企業が安倍政権に期待する、真の経済・社会改革とは?

日経平均株価は11月9日の取引時間中に節目の2万3000円を上回るなど、四半世紀ぶりの高値圏で推移しています。好調な企業業績を手掛かりに、衆院選の与党勝利による政権安定の安心感も追い風となって、海外投資家からの資金が流入しているようです。こうしたなか、安倍政権に期待する改革と企業の意識改革について、上場企業へのアンケート調査「QUICK短観」を通じて、382社に聞きました。回答期間は10月26日~11月7日です。 安倍政権に期待する改革、「新技術の推進」が最多 10月22日投開票の衆院選は、与党が3分の2を超える議席を確保する圧勝となり、安倍政権が再び始動しました。今回のアンケートでは、同政権が打ち出した経済・社会改革の中で、今後どの分野に一番期待しますか、と聞きました。最も多かったのは「新技術(ビッグデータ、AI、IoT、ロボット、フィンテックなど)の推進」で47%、次いで「働き方改革」が34%、「外国人材の受け入れ」が9%、「コーポレートガバナンス」が7%、「女性の活躍」が4%と続きました。 QUICK短観8月調査で聞いた「これまでに安倍政権が打ち出した経済・社会改革のうち、貴社が最も注力した分野は?」のアンケート結果と比較すると、前回調査で半数を占めた「コーポレートガバナンス」への期待は1ケタにとどまり、代わって「新技術の推進」への期待が4倍超も上回る結果となったのが特徴的です。刻々と進化するロボット技術や人工知能(AI)関連に焦点をあてたビジネスが急速に拡大するなか、競争力の高い企業への変革が急務と考え、政権にも期待を寄せる企業が多いようです。 企業の意識改革、最も必要なのは「社長」が5割強 9月に日産自動車で資格を持たない従業員による完成車検査、10月には神戸製鋼の品質データ改ざんが発覚するなど、日本の大企業の不祥事が相次いでいます。こうした不祥事を防ぐために最も意識改革が必要なのは日本企業のどの階層ですか、と聞いたところ、最も多かったのは「社長」で過半を占めました。次いで「事業部門長」が27%、「部長」が10%、「課長、係長」が6%、「一般社員」が4%と続きました。企業の階層のトップから順に、意識改革が必要とされる結果になりました。 企業からは「今話題の企業不祥事はいずれも検査部門で、これは偶然ではないように思う。経営者は開発や販売には力を注ぐが、そうではない品質管理や管理といった“お金を生まない”部署を冷遇する傾向があり、今回も無関係ではない」、「何か事が起こってもだれが責任者なのかが良く分からない、責任の所在が曖昧な日本式の経営体質そのものが問題」といった厳しい指摘が寄せられました。   金融を含む全産業DIは調査開始以来最高に 毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)はプラス36で、前月に続いてQUICK短観調査開始(2006年12月)以来の最高水準を維持しました。非製造業DIは前月比1ポイント改善のプラス38。金融を含む全産業DIは前月比2ポイント改善のプラス38で調査開始以来、最も高い水準となりました。

衆院選の争点 消費増税と使途変更は選挙戦にどう響く?

