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台湾イノテラ完全子会社化の米マイクロン、台湾投資を拡大へ 中国進出は明言避ける

記事公開日 2017/1/31 11:39 最終更新日 2017/3/14 12:37 経済・ビジネス コラム・インタビュー 中国・韓国・アジア アジア特Q便

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は台湾の現地記者、李臥龍(リー・ウォーロン)氏がレポートします。 (※この記事は2016年12月26日にQUICK端末で配信した記事です。)

米半導体大手マイクロン・テクノロジーが台湾DRAM大手の華亜科技(イノテラ・メモリーズ)を完全子会社化

米半導体大手マイクロン・テクノロジーは今月6日、台湾DRAM大手の華亜科技(イノテラ・メモリーズ)の完全子会社化を正式に完了した。マイクロンのマーク・ダーカン最高経営責任者(CEO)は完全子会社化完了後の12日に開催した祝賀会で、台湾への投資拡大を決定したと宣言した。台湾投資にはイノテラ工場の第2期拡張工事や台湾における初の3次元(3D)DRAMパッケージング・テスト工場の建設が含まれ、DRAMとNAND型フラッシュメモリーを結合するマルチチップパッケージ(MCP)をアジアへ供給する重要拠点にすることを明らかにした。

工場の用地確保に台湾政府が全面協力

マイクロンは台湾の桃園市政府に今後の拡張用地確保に向けた新たな土地提供を打診したと伝わっている。この件について、既に蔡英文総統の強い支持を得ており、蔡総統が鄭文燦・桃園市長に全面的に協力させることを承認したという。

また、タッチパネルメーカーの達鴻先進科技が中部科学工業園区(中科)に有する工場をマイクロン台湾支社が買収する計画もある。主にシリコン貫通電極(TSV)技術を用いた3D・DRAMのパッケージング・テスト工場の建設用地にする予定で、関連の用地購入計画について交渉が進行中だ。

一方、マイクロンは、半導体の後工程(組み立て)大手である米アムコアテクノロジーの台湾エリア総経理を務めた梁明成をマイクロンの台湾における3番目の総経理に迎え入れた。梁氏は主にメモリーの後工程とパッケージング・テストの業務を担当する。

ダーカンCEOは、イノテラのマイクロングループへの正式加入を取り仕切るために台湾を訪問した際、イノテラのグループ入りがマイクロンにとって重要な節目になると強調した。さらに、台湾での投資を継続し、台湾の従業員を優遇すると述べた。

また、ダーカンCEOは、台湾への投資拡大で中科を優先させることを率直に認めた。もっとも、関連の投資の詳細は明らかにしなかった。DRAM市場は現在、韓国のサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンのビックスリーによる寡占状態にある。収益を安定して得られる現在の局面を大規模な増産で打破するようなことは各社いずれも望んでおらず、マイクロンもこうした局面を良しとするのだという姿勢が浮き彫りとなった。

 (出所:DRAMeXchange、2016年第一四半期のデータより)

他方、中国本土がマイクロンの投資誘致に向けて強く働きかけている件について、ダーカンCEOは、中国本土は巨大な市場を持つ国だとした上で、特に今後、同国が「メイド・イン・チャイナ(中国製造)」を目標として強化する中、メモリーも重点発展産業のひとつとなるとの見方を示した。こうした中で、マイクロンとしても中国の様々な業界との商談を希望することは言うまでもないと指摘した。

同時に、ダーカンCEOは、台湾におけるマイクロンと化学最大手である台湾塑膠工業(台湾プラスチック)グループの企業によるイノテラの合弁設立はとても良い提携モデルだとし、こうした提携モデルを中国本土でも活用することは合理的であると強調した。

もっとも、マイクロンは現在、DRAM分野で日本の広島、台湾の中科と華亜科技園区に生産能力を有する。ダーカンCEOは、中科には今後の拡張計画を続行可能な土地もあり、台湾政府の支持も得ていると指摘。さらに、マイクロンが現時点で世界市場のシェアで重要な地位を占めており、ここ数年間の市況も安定しつつあるとの分析を示した。

中国本土での工場展開も検討している

一方、中国本土について、ダーカンCEOは、同国が製品の供給源の不足に対する懸念から現地供給を直接サポートできる生産能力の確保を望んでいると思われると分析。そのために他のDRAM大手メーカーとの提携獲得に積極的に取り組んでいると指摘した。ただし、マイクロンには同国に工場を建設して生産能力を拡大する切迫した必要性はないと述べた。

反面、NAND型フラッシュメモリーについては、景気と価格の変動が依然として大きく、今後、イノテラモデル(合弁と技術ライセンス提供)を活用して中国本土企業と提携する可能性は比較的高いと指摘した。

とはいえ、中国本土企業との提携合意の有無について、ダーカンCEOは詳しい情報を明らかにしなかった。市場の状況や各方面の条件次第だと強調し、現時点で具体的な計画はないと述べるにとどめた。

 

本情報は、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的としたものではありません。有価証券その他の取引等に関する最終決定は、お客様ご自身のご判断と責任で行って下さい。株式会社QUICKおよび情報提供元である李臥龍氏は、本情報を利用して行った投資等により、お客様が被った、または、被る可能性のある直接的、間接的、付随的または特別な損害またはその他の損害について、一切責任を負いません。

 


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