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都道府県別の投資姿勢を分析…今年の株安で痛手を受けたのはどこ?

記事公開日 2016/10/12 18:48 最終更新日 2016/10/12 18:52 経済・ビジネス コラム・インタビュー 金融コラム

年初からの日本株は軟調に推移し、外国為替市場では円高・ドル安が進みました。年初に1万8000円台で推移していた日経平均は1万6000円台で推移し、1ドル=120円台にあったドル円相場も1ドル=100円割れが見える水準まで来ました。こうした投資環境の変化は家計にどのような影響を及ぼしたのか。実は都道府県によってリスク資産に対する姿勢が異なるため、影響度もそれぞれ異なると言えます。

政府の統計で都道府県ごとの金融資産の状況を調べると、意外な「差」が浮かび上がってきます。

個人金融資産1700兆円は伸び悩む

まず日本国民全体の金融資産の状況を見てみましょう。

日銀が9月下旬に発表した資金循環統計(速報)によると、6月末時点の家計の金融資産残高は2015年末に比べて2%減の1746兆円でした。残高は昨年末に過去最高の1783兆円に達したものの、その後の株安および円高で株式や投資信託の運用残高が目減りしたことが響きました。

そのうち、株式等の残高は同14%減の144兆円、投資信託は同10%減の86兆円です。ちなみに、年初から6月末までの日経平均株価は18%下落、外国為替市場で円相場は昨年末の1ドル=120円台前半から6月末には103円台前半まで円高が進みました。

また、国債などの債務証券の残高は同8%増の27兆円に膨らみました。日銀のマイナス金利政策が残高の押し上げ要因になったようです。債券価格は利回りが下がれば下がるほど上昇します。マイナス金利政策の影響で幅広い年限の国債で利回りがマイナスになった結果、債券価格は全般に上昇したと言えます。なお、シェアが5割超と最も大きい現金・預金の残高は昨年末比ほぼ横ばいの919兆円でした。

家計の金融資産残高

 

北陸勢の高収入目立つ――富山県はリスク資産への投資に積極的

家計の金融資産の状況を都道府県別にみてみましょう。

総務省では貯蓄高や住宅など家計が保有する資産状況を地域ごとにまとめて「全国消費実態調査」として5年おきに公表しています。直近2014年の調査結果によると、世帯年収の全国トップは福井県で630万円でした。全国平均の536万円を100万円ほど上回っています。同県は過去10年間にわたって首位を維持しています。惜しくも3位だった富山県は福井県と常に首位争いを繰り広げており、北陸勢の年収の高さが顕著です。

しかし、両県の収入の使いみちには異なる傾向が表れました。福井県は、後で述べる株式などリスク資産の保有残高のランキング上位には顔を出していませんが、預貯金残高が1175万円でトップ。一方、富山県は株式・株式投信の保有比率および外貨建て資産残高のランキングで上位に入っており、資産運用に前向きなようです。堅実に貯蓄を増やす福井県に対して、元手を活用してさらなる資産アップを狙う富山県の積極性が垣間見えます。

年収トップ10      都道府県別預貯金残高ランキング            

投資好きな首都圏や近畿圏が株安でダメージ!?

1世帯あたりの株式・株式投信の平均保有残高が全国で最大だった都道府県は、東京都で266万円でした。千葉や神奈川も上位に顔を出していることから、首都圏の投資に対する意識が見て取れます。

ただ、ランキングの上位には京都や奈良といった近畿地域も目立ちました。特に奈良県は保有世帯比率が3割弱と2009年の前回調査に続いて全国首位。同県は債券・公社債投信の保有世帯比率も高く、資産運用が浸透しているようです。

一方、株式や株式投信の保有残高が最も少なかったのは鹿児島県で29万円、次いで青森県の37万円、大分県の38万円と続きます。これら3県の共通点は年収が下位だったほか、貯蓄高も全国平均を下回り低水準でした。                                       

海外資産への投資にも傾向が表れました。外貨建て資産が好きなのは神奈川県。1世帯当たりの平均保有残高は52万円と、全国平均を31万円上回りました。同県は前回調査でも首位です。これに対して、東北地方が下位をほぼ占有していました。また、香川県は債券・公社債投信の保有残高が2004年の調査以降トップです。債券価格の上昇は残高の押し上げ要因になりました。 

株式投信の残高トップ10   株式・株式投信の保有比率トップ10  

債券・公社債投信の残高トップ10  債券・公社債投信の保有比率トップ10

 

外貨預金・外債の残高トップ10    注釈

こうした結果を踏まえると、年初からの株安・円高の悪影響は東京都を中心とした首都圏のほか、奈良県などの近畿圏が受けたといえそうです。半面、鹿児島県や青森県、大分県は株式などの残高が少なく影響は軽微だったといえそうです。

2016年も残り3カ月を過ぎ・・・

さて2016年も残り2カ月半となりましたが、相場の方向性はどうなるのでしょうか――。

イベントや過去の相場動向、アノマリー(合理的には説明できない相場の経験則)を把握できる「マーケットカレンダー」で目先の行方を探ってみましょう。10、11月は米国の投資信託(ミューチュアルファンド)や海外ヘッジファンドの多くが決算を迎えるため、決算絡みの売買が相場のかく乱要因になることがあります。加えて、今年は11月8日に米大統領選挙も控えています。結果次第では世界の株式相場や外国為替相場が大きく変動する可能性もありそうです。ちなみに、アノマリーでは株式相場が下落する傾向がある10月に株を買い、上昇が目立つ翌年4月に売る「ハロウィン効果」というものがあると言われます。

国内では同時期、日本企業の4~9月期決算の発表が出そろいます。日本株については国内最大規模の市場心理調査である「QUIC月次調査<株式>」によると、今後のドル円相場がやや円安方向に進むとの見通しなどを踏まえ、市場関係者の大半が国内株式の投資比率の引き上げを検討していました。

株価や金融資産の価格が上昇に転じ、日本の家計の懐事情は温かくなるのでしょうか。景気に直結する話なので、目が離せません。

 

(編集:QUICK Money World)


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