10月22日の投開票が迫ってきた衆院選。憲法改正、消費税増税、原発再稼働をめぐるエネルギー政策、北朝鮮への対応などが主な争点となっています。このなかで、消費税増税と北朝鮮問題の対応について、上場企業へのアンケート調査「QUICK短観」を通じて、384社に聞きました。回答期間は9月29日~10月11日です。   消費税増税分は「予定通り国の借金返済に」が4割超 選挙戦の争点のひとつである消費税の増税について、安倍晋三首相は2019年10月に消費税率を予定通り10%に引き上げる一方、5兆円超の増収分の使途を変更し、約2兆円を教育無償化などの財源とする考えを示しています。これに対し、希望の党の小池百合子代表は消費税増税の凍結を主張。また、消費低迷などを理由に増税延期を求める党や、消費税増税自体に反対を訴える党もあり、野党の主張は入り乱れています。 現在の業況および見通しから判断すると、消費税増税の実施についてどのように考えますか、と聞いたところ、最も多かったのは「予定通り10%に引き上げ、大半を国の借金返済に充てるべき」で41%、次いで「デフレ脱却が確実になるまで、消費税10%は先送りすべき」が34%、「予定通り10%に引き上げ、教育無償化などに使途変更すべき」が18%と続きました。 ほぼ同時期に行われた10月のQUICK月次調査<株式>と比較すると、QUICK短観では増税分を「大半を国の借金返済に充てるべき」が、「教育無償化などに使途変更すべき」を2倍以上も上回る結果となったのが特徴的です。また、「消費税率10%は先送りすべき」が株式調査より5ポイントも高く、「消費税減税すべき」と合わせると約4割が消費税率引き上げに反対という結果になりました。 北朝鮮対応「対策を決めて周知徹底」企業は1割に満たず 核・ミサイル開発問題で緊迫化する北朝鮮への対応も、選挙の重要な争点となっています。今回のアンケートでは、Jアラート(全国瞬時警報システム)が通知された場合、会社や従業員等がとるべき行動など具体的な対策を決めていますか、と聞いたところ、最も多かったのは「今のところ何も決まっていない、決める予定はない」で75%、次いで「北朝鮮情勢の緊迫により対策について動き出した」が16%、「すでに具体的な対策を決めて従業員等にも周知徹底している」はわずか9%にとどまりました。 市場関係者からは「日本にいると北朝鮮など周辺国の動向に振り回されがちだが、ベネズエラ、イラン、イラクなど大きな問題を抱えている国では、デフォルト(債務不履行)や原油価格の乱高下を招く恐れもある。政府には大局的な見地から方針を策定していただきたい」といったコメントも寄せられました。   製造業DIは調査開始以来の高水準 毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)は、前月比5ポイント改善のプラス36とQUICK短観調査開始(2006年12月)以降で最高となりました。非製造業DIは前月比2ポイント悪化のプラス37となり、金融を含む全産業DIは前月と変わらずのプラス36でした。  

四半期開示、企業は消極的? 約7割が義務化に反対姿勢

決算短信の簡素化で企業の情報開示が後退する懸念が強まるなか、上場企業へのアンケート調査「QUICK短観」によると、約7割の企業が四半期決算の開示の義務化に懐疑的な見方を示しました。回答企業数は386社、回答期間は9月1~12日です。 7割弱が四半期開示に懐疑的 政府が6月に公表した成長戦略「未来投資戦略2017」に「四半期開示については義務的開示の是非を検証する」という一文が盛り込まれ、四半期開示が将来的に見直される可能性が出てきました。 そこで上場企業に四半期開示の義務化について聞いたところ、「四半期の情報は短期的すぎるため義務化しない方が良い」が51%、「短期間の情報開示は混乱を招くため、むしろ四半期開示を禁止すべき」は16%と、合計67%が四半期開示について懐疑的な見方を示しました。 企業からは「業態により開示が望ましい企業と、実績の開示だけではかえって投資家がミスリードしかねない企業が混在している。積極的な開示は必要であるが、業態に応じて適切な開示の方法は異なるため、定型での一律開示を義務付けるべきではない」「事業会社の決算業務は多忙になり監査報酬も高くなるなどマイナス面もある」といった意見のほか、「グローバル比較をする際に他国が四半期開示を行っている中で日本企業が四半期開示をやめたら(投資家に日本企業への投資を促すという意味合いでは)競争上、不利になると考える」といった声も聞かれました。 四半期開示を巡っては、これまで何度も話題になっていました。上場企業側は、業務やコストの増加からできれば見送りたいというのが本音でしょう。一方、投資家側は投資材料として開示の必要性を唱えるなど温度差があります。   決算短信の簡素化が2割以上の企業で進む また、東京証券取引所は2017年3月期から決算短信(短信)の簡素化を認めています。早期の開示が狙いにあります。直近の四半期決算ではトヨタ自動車やNTT、JTなどが短信の簡素化に動きました。トヨタは経営概況の説明を短信で削除したものの、四半期報告書には記載しました。 決算短信の簡素化の対応についても聞いたところ、最も多かった回答は「特に変更なし」で約6割でした。ただ、「これまでルール化されていた短信の様式を廃止し、簡素化した」(15%)と、「短信は簡素化したが、説明資料など補足資料の内容を充実させた」(8%)を合わせると、2割以上がすでに簡素化を実施しています。また、「今後、簡素化を考える」と答えた企業も2割弱だったため、今後は簡素化が一段と進むかもしれません。   製造業DIは2カ月連続で高水準 毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)は、前月調査と変わらずプラス31でしたが、長期でみると改善傾向が顕著になっています。金融を含む全産業DIは前月比2ポイント改善のプラス36でした。      

