10月の主役、欧州マネーは日本でも大株主 データで見る「株式会社ニッポン」の大株主②

 10月に1655円(8.1%)上昇した日経平均株価。26年ぶりという歴史的高値圏を回復したのは外国人投資家による買いがけん引役だった。東京証券取引所の発表資料から地域別の動向をひも解くと、現物株で2兆円超を買い越し過去最高を記録した「欧州」の存在が際立つ。  グローバル金融市場の中心地の1つはロンドン。世界中の運用マネーが集まるため、結果的に欧州からのフローとして見える。ただ、QUICK FactSet Workstation(QFW)で改めて「株式会社ニッポン」の大株主を見ると、欧州の巨人が浮かび上がる。  QFWには運用機関ごとの株式保有のデータが収容されている。保有株数と10月末時点の株価を使って推定時価を算出。以下は本社所在地が海外の運用機関の日本株保有ランキングだ。 ノルウェーのSWFは日本でも大株主  ブラックロックやバンガード・グループといったインデックス型運用のウエートが大きい米系の次に位置したのがノルウェー政府年金基金だ。9月に公表した運用資産は初めて1兆㌦(約112兆円)を超え、世界最大の政府系ファンド(SWF)でもある。  16年末時点のデータであり銘柄を入れ替えている可能性があるものの、保有する日本株の上位にはトヨタ(7203)やソフトバンクG(9984)、三菱UFJ(8306)、キーエンス(6861)、三井住友(8316)、ファナック(6954)、ソニー(6758)が並ぶ。  21日付の日本経済新聞は市場関係者の話として同基金が10月に日本株の買いに動いたといった見方を伝えた。この月の上げ相場では日経平均がTOPIXを大きくアウトパフォームした姿が目立った。同基金の保有上位にあるソフトバンクGやキーエンス、ファナックはまさに日経平均の構成比率が高い、いわゆる「値がさ株」でもある。日経平均との連動性の高い銘柄を買っていたのか、気になるところだ。 任天堂の筆頭株主は世界有数の運用会社  キャピタル・グループはグローバル市場で有数の運用会社の1つ。特定の銘柄の保有額が大きく日本市場でもその名が知れわたる。QFWのデータでも、保有銘柄数は68にとどまり指数連動とは一線を画すアクティブ型運用の姿勢が浮かぶ。  投資する日本株の中でウエートが高いのが任天堂(7974)。自社株保有を除くとキャピタルが事実上の筆頭株主だ。QFWで確認できるデータでは、キャピタルは少なくとも1999年から任天堂へ投資を開始した。今年の任天堂株は家庭用ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」の好調な売れ行きを背景に株価が急騰。昨年末からの上昇率は82%となっている。キャピタルの運用成績に大きく貢献したことは間違いなさそうだ。 2つの「フィデリティ」のナゼ  ランキングには2つの「フィデリティ」が並ぶ。世界の運用会社として耳にする会社名だが、この2つはまったくの別法人。FMRは「フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ」の略で主に米国の投資マネーを運用する。一方でFILは「フィデリティ・インターナショナル・リミテッド」で、米国以外の資産運用を手掛けている。  日本で投資信託を設定・運用しているのはFIL。FMRとは会計上の連結関係などにはないといい、あくまで経営が独立している。QUICK資産運用研究所の調べでは、国内の公募投信の運用資産残高ランキングで「フィデリティ」は約3兆3000億円で7位となっている。 欧州銀の保有は「業者玉」  日本株保有の上位にはドイツ銀行やUBSといったグローバルの金融機関も多い。しかし、日本株への純投資という目的ではないようだ。欧州系金融機関は日本で株価指数との裁定取引を積極的に手掛けている。格付けが相対的に高いこともあり低金利=低コストで資金調達が可能で、現物指数と先物価格との間に開くわずかなさや抜きで収益を稼いでいるとされる。  また、「ヘッジファンドなどが現物株を売買せず全ての取引をスワップとするトータル・リターン・スワップ(TRS)もあるのでは」(トレーダー)との指摘もあった。デリバティブ(金融派生商品)を利用したビジネスの原資産として保有する必要があり、欧州系の保有は「業者玉」と見た方がよさそうだ。

