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マイナス金利「株価にプラス」過半数 投資マネーは不動産・REITへ(3月調査)

記事公開日 2016/3/7 12:44 最終更新日 2016/3/7 12:44 調査・サーベイ 国内 QUICK月次調査<株式> QUICK月次調査

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の3月調査を、3月7日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者160人が回答、調査機関は3月1~3日)。

日経平均株価は1月29日に日銀がマイナス金利の導入を発表した直後から下げ、2月12日に終値ベースで1万5000円割れ。その後は徐々に戻り基調となり、3月4日には終値ベースで1万7000円台を回復しました。

ただ、企業業績の先行きに対する不安感は完全に払しょくされない状態にあります。ドル円相場は現在、1ドル=113円台で推移していますが、このままの水準が3月末まで続けば、主力企業の2016年3月期決算は下振れが相次ぐ恐れがあります。

マイナス金利は「業績・株価にポジティブ」 希望的観測の側面も?

マイナス金利が企業業績や株価に及ぼす影響は、どちらかというとポジティブに受け止められているようです。今回はマイナス金利が企業業績や株価に及ぼす影響を株式市場関係者に聞いてみました。

金融を除く企業の業績に、どのような影響があるのかについては、全体では「プラスの影響」が42%となり、「マイナスの影響」(17%)を上回りました。「影響しない」が42%に上り、この解釈は微妙なところですが、少なくともマイナスの影響が小さい点ではややポジティブな材料と受け止めても良いでしょう。

マイナス金利の業績効果

また、1年先を見通した場合の株価への影響については、「プラスの影響」が51%となりました。次に「影響しない」が29%。「マイナスの影響」は20%にとどまり、こちらは明確にプラスの影響が強いという見方が出ました。

マイナス金利の株価への影響

ただ、回答の詳細をみると、いずれの設問についても運用会社といった「バイサイド」に比べて証券会社などの「セルサイド」の方が「プラスの影響」との回答が高い傾向がありました。多少なりとも希望的観測が含まれている可能性があることには、留意しておく必要がありそうです。

マイナス金利拡大の効果には疑問符も

一方、マイナス金利の幅を拡大していく方向性について、株式市場関係者はやや否定的な見方が多いようです。「早期に拡大した方がよい」は少数で全体の3%にとどまりました。「状況に応じて拡大した方がよい」が36%と比率では最多となりましたが、「これ以上の拡大は望ましくない」が35%、「マイナス金利自体を止めるべき」が22%を占めるなど、過半数はマイナス金利について効果を含め慎重な見方を示していることが分かります。

マイナス金利拡大

マイナス金利の導入は、手元に現金を置かず、早期のうちに投資などに回せというメッセージが含まれていますが、企業の設備投資意欲は後退しており、マイナス金利が導入されて即、企業が設備投資拡大に動くかというと、今のところは何とも言えない状態です。「マイナス金利の国の通貨は売られる」との経験則から円安が進み、輸出関連企業を中心に業績が回復すれば、株価にとってポジティブな材料になりますが、その円安もなかなか進まない状態です。これらの点から考えて、マイナス金利の導入が即、企業業績や株価にとってプラスになるかはなお予断を許さない状況といえます。また、効果がみられないからといって、すぐさまマイナス金利拡大を進めることには否定的な見方が多いことを示しています。

マイナス金利で「不動産・リート」への投資拡大か

マイナス金利の導入によって、投資家の資金がどこに向かうのかについては、「不動産・リート」の回答が最も高く42%に達しました。次いで「外国債券」が21%、「国内株式」が13%で続きました。

マイナス金利下の投資先

マイナス金利導入で債券投資への魅力が徐々に低下するとみられるなか、利回り面で投資妙味が高い金融商品には投資資金が向かう可能性が高くなることを示唆しています。一方、投資マネーが一定の金融商品に集中すれば過熱感が高まることも避けられないため、相場動向を見極めながら今後は慎重な投資行動が求められる局面も訪れるでしょう。

為替が当面の注目材料

日経平均株価の見通しは、2月調査分に比べて、1カ月後、3カ月後、6カ月後のいずれも下方にシフトしました。3月末の予想は1万7103円と2月調査(1万7722円)から引き下げられ、3カ月、6カ月後は前回の1万8000円台から1万7500円前後となりました。

日経平均チャート

今後、6カ月程度を想定した場合、株価を動かす要因で注目されるものとしては、「為替動向」が2月調査の16%から今回は26%へと上昇しました。株価に及ぼす影響度を計る指数をみると、2月調査の52.5から43.1と分岐点の50を下回り、為替が株価にとってネガティブな材料になっているのが分かります。前述したように、現在の為替レートの水準が3月末まで続くと、為替差損によって企業業績が下振れする懸念があり、株式市場関係者は業績や株価にもこうした悪影響の織り込みを進めている可能性があります。

国内機関投資家の慎重姿勢強まる

また、資産運用担当者69人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、全体の指数は2月調査の59.0から52.4へと低下しました。項目別では「かなりオーバーウエート」が2月調査の11%から4%へと低下。一方で「ややアンダーウエート」と「かなりアンダーウエート」が上昇しました。

また、当面のスタンスとしては、「現状を維持する」が2月調査の70%から75%に上昇。「やや引き下げる」が2月調査の11%から8%へと低下し、「かなり引き下げる」が2月調査の2%から0%へと低下しました。ただ、「かなり引き上げる」と「やや引き上げる」は変わらずで、資産運用担当者の株式組入に対するスタンスは、まだ慎重ムードが強い状態です。

なお、業種別の投資スタンスで、「オーバーウエートとアンダーウエート」のバランスをみると、2月調査に比べてオーバーウエートの比率が上昇したのが「素材」「建設・不動産」「通信」で、逆にアンダーウエートの比率が高まったのが、「公益」「金融」でした。一方、「鉄鋼・機械」は、2月調査のアンダーウエートからニュートラルになり、「自動車」「電機・精密」「消費」は、オーバーウエートからニュートラルになっています。


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