再考アベノミクス、上場企業が最も力を入れた政策は・・・

アベノミクスの開始から約4年半が経過し、これまで大胆な金融緩和や成長戦略といった「3本の矢」を軸に様々な政策が打ち出されてきました。こうしたなか、安倍政権による政策のうち、企業が最も注力したのはどの分野だったのでしょうか。上場企業へのアンケート調査「QUICK短観」を通じて、388社に聞きました。回答期間は8月1~13日です。   コーポレートガバナンスに注力 安倍政権が打ち出した経済・社会改革のうち、最も注力した分野を聞いたところ、最も多かった回答は「コーポレートガバナンス(企業統治)」で50%でした。次いで安倍政権が「最大のチャレンジ」とする「働き方改革」が28%でした。また、「新技術(ビッグデータ、AI、IoT、ロボット、フィンテックなど)を用いた事業・サービスの開始」が11%、「女性の活躍」(8%)や「外国人材の受け入れ」(4%)は1ケタにとどまりました。     ESG評価を高めるための取り組みは? 企業が最も注力している分野がコーポレートガバナンスという結果を受けて、環境への対応や企業統治などへの取り組みを投資判断の材料にする「ESG投資」についても聞いてみました。  ESG評価を高めるためにどのような取り組みをしているのか質問したところ、最も多かったのは「特に検討していない」で47%。一方、「社内でESGの研究を始めている」が24%、「関心はあるが具体的な取り組み方がわからない」が23%と、半数近くがESG評価へ関心を寄せていることが見て取れます。世界の機関投資家が投資判断として重視する「ESG投資」の存在感は、日本でも徐々に増していきそうです。   製造業DIは約10年ぶりの高水準 毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)は、前月比1ポイント改善のプラス31と2007年9月調査以来、9年11カ月ぶりの高水準となりました。非製造業DIは前月比3ポイント悪化のプラス37となり、金融を含む全産業DIも前月比1ポイント悪化のプラス34でした。          

ビットコイン、投資家と企業で温度差

  QUICKが実施する「QUICK短期経済観測調査」では、話題のテーマについて上場企業にアンケート調査しています。今回の7月の調査では、ビットコインの対応について393社に聞きました。最も多かった回答は「特に話題になっていない」で7割超だったほか、「現時点ではリスクが大きいため、関与しない」という回答が16%ありました。また、「既に仮想通貨での決済を導入済み」は1%、「具体的に利用の検討を始めた」も1%にとどまり、企業はビットコインの導入について消極的なようです。 取引時間短縮を求める向きと事業者らの間で対立が生じ、8月1日に分裂騒動が持ち上がっていることから、仮想通貨の先行きに暗雲が広がっていることも影響しているかもしれません。分裂騒動を巡り、 日本仮想通貨事業者協会(JCBA)は18日、ビットコインの受け入れや引き出しの受付を日本時間8月1日から一時的に停止すると発表しました。停止するのはJCBA加盟の13社で、4日午後4時までの状況を見て、再開されるか決まるようです。 一方、ビットコインの価格は値動きが激しいながらもこの1年間で3倍超になるなど右肩上がりで上昇しており、投資家に注目を集めています。       企業の景況感、製造業DIは高水準を維持 毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)は前月比変わらずのプラス30と、高水準を維持しました。一方、非製造業DIは前月比1ポイント悪化のプラス40となり、金融を含む全産業DIも前月比1ポイント悪化のプラス35でした。  

