業績期待指数、製造業で弱気見通し増 「食料品」「鉄鋼」はマイナス圏転落 11月末

アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示す「QUICKコンセンサスDI」(11月末時点)で、製造業は機械と電機を除き悪化しました。食料品と鉄鋼がともにマイナス圏に転落し、非鉄金属も前月比25ポイント低下しました。一方で非製造業では建設や不動産が大幅に上昇。銀行も改善がみられ、全産業ベース(金融含む)のDIは前月比1ポイント上昇のプラス21となりました。

QUICKコンセンサスグラフ

※QUICKコンセンサスDIとは・・・アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。

非製造業は建設や不動産が押し上げ

製造業DIは前月比5ポイント低下のプラス29でした。前月に22ポイント上昇していた輸送用機器セクターは、今月は一転して11ポイント低下。前月に16ポイント上昇した食料品セクターは26ポイント低下しました。前月に13ポイント上昇の非鉄金属セクターも今月は25ポイント低下するなど、反動減に苦しむセクターが目立ちました。そのほか前月に83ポイントと急落しプラスマイナス0となった鉄鋼セクターが、今月はマイナス17まで沈むなど、一段と悪化しているセクターも見受けられます。不正問題に揺れる神戸製鋼所(5406)、SUBARU(7270)など大手メーカーについて、アナリストが今後の経営への影響を警戒して純利益予想を引き下げています。

一方、前月比3ポイント改善のプラス13となった非製造業では、建設セクターのDIが前月のプラス6からプラス33、不動産セクターも前月のプラスマイナス0からプラス18へと強気見通しが大きく増加しました。また、マイナスだった前月から23ポイント上昇のプラス9へ浮上した金融では、銀行セクターのDIが前月のプラスマイナス0からプラス8に改善しました。

なお、算出対象の16業種中でDIがプラス(上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回る)だった業種は11業種。マイナス(下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回る)は2業種、プラスマイナス0は3業種でした。

QUICKコンセンサス一覧表

ベネッセHDの予想純利益が増加

個別銘柄を対象に3カ月前の予想純利益と比較して上方修正率、下方修正率がそれぞれ大きな銘柄をピックアップしたところ、最も上方修正率が大きかった銘柄は通信教育大手のベネッセHD(9783)でした。同社では2022年度までの5年間で、M&A(合併・買収)に約1000億円を投じる方針を明らかにしました。少子化の進行は同社業績の重荷ですが、収益源の多様化を目指す姿勢が評価されているようです。

半面、最も下方修正率が大きかったのは、北陸電力(9505)でした。同社は2018年3月期の連結最終損益について30億円の赤字(前期は6億円の赤字)と、2期連続の赤字を見込んでいます。2018年4月から電力料金を引き上げ約200億円の増収につなげる見通しですが、志賀原子力発電所(石川県)の再稼働の見通しがたたないなか、業績への不安は根強く残っています。

上方・下方修正率銘柄上位

 

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