三井住友FGが高値 資本規制合意、高まる自社株買い期待

11日の東京株式市場で銀行株が堅調だ。国際展開する大手銀行の健全性を保つための金融資本規制について日米欧の金融当局が合意し、規制に対する不透明感が晴れたからだ。規制の最終決定後に自社株買いの方針を示すとしていた三井住友フィナンシャルグループ(8316)は一時2.4%高となり、1カ月半ぶりに年初来高値を更新した。 自己資本の算出方法決定で、銀行の資本政策が明確になった。三井住友FGは「規制の最終決定後に自社株買いの方針を決める」と説明してきた。マネックス証券の大槻奈那チーフ・アナリストは「自己資本に対する株主還元の割合が他社に比べて低い三井住友FGの自社株買い期待が高まり、株高に勢いが付いた」と話す。ゴールドマン・サックス証券の担当アナリスト、田中克典氏は11日付のリポートで「2019年3月期に500億円の自社株買いを実施する可能性が高い」と指摘する。 今回合意したのは企業向け貸出残高などリスク資産の算出を巡る方法だ。リスク資産額は格付け会社が求めた数値の72.5%を下回らないことに最終決定した。日本のメガバンクが銀行内部で計算してきたリスク資産額よりは厳しく自己資本比率の低下につながるものの、外部格付け会社による算出に比べるとリスク資産額を少なく見積もることができた。 新規制は2022年から5年かけて段階的に実施するため、自己資本を増やす時間的な余裕があるとみられている。例えば三井住友FGは規制適用でリスク資産額は以前から30%程度増えるが、自己資本比率は利益蓄積効果で年間0.45~0.50%程度積み上がる見通しだ。「大不況などで不良債権が急増しメガバンクが最終赤字に転落しない限り、利益の積み上げで自己資本比率の目標は達成できる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の笹島勝人シニアアナリスト)との声が多い。 もっとも、低金利環境が続くなかで銀行株の先高観は乏しい。大手銀5グループの18年3月期の業績予想で本業のもうけを示す業務純益(単独ベース)は、前期比で13%減の見通し。日銀によると都市銀行の長期貸出平均金利は10月が0.81%と前年同月比で0.074%下がった。市場では「借り換えに伴う貸出金利の低下が続き、大手銀行の業務純益は19年3月期も減少する可能性が高い」(笹島氏)との見方が多い。 持ち合い株の売却で純利益の積み増しは可能だ。だが日経平均株価が2万3000円近辺の高値圏で推移するなか、株価が下落基調に転じると株式売却益も目減りしかねない。ある国内証券のアナリストは「先行きが読めない株価動向が収益状況に直結するため、自己資本が目減りする自社株買いや増配が継続的に実施されるとは期待できない」と読む。金融規制の合意が銀行株買いにつながったが、中長期的な見通しには慎重になった方がよさそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 田中俊行】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

乱高下のビットコイン、取引所大手が送金手数料2倍に 決済停止する企業も

仮想通貨ビットコインの取引所大手コインチェック(東京・渋谷)は8日、ビットコインの送金手数料を2倍に引き上げるとの声明を発表した。ビットコインの乱高下に伴い取引が集中、それを抑制する思惑があるとみられる。米ゲーム配信サービス企業が7日からビットコインでの支払いの受付を停止するなど、ビットコイン乱高下を巡り、影響が広がりだしている。 8日は値動きの荒さに拍車がかかった コインチェックはツイッターで手数料を12時23分から通常の0.0005BTCから0.001BTCに引き上げると発表した。取引所大手「ビットフライヤー」によると、ビットコインは初めて200万円を超えた。1ビットコイン=200万円とするとコインチェックの手数料は2000円になる計算で、銀行をはるかに上回る水準だ。投資家がビットコインに殺到し送金に遅延が発生していることに伴う措置というが、突然の公表にインターネット上では戸惑いの声が上がっている。 米バルブのゲーム配信サービス「スチーム」は7日からビットコインでの支払いの受付を停止した。取引手数料がビットコイン決済を始めた時期から100倍近くに跳ね上がったことに加え、決済期間内にビットコインの価値が大きく変動し顧客の利便性を損ねかねない事態にあるためだ。ビットコインは8日朝方に200万円台に乗せた後、急落するなど値動きが激しくなっている。 4月にビットコイン決済を始めたビックカメラ(3048)は8日、一会計当たりの上限額をこれまでの3倍の30万円にすると発表した。旅行商品をビットコインで決済できるエイチ・アイ・エス(9603)も手数料を上乗せして販売しているが、今のところビットコイン上昇の悪影響は手数料には表れていないようだ。 ただ、ニッセイ基礎研究所の櫨浩一・専務理事は「ビットコインは乱高下により、決済通貨として使いにくくなっている」と警鐘を鳴らす。「国内でもビットコイン決済について何らかの対応をする企業が出てくる可能性があり、取り扱いを始めようとしている企業は導入に二の足を踏みそうだ」という。連日のように最高値を更新し乱高下を繰り返すビットコイン。企業がどう対応するかに注目が集まりそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN ) 川上純平】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

