外国為替市場で欧州単一通貨ユーロが買われている。1月15日には対ドルで1ユーロ=1.2296ドルと14年12月以来およそ3年ぶりの水準までユーロ高・ドル安が進んだ。円に対しては2年3か月ぶりの高値圏。ユーロ高が続けば、欧州で稼ぐ欧州関連株に注目が集まりそうだ。
欧州での売り上げが大きいと、一般に円安・ユーロ高の進行で円ベースの売上高が増える。輸出企業なら採算が改善する。価格競争力が増す面も大きい。
欧州の売上高比率が高い銘柄をランキングにした。欧州関連銘柄として知られる東証1部の電動工具大手、マキタ(6586)は40.77%と3位。2018年3月期の業績予想の前提とするユーロの対円相場は1ユーロ=128円と、実勢よりも8円ほど円高・ユーロ安の水準に設定している。株価は年初から10%近く上昇し、日経平均株価のパフォーマンス(5%高)を上回っている。16日には昨年来高値を更新した。
工作機械のDMG森精(6141)の欧州売上高比率は31.67%。2017年12月通期のユーロの想定レートは125円90銭。株価は15日に昨年来高値を更新し、16日も堅調だった。年初からの上昇率は11%を超えている。ユーロ高を追い風に、EIZO(6737)や任天堂(7974)なども好調に上げている。
ユーロ高の背景には欧州中央銀行(ECB)の金融正常化が早まるとの観測やドイツ政局の不透明感の後退がある。ECBは1月25日に理事会を開く。ECBが金融緩和の出口に向けて強気な姿勢を示せば、ユーロ高に一段と弾みがつくかもしれない。
(QUICKナレッジコンテンツグループ)