企業の業績予想、上方・下方修正の「常連さん」は? データでクセをチェック

国内上場企業の2017年7~9月期の決算発表が終わり、企業業績が全体として一段と改善している現状が明らかになった。日本経済新聞社によると、18年3月期の純利益は前期比17%増えて過去最高を更新する見通し。電機や機械を中心に通期業績の上方修正も相次いだ。この業績予想修正、データで詳しく見ていくと、企業によってクセや特徴がある。  企業で異なる業績修正の傾向 一般的に日本の企業はもともと慎重な業績予想を出す傾向が強いと言われる。後で下方修正に追い込まれて悪い印象を市場に与えるリスクを避けたいためだ。そのため見通しがはっきりしてきた中間決算の発表時や下期になってから、業績予想を引き上げる展開は少なくない。QUICKのKnowledge特設サイトでチェックできる「業績修正アノマリ」によると、415(11月17日時点)の企業が直近5期連続で期初時点の純利益予想を後から引き上げている「連続上方修正銘柄」として名を連ねている。 ※期初予想からのかい離率上位の銘柄 一方で経営者の威勢がよく意欲的な数字を期初からいつも掲げていたり、事業をとりまく環境の悪化が年々加速していたりする場合には下方修正の常連企業になってしまうこともある。業績修正アノマリでは123(同)の企業が「連続下方修正銘柄」との位置づけだ。このように企業や業態によって業績修正にクセのあるケースは少なくない。 ※期初予想からのかい離率上位の銘柄  新たな収益の柱で上方修正の常連に 業績の上振れ具合の変遷から、企業の新たな特徴が発見できることもある。純利益の連続上方修正銘柄に含まれる東映(9605)。13日に18年3月期の純利益予想を前期比22%減の85億円(従来予想は76億円)に引き上げた。 コンテンツ産業はヒット作の有無で業績が大きく左右されるため、同社はかなり保守的な業績予想で知られる。17年3月期までの過去3期を振り返ると期初時点ではすべて2ケタの最終減益を見込んでいたのに対し、上方修正を繰り返して結果はすべて増益。直近2期に至っては2ケタ増益での着地だ。 注目すべきは期初時点の予想からの上振れ幅だ。15年3月期は18億円だが、16年3月期は30億円、17年3月期は45億円と年々大きくなっている。邦画の勢いの盛り返しもさることながら、近年はスマートフォン(スマホ)向けゲームが無視できない存在に育っている。「ワンピース」など同社グループが版権を持つコンテンツのゲーム化が版権収入につながっており、今回の上方修正もスマホゲーム「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」の好調が大きく寄与した。既存のキャラクターを新たな商品に着せ替えて収益の柱を太くした好例と言えそうだ。  世界景気の拡大映すコマツ コマツ(6301)の業績修正からはまた違った側面が見えてくる。建機国内最大手の同社は4~9月期の決算発表と同時に18年3月期の連結営業利益予想を前期比24%増の2160億円へと、従来予想を600億円引き上げた。一転増益となる。市場予想の平均であるQUICKコンセンサス(11社17日時点)は2300億円と、一段の上振れを見込んでいる。 通期の営業利益見通しを1000億円近く引き下げて株価が急落した2013年10月の「コマツ・ショック」からはや4年。当時は東南アジアや中南米で鉱山機械の需要が急減速したのが大規模な下方修正につながった。足元では北米やインドネシアで鉱山機械の販売が伸びているほか、インフラ工事の進む中国で建設機械の需要が拡大している。 コマツは資源開発や建設に使われる製品特性から、世界景気に業績が大きく左右されやすい傾向がある。今回の上方修正は世界経済の上向きを鮮明に反映していると言えそうだ。経済協力開発機構(OECD)は17年の経済成長率について、調査対象の45カ国が10年ぶりにすべてプラス成長になると予想する。コマツにとっても引き続き強い追い風に働きそうで、会社側は18年3月期は展開するすべてのエリアで主力の建設機械の販売が前年を上回ると予測。10年ぶりの高値圏で推移する株価の裏付けとなっている。 【QUICKコンテンツ編集グループ・内山佑輔】 ※「業績修正アノマリ」はQUICKの情報端末でご覧いただけます。データはCSVダウンロードも可能です。

