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持ち合い株「削減すべき」6割 資本コストの意識の低さ課題に QUICK月次調査<株式>

記事公開日 2018/2/5 11:30 最終更新日 2018/2/5 11:30 調査・サーベイ 国内 QUICK月次調査<株式> QUICK月次調査

2017年10月、約11カ月ぶりに「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」が開催されました。金融庁で開かれたこの会議では、投資家と企業の対話の深化を目的とした企業向けのガイダンスを策定するとともに、必要なコーポレートガバナンス・コードの見直しと検討が行われます。2018年6月の株主総会シーズンまでに、テーマに沿って議論が展開される見通しです。

毎月実施している株式の市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」で、コーポレートガバナンス・コードの重要課題と、政策保有株、資本コストについて聞きました。調査期間は1月30日~2月1日で、証券会社および機関投資家の株式担当者153人が回答しました。

※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。

コーポレートガバナンス・コードの課題は「資本コストへの意識の低さ」

コーポレートガバナンス・コードの実効性を高めるため、金融庁のフォローアップ会議では6つの課題を挙げています。持続的な企業価値の向上のために、最も優先すべき課題はどれだと思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「経営者の資本コストに対する意識の低さ」で42%、次いで「過大な現預金の積み上がり」が36%、「社外取締役の実効的な取り組みの不十分さ」が10%、「CEO(最高経営責任者)の育成・選任プロセスの不透明さ」が6%、「進展の見られない政策保有株式の削減」が4%、「企業年金によるスチュワードシップ・コードの受け入れの少なさ」が2%という結果でした。

市場関係者からは「コーポレートガバナンス・コードやフォローアップの動きは悪くはないが時間がかかる。尖った会社が先を走り、成功例を見せないと危機感は高まらない」、「他社が実施しているため追随しているだけという企業も多く、ここから先の踏み込んだ改革は厳しい。企業や投資家に対する大きな負担となっていることも事実で、金融庁は双方への負担を十分に配慮しながら仕組み作りを行う必要がある」などの指摘が寄せられました。

「政策保有株式が必要以上に多い、あるいは資本コストが低い状況は、一般的には株主から許容されるものではないとの認識を経営者が持てばよい」といった声もありました。

持ち合い株は「削減すべき」6割 求められる資産効率の改善

政策保有株式、いわゆる「持ち合い株」は日本で広く慣行として行われていますが、海外の投資家からは正当な競争の妨げになるとして懸念材料となっています。株の持ち合い解消に向けた措置を講ずるべき、との意見もあるなか、政策保有株式をどのようにお考えですか、と聞いたところ、最も多かったのは「資産効率を悪化させているので削減すべき」(41%)で、「経営者の保身につながるので削減すべき」(13%)と「不健全な取引関係につながるので削減すべき」(5%)を合わせると、削減すべきという回答は6割近くにのぼりました。その一方で、「企業の自主性に任せるべき」との回答は39%ありました。

その他には「削減が望ましいが、企業価値の向上に資するものについては、保持する必要がある」「ある程度は認められて良い。企業側の必要性の説明が求められる」と保持することへの一定の理解の声があがりました。

市場関係者からは「金融機関にとっては、政策株の保有がリレーションにつながる場合も多く、政策保有株の削減には時間がかかるものと考えられるが、ESG投資やIT投資に対する注目が集まる中、今後は資産配分や投資効率が重要な経営指標として意識されることが予想される。経営者報酬と企業価値との連動性を高めることが、中長期的な企業価値向上につながるものと考える」といった意見が寄せられました。

資本コストの意識向上へ報酬見直しなど必要

資本コストを上回る利益を上げなければ株価低迷を招きますが、日本の企業経営者はそうした意識が低いとみられています。では、資本コストに対する経営者の意識を高めるために何が重要だと思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「経営者報酬の企業価値連動の比重を高める」で31%、次いで「企業と投資家の建設的な対話のテーマとする」と「企業が想定する資本コストを自ら開示する」が30%と拮抗しました。「経営者と経営幹部に資本コストの理解を高める研修をする」は6%にとどまりました。

その他には「上場廃止のハードルを低くし、対話のできない経営者が居座る会社を株式市場から退出させる」「上場企業の買収防衛策を原則禁止とするように会社法を改正する」、「経営者の資本戦略を厳しく監視する役職を設置する」などの厳しい声が上がりました。

「日本国内において、経済・金融に関する知識の少なさ、関心の低さが影響している。海外と同様の資本コストを意識させるためには、投資家との対話だけではなく、国民の教育も必要」といった意見もありました。

一方では「企業の経営に資本コストを考える必要はない」「日本企業は資本効率が低いという批判は、日本が社会的に安定しているという評価の裏返し」といった反論も寄せられました。

日経平均予想は2万3468円 5カ月ぶりに下方シフト

「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しは、2月末の水準で2万3468円(平均値)でした。前回調査(確報)の2万3734円から5カ月ぶりに下方へシフトしました。4月末には2万3910円、7月末は2万4241円を見込んでいます。今後6カ月程度の株価の変動要因としては、「景気・企業業績」の注目度が前月と比べて7ポイント低下したものの、4割強を占めています。

国内の資産運用担当者53人を対象にセクター別の投資スタンスについて質問したところ、オーバーウエートの比率が最も高かったのは「電機・精密」で24%、次いで「素材」が18%、逆にアンダーウエートの比率が最も高くなったセクターは「公益」でした。

※「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。


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