12月期決算企業の株主優待の権利確定日(26日)まであと3営業日。今年は日経平均株価が26年ぶりの高値水準まで上昇し、値上がり益の恩恵を受けた投資家も多かっただろう。そうしたキャピタルゲインとは別に、配当や株主優待など広義のインカムゲインに対する関心も依然として高い。特に株主優待については、自社への理解を深めてもらう目的で企業も関連商品やサービスを用意している。
12月期決算企業で代表的な優待銘柄が、日本マクドナルドホールディングス(2702)だ。100株以上保有していればバーガー類やサイドメニュー、ドリンクの無料引換券がもらえ、個人投資家からの人気が高い。ほかにも資生堂(4911)が自社グループ製品、楽天(4755)が楽天市場で使えるクーポンを贈呈するなど、各社工夫を凝らす。
QUICK端末のナレッジ特設サイト「株主優待ウオッチ」では、優待品を金額換算した優待利回りや、配当と優待利回りの合計をランキングで確認できる。
12月期決算企業の「配当&優待利回り」上位
優待品の金額換算基準は以下の通り。上限額が設定されていない割引券、カレンダーやオリジナルグッズなどの非売品などは対象外。
・QUOカード、商品券、図書券などの金券は額面金額
・上限額が設定されている割引券は上限額 ・優待品の定価
・「〇〇円相当」と明示された金額
・企業への問い合わせで確認した金額
・優待品が米の場合、重さに応じた「お米券」の金額
・優待品が複数の場合、金額換算が可能なものの合計額
・優待品が選択できる場合、もっとも低い金額
「配当&優待利回り」でみると、上位には30~70%台と驚きの数字が並ぶ。ただ、優待には高級ホテルの宿泊券の割引や結婚相談所の初期費用割引など、うれしい人にはうれしいが、あまり汎用性が高くないものも。見かけの数字だけにとらわれると結局、利用する機会のないまま期限が切れてしまいかねない。「優待内容」でしっかり利用価値の高いものか見極めたい。
その点、優待食事券を贈っているすかいらーく(3197)は「配当&優待利回り」が6.11%だが、利用可能店舗数は多く使い勝手が良さそうだ。三光マーケティングフーズ(2762、決算期は6月)は一度に何枚でも使える優待券でこちらも利便性が高いと言えよう。
なお配当だけでみると、12月期決算企業の高利回り銘柄は以下の通り。
12月期決算企業の配当利回りTOP10(21日終値ベース)
コード 銘柄名 配当利回り 最低購入金額(円)
8186 大塚家 4.31% 92,600
3948 光ビジ 4.08% 56,300
7177 GMOFHD 4.03% 72,900
2914 J T 3.78% 369,500
8996 ハウスフリダム 3.66% 54,600
7751 キヤノン 3.65% 437,700
4840 トライアイズ 3.57% 42,000
4725 CACHD 3.26% 110,300
5015 BPカストロール 3.19% 222,200
4634 洋インキHD 3.16% 673,000
もっともなかには業績の不透明感から株価が低く推移しているせいで、結果として利回りが高くなってしまっている銘柄もある。特に業績が大幅に低迷している場合、配当予想を引き下げたり優待を廃止したりする可能性がある点には注意が必要だ。
【金額換算データの取り扱いについて】
日本証券業協会は「広告等に関する指針」で「配当の表示等に関する事項」として株主優待制度の優待内容については①利回り及び配当と合算した利回り表示は行わない②配当金額と優待内容を金額換算した額を合算した表示を行わない――としています。QUICKは金融商品取引業者および日本証券業協会の会員ではありません。本コンテンツは、情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。本コンテンツに掲載している情報を印刷して配布したり、二次利用したりすることはできません。