ヤーマンが17%高、シンデンハイテは14%安 20日の夜間PTS

21日の株式市場で、ヤーマン(6630)や麻生フオーム(1730)が注目されそうだ。いずれも前日夜間の私設取引システム(PTS)で21日の基準値を大きく上回る水準で約定した。ヤーマンの約定価格は基準値に比べ17.86%高、麻生フオームは同13.04%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄>   一方、シンデンハイテ(3131)やアンリツ(6754)は21日の基準値を下回る水準で約定した。シンデンハイテの約定価格は基準値に比べ14.12%安、アンリツは同5.1%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄>   ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

きょう動きそうな銘柄は?「寄り前ランキング」で先取り

きょうの株式市場で株価が動きそうな、もしくは商いが増えそうな銘柄は何か。多くの市場参加者の関心事だ。QUICKでは午前8時以降に各上場銘柄の板情報を提供しているが、もっと早く株価の上昇・下落の候補銘柄を探りたいときに便利なのが、Knowledge特設サイトの「寄り前ランキング」だ。 「寄り前ランキング」ではSBIジャパンネクスト証券の私設取引システム(PTS)における前営業日の夜間取引で、上昇率や下落率の大きかった銘柄を一覧にして毎朝6時ごろに更新している。適時開示情報や新聞掲載情報など、前営業日以降に発生した各種イベントがあった場合は併記されているため、どの銘柄が何の材料をきっかけに上昇もしくは下落しそうか、朝イチで素早くチェックできる。 <11月15日の寄り前ランキング(夜間PTS、値上がり)> たとえば11月15日はマーチャント・バンカーズ(3121)が上昇率2位にランクイン。イベント欄をみると「株主優待制度の新設」が材料視されたらしいことが分かる。東京証券取引所に14日開示した資料には、株主限定の特設サイトで交換できる株主優待ポイントを贈呈するとあった。積極的な株主還元が好感されて、取引開始後の同日の株式市場で一時10%高となった。 寄り前ランキングで7位につけていたスマートバリュー(9417)も、株式分割による流動性の向上期待で一時9%高。3月に付けた年初来高値(2684円)に肉薄した。 逆に下落率ではクロス・マーケティンググループ(3675)が上位に入った。前日に2017年12月期の最終損益が5億9400万円の赤字に転落(従来予想は2億5100万円の黒字)すると発表したことが材料だ。15日の取引時間中は失望売りが殺到し、値幅制限の下限(ストップ安)となる569円まで下げた。 <11月15日の寄り前ランキング(夜間PTS、値下がり)> 中小型株は値動きが軽いため上昇率・下落率の上位に入りやすいが、寄り前ランキングは「日経平均採用銘柄」や「TOPIX」「TOPIX以外」などで絞り込める。そのため大型株中心や中小型株中心に一覧にすることも可能だ。 ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。  

AIが見た決算 明治HDは高評価 厳しいコロプラ

前週までに金融機関など一部を除いて上場企業の2017年7~9月期決算の発表がほぼ一巡した。市場予想を上回る好業績をたたきだす企業が相次ぎ、株価の押し上げにも大きく寄与した今回の決算。QUICKの自動解析ニュース「AI速報」がその内容を分析した。 AI速報は決算や業績予想の修正を発表した企業を対象に、統計的に株価インパクトを数値化したスコア(決算スコア)を算出。例えばある企業の決算スコアがプラス1.00になった場合、過去のデータを踏まえ平均的に株価が1%上昇する決算内容だとAIが評価したことを意味する。 プラス2.36という高い決算スコアを出したのが、8日の取引終了後に17年4~9月期の決算を発表した明治ホールディングス(2269)だ。営業利益が前年同期比21%増の451億円まで膨らみ、通期予想を965億円(前期比9%増)と従来予想から20億円引き上げた点をAI速報は評価した。 健康志向の高まりでカカオ含有量の多いチョコレートや機能性ヨーグルトといった高付加価値商品の販売が伸びていることが好業績の背景にある。翌9日の株価は一時前日比6.6%も上昇して年初来高値を更新。約1年ぶりとなる1万円の大台まであと50円に迫った。 中国などで設備投資が拡大するなか、ツガミ(6101)やダイフク(6383)も決算スコアがそれぞれプラス3.63、プラス3.18に達して人気を集めた。旭化成(3407)やミネベアミツミ(6479)も高評価が目立った。 ミズノ(8022)が決算発表に先行して7日取引終了後に公表した17年4~9月期利益の上方修正については、AI速報は決算スコアをプラス3.43と弾いた。原材料の調達方法や生産体制の見直しによるもので、翌8日の株価は7%近く上昇して取り引きを終えた。もっとも10日の4~9月期決算の発表では通期予想が据え置かれ、実績については織り込み済みだったこともあり決算スコアはプラス0.01にとどまった。 厳しい評価になったのが8日の取引終了後に本決算を発表したコロプラ(3668)だ。17年9月期の営業利益が前の期比59%減に沈み、18年9月期も38%営業減益を見込む同社の決算スコアはマイナス9.11。翌9日は一時11%近くの急落だった。その後も下げが続き、4月13日以来の4ケタ割れが視野に入っている。 ゲーム関連や携帯コンテンツ関連では、セガサミーホールディングス(6460)やボルテージ(3639)も決算スコアがマイナス2.14、マイナス3.39と厳しい結果となり、決算発表後に「マド」をあけての株価急落を招いた。 【QUICKコンテンツ編集グループ・内山佑輔】

