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話題のサービス「VALU」 法的な立ち位置は、リアルマネートレードの側面も

記事公開日 2017/8/24 10:25 最終更新日 2020/6/4 16:47 経済・ビジネス フィンテック ベンチャー取材

個人の価値をネット上で売買するサービス「VALU」が話題になっている。5月に始まったVALUは実業家の堀江貴文氏ら著名人の参加で利用者が急増した。8月には人気ユーチューバー・ヒカルさんのVALU内での価値が思惑により高騰した後に暴落。一連の騒動でヒカルさんは取引で得たビットコイン(5465万円相当)で「自社株買い」を行うと宣言する流れになっており、VALUの法的な立ち位置が議論になっている。

VALUは「無名の個人を支援していくサービス」

「だれでも、かんたんに、あなたの価値をトレード」。VALUはウェブサイトでサービスをそう紹介している。利用者はサービス内で自分の「VA」を発行でき、そのVAは参加者たちに取引されて価格が変動していく。VAを購入するためには仮想通貨のビットコインが必要だ。

サービスの狙いについて運営会社バリュの小川晃平代表は「夢を持った無名の個人に対して、多くの人が支援していくサービスができれば良いと思っています」と話す。VAの購入は発行者への支援という立てつけだ。

VAの発行者は保有者に対して「優待」を設定できる。VAの発行者は保有者向けサロンや情報提供などが可能だ。優待は義務ではなく、規約では「換金性の高いものや、金銭的な見返りの約束などを行うもの現金、BTCを含む仮想通貨、電子マネー」などを禁止している。

新サービスの資金調達は金商法に該当するのか

VALUでは個人が不特定多数を相手にビットコインを媒介にして資金調達ができる。株式市場の個人版という形に見えるため、金融商品取引法(金商法)に該当するのではないかとの議論が起きている。

それぞれの資金調達が金商法の対象になるかどうかについて金融庁は「株式市場に似ているかどうかではなく有価証券に該当するかどうかで判断する」と説明する。

金商法には投資性の強い商品に対する包括的な定義として「集団投資スキーム(ファンド)持分」がある。特定の資金調達が集団投資スキームに当たった場合は有価証券とみなされて金商法の規制対象となる。

有価証券と見なされる集団投資スキームの3要件に当たらずか

集団投資スキームに該当するかどうかの判断に重要なのが3つの要件だ。①金銭などで出資が行われる、②その出資で事業を行う、③出資対象事業が生み出す収益の配当や財産の分配がある、の3つに分類できる。

VALUでVAを発行して調達した資金で事業を行えば①と②の要件が該当する。ただ、VA発行者が優待を実施しない場合は③の「収益の配当や財産の分配」が該当しない。優待を実施している場合の判断は難しいがVALUでは優待について直接的な金銭の提供を禁止している。

インターネットで小口資金を集める手法としては「クラウドファンディング」が既に広がっている。クラウドファンディングでの金商法の規制について金融庁は「寄付型か投資型かなどそれぞれの中身を見て判断している」と話す。VALUでも実質に応じて判断する必要がありそうだ。

サービス内でのポイント売買はRMTの側面も

VAが有価証券に該当しない場合、VALUは無名の個人や堀江貴文氏らの名前を冠したポイントを売買して楽しむサービスとも言える。発行されたタイミングでのVAの購入は発行者への支援の側面がある。一方で、既に発行されたVAの売買は発行者本人と関係ない取引にもなりうる。

VALUでVAを購入するためにお金を使う行為は多くのスマートフォン(スマホ)アプリでゲーム内のアイテムを手にする「課金」と同じだ。ただ、VALUではサービス内に課金したモノを売買し、ビットコインを通じて再び現金化できる所に特徴がある。

特定のサービス内でのポイントを購入、その後に現金化できるVALUの形式はリアルマネートレード(RMT)とも言える。西村あさひ法律事務所の平尾覚弁護士は「RMTは法律上は違法とされていないが、規約の内容によっては規約違反となる」と話す。VALUにおいてRMTは規約違反とならない。

新しいサービス、意義や法律の議論が続く

金商法は投機性の強い金融商品に対しての投資者保護を目的としている。ただ、金融商品ではない投機的なモノに対しては消費者契約法や風営法など他の法律も存在する。

麻生太郎財務・金融相は8月15日にVALUについて「消費者保護と新しいものを育てることの両方を考える必要がある」との見解を述べた。VALUは個人が資金調達をする新しい形式に育つのか。新時代の資金調達方法と法制度の議論も交えて、VALUの注目度が高まっている。

【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】


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