ソニーなど株主総会が本格化、企業が総会で最も配慮していることとは・・・

国内3月期決算企業の株主総会が本格化しています。きょう15日はソニー、来週21日にはソフトバンクグループなどが予定されています。ソニーの第100回定時株主総会では、ソニーブランドの競争力低下を懸念する株主の声が上がったようです。 株主総会のピークは29日ですが、投資家との対話が深まるよう企業側が開催日の分散に動いたため、これまで出席できなかった総会に今年は参加することもできそうです。 <主な企業の株主総会の開催日> 開催日 社名(証券コード)      6月 15日 ソニー(6758)        16日 リコー(7752)        20日 シャープ(6753)       21日 三越伊勢丹(3099)         Jディスプレ(6740)        ソフトバンク(9984)     22日 日本郵政(6178)          三菱重(7011)        23日 JFE(5411)           ヤマトHD(9064)         パナホーム(1924)         東電HD(9501)       24日 ディーエヌエ(2432)     27日 タカタ(7312)        28日 大戸屋HD(2705)         武田(4502)            フジHD(4676)          東芝(6502)            関西電(9503)        29日 森永(2201)            森永乳(2264)           大王紙(3880)           富士フイルム(4901)        出光興産(5019)          黒田電気(7517)         ニコン(7731)           ソレキア(9867)    話題のテーマを聞く その1:株主総会の準備で最も大変なことは? QUICKが実施する「QUICK短期経済観測調査」では、話題のテーマについて上場企業にアンケート調査しています。今回の6月の調査では、株主総会の準備で最も配慮していることについて約340社に聞きました。最も多かった回答は「想定問答の作成や予行演習など議事進行関連」で9割超を占める結果となりました。次いで「おみやげの選定や資料発送など株主対応関連」が7%でした。おみやげに着目する個人投資家も多いと思われますが、問題もあります。当日会場に来られない株主との公平性や、おみやげの取得やイベントへの参加を目的に株主総会の参加に必要な「議決権行使書」がフリーマーケットアプリなどで販売されるケースもあるようです。 みずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは、12日付の「今月の株主総会での注目点 機関投資家の議決権行使は厳格化するか?」と題したレポートで株主総会の動向が最も注目される企業として、23日に予定している川崎汽船(9107)を挙げました。その理由として、「昨年の株主総会で村上英三社長の再任に反対票(賛成比率は56.6%)を投じたシンガポールのエフィッシモキャピタルは、持株比率を1年前の32%から38%へ増やした。5期累積最終赤字は、一部の国内機関投資家の反対基準にも抵触するため、社長再任が否決される恐れがあろう」と指摘しています。      話題のテーマを聞く その2:ランサムウエアの影響はあった? 5月中旬に世界各地で「ランサム(身代金)ウエア」と呼ばれるウイルスを使った大規模サイバー攻撃が発生しました。ランサムウエアに感染すると、パソコンなどのデータが暗号化されて開けず、元の状態に戻す代わりに金銭を要求するポップアップ画面が表示されるというものです。日本の企業にも被害が出ましたが、感染が広がった海外に比べると国内被害は軽微にとどまりました。 この「ランサムウエア」による大規模なサイバー攻撃の影響について質問したところ、最も多かった回答は「被害はなく、セキュリティー対策は従来通り」で7割強を占め、次いで「被害はないが、セキュリティー対策の見直しを始めた」が22%でした。  アンケートのコメントでは「ランサムウエアに関わらず、想定可能なサイバー攻撃対応は、随時バージョンアップしている」、「実害は無かったものの海外子会社に攻撃が確認されたので、今まで以上に本社のIT管理者が介入し、助言や監視を行っている」といった、セキュリティー対策への企業意識の高さがみてとれました。       企業の景況感は改善、DIは3年ぶりの高水準 毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)は前月比2ポイント上昇のプラス30と、3カ月連続の改善で2014年5月調査(30)以来3年1カ月ぶりの高水準となりました。非製造業DIも前月比4ポイント上昇のプラス41となり、金融を含む全産業DIも前月比3ポイント上昇のプラス36でした。  

「働き方改革」、企業業績への影響は?