任天堂が3%高 エヌビディアと組み中国でゲーム配信と報道

7日の東京株式市場で、任天堂株が続伸した。終値は前日比1320円(3.05%)高の4万4480円。英フィナンシャル・タイムズ(FT)など海外メディアは任天堂が米エヌビディアと組み、中国市場に進出したと報じた。膨大なゲーム人口を抱える中国市場を開拓する足がかりになるとの思惑が買いを誘ったようだ。 報道によると、任天堂はエヌビディアの据え置き型ゲームを通じ「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」「ニューマリオブラザーズ Wii」などのゲームの配信を始めた。FTはエヌビディアとの協業で任天堂は中国市場に進出しやすくなるだろうとの専門家の声を紹介している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。  

「慢心」が生んだ株急落 2カ月連続の波乱

6日の東京株式市場で日経平均株価は前日比445円安の2万2177円と今年最大の下げ幅だった。午前11時30分以降に出た株価指数先物へのまとまった売りをきっかけに、オプション市場でプット(売る権利)の売り方の持ち高解消が膨らみ、先物への売りが売りを呼ぶ展開となった。相場の大幅下落はないとの「慢心」が生んだ急落といえそうだ。 日経平均株価や日経平均先物12月物は、下値支持線とみられた25日移動平均線のある2万2500円近辺を午前に下回った。テクニカル分析上は相場の調整色が強まることになる。現物株市場が昼休みに入った11時30分すぎ、先物市場で大口の売りが出て日経平均先物の下げ幅は300円を超えた。その地合いのまま、午後の下げ相場になだれ込んだ。 何が起きたのか。発火点となったのはオプション市場だ。「プットの売り方が急激な下げに対応するため、買い戻しを入れた」(投資助言会社フェアラインパートナーズの堀川秀樹氏)。プットを売った市場参加者は、日経平均が急落して権利行使価格に到達すると取引相手の損失を埋め合わせる義務が生じるため、その回避に動く。売ったプットを急いで買い戻すのに加え、「株価指数先物や銀行株に対してヘッジ売りを膨らませた」(国内の機関投資家)。これが売りが売りを呼ぶメカニズムだ。 焦点となった日経平均オプション。2万2000円から2万1000円のプットの建玉(未決済残高)はそれぞれ1万枚を超える水準まで膨らんでいた。21円で始まった2万2000円プットの価格は、激しい買い戻しのすえ5倍の110円まで急上昇。11月後半以降の日経平均の戻りで安心し、目先はあまり大きく下がらないと想定し、2万2000円前後のプットを売っていた人が多かったことが裏目に出た。 オプション市場の取引は相場変動率の急上昇につながった。「日本版恐怖指数」と呼ばれる日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は日経平均の下落とプットの売り方の損失覚悟の持ち高解消の影響を受けて急上昇。13時31分には前日比9%高の18.28を付けた。 相場変動率の上昇を嫌うシステムトレード系の売りも、相場の下げを加速させた可能性がある。野村証券の高田将成クオンツ・ストラテジストは海外投資家の一種である商品投資顧問(CTA)について「日経平均先物が2万2200円を下回ったところから売りを活発化させた」と指摘する。 フェアラインパートナーズの堀川氏は「1カ月前と逆の動きだ」と話す。約1カ月前の11月9日の日経平均。さしたるきっかけもないままぐんぐん上げ幅を広げ、取引時間中に26年ぶりとなる2万3000円台を回復した。このときは想定外の相場上昇に対しコール(買う権利)の売り方が、コールの買い戻しや株価指数先物へのヘッジ買いを膨らませた。株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出を直後に控えていた点も同じだ。 株式相場は2カ月続けてSQ算出前の波乱となった。きょうの下落は、先週後半までの戻り相場の継続に懐疑を投げかけるきっかけとなりそうだ。中東情勢の悪化懸念やアジアのハイテク株安など外部要因も悪化している。年末の株高に向けたハードルはますます上がった。 【日経QUICKニュース(NQN) 張間正義】  ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

