発行済みの約19%を保有していた。2013年に投資を開始してから約4年でイグジットに達し、投資総額390億円に対して約480億円回収したという。 この2件から旧村上ファンド系投資会社は筆頭株主として数年間にわたり会社側へプレッシャーを与え続け、MBKパートナーズを通じイグジットを図るというスキームを定着させつつあるように見える。今回の回収資金でレノは新たにどの企業にロックオンするのかも注視したい。 ●アコーディアゴルフの株価チャート(2017年3月23日上場廃止、QUICK ActiveManagerより)   エフィッシモの動向に注目 また、シンガポールに拠点を持つ旧村上ファンド出身者らによる投資ファンド「エフィッシモキャピタルマネージメント」の動向にも注目だろう。エフィッシモも株主提案などに積極的な「物言う株主」として知られており、渋チンだったヤマダ電機に圧力をかけて配当金の増加等を勝ち取ったほか、今年5月には宝飾品大手TASAKIがMBKパートナーズによる買収でイグジットに成功した経緯がある。 エフィッシモは保有比率で最も高い川崎汽船(38%超)を筆頭に、日産車体、TOC、ヤマダ電機なども15%程度保有する。エフィッシモの投資スタンスは定かではないが、主に東証1部上場で業績等が落ち込んだ企業の株価が沈む状況で大量に仕込むという戦略と推察される。春先には巨額損失計上で急落した東芝を大量取得したことが話題となったが、取得理由としては「企業価値に比べ割安と判断した。成長を促すために対話することもあり得るが、現時点では具体的に想定していない」と挙げていた。業績不振銘柄への投資のため、イグジットには多少時間かかると思われるが、足元の良好なマクロ環境や世界的な株高の流れがイグジットの流れを後押ししそうだ。 TOBプレーはあるか… 旧村上ファンド系の投資ファンドではレノ、エフィッシモキャピタルマネージメント以外にも、村上世彰氏が関与するとされるオフィスサポートがある。さらに、村上世彰氏の愛娘である野村絢氏、野村絢氏が代表を務めるC&Iホールディングスなどもあり、これらの名称を見かけたら要注目されたい。そのオフィスサポートは10月31日提出の大量保有報告書で、日本郵船の大量取得が明らかとなった。村上世彰氏はニッポン放送株を巡るインサイダー取引容疑で逮捕されてから一線を退いていたが、相場に復帰。今年6月に「生涯投資家」という書籍を執筆し、現在はツイッターで積極的にツイートするなど、精力的に動いているだけに再び「物言う株主」として辣腕を振るう日も遠くはないかもしれない。 旧村上ファンド系投資ファンドが保有する銘柄が下記の一覧で、いつイグジットに向かうも注目点だ。TOBといったイグジット戦略で株価が思惑的に動く局面が近づいているのかもしれない。   ※2017年に入り、金融庁の大量保有報告の提出があったもの   【QUICKエクイティコメント・本吉亮】

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