日経平均株価が26年ぶりの高値圏に浮上したことで、投資家の関心は割高感の強弱に移りつつある。判断にあたって投資家が利用する指標が株価予想収益率(PER)。高いほど投資家の期待が強く、株価水準としては割高と判断される。QUICK FactSet Workstationによると、今後12カ月先の業績予想を基にした日経平均のPERは3日に17.81倍まで上昇した。これは2016年12月下旬以来およそ10カ月ぶりの高水準だ。
株価は26年ぶりの水準まで上昇してきたが、先行きの業績期待が高まっているため、PERは直近のレンジ内にとどまっている。指数採用企業の1株あたり予想利益(EPS)が切り上がり、PERの上昇を抑えている。
※QUICK FactSet Workstationより
一方、世界市場で見比べると日経平均は割安とは言えなくなりつつある。機関投資家が運用指標の参考にする米S&P500種株価指数は18.10倍。日経平均と大差はない。欧州の主要600社で構成するSTOXX600指数のPERは15倍台にとどまり日経平均はこれを上回る。
ただ、TOPIXのPERは15倍台だ。日本株全般で見れば、まだ割安感が残っているとも言えそうだ。
【QUICKデリバティブズコメント・岩切清司】
※この記事はQUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した内容です。QUICKデリバティブズコメントは、日経平均先物や債券を中心に相場動向をLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。