「いぬ笑う」で来年も株高か 平均上昇率は9.8%

 師走に入り、2017年も1カ月を切った。十二支の酉(とり)年にあたる今年の東京株式市場は、日経平均株価が四半世紀ぶりの高値に急上昇し、「申(さる)酉騒ぐ」の格言通りの展開となった。18年は戌(いぬ)年。「戌笑う」にならえば、来年も相場の上昇が続く見通しだ。  今年の日経平均を振り返ると、年初から11月末までに3610円(18.9%)上昇した。年末に2万3000円を回復すれば2割高となる。日経平均の算出が始まった1950年以降、5回の酉年の上昇率は平均15%。このままいけば、今年は平均を上回ることになる。  戌年の日経平均の勝率は80%と、亥(い)年や酉年と並び、申年の83%に次ぐ2位。平均上昇率は9.8%と十二支では7位だが、勝率は悪くない。06年の上昇率は6.9%で、94年は13.2%だった。82年は4.4%だったが、58年は40.5%と大幅に上げた。唯一下げた70年は世界的な投資信託の運用会社を巡る不安が世界株安につながった「IOSショック」で、15.8%安となった。  干支(えと)は十二支と十干(じっかん)からなる。18年は十干でいうと戊(つちのえ)。戊の戦後の勝敗は4勝2敗だ。勝ち星の方が多いが、直近の戊である08年は米リーマン・ブラザーズの破綻で日経平均の下落率が42.1%と過去最大を記録した。98年の戊は日本長期信用銀行(現新生銀行)や日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)が破綻し、年間で9.3%安となった。  来年は60年に一度の「戊戌(つちのえいぬ)」だ。前回の1958年の戊戌に日経平均は4割高となった。当時はちょうど「岩戸景気」が始まったころだが、足元はアベノミクスで戦後2番目に長い景気回復期にある。  みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは来年の日経平均は上昇しても1桁台にとどまると予想する。「すでに17年に大幅高となったため、来年の上昇余地は限られそうだ」という。来年の話をすると鬼が笑うが、戌はしっかり笑ってくれるだろうか。 【日経QUICKニュース(NQN) 三好理穂】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

Jフロント株が高値、パルコ効果に脚光 上野の客数7割増

4日の東京市場でJフロント(3086)が続伸して前週末比4.7%高の1989円まで買われ、年初来高値を2営業日ぶりに更新した。11月の売り上げ増が手掛かりで、その中身をみると訪日外国人(インバウンド)需要の追い風だけではなかった。11月にパルコ(8251)との初の協業で増床開業した松坂屋上野店(東京)の貢献も大きい。上野店の来客数は前年同月比7割増となり、2012年に子会社化したパルコとの相乗効果がようやく顕在化してきた。   1日に発表した傘下の大丸松坂屋百貨店の11月の既存店売上高は、前年同月比7.2%増だった。まず目に付くのは免税売上高の92%増という高い伸びだ。三越伊勢丹(3099)の44%増、高島屋(8233)の48%増を引き離し、「インバウンド需要を同業他社以上に取り込んでいる」(野村証券の青木英彦マネージング・ディレクター)のが投資家の買いを誘っている。 パルコとの協業効果も増収に寄与した。松坂屋上野店の南館跡地に新業態「パルコヤ」を11月4日に開業した。東京23区内のパルコ出店は渋谷以来、44年ぶりとなる。上野店の顧客層は高齢者の比率が高かったが、「パルコヤ」が目指すのは団塊ジュニア世代を中心とする30~50代の消費者の取り込みだ。かつて文化の発信地として渋谷パルコなどに通った世代だ。 「パルコヤ」も入る上野フロンティアタワーの11月4日の開業後、本館も含む上野店全体は客数が大きく伸び、売上高も2割増となった。小売業にくわしいGマネジメント&リサーチの清水倫典代表は「初のパルコとの協業の成果が、早くも出た」と評価する。 Jフロントは22年2月期までに全国で4カ所のパルコ型店舗を開業する予定で、21年には2店目を大阪市内の旗艦店、大丸心斎橋店の北館にオープンする。「幅広い顧客ニーズを取り組む姿勢をいっそう明確にする」(野村証券の青木氏)ことで、収益拡大を狙う。上野店はまだオープンしたばかりながら、成功体験を重ねていけば投資家の評価は「インバウンド」だけにとどまらなくなるだろう。 【日経QUICKニュース(NQN) 張間正義】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

