衆院選の争点 消費増税と使途変更は選挙戦にどう響く?

10月22日の投開票が迫ってきた衆院選。憲法改正、消費税増税、原発再稼働をめぐるエネルギー政策、北朝鮮への対応などが主な争点となっています。このなかで、消費税増税と北朝鮮問題の対応について、上場企業へのアンケート調査「QUICK短観」を通じて、384社に聞きました。回答期間は9月29日~10月11日です。

 

消費税増税分は「予定通り国の借金返済に」が4割超

選挙戦の争点のひとつである消費税の増税について、安倍晋三首相は2019年10月に消費税率を予定通り10%に引き上げる一方、5兆円超の増収分の使途を変更し、約2兆円を教育無償化などの財源とする考えを示しています。これに対し、希望の党の小池百合子代表は消費税増税の凍結を主張。また、消費低迷などを理由に増税延期を求める党や、消費税増税自体に反対を訴える党もあり、野党の主張は入り乱れています。

現在の業況および見通しから判断すると、消費税増税の実施についてどのように考えますか、と聞いたところ、最も多かったのは「予定通り10%に引き上げ、大半を国の借金返済に充てるべき」で41%、次いで「デフレ脱却が確実になるまで、消費税10%は先送りすべき」が34%、「予定通り10%に引き上げ、教育無償化などに使途変更すべき」が18%と続きました。

ほぼ同時期に行われた10月のQUICK月次調査<株式>と比較すると、QUICK短観では増税分を「大半を国の借金返済に充てるべき」が、「教育無償化などに使途変更すべき」を2倍以上も上回る結果となったのが特徴的です。また、「消費税率10%は先送りすべき」が株式調査より5ポイントも高く、「消費税減税すべき」と合わせると約4割が消費税率引き上げに反対という結果になりました。

QUICK短観

北朝鮮対応「対策を決めて周知徹底」企業は1割に満たず

核・ミサイル開発問題で緊迫化する北朝鮮への対応も、選挙の重要な争点となっています。今回のアンケートでは、Jアラート(全国瞬時警報システム)が通知された場合、会社や従業員等がとるべき行動など具体的な対策を決めていますか、と聞いたところ、最も多かったのは「今のところ何も決まっていない、決める予定はない」で75%、次いで「北朝鮮情勢の緊迫により対策について動き出した」が16%、「すでに具体的な対策を決めて従業員等にも周知徹底している」はわずか9%にとどまりました。

北朝鮮

市場関係者からは「日本にいると北朝鮮など周辺国の動向に振り回されがちだが、ベネズエラ、イラン、イラクなど大きな問題を抱えている国では、デフォルト(債務不履行)や原油価格の乱高下を招く恐れもある。政府には大局的な見地から方針を策定していただきたい」といったコメントも寄せられました。

 

製造業DIは調査開始以来の高水準

毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)は、前月比5ポイント改善のプラス36とQUICK短観調査開始(2006年12月)以降で最高となりました。非製造業DIは前月比2ポイント悪化のプラス37となり、金融を含む全産業DIは前月と変わらずのプラス36でした。

Q短観グラフ

 

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