6日に2017年4~9月期決算を発表したソフトバンクグループ(9984)は同日午後4時半から都内で決算説明会を開いた。孫正義社長による60分ほどのプレゼンテーションの後、同社長がアナリストや記者の質問に25分ほど答えた。
16:34
――スプリントについて
孫社長
「合併後の会社に経営権をとれるような合併にならなそうだった。ほぼイコールパートナーで臨めるなら選択肢として(合併は)あったが、先方は単独の経営権でなければ飲めないと」
16:36
――スプリントの統合中止について
孫社長
「迷いが終わった後はすっきりした気持ち」
16:40
孫社長
「人間のユーザー同士をつなぐならベライゾンは圧倒的に先を行く。しかしモノと人がつながるIoTを考えたら当社ががぜん有利。アームという会社を持っているから」
「IoTの広がりを考えたときにスプリントの経営権を失うことは10年先に必ず後悔する」
16:48
――ビジョンファンドについて
孫社長
「戦略的なシナジー集団をわれわれが筆頭株主としてつくり、群戦略で我々の力を発揮していく」
16:50
――スプリントの株価下落について
孫社長
「私からすればありがとうございます。(スプリント株を)買わせていただきます」
16:58
孫社長
「アリババ株を去年売却したが、先売り予約の状態で19年6月に実際に売れたことになる。株価が上がればデリバティブ負債でマイナスで計上される。しかしマイナスの分のと同額が、19年6月にプラスで計上される。アリババ株が上がれば私は100%万歳と喜んでいる」
17:08
孫社長
「国内の通信事業は新規顧客の獲得が進んでいる。獲得のための値引きが先行投資のかたちでコストになっているが、累積の顧客がたまるとそちらの収入の方が追い抜く」
「国内の通信事業は来期は増収増益になるとみている。正式なコミットメントではないが。慎重な宮内(国内通信事業を手がけるソフトバンクの宮内謙社長)が達成できると言っているので、達成する可能性が高い。達成できなかったら宮内のせい。達成したら私のおかげ」
17:09
孫社長
「通信事業が本業と思ったことは一日もない。ソフトバンクの本業は情報革命」
17:15
――ヤフーについて
孫社長
「ディスプレー広告が着実に伸びている。アマゾンはEコマースがいまだに赤字だが、時価総額があれだけ大きくなった。Eコマース自体は欠かせない存在でビジネスモデルは証明された。ヤフーショッピングは国内で圧倒的な品揃えを誇り、取扱高も39%増えた。日本のEコマースでも、この規模では(ヤフーが)一番大きく伸びている」
17:18
孫社長
「アームは大きな買い物だったが、買って本当にたいへん良かった。この1年で買ってよかったと確信した。AIやサーバー向けのチップ開発に加えてエヌビディアとの連携も進んでいる」
17:27
孫社長
「ビジョンファンドは非常にグッドスタートを切っており、情報革命を加速する。中国やインド、米国といった地域やAIなど分野ごとにファンドマネージャーを用意して、戦略的にシナジーを出していく」
――今後のスプリントの交渉は
孫社長
「何でもあり。時と条件と相手といろいろなことある。ただスプリントは半期で2000億円の利益を出せるようになっているので、焦る必要はない。少しゆったり構えようと思っている」
17:44
――来日しているトランプ大統領と話は。
孫社長
「トランプ大統領が就任する直前に会って米国に500億ドルの投資をコミットしたが、一年間で半分近く進展したことを報告した。増額しようかと思っているくらいだと話したら、『マサ、お前は素晴らしい』と喜んでくれた」
17:49
――iPhoneX(テン)について
孫社長
「非常に伸びている。一瞬で売り切れてしまった。もっとアップルに供給してほしい」
17:54
――これまでM&Aの交渉は水面下で行ってきたのに、スプリントとTモバイルの交渉はなぜ先に明らかにしたのか。第三の企業からより有利な条件を引き出す考えがあった?
孫社長
「Tモバイルだけに限定したわけではなかったが、一番の本命としてTモバイルがあったのは事実だ。先方も我々と交渉すると明確にしていたので、我々だけがノーコメントというようにもしにくかった。隠してても仕方ない。真剣に交渉には真正面から取りくんだということだ」
【QUICKコンテンツ編集グループ・内山佑輔】
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