黒田日銀総裁の再任観測、8割近くに上昇 QUICK月次調査<外為>

与党の圧勝に終わった10月22日投開票の衆院選を受けて、11月のQUICK月次調査<外為>では日銀の次期総裁に黒田東彦総裁が再任されるとの観測が一段と強まりました(調査期間11月6~9日、回答者数76人)。衆院選の結果も踏まえ、2018年4月に任期満了を迎える黒田日銀総裁の後任は誰になると予想しますか、と外国為替市場の関係者に聞いたところ、最も多かったのは「黒田東彦・日銀総裁(再任)」で79%と8割近くを占め、次点の「中曽宏・日銀副総裁」が10%、その他の候補者は一桁台にとどまりました。QUICK月次調査<外為>では市場の次期日銀総裁予想を毎月観測してきましたが、11月調査では黒田総裁の再任を予想する回答割合が前回調査から一気に24ポイントも拡大しました。外為市場はアベノミクスの継続と同時に、黒田総裁の再任をほぼ織り込んだ形です。 日銀は10月30~31日の金融政策決定会合で、2017年度と18年度の物価見通しを引き下げましたが、大規模な金融緩和を続ける方針を改めて示しました。QUICK月次調査<外為>で「現時点で追加緩和は必要と考えますか」と聞いたところ、「現状維持でよい」が7割を占め、「金融引き締めに向かうべき」が15%、「追加緩和は必要」は7%にとどまりました。 市場関係者の自由回答では、「日本は2%の物価上昇はほぼ不可能。緩和は長期に続く」「金融緩和と円安に依存した経済政策が続き、構造改革が遅々として進まない状況も変わらない」「下手に追加緩和を行った場合の反動(バブル崩壊のような形)が怖い、現状は静観が妥当」といった声が聞かれました。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

「パウエルFRB議長」で、米金融政策はどう変わる?