  政府は3月28日、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入などを盛り込んだ「働き方改革実行計画の政府案」を示しました。多くの企業で様々な取り組みが進むなか、上場企業へのアンケート調査「QUICK短観」を通じて働き方改革の効果と、政府が普及をすすめる在宅勤務制度(テレワーク)の導入について300社超の企業に聞きました。   残業時間の上限規制、大半が業績に影響なし 政府がまとめた働き方改革実行計画に残業時間の上限規制(原則月45時間、年間で360時間。最大で年間720時間、繁忙期には特例で月100時間まで容認)が含まれています。この残業時間の上限規制が適用された場合の業績への影響について聞いたところ、最も多かったのが「特に変化はない」で75%を占め、次いで「マイナスに作用する」が17%、「プラスに作用する」が6%という結果になりました。       また、在宅勤務制度を検討する企業は回答企業全体の24%と、2年前の14%から比率が拡大しました。実際に導入した企業も12%と前回調査の8%から拡大しました。育児や介護と仕事の両立が難しい人も働きやすくなるように企業の働き方改革が進んでいるようです。事業の性格上、在宅勤務制度の導入は現実的ではないと回答した企業は56%(前回調査は74%)でした。 アンケートでは「専門的組織を立ち上げて検討を開始した」、「製造業として柔軟性に限りがあるものの、職種によって勤務制度はもっと柔軟であってよい」とのコメントがありました。一方、「研究や開発、生産が一体となって働く協業時間を重視するため在宅勤務制度は導入していない」との声も聞かれました。 あおぞら銀行や日本電産、日本取引所グループなど4月からの在宅勤務制度の導入を発表した企業も目立ちます。在宅勤務制度が拡大すれば長期的には都心への人口集中が緩和して満員電車によるトラブルや待機児童問題の解消などにつながる可能性もあるでしょう。      なお、日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している5月の「QUICK短観」では、製造業の業況判断指数(DI)が前月比1ポイント上昇のプラス28と2カ月連続の改善となりました。非製造業DIは前月調査から変わらずのプラス37となり、金融を含む全産業DIも前回調査から変わらずのプラス33とでした。    

企業の17年度の想定為替レートを先取り!?

  来週から2017年3月期の決算発表が本格化します。この際に注目されるのが18年3月期の業績見通しと、業績の前提になる円相場の見通しです。そこで今回は一足先に17年末の円相場の見通しと、まさに今実施されているかもしれない新入社員研修につい上場企業に聞いてみました。   今年のドル円相場は方向感出にくい? 2017年末のドル円相場の方向性について聞いてみたところ、現時点で17年末の円相場は6割がもみ合いと見ていました。東証1部や2部の大規模企業、マザーズやジャスダックに上場する新興企業など334社のうち、64%が「もみ合い・レンジ推移」と回答。一方、「ドル高・円安トレンド」と回答した企業は16%にとどまりました。上場企業からは「トランプ政権の安定化が喫緊の命題」、「トランプリスクが表面化しつつある」と米トランプ政権を不安視するコメントが目立ちました。「北朝鮮の動向が先行きの不透明感を醸成している」との声もありました。       2極化する新入社員教育  企業の4月入社の新人研修への取り組みは2極化しています。QUICKが2017年度の新人の研修期間をどれぐらい実施するか聞いたところ、2年前の調査と比較して「半年以上」と「実施しない」の回答が大幅に増えました。非製造業の研修期間の回答の内訳をみると、「1週間以内」が全体の35%から25%まで減少。「1カ月程度」や「2~3カ月」に変化はなかった一方、「半年またはそれ以上」が5%から7%に、「実施しない」が1%から8%に増えました。 人手不足が叫ばれている昨今、新卒採用者は会社にとって金の卵です。謙虚に学ぶ意欲の高い新人に対して、企業がどのような研修を与えるかは中長期的な成長力の基礎にもなります。もっとも、人手不足により新人研修をする余裕がない企業もありそうです。     なお、日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している4月のQUICK短観では、製造業の業況判断指数(DI)が前月比5ポイント改善のプラス27と2カ月ぶりの改善となりました。非製造業DIも前月調査から8ポイント改善のプラス37となり、金融を含む全産業DIは前回調査に比べて7ポイント改善のプラス33とでした。   <QUICK短観の推移>   *QUICKでは上場企業にアンケート調査した結果をまとめて「QUICK短観」として毎月公表しています。            

