市場の業績期待、製造業・非製造業ともに微増(6月調査)

市場の業績改善期待は持続…全産業DIは2か月連続で改善

株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(6月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス17と、前月に比べて1ポイント改善しました。4月末以降、2カ月連続で改善。企業業績に対する市場の期待は改善を続けていますが、勢いに減速感が見えてきました。

市場の業績改善期待は持続…全産業DIは2カ月連続で改善

QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。

DIのプラス幅が拡大したことは、アナリストによる業績上方修正のペースが加速していることを表します。

製造業、非製造業ともに微増にとどまる

産業別でみると、製造業(プラス12→プラス13)、非製造業(プラス15→プラス16)ともに微増となりました。金融は、プラス57からプラス64に上昇しています。

業種別でみると、DIの改善が目立つのは「食料品」、「機械」、「銀行」で、「輸送用機器」は3か月ぶりにプラスに転じました。悪化が目立つのは「鉄鋼」です。また、「医薬品」や「卸売」は、マイナス幅を大きく縮小させています。

欧州経済の行方がカギ

2カ月連続でDIは改善の動きを見せたとはいえ、6月調査の改善幅はわずかなものにとどまりました。企業業績を見るうえで、欠かすことができないのは、やはり欧州情勢でしょう。ギリシャ情勢の混迷がユーロという通貨制度そのものに対する不信感を招く可能性もあり、市場もまだ手探りの状況です。

欧州情勢の混乱の先にあるのは、リスク回避通貨とみなされている円の買いです。アベノミクスの名の下、2年半に亘って異次元と言われた量的金融緩和が実施され、1ドル=76円台から一時は125円台まで円安が進み、それが製造業を中心にした業績回復につながってきました。リスク回避の円買いから再び円高が加速すれば、製造業の業績回復に頭打ち感が浮上します。

加えて、世界的な景気低迷は、日本の内需にも悪影響を及ぼします。特にここ数年、訪日外国人観光客が急増してインバウンド消費が拡大しました。欧州経済が混乱すれば欧州だけでなく、さらに中国など欧州経済と結び付きが深い新興国の経済にも悪影響を及ぼし、訪日観光客の減少を加速させることも考えられます。

当面、ギリシャ情勢と、それが欧州経済全般に及ぼす影響から、目が離せません。

参天製薬が上方修正率トップ

予想純利益率の上方修正率(3か月前比)ランキング上位5社は、次のようになりました。1位の参天製薬は、過去3期にわたって純利益が成長しています(2013年3月期が165億円、2014年3月期が171億円、2015年3月期が240億円)。

銘柄名 修正率
参天製薬(4536) 88.85%
出光興産(5019) 63.20%
コスモ石油(5007) 46.00%
マンダム(4917) 45.92%
キリンHD(2503) 45.70%

逆に、予想純利益率の下方修正率(3か月前比)ランキング上位5社は、次のようになりました。(▲は減少)

銘柄名 修正率
ベネッセHD(9783) ▲80.50%
船井電機(6839) ▲69.10%
パイオニア(6773) ▲68.35%
ニチイ学館(9792) ▲52.62%
資生堂(4911) ▲47.38%

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