4日の日本時間午後9時半、4月の米雇用統計が発表される。1日の米ISM製造業景気指数を皮切りに、第2四半期のスタートである4月分の経済指標への注目度は高く、雇用統計への関心も強い。非農業部門就業者数は、2月の反動で3月分は10.3万人増にとどまったものの、QUICK FactSet Workstationの予想では、19万人増と巡航速度への回復が見込まれている。直近のインフレ指標の堅調さもあり、賃金動向も要注目だ。平均時給は34.5ドルと前月と同水準、前年比でも2.7%増と前回と同水準の伸びが予想されている。堅調な雇用情勢と緩やかなインフレ上昇と、現行の米連邦準備理事会(FRB)の緩やかな利上げ過程を肯定する内容が期待されている。年4回の利上げシナリオを描く米系投資銀行の予想もほぼ同様の内容であり、景気腰折れリスクからは距離を置く見方が増えているという印象だ。
1~2日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。「雇用統計発表3日前にはFRBは具体的な数字を把握している」との見方が市場にはあり、週末の雇用統計を織り込んだ上でのFOMC声明文だと見透かす市場参加者もある。彼らにとっては、2日に公表される四半期定例入札(クオータリーリファンディング)の詳細の方が重要のようだ。超長期債の発行額次第では、イールドカーブはスティープ化、フラット化、いずれの方向にも振れ得る、という。日本市場が休場となる間に、米金利は重要なポイントを通過することになる。(丹下智博)
(注)QUICK FactSet Workstationより作成
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