QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はRHB証券インドネシアのリズキ・ファジャル(Rizki Fajar)氏がレポートします。※この記事は2016年5月6日にQUICK端末で配信した記事です。
インドネシア政府のインフラ支出が増加
インドネシア政府のエネルギー補助金改革による補助金削減に伴い、2015年以降、政府のインフラ支出が増加している。
しかし、インドネシアの国家予算は、石油価格が予算の前提となる1バレル50米ドルより低い水準で推移しているため、今後は引き下げ圧力にさらされそうだ。
2016年の財政赤字は対昨年GDP比2.7%に拡大?
政府の支出拡大は2016年も続きそうだという当社の見通しを考慮すると、2016年上半期に導入予定のタックス・アムネスティ(租税特赦)法の不確実性もあることから、2016年の財政赤字は昨年の対国内総生産(GDP)比2.5%から2.7%に拡大すると予測する。にもかかわらず、政府は財源不足を克服するために予算支出を削減する計画だ。このことは、インドネシアの経済成長に何らかの影響を与えるとみられ、5.1%という当社の2016年の実質GDP成長予測に対して下方リスクをもたらすだろう。
物品税引き上げ観測も
短期的には、たばこや燃料、自動車を含む一定の製品に対する物品税が引き上げられる可能性がある。中期的には、税制改革は税基盤の拡大と付加価値税(VAT)率の引き上げを目指すべきだろう。一方、税務当局は脱税の抑制に向けてリスクに基づくアプローチをとるべきだろう。
【翻訳・編集:NNA】