世界のロボットメーカーが一堂に会する国際ロボット展が29日、東京ビッグサイト(東京・江東)で始まった。ファナック(6954)などが自社の技術をアピールするなか、日興アセットマネジメント(東京・港)といった資産運用会社が異色の「ロボット」関連として出展している。
国際ロボット展は日本ロボット工業会(東京・港)などが主催し、国内のほか中国やドイツなどから612社・団体が出展した。生産現場の人手不足対策などを背景にロボット分野への関心は高い。
会場には運用会社の日興アセットマネジメントとアクサ・インベストメント・マネージャーズがロボットメーカーに混じってブースを構える。大和証券投資信託委託(東京・千代田)もアクサと共同出展している。運用会社の出展は初めてという。いずれもロボットメーカーに投資する投資信託を紹介している。
「ロボット業界の関係者などロボットに関心がある人にファンドをアピールしたい」(日興アセット)という。蛇の道は蛇。その業界に詳しい人なら業界の投信を買ってくれるだろうという算段のようだ。
日興アセットは「グローバル・ロボティクス株式ファンド」の運用方針などを解説する。同ファンドの運用残高はシリーズ4本で計8300億円に膨らんでいる。「グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)」の基準価格は27日時点で1万5275円。日本企業ではキーエンス(6861)や安川電(6506)、海外企業では米ロックウェル・オートメーションやスイスのABBなどに投資している。
ロボット関連銘柄の株価は堅調に推移
大和投資信託はアクサ・インベストメンツを通じ、ドイツのシーメンスなどを組み込んだ「ロボット・テクノロジー関連株ファンド―ロボテック―」を運用している。アクサのファンドマネジャーが投資先の技術やサービスについて投資家に説明する機会を設ける。
金融庁は金融機関に「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」を求めており、運用会社も投資家から選ばれる存在にならなければならない。これまでは投信の販売を銀行など販売会社に頼っている面が大きかった。楽天証券経済研究所の篠田尚子ファンドアナリストは「運用会社が直接、投資家と接点を持とうとしている」と評価していた。
【日経QUICKニュース 岩本貴子】
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