原油相場に嵐の予感 OPEC・ロシアの協調減産に綻びも

原油先物相場に嵐の予感が漂い始めた。石油輸出国機構(OPEC)やロシアなど主要産油国は18年3月に期限を迎える協調減産を2018年末まで延長することで合意した。ただ、最近の原油相場上昇を受けてサウジアラビアやロシアでは減産ムードが薄れており、協調減産体制に綻びも垣間見える。米シェールオイル生産者はすでに将来の価格下落を見込んで備えを進めている。 11月30日にウィーンで定例総会を開いたOPECはロシアなど非加盟の産油国と協調減産を2018年末まで延長することで合意した。減産延長は織り込み済みだったが、これまで内戦などの影響を踏まえて減産を免除されていたナイジェリアやリビアにも産油量の上限が設定されたことは「需給の引き締まりにいくぶん貢献する」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員)と受け止められた。 ニューヨーク原油先物は日本時間1日の時間外取引で1バレル57.60ドル近辺と、前日の終値(57.40ドル)と比べてやや高い水準で小幅高となっている。株高によるリスク選好の流れも原油市場に波及している。利益確定売りは思ったほど膨らまず結果としてイベントを「無風」通過したように見える。 原油相場に死角はないのか。フジトミの斎藤和彦チーフアナリストは「ここからが(減産合意の)本当の正念場」と指摘する。焦点はサウジの生産動向だ。協調減産の合意内容に基づくサウジアラビアの生産量の上限は日量1005万8000バレルだ。今年1月から始まった協調減産でサウジはいちばん減産してきたが、9月から産油量が前月比で増加に転じ、10月には1005万6000バレルと、上限ぎりぎりに達している。 「これまで減産を進めた一方で、輸出量は減らしていなかったので、足元では国内在庫を増やすために増産している」とサウジは主張しているもようだ。もっとも、市場は冷ややかで「減産を主導してきたサウジが減産に積極的でなくなった」と受け止められている。9月以降は中東の地政学リスクなどを材料に原油相場も上昇し、減産の緊急性は原油相場が1バレル30ドルを切っていた16年冬と比べて低下しているのも一因だ。 「週末にロイター通信がOPEC月報に先立って発表する11月の産油量でサウジの産油量が上限を超え減産を順守しなくなれば、相場急落の引き金となりかねない」(斎藤氏)という。 サウジと断交が続くイランもサウジが減産しなくなれば、減産を順守するとは考えにくい。ロシアも「最近の原油高に伴うルーブルの上昇による自国経済への影響を不安視している」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之主席エコノミスト)といい、OPEC非加盟の産油国にも協調減産の足並みの乱れが見られる。 次回18年6月の総会では減産政策が見直される予定で、いったんは合意に至った18年末までの協調減産延長が完全に履行されるかはまだ不透明だ。 米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉報告によると、投機筋の買越幅が拡大する一方、投機筋以外の商業部門の売越幅も大きく膨らんでいる。「米シェールオイル生産者が将来の価格下落リスクを防ぐために差損回避(ヘッジ)売りをかけている」との見方が多い。 今後、需給の緩みで原油価格が下がっても生産者はあらじめヘッジして確定させた売値で売ることができるため、供給過剰感はますます強まることになる。そうなれば、投機筋も買いで持ちこたえることは不可能だろう。年末にかけてはこうした急落リスクにも目配せしておいたほうが良さそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 尾崎也弥】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

