28日の米市場でダウ工業株30種平均が前日比255㌦93セント高の2万3836㌦71セントと大幅高で終えた。値幅を伴って過去最高値を更新するなど、上昇基調を維持している。年の瀬を前に世界の大手金融機関が2018年の相場見通しを公表し始めている。米株式相場については緩やかながらも上値を切り上げるとする予想が多い。S&P500種株価指数の18年末の目標水準は足元から2~11%高と開きがある。
ゴールドマンは「根拠ある熱狂」
強気派のゴールドマン・サックスは上昇相場の持続を「根拠ある熱狂」と指摘。「米国と世界経済はともに潜在成長率を上回るペースの拡大を持続し、低インフレ、緩やかな上昇も依然として低い金利、成立が見込める税制改革を支援材料とする企業収益の増大」を根拠とした。
税制改正を織り込む格好で18年の1株利益(EPS)を従来の139㌦から150㌦に引き上げた。半面、悲観シナリオとして、税制改革が頓挫した場合には「短期的に2450へ下落する」を挙げた。
▼大手金融機関のS&P500種株価指数の18年末予想
社名 予想水準
UBS 2900
クレディ・スイス 2875
ゴールドマン・サックス 2850
バンクオブアメリカ・メリルリンチ 2800
モルガン・スタンレー 2750
HSBC 2650
ソシエテ・ジェネラル 2500
※11月28日時点
米税制改革については他の金融機関も期待を寄せる。バンクオブアメリカ・メリルリンチは「法人税率が20%に引き下げられ、レパトリ(本国送還)で自社株買いが増えればS&P500指数のEPSは約19㌦も押し上げられる」といい、「税制改革法案は実際のEPSが当社予想よりも上振れる要因になる」との見方を示した。
一方で、ソシエテ・ジェネラルは米国株のピークアウトを見込む。「すべてのバリエーション指標で米株は割高でドットコムバブルの以来の水準となっている」と継承を鳴らす。米金利の上昇については「長期金利は18年末に2.7%に上昇するとみており、米株の重しになる」という。
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