11月2日、トランプ米大統領は米連邦準備理事会(FRB)の次期議長にジェローム・パウエル理事を指名すると正式に発表しました。金融引き締めに慎重なハト派寄りとみられるパウエル氏の就任で、米金融政策にはどのような影響があるのでしょうか。FRB人事が円相場に与える影響や来年の米利上げなどについて、外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は11月6~9日、回答者数は76人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 ハト派のパウエル議長で金融政策は「変わらない」8割強 来年2月で任期が切れるジャネット・イエレンFRB議長の後任として、トランプ米大統領はパウエル理事を指名しました。パウエル氏はイエレン議長と考えが近いとみられており、市場には現行路線が継承されるとの見方から安心感が広がりました。こうした状況を受けて、パウエルFRB議長は米金融政策にどのような影響を与えると思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「変わらない」で8割以上を占めました。  また、来年の米利上げについて聞いたところ、予想する回数は「2回」が58%で最も多く、「3回」が29%で続きました。仮に来年利上げする場合、最初に実施するのはいつになるかと聞いたところ、最も多かったのは「3月」で62%、「6月」が38%となりました。 こうしたFRB人事が円相場にどのような影響を与えるかと聞いたところ、「横ばい圏での推移が続く」が78%を占め、「円安基調を強める」が17%、「円高基調を強める」が6%となりました。 パウエル理事の議長就任後もFRBは現行の政策運営方針を維持するとの見方が大勢の一方、10月にフィッシャー副議長が退任し、11月6日にはイエレン議長の側近であるニューヨーク連銀のダドリー総裁の早期退任が明らかになったことで、来年以降の政策運営への不透明感も広がっています。市場関係者からは「来年投票権をもつ米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの陣容が固まり、それぞれの政策スタンスが明らかになるまで、市場が来年以降の利上げペースを正確に織り込むことは困難」との声も聞かれました。 アベノミクスは「見直し」から「維持・強化」へ 10月22日投開票の衆院選の結果を受けて、アベノミクス(旧三本の矢)の行方はどうなると思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「アベノミクスの維持」で約6割を占め、次いで「アベノミクスの部分的な見直し」が3割弱となりました。一方、7月および10月の債券調査と比較して「アベノミクスの強化」が9%まで伸び、与党圧勝で信任を得たアベノミクスが再加速するとみる市場関係者が増えているようです。 11月末は1ドル=114円01銭 予想は円安方向にシフト 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは11月末の平均値で1ドル=114円01銭と、10月調査(112円27銭)から円安へシフト。3カ月後の2018年1月末には114円47銭、6カ月後の4月末には114円78銭との予想です。今後6カ月程度を想定した円の注目の変動要因は、「政治/外交」が前回調査から42ポイントも減少し、ドルとユーロと同じく「金利/金融政策」が5割を超えました。 ファンドの運用担当者に外貨建て資産の組入状況について聞いたところ、前回調査で急低下していた「ニュートラル」が54%から78%まで戻した一方、「オーバーウエート」が16ポイント低下の22%となりました。また、事業法人の業績予想の前提為替レートは平均値で1ドル=111円46銭と現在の水準(113円51銭~114円31銭)より円高に予想し、また対ユーロでは1ユーロ=123円26銭と現在の水準(131円73銭~132円73銭)より大幅に円高に予想しているため、為替差益が生じる可能性がありそうです。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

外国人投資家って、誰? データで見る「株式会社ニッポン」の大株主①

 歴史的水準に戻りつつある日本株。11月上旬には日経平均株価が一時、26年ぶりに2万3000円の大台を突破する場面もあった。日本の株式相場が大きく底上げした背景には外国人投資家の「爆買い」がある。ただ、「ガイコクジン」投資家とは具体的に誰のことを指すのだろうか。QUICK FactSet Workstation(QFW)の機能を使い「株式会社ニッポン」の海外の大株主を調べると、名だたる運用機関の大量保有が浮かび上がる。  QFWには運用機関ごとの株式保有のデータが収容されている。保有株数と10月末時点の株価を使って、保有株式の推定時価を算出してみた。以下は本社所在地が海外の運用機関の日本株保有ランキングだ。 世界最大の運用会社、日本株も大量保有  最も保有額が大きいのは18兆7000億円で米ブラックロックだった。これはブラックロック・ジャパンと米国の投資顧問会社にあたるブラックロック・ファンド・アドバイザーの合算なので「ブラックロック・グループ」として保有していると言える。  昨年末からの保有増加額は約6兆円となり、国内大手の運用会社である野村アセットマネジメントの約16兆円をも上回っている。世界最大の運用会社として日本市場でも強い存在感を放っている。  年金基金などの資産運用の受託に加え、投資信託、中でも2008年の金融危機後は上場投資信託(ETF)の開発・運用に注力してきた。株価指数との連動を目指すインデックス型の運用としても日本株を大量保有している側面もありそうだ。 マネーはインデックス型経由で流入  2位には米バンガード・グループが入った。日本ではあまり聞きなれない運用会社かもしれないが、グローバル市場においては超大手運用会社の1つだ。インデックス運用を主軸に据えている点が特徴で、同社のサイトには「1976年に初の個人投資家向けインデックスファンドを売り出し、それ以来、低コストのインデックス運用における第一人者」とある。同社の資料によると、顧客の約8割は米国の個人投資家と機関投資家が占める。  日本株についてはETFまたはファンドを通じた保有になっているという。保有額は昨年末から約2兆円増えた。バンガード・インベストメンツ・ジャパンのディビッド・キム代表取締役は10日に都内で開いたメディア向けの説明会で、日本における事業の拡大に意欲を示した。「金融庁が主導している規制改革は素晴らしく、変化をうれしく思っています。改革の方向性についても全面的に支持しています」と期待している様子だった。    改めてこの両社の共通項を見出すと「インデックス」がキーワードであることに気付く。1社1社調査して投資するボトムアップ型の運用スタイルより、個別株をまとめ買いするような指数連動型を経由した「ニッポン買い」が主流になっている。

企業が安倍政権に期待する、真の経済・社会改革とは?