株主総会はハシゴせずゆったりと 開催日を分散する傾向に

  日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している3月のQUICK短観では、製造業の業況判断指数(DI)がプラス22となり、前月調査から2ポイント悪化しました。悪化は8カ月ぶり。一方、非製造業DIは前月調査から変わらずのプラス29でしたが、金融を含む全産業DIは前回調査に比べ2ポイント悪化のプラス26となりました。今回の調査期間は3月1~12日、回答者数は上場企業407社。       集中開催が課題の株主総会「すでに集中日を避けて開催」が最多 今回の調査では、開催日の集中が課題となっている「株主総会の集中緩和」について聞きました。平成29年度の税制改正では、コーポレートガバナンス強化に向け、上場企業等の株主総会の開催日を柔軟に設定できるよう、法人税等の申告期限の延長可能月数を拡大する見通しです。貴社では、株主総会の集中緩和のために開催日を変更することについて、どう考えますかと質問したところ、最も多かった回答は「すでに集中日を避けて開催している」が53%を占めました。次いで「検討しない」が21%、「延長拡大にかかわらず、検討している」が15%、「申告期限がさらに延長されるならば変更を検討する」が12%という結果になりました。調査対象である上場企業の半数以上が、すでに総会開催日の分散化に動いていることがうかがえます。   2018年春の新卒採用も「売り手市場」が続く 2018年春に大学卒業予定の学生を対象にした採用活動が3月1日に解禁されました。18年春採用(2018年4月入社)予定の社員数は、昨年と比べてどのようになりますか、と質問したところ、最も多かった回答は「ほぼ横ばいの予定」で65%で、次いで「増やす予定」が31%、「減らす予定」は4%となりました。採用を増やす予定の企業が3割を超えており、近年の人手不足を背景にした企業の採用意欲の高まりがうかがえ、学生優位の売り手市場が今年も続きそうです。   QUICK短観とは・・・ 日銀が企業経営者の景況感をまとめて四半期に1度の割合で発表している「日銀短観」の傾向を把握するのに役立つとともに、株価との連動性もみられるため、市場関係者にも注目されています。日銀短観は四半期に1度の公表ですが、QUICK短観は毎月調査・公表されているため、企業の景況感の変化を読み取ることができます。

米国への投資はどうする? 製造業DIは1年6カ月ぶりの高水準(2月調査)

  日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している2月のQUICK短観では、製造業の業況判断指数(DI)がプラス24となり、前月調査から5ポイント改善。2015年8月以来1年6カ月ぶりの高水準となりました。一方、非製造業DIは前月比1ポイント悪化のプラス29となりましたが、金融を含む全産業DIは前回調査に比べ1ポイント改善のプラス28でした。今回の調査期間は2月1~12日、回答者数は上場企業410社。     米国への投資スタンスは様子見 トランプ政権が1月に誕生して以来、企業を取り巻く事業環境も目まぐるしく変化しています。そこで、今回の調査では今後の米国への投資について聞きました。トランプ米大統領は「米国第一主義」のもと、法人減税など米国投資を促すための優遇策を公約に掲げていますが、今後の投資スタンスについてどう考えますか?  と質問したところ、「まずは現状維持で先行きを見守る」との回答が全体の6割と様子見姿勢でした。そのほか、「今後も投資姿勢は変わりそうにない」が4割弱を占めました。      長時間労働是正の対策、半数が「対応済み」 一方、国内では安倍政権が「働き方改革」に力を入れています。政府は14日、残業時間の上限を60時間と定めた案を提示しました。また、経済産業省と経団連が連携して2月から開始する消費喚起キャンペーン「プレミアムフライデー」では、午後3時ぐらいに早期退社することを呼びかけ、消費だけでなく働き方改革の相乗効果も狙うようです。そこで、今回は従業員の残業時間を減らす対応についても質問しました。従業員の残業時間を減らすためにどのような対応をしていますか? と質問したところ、最も多かった回答は「対策を検討中」が約4割でした。その一方で、「対策をすでに取っているが、効果はまだ出ていない」が3割超、「対策をすでに取っており、大きな効果が出ている」が2割でした。調査対象である上場企業の半数以上がすでに「対応をとっている」と、積極的に取り組んでいることがうかがえます。       <QUICK短観とは> 日銀が企業経営者の景況感をまとめて四半期に1度の割合で発表している「日銀短観」の傾向を把握するのに役立つとともに、株価との連動性もみられるため、市場関係者にも注目されています。日銀短観は四半期に1度の公表ですが、QUICK短観は毎月調査・公表されているため、企業の景況感の変化を読み取ることができます。    