ビットコインに集まる個人マネー 関連株は人気離散

 東京株式市場で仮想通貨関連銘柄の売買が細っている。代表的な仮想通貨であるビットコインの値上がりが続くが、個人投資家が関連銘柄への物色を進める動きはみられない。仮想通貨は値動きの荒い対象の域を出ず、決済手段としての利用拡大を描く投資家は少ないからだ。仮想通貨の上昇で投機的な取引を好む投資家はビットコインそのものを取引し、関連銘柄の注目度の低下を促している。  ビットコインのドル建て価格は29日、初めて1ビットコイン=1万ドルの大台に乗せた。調整らしい調整を経ず、この1カ月で約60%も上昇した。  半面、株式市場では関連株の売買が膨らむ気配はない。子会社が仮想通貨取引所を運営し関連銘柄の代表格であるリミックスポイント(3825、2部)株の1日平均の売買高は11月が約16億円と、仮想通貨関連が注目を集めた5~6月(約111億円)の1割強にとどまる。  株価も軟調だ。リミックス株は30日に約5カ月ぶりの安値を付けた。仮想通貨の口座開設が増えていることを追い風に、13日に2018年3月期の連結最終損益見通しを5億2800万円の黒字(前期は4200万円の赤字)と、従来予想の4億300万円の黒字から引き上げた。それにも関わらず材料視する向きは乏しい。インフォテリア(3853、マザーズ)なども弱含んでいる。  ネット証券大手の楽天証券では、任天堂(7974)など東証1部の業績成長の期待が高い銘柄に、短期売買の個人が集中している。土信田雅之シニアマーケットアナリストは「仮想通貨関連が売買代金の上位に顔を出すことはなくなった」と話す。  米CMEグループなどはビットコインに関連する先物商品の上場を計画している。だが機関投資家の間では「決済手段として普及しなければ裾野は拡大せず、仮想通貨関連の事業の収益寄与は織り込めない」(いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員)との声が多い。  松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「投機的な売買を好む個人がビットコイン自体を取引対象にしていることも、株式市場で関連株の売買が盛り上がらない理由だ」とみる。  仮想通貨の口座開設の目的が純粋な投資に限られるのなら、ビットコインが上昇しても関連銘柄への業績貢献は乏しい。それならば企業ではなくビットコイン自体に買いを入れた方が良い――。そんな個人投資家が増えているようだ。〔日経QUICKニュース(NQN) 田中俊行〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

運用会社、ロボット見本市に初出展 関連投信のアピールに躍起

世界のロボットメーカーが一堂に会する国際ロボット展が29日、東京ビッグサイト(東京・江東)で始まった。ファナック(6954)などが自社の技術をアピールするなか、日興アセットマネジメント(東京・港)といった資産運用会社が異色の「ロボット」関連として出展している。 国際ロボット展は日本ロボット工業会(東京・港)などが主催し、国内のほか中国やドイツなどから612社・団体が出展した。生産現場の人手不足対策などを背景にロボット分野への関心は高い。 会場には運用会社の日興アセットマネジメントとアクサ・インベストメント・マネージャーズがロボットメーカーに混じってブースを構える。大和証券投資信託委託(東京・千代田)もアクサと共同出展している。運用会社の出展は初めてという。いずれもロボットメーカーに投資する投資信託を紹介している。 「ロボット業界の関係者などロボットに関心がある人にファンドをアピールしたい」(日興アセット)という。蛇の道は蛇。その業界に詳しい人なら業界の投信を買ってくれるだろうという算段のようだ。 日興アセットは「グローバル・ロボティクス株式ファンド」の運用方針などを解説する。同ファンドの運用残高はシリーズ4本で計8300億円に膨らんでいる。「グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)」の基準価格は27日時点で1万5275円。日本企業ではキーエンス(6861)や安川電(6506)、海外企業では米ロックウェル・オートメーションやスイスのABBなどに投資している。 ロボット関連銘柄の株価は堅調に推移 大和投資信託はアクサ・インベストメンツを通じ、ドイツのシーメンスなどを組み込んだ「ロボット・テクノロジー関連株ファンド―ロボテック―」を運用している。アクサのファンドマネジャーが投資先の技術やサービスについて投資家に説明する機会を設ける。 金融庁は金融機関に「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」を求めており、運用会社も投資家から選ばれる存在にならなければならない。これまでは投信の販売を銀行など販売会社に頼っている面が大きかった。楽天証券経済研究所の篠田尚子ファンドアナリストは「運用会社が直接、投資家と接点を持とうとしている」と評価していた。 【日経QUICKニュース 岩本貴子】  ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