日経平均株価は11月9日の取引時間中に節目の2万3000円を上回るなど、四半世紀ぶりの高値圏で推移しています。好調な企業業績を手掛かりに、衆院選の与党勝利による政権安定の安心感も追い風となって、海外投資家からの資金が流入しているようです。こうしたなか、安倍政権に期待する改革と企業の意識改革について、上場企業へのアンケート調査「QUICK短観」を通じて、382社に聞きました。回答期間は10月26日~11月7日です。 安倍政権に期待する改革、「新技術の推進」が最多 10月22日投開票の衆院選は、与党が3分の2を超える議席を確保する圧勝となり、安倍政権が再び始動しました。今回のアンケートでは、同政権が打ち出した経済・社会改革の中で、今後どの分野に一番期待しますか、と聞きました。最も多かったのは「新技術(ビッグデータ、AI、IoT、ロボット、フィンテックなど)の推進」で47%、次いで「働き方改革」が34%、「外国人材の受け入れ」が9%、「コーポレートガバナンス」が7%、「女性の活躍」が4%と続きました。 QUICK短観8月調査で聞いた「これまでに安倍政権が打ち出した経済・社会改革のうち、貴社が最も注力した分野は?」のアンケート結果と比較すると、前回調査で半数を占めた「コーポレートガバナンス」への期待は1ケタにとどまり、代わって「新技術の推進」への期待が4倍超も上回る結果となったのが特徴的です。刻々と進化するロボット技術や人工知能(AI)関連に焦点をあてたビジネスが急速に拡大するなか、競争力の高い企業への変革が急務と考え、政権にも期待を寄せる企業が多いようです。 企業の意識改革、最も必要なのは「社長」が5割強 9月に日産自動車で資格を持たない従業員による完成車検査、10月には神戸製鋼の品質データ改ざんが発覚するなど、日本の大企業の不祥事が相次いでいます。こうした不祥事を防ぐために最も意識改革が必要なのは日本企業のどの階層ですか、と聞いたところ、最も多かったのは「社長」で過半を占めました。次いで「事業部門長」が27%、「部長」が10%、「課長、係長」が6%、「一般社員」が4%と続きました。企業の階層のトップから順に、意識改革が必要とされる結果になりました。 企業からは「今話題の企業不祥事はいずれも検査部門で、これは偶然ではないように思う。経営者は開発や販売には力を注ぐが、そうではない品質管理や管理といった“お金を生まない”部署を冷遇する傾向があり、今回も無関係ではない」、「何か事が起こってもだれが責任者なのかが良く分からない、責任の所在が曖昧な日本式の経営体質そのものが問題」といった厳しい指摘が寄せられました。   金融を含む全産業DIは調査開始以来最高に 毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)はプラス36で、前月に続いてQUICK短観調査開始(2006年12月)以来の最高水準を維持しました。非製造業DIは前月比1ポイント改善のプラス38。金融を含む全産業DIは前月比2ポイント改善のプラス38で調査開始以来、最も高い水準となりました。

