19日の米株式市場でアップル株が3日続落し、1.61%安の185.69ドルで終えた。一時は183.45ドルまで下落し、5月4日以来、1カ月半ぶりの安値を付けた。19日のダウ工業株30種平均を21ドル押し下げる要因となった。
<アップル(青)とダウ平均(赤)の株価推移>
(注)株価は米ドル
トランプ米大統領が18日夜に声明文を発表し、「米通商代表部(USTR)に対して2000億ドル規模の中国製品について10%の追加関税を課すよう指示した」との見解を示した。これに対して中国商務部は19日、「米国の関税に対して強い対抗措置をとる」とし、米中の貿易紛争を巡って報復合戦が警戒された。アップルの主力製品であるiPhoneは中国で組み立てられているため、関税が掛かるのかどうかトランプ政権の対応が注目される。
NYタイムズ紙電子版は18日、「トランプ政権はアップルのクック最高経営責任者(CEO)に対してiPhoneが中国で組み立てられているものの、関税をかける事はないと伝えていた」と報じた。しかし記事では、アップルが中国の報復措置によって事業が骨抜きにされることを恐れていると指摘。中国当局がアップルのサプライチェーンに関与することで部品の供給が遅れたり、製品の検査と称して出荷を遅らせるような事態が警戒されているという。(片平正ニ)
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