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異次元緩和はデフレ脱却に効果あった? 「検証」、評価は割れる(9月調査)

記事公開日 2016/9/5 13:07 最終更新日 2016/9/5 13:07 調査・サーベイ 国内 QUICK月次調査<株式> QUICK月次調査

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の9月調査を、9月5日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者156人が回答、調査期間は8月30~9月1日)。

調査期間中の日経平均株価は1万6677円~1万6941円で推移しました。8月調査の最終日に当たる8月4日の日経平均は1万6254円、9月1日は1万6926円となり、この1カ月で4%強上昇しました。一方、同期間のマザーズ指数は逆に1%超の下落。前月に続き、物色の対象は新興株から主力大型株にシフトしたままとなりました。

薄まる金融緩和への期待感

今回のアンケートでは、9月20~21日に開催される日銀金融政策決定会合において注目されている「総括的な検証」を、株式市場関係者がどう考えているのかを聞きました。

まず、黒田日銀総裁の異次元緩和は全体としてデフレ脱却に効果があったのかどうか、との質問ですが、「効果があった」との回答は全体の42%。次いで、「効果があったともなかったとも言えない」が32%、「効果はなかった」が15%となりました。「これから出てくる」という回答比が7%あったものの、異次元緩和の効果に対する見方は、それを積極的に認める、あるいは今後に期待する回答が合わせて50%程度であることからすると、大きく見方が二分されています。

異次元緩和

日銀としては今後、金融政策をどう運営すべきかという点については、「金融政策と財政政策との協調」が34%、「政策目標(インフレ率・期限)の修正」が29%、「現行政策の維持」と「追加緩和」が同率で14%となりました。

日銀金融政策

追加緩和を求める声は意外に少なく、これは追加緩和に対する期待感が薄らいでいることを示しています。事実、マイナス金利も含めて、ここまで金融緩和を行ってきたにも関わらず、消費者物価指数の上昇率は「生鮮食品を除く総合」で7月は前年同月比0.5%低下となり、日銀が当初、目標として掲げていた「消費者物価指数の上昇率2%」には、ほど遠い状況にあります。緩やかなインフレに転換しない限り、日本はデフレ経済から脱却したことにならず、アベノミクスも異次元緩和政策も「やるだけ無駄だった」という評価になる恐れがあります。

日銀ETF買い入れ「相場の下支え要因に」約6割

また、日銀の上場投資信託(ETF)買い入れが株式市場にどのような影響を及ぼしているのかという点については、「相場の下支えになっている」が56%、次いで「市場の価格形成を歪めている」が27%で、両方の回答だけで全体の80%以上を占めました。一方、「相場全体を引き上げている」という回答比は9%に過ぎず、ETFの買い入れはあくまでも相場の下支え要因に過ぎないというのが、株式市場関係者の大方の見方のようです。

ETF


株式市場は為替や金利に左右される展開に

1カ月後の日経平均株価予想は平均値で1万6935円となり、前回調査の1万6352円から上方にシフトしました。

日経平均チャート

前述したように、国内株式市場の物色対象は、新興株から主力大型株へのシフトが続いています。その理由のひとつは、為替相場でしょう。8月半ばにかけて、1ドル=100円を割り込む水準まで円高・ドル安が進みましたが、その後は米国の景気が堅調さを増すのと同時に、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが行われるのではないかとの観測が浮上し、ドル買いムードが強まりました。9月2日には1ドル=104円台まで円安・ドル高が進み、国内株式市場においては主力大型株を中心にして、物色意欲が高まるという流れになっています。

今後、6カ月程度を想定した場合、株価を動かす要因で注目されるものとしては、「為替動向」が前月調査の32%から35%に上昇。「金利動向」も6%から11%に、「海外株式・債券市場」も7%から11%に上昇しました。

逆に、「景気・企業業績」は44%から31%に低下しました。当面、株式市場は為替相場や金利、海外の株価や金利など、マーケット要因に左右される展開になるとみている株式市場関係者が増えています。

こうした環境のなか、今後、6カ月程度を想定して最も注目される投資主体としては、「外国人」が相変わらず高く、前月調査の78%から80%に上昇。「企業年金・公的資金」も10%から12%に上昇しました。逆に、8月調査分で大きく上昇した「個人」は、低下しています。

機関投資家はやや様子見姿勢に

資産運用担当者64人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、やや強気にシフトした様子が伺えます。「ニュートラル」が前月調査の49%から46%に、「ややアンダーウエート」が16%から15%に、「かなりアンダーウエート」が7%から6%に低下する一方、「ややオーバーウエート」が29%から33%に上昇したからです。

ただ、これから先の投資スタンスになると、やや慎重な姿勢が伺えます。当面、どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「やや引き上げる」が24%から17%に低下。その一方で「現状を維持する」が67%から70%に、「やや引き下げる」が7%から9%に、「かなり引き下げる」が0%から2%に上昇しています。

9月は日銀金融政策決定会合やFOMCなど、金融・株式市場に大きな影響を及ぼす日米会合が相次ぐこともあり、株式市場関係者の間でも、様子を見たいというムードが広まりそうです。


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