21年ぶり高値回復!堅調な株価を支える要因とは

10月2日から24日の日経平均株価は16営業日連続で上昇し、連騰の最長記録を更新。10月27日には21年ぶりに2万2000円台に乗せました。毎月実施している株式の市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」では、この堅調な株価の要因と今後必要な政策などについて聞きました。調査期間は10月30日~11月1日で、証券会社および機関投資家の株式担当者162人が回答しました。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 国内企業の最高益期待が高まっている 10月27日の東京株式市場で日経平均株価は2万2008円45銭と、1996年7月5日以来、21年3カ月ぶりに2万2000円台を回復しました。また、11月1日には衆院本会議で自民党の安倍晋三総裁を首相に選出したことを好感し、日経平均は408円高と1日の上昇幅として5月8日以来、約6か月ぶりの大きさとなりました。 21年ぶりの高値を更新となった日経平均について、上昇の最も大きな要因を聞いたところ、「国内企業の最高益期待の高まり」が28%で最も多く、次いで「堅調な世界景気」が26%、「世界的な株高(米国株の史上最高値)」が24%、「先進国の大幅な金融緩和」が12%、「国内政治の安定性」が6%で続きました。「その他」では「日銀のETF買いによる需給の改善」など日銀の存在をあげる意見もありました。 市場関係者からは「衆議院選挙での与党大勝をきっかけに日本株の見直し買いが急速に膨らみ、業績面での割安修正はかなり進んだが、依然として修正余地が残る」、「欧州の投資家は堅調な景気と企業業績、政治の長期安定、日本株の他国株に対する出遅れなどを評価しているようだ」といった声に加え、「内外景気の堅調な推移にFRBの利上げ継続で予想される円安・ドル高進行も加わり、企業業績の上振れが意識されて株価は上昇基調をたどる」と予想する見方が多く上がりました。 この堅調な株価を持続するために必要な政策を聞いたところ、最も多かったのは「金融緩和の継続」で4割を占め、次いで「雇用法制・労働市場改革を通じた生産性の向上」が32%、「機動的な財政政策」が12%でした。安倍首相が衆院選公約に掲げた、消費増税の使途見直しによる「子育て支援・教育無償化」は0%という結果でした。 市場関係者からは「景気の拡大は世界経済の再加速に加え、失速していたアベノミクス『第2の矢』の財政政策が発動されたことが大きい。アベノミクスの『3本の矢』のいずれも失速させないことが肝要」、「企業の利益率が過去最高となった今、好景気を持続させるためには個人所得の底上げが必要。賃上げには生産性の向上が欠かせないが、そのためにはIT化を一層推進するほかない」といった声が聞かれました。 低ROEの改善策「低収益事業からの撤退」が最多 企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合である自己資本利益率(ROE)は、企業の収益力評価の基準のひとつとされています。しかし、日本企業は米企業と比較して低い状況がなお続いています。好業績の日本企業が低ROEを今後どう改善していくかが重要となります。 日本企業のROEが低い要因としてはまず、売上高利益率の低さが挙げられますが、その改善に向けて何が重要かを聞いたところ、最も多かったのは「低収益事業からの撤退」で36%、次いで「付加価値の高い商品・サービスの提供」が25%、「日本型雇用慣行の見直し」が15%でした。 市場関係者からは「低収益事業から撤退できないから付加価値の高い事業に傾注できない。ここから10年は世代交代を促進し、企業の意思決定の柔軟化、迅速化が進むことを期待したい」、「更なる景気拡大のためには岩盤規制を緩和し、第4次産業革命に対応した雇用・労働市場改革を断行すること。それにより新たな産業、新たな企業が成長し、日本市場の活性化・拡大につながる」と日本の旧態依然とした体制からの脱却と、米国のような革新的企業の登場を望む意見が多く寄せられました。 日経平均予想は2万2130円 21年4カ月ぶりの高水準 「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しは、11月末の水準で2万2130円(平均値)の予想でした。前回調査(確報)の2万631円から2カ月連続で上方へシフトし、1996年7月調査(2万2459円)以来、21年4カ月ぶりの高水準となりました。18年1月末には2万2100円、4月末は2万2435円の見通しで、上昇余地は限られるとみている市場関係者が多いようです。今後6カ月程度の株価の変動要因としては、「景気・企業業績」の注目度が引き続き高くなっています。 国内の資産運用担当者58人を対象にセクター別の投資スタンスについて質問したところ、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのは「電機・精密」で22%、次いで「素材」が16%、逆にアンダーウエートの比率が最も高くなったセクターは「公益」でした。 ※「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

モーサテでおなじみ 日経平均の寄り付きは? 「AI予測」を活用

 月曜日から金曜日に毎朝放送されているテレビ東京の「News モーニングサテライト」。朝の忙しい時間に効率よくマーケット情報を得ることができる番組として、市場関係者に好評を博している。  番組の中では、QUICKによる、AI(人工知能)を駆使し、日経平均株価の寄り付きを予想する「AI予測」が紹介されている。 「今日の日経平均株価は」と入力し、問い合わせると、 なんと、日経平均株価の見通し、予想レンジが表示 実際の映像はこちら テレビ東京【AI予測】10月31日   31日の日経平均株価を見てみると、 前日比114円安の2万1897円の反落で始まる。 10時過ぎ時点の株価は チャートで見ても、 21796~21997円のレンジで推移しています。(チャートはQUICKのQr1より)    

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