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米利上げ、「9月」が有力…2回目の時期は意見分かれる(8月調査)

記事公開日 2015/8/17 13:00 最終更新日 2015/8/17 13:00 調査・サーベイ 国内 QUICK月次調査<外為> QUICK月次調査

8月10日~13日に外国為替市場を対象として実施したQUICK月次調査(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者75名が回答)では、米国の利上げスケジュールについて調査しました。市場関係者の間では、9月に利上げが実施されることはほぼ確実視されており、焦点は2回目以降の利上げタイミングとなっています。

中国は前週8月11日から3度にわたって、人民元の対米ドルレートを切り下げました。このまま米国が9月に利上げを実施すれば、米ドル高・人民元安の動きに拍車を掛け、米国輸出企業にとってマイナス要因になる恐れがあります。米FRB(連邦準備理事会)にとって、非常に難しいかじ取りが迫られることになりそうです。

米利上げは「9月」有力、2回目の時期は意見分かれる

今回の調査では、FRBの利上げ開始時期がいつになるのかを質問しました。結果は、9月実施が圧倒的に多く、全体の72%を占めています。12月予想もありますが、わずか17%に過ぎません。米国は7月の雇用統計の数字が好調だったことから、9月16~17日にかけて開催されるFOMCで、利上げが行われる可能性が高まっていました。

米FRBの利上げ時期

もし9月に最初の利上げが実施された場合、次の利上げタイミングはどこになるのか。市場関係者の焦点はこちらに移りつつありますが、見方は分かれています。

年内(12月)にも再利上げという声が25%を占める一方、1月利上げが18%、3月利上げが35%を占めました。FOMCは9月に実施された後、年内は12月を残すのみ。新年最初が1月で、次が3月になるので、3月の再利上げは、スタンスとしては慎重な方に分類されるでしょう。

米国が1度目の利上げを実施した際、3か月程度を想定したマーケットの動向についても調査しました。ドル円はドル高予想が45%と多数ですが、半数以下にとどまりました。利上げ後の為替相場の見通しも分かれていると言えそうです。米10年債の利回り、ダウ平均、原油価格ともに横ばい推移という見方が多数を占めました。

米利上げ後の市場の反応

中国・人民元の動きが与える影響

とはいえ、中国の動きを踏まえると、利上げのスケジュールはまだまだ流動的と言えそうです。

中国が人民元の切り下げに踏み切った理由は、中国の経済成長率の減速が鮮明になってきたためです。イギリスの調査会社ファゾム・コンサルティングは、2016年の中国経済の成長率は、実際には1%台まで低下するというレポートを公表しています。経済が急減速すれば、雇用難が深刻化し、社会不安につながる恐れがあります。内需低迷を外需でカバーするため、今回の人民元切り下げに至ったと見られています。

一部では今回の人民元の切り下げが、米国の利上げに影響を及ぼすと考えられています。前述の通り、米国が市場予想通りに利上げを実施すれば、米ドル高・人民元安が進み、米国輸出企業にとってマイナス要因になる恐れがあります。米企業の不振が米国内のデフレ(物価下落)圧力を強めるようだと、利上げを実施する大義名分のひとつが失われてしまいます。FRBの動きには今後も注意が必要です。

一段のドル高・円安定着には懐疑的、資源国・新興国通貨は弱い

毎月定点調査している為替相場見通しを見ると、来年初にかけて、一段の円安・ドル高が定着するとは考えられていないようです。金融機関の外為業務担当者の見通し(単純平均)は、1か月後の8月末で1ドル=124円47銭と前回調査の122円07銭から円安方向に修正されましたが、これは現状を追認した結果。注目の「9月」を超えた10月末は124円59銭、来年1月末は124円69銭と、当面は124円台半ばの推移が続くと考えられているようです。

ドル/円 予想(金融機関 外為業務)

米利上げを受けて一時的な相場変動はあれど、さらなる円安進行には、米国の2回目以降の利上げタイミングを見極める必要がある、ということでしょう。

今後のドルの動きを見るうえで、マーケット関係者が注目している円安要因は「金利/金融政策」。ドル高要因としても「金利/金融政策」が注目されています。両国の金融政策の違いが引き続き円安・ドル高要因になると見られています。

その他の通貨の対円相場見通しについては、カナダドル、豪ドル、ニュージーランドドル、ブラジルレアルなど、資源国通貨ならびに新興国通貨の下落ムードが強まっています。いずれも中国経済のスローダウン、人民元の切り下げが影響していると思われます。

投資家も慎重姿勢…外貨建て資産の「アンダーウエート」急増

現在、運用しているファンドの外貨建て資産について、当面どのような運用スタンスで臨むのかを聞いたところ、慎重なスタンスが強まっています。これまで0%続きだった「アンダーウエート」(組み入れ比率が基準よりも少ない)が、8月は20%まで上昇。「ニュートラル」(中立)が前回調査の38%から80%に急上昇しています。また為替ヘッジについても、「ヘッジ比率を上げる」あるいは「ヘッジ比率を維持する」という回答が優勢となっています。

明らかに、為替市場の先行きに対して慎重なスタンスが見受けられます。米利上げという一見、大きな円安材料はあるものの、仮に織り込み済みであれば相場は一時的に円高に進む可能性があります。機関投資家は重大イベントを前にした相場の急変に備える動きを見せています。

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