米連邦準備理事会(FRB)は21日午後2時(日本時間22日午前4時)、1月30~31日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。FOMC後の声明に「さらなる」という文言を加え、利上げペースの加速を示唆していたが、議事要旨では「上向きの緩やかな利上げの軌道が適切になる可能性が高まった」との見方で一致していたことが明らかになった。米ゴールドマン・サックスなどのエコノミストは21日付のリポートで次のように分析している。
▽ゴールドマン・サックス
「3月のFOMCでの利上げ確率を従来見通しと同じ95%で据え置く」
「さらなる(further)という言葉が使われ、強い成長見通しが示されたが、FF(フェデラルファンド)金利をさらに引き上げる軌道のオッズを高めるものではない」
▽モルガン・スタンレー
「目先の経済見通しが強含んだことで利上げの軌道を緩やかに引き上げることが適切にみているとしたことが1月開催のFOMC声明文で『さらなる』を追加した理由だ」
「物価上昇の確証が欲しいとというFOMC参加者がいるが、少数派だ」
▽バークレイズ
「12月から国内総生産(GDP)の見通しを多くのFOMC参加者が上方修正した」
「完全雇用で2020年までトレンドを上回る経済成長が続くとの予想が、『さらなる』利上げは適切だとみている理由だ」
▽UBS
「3月のFOMCでは予想中央値で2018年に4回の利上げが示されるだろう」
「市場は3月の利上げを92%織り込んでいるが、金融政策の正常化と世界経済の成長が安定していく見方の通りなら、米国のイールドカーブのフラット化は続きそうだ」
▽JPモルガン
「1月開催のFOMCの声明文で『さらなる』との文言が追加された。議事要旨の発表で、『さらなる』の文言の追加はタカ派シグナルということが確認された」
「FOMC参加者の経済見通しは2017年12月開催のFOMCの時よりも明るくなった」
「1月開催のFOMC議事要旨では多くのFOMC参加者が短期的な経済見通しを12月から上方修正したことが示唆された」
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