日銀オペ、金融政策正常化の思惑後退 注目は「長期金利0.1%」

日銀が金融政策の正常化に動き出した――。為替市場を中心に広がっていたこうした思惑は、11日の日銀国債買い入れオペ(公開市場操作)における購入額の据え置きでひとまず後退した。ただ、今後はいち早く正常化に向かい始めた欧米からの金利上昇圧力が高まるとみられ、日銀の動向に一段と注目が集まりそうだ。

日銀が11日に実施したオペは3本。残存期間「1年超3年以下」「3年超5年以下」「5年超10年以下」のいずれの年限でも前回から購入額を据え置いた。9日のオペで国債購入額を減らしたばかりで、市場の関心が高まっていた。

9日のオペに、最も過敏に反応したのが為替市場だった。同日のオペ減額後、対ドルで1円以上の円高・ドル安が進んだ。

一方、震源地となった債券市場では新発10年物国債の利回りが0.080%まで上昇した。しかし、日銀が金額に上限を設けずに国債を買う「指し値オペ」の可能性が高まる0.1%には届かなかった。

もともと債券市場では9日のオペ減額について、11日朝の段階で「2017年12月以降緩やかに進んでいたイールドカーブのフラット化抑制のためだった」(SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジスト)との分析が聞かれた。実際、20年債と10年債の利回り差(スプレッド)は11月末には0.54%程度だったが、12月下旬には0.52%程度まで縮小していた。

「(薄商いで相場に影響が出やすい)年末の超長期債のオペ減額を避け、新年1発目の1月9日に実施しただけ」。ある外資系証券の債券ストラテジストからはこんな冷めた声も聞かれた。

11日のオペ結果が伝わった同日午後の債券市場では、先物相場が前日比18銭高の150円53銭を付け、長期金利は一時0.065%まで低下。需給の引き締まりが意識され、ひとまず債券市場は落ち着きを取り戻したようだ。

今後の注目点は「海外要因による国内金利の上昇を日銀がどの程度受け入れるか」(ニッセイ基礎研究所の福本勇樹・准主任研究員)とみられる。10日の米国市場では長期金利が2.59%と、約10カ月ぶりの高水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを続けるなか、日本にも金利上昇圧力が及ぶ展開が避けられそうにない。

日銀は昨年、指し値オペの実施タイミングを通じて「長期金利は0.1%程度までの上昇しか認めない」という姿勢を示した。今年はその姿勢に変化があるのか。投資家と日銀のにらみ合いは続く。

【日経QUICKニュース(NQN) 矢内純一】

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