上場企業、為替予約の利用は4割 新規に利用検討は4% QUICK短観

上場企業、為替予約の利用は4割 2017年1月のQUICK短観 日本の上場企業が2016年に為替予約を利用した割合は約4割だと19日、わかった。国内から海外に製品を輸出する企業、国内販売のために海外から輸入する企業にとって、為替予約は円相場の乱高下による業績変動のリスクを抑える。2017年から新規に為替予約の利用を検討する企業は全体の4%だった。 QUICKが上場企業にアンケート調査する2017年1月の「QUICK短期経済観測調査」で明らかになった。東証1部や2部の大規模企業、マザーズやジャスダックに上場する新興企業など344社が回答した。 製造業では為替予約を利用する企業は55%だった。そのうち13%は2017年では従来より為替予約の比率を高めると回答した。一方、非製造業では為替予約の利用は26%にとどまった。2017年も従来通り為替予約を利用すると答えたのは全体の34%、今まで通り為替予約を利用しない企業は58%だった。 2016年は外国為替市場で円相場は対ドルで1ドル=99円の円高水準から1ドル=121円の円安水準まで変動した。英EU離脱や米大統領選、日銀の金融政策決定会合などのイベントで大きく円相場が揺れ動いた。  企業にとって為替相場の変動による業績への影響は大きい。トヨタ自動車は対ドルで円相場が1円円高に進行すると年間の営業利益が400億円、富士重工業は100億円の利益押し下げ要因となる。 為替予約を利用すると急激な円相場の変動によるリスクを抑えられる。一方、為替予約をすると円相場の変動によるリターンも小さくなる。為替の変動による恩恵を受けようとしてあえて為替予約を利用しない選択肢もある。  長期の為替予約を利用する企業ではファーストリテイリングやニトリホールディングスなどが有名だ。 上場企業、機関投資家との対話は2社以上が7割 スチュワードシップ・コードが促す 上場企業の機関投資家との対話が活発化している。2016年までに2社以上の機関投資家と実際に対話した上場企業は7割だと19日、わかった。機関投資家の行動規範を定めた「日本版スチュワードシップ・コード」が2014年に導入されて3年目に入った。株主と経営者の建設的な対話が充実していけば日本企業の中長期的な成長にもつながりそうだ。 2017年1月の「QUICK短期経済観測調査」で明らかになった。「スチュワードシップ・コード」に関する質問には356社が回答した。 東証1部や2部の大規模企業では2社以上の機関投資家と対話したのは8割に達した。新興企業で2社以上と対話したのは43%だった。アンケートでは「面談では長期的な視点が増えてきた」との声があった。 一方で、機関投資家からコンタクトはあったものの対話に至らなかったのは全体の7%だった。機関投資家からコンタクトさえなかったのは全体の15%あった。大規模企業でも9%は機関投資家から対話を求められていない。「コードは原理主義的で会社にも投資家にもマイナスが大きい」との批判もあった。 金融庁は2017年に「スチュワードシップ・コード」を改訂する。機関投資家の株主総会での議決権行使の結果を原則は個別に開示を求める方針だ。機関投資家の行動を透明化し、機関投資家にとって最終的なお金の出し手の一般の労働者などの利益の向上を目指す。 【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】

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