日経平均、25日線でピタリ下げ止まる 十字線が出現

28日の日経平均株価は前日比9円安の2万2486円と小幅に続落した。半導体需要のピークアウト懸念などで関連株が売られた割には、続落とはいえ底堅い印象も残った。日経平均は取引時間中に一時、132円安の2万2363円まで下げたが、テクニカル分析では25日移動平均割れ目前でピタリと下げ止まった。25日線を強い下値支持水準として意識する投資家は多く、28日の安値近辺では押し目買いが増えた。 ・15日以降、日経平均は25日移動平均を下回りそうで下回らない(情報端末ActiveManagerより)   25日移動平均は、過去25営業日間の終値を単純平均した代表的なテクニカル指標のひとつだ。1カ月間の営業日とほぼ重なり、過去1カ月間の投資家の平均買いコストと考えることができる。上回っている限りは、過去1カ月に買った投資家の間で利益が出ている持ち高が多いことを示している。 日経平均が終値で最後に25日線を下回っていたのは9月11日でそれ以降、上回る状態が続いている。日経平均が7日に約26年ぶりの高値を更新して調整に向かった後、25日線に近づいたのは28日で2度目となる。最初の16日は、取引時間中に節目の2万2000円を下回ったが、その場面で押し目買いが入った。終わってみれば2万2351円と前日から反発し、2万2000円ちょうどだった25日線を大きく上回った。朝方に日本株売りが先行し再び接近した28日は取引時間中もかろうじて割り込まずに下げ渋った。 25日線は9月中旬以降、右肩上がりが続いている。「超短期のトレンドを示す5日移動平均が25日線を上回っているのも、相場の強さを示している」(大和証券の佐藤光シニアテクニカルアナリスト)という。28日はある個人投資家が「25日線まで下げた場面で、押し目買いを入れた」と明かすように、下値支持水準として25日線の存在感は増している。 28日の日経平均のローソク足は終値が始値を上回る陽線だった。上ひげ(高値と終値の差)と下ひげ(始値と安値の差)がともに長いと同時に、胴体(終値と始値の差)が短いきれいな「十字線」が出現した。終値と始値の差は11円50銭にとどまり、10月19日以来の小ささだった。 ・28日はきれいな十字線が出現 十字線は、買いたい投資家と売りたい投資家が拮抗している状態を物語る。これが出現するのは相場の転換点を示唆するといわれるケースが多いが、売り買いが交錯し相場の方向感が出にくい状況を表すこともある。日経平均は15日に2万2028円と直近安値を付けたあとは一進一退が続いており、「気迷い相場」ともいえそうだ。 今後の日本株はどちらに向かうのか。みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストが注目するのが米ダウ工業株30種平均のチャートだ。現時点で25日線を上回るダウ平均が「大幅に調整してこの水準を下回ってくると下落基調に転じたとの見方が広がる。そうなると日経平均も25日線を下抜けする可能性が高い」と警戒している。 【日経QUICKニュース・田中俊行】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

サムスン株急落 半導体需要サイクルに「下降」観測 東京市場にも波及

27日の韓国株式市場でサムスン電子が5%下落した。アナリストのリポートを受けて半導体需要の先行きへの楽観的な見方が後退。韓国半導体のSKハイニックスも連れ安し、東京市場や台湾市場でも半導体関連に売りが出た。世界的な株高をけん引してきたハイテク株の下落に投資家の警戒感が強まっている。 「NAND型フラッシュメモリーの需要サイクルが2017年10~12月期に16年1~3月期以来、初めて下降局面に入った」。米モルガン・スタンレーのアナリスト、ショーン・キム氏らはこう指摘し、サムスン電子の投資判断を3段階で最上位の「オーバーウエイト(買い)」から真ん中の「イコールウエイト」に引き下げた。目標株価は290万ウォンから280万ウォンに下方修正した。 背景にあるのがデータセンターや中国のスマートフォンの記憶媒体向けの需要の弱含み。「NANDの市況は市場の想定よりも速いペースで下落しそうだ」とも警告する。同じ半導体メモリーのDRAMについても業界の設備増強を受け、19~20年に供給過剰になる可能性があるという。 27日の韓国の半導体株売りは海外にも波及した。NANDでサムスンに次ぐシェアを持つ東芝(6502)が2%安となり、製造装置の東京エレクトロン(8035)やディスコ(6146)も下げた。台湾では台湾積体電路製造(TSMC)が約3%下落した。 サムスンの7~9月期は営業利益が前年同期の2.8倍となる14兆5300億ウォンと好調だった。このうちNANDとDRAMなどの半導体部門が7割近くを稼ぐ。半導体事業の勢いが鈍れば、株価の先高期待がしぼむのも無理はない。 サムスン株は今年に入り前週末までに54%高となっていた。米フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は今年に入って48%上昇するなど、スマホやデータセンターなどの需要増の恩恵を受ける半導体銘柄は世界的に買われてきた。リポートに冷や水を浴びせられたサムスン株。不可逆的な変調の到来なら、世界株に一段と波紋を広げかねない。 【NQN香港=柘植康文】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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