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トランプ新大統領はどの水準まで円安許容する?(1月調査)

記事公開日 2017/1/23 11:35 最終更新日 2017/1/26 15:26 調査・サーベイ 国内 QUICK月次調査<外為> QUICK月次調査

 外国為替市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の1月調査を、1月23日に発表しました(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者71人が回答、調査期間は1月16~19日)。この間の為替レートは、対ドルが113円28銭~114円07銭。対ユーロが120円70銭~121円06銭でした。

 

ドル円予想チャート

 

トランプ米大統領の経済政策「大幅修正で公約実現」が半数

ドナルド・トランプ氏が1月20日に米国の第45代大統領に就任しました。世界が注目する就任式でトランプ大統領は「米国第一主義」を強調し、経済や外交などの政策は米国民の利益を最優先に決定すると演説。式典直後には、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱する方針を発表しました。「今後10年で2500万人の雇用を創出し、年4%の成長を取り戻す」という目標を掲げる新政権ですが、具体的な経済政策には乏しかったと受け止められ、同日の外国為替市場ではドル売りが優勢となりました。

 就任直前のアンケート調査で、トランプ氏が掲げる大規模なインフラ投資や減税など積極財政の実現性をどう考えるかと聞いたところ、最も多かった回答は「大幅に修正のうえ公約実現」が49%、続いて「小幅に修正のうえ公約実現」が39%、「公約通り実現」が8%となりました。大幅に修正が入るとみる市場関係者が半数近くいると読める半面、9割以上が公約を実現すると考えていることがわかります。マーケットの期待通りに公約は実現されるのか、今後もトランプ新政権の動向から目が離せそうにありません。

 

トランプ政策の実現性

 

FRBの2017年の利上げ、58%が「2回」と予想

米連邦準備理事会(FRB)は、2016年12月14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1年ぶりに0.25%の利上げを全会一致で決めると同時に、2017年に3回の利上げを想定するシナリオを公表しました。イエレンFRB議長は、米景気は拡大が続くとの見方を示しており、金融引き締め意欲を明確にしています。しかし、トランプ政権が掲げる財政拡張策には不確実性が残っているとし、追加利上げは今後数カ月の景気次第、とのシナリオ修正の可能性も示唆しています。

 マーケット関係者にFRBは17年に何回利上げするかと質問したところ、最も多かったのは「2回」で58%でした。続いて「3回」が21%、「1回」が15%となりました。

 また、米10年債利回りの17年の高安水準と年末水準を聞いたところ、平均値でそれぞれ高値(高金利)は3.02%、安値(低金利)は2.12%、年末水準は2.80%となりました。足元の米長期金利は2.32%~2.47%で推移しているため、年末に向けて上昇基調という予想が市場関係者の大方の見方のようです。

 

トランプ政権のドル高許容は「1ドル=123円71銭」まで

米大統領選挙の開票が進む中、トランプ氏が優勢と伝わるとリスク回避の円買いが膨らみ、円相場は一時1ドル=101円19銭近辺まで円高が進行。その後、トランプ氏が勝利演説で過激な発言を控えたため、過度の不安が後退したことから、ドルは買い戻しとなりました。トランプ氏の政策期待から米金利が上昇すると、日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いが継続。いわゆる「トランプ・ラリー」となり、2017年1月4日の大発会では一時118円台前半まで円安が加速しました。

 しかし、1月11日のトランプ氏の米大統領選勝利後初の記者会見で、景気刺激策などの材料が出なかったことへの失望売りや、17日付の米紙のインタビューでのトランプ氏がドル高をけん制したことで円安・ドル高に一服感が見られます。ただ、米財務長官候補のムニューチン氏は公聴会で「強いドル政策」を踏襲すると発言するなど、早くも新政権の足並みがそろっていないほか、トランプ大統領の「ツイッター介入」への警戒感も残りそうです。

 アンケート調査で、トランプ政権は対円のドル高をどの水準まで許容するか、と質問したところ、平均値は1ドル=123円71銭でした。市場関係者からは「内需を中心に成長ペースが加速し、雇用・所得環境の改善が継続する状況の下、ドル高のマイナス効果に焦点があたることにはならないとみている」との声も聞かれました。

 また、2017年の円ドル相場の年末水準を聞いたところ、平均値は117円08銭でした。最高値(=円高・ドル安)は107円42銭で、最安値(=円安・ドル高)は123円12銭となりました。最高値は1月に、最安値は12月に付けるとの予想が多く、年末に向けて円安・ドル高が進行するという見方が市場関係者では多いようです。

 

為替変動要因は、金融政策から政治・外交へ

 

毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは、1月末の平均値で1ドル=114円04銭で、12月調査(113円39銭)に比べて一段の円安水準となりました。6カ月後の6月末時点では115円89銭が予想されており、1カ月後の予想値に比べて円安・ドル高がさらに進む結果となりました。一方、予想レンジは100~130円と見通しの幅が大きく開きました。

 今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円は昨年9月調査では8割強を占めていた「金利/金融政策」が34%まで低下。その一方で「政治/外交」が32%まで上昇しています。ドルも「政治/外交」が前月調査から4ポイント上昇して68%となり、半面「金利/金融政策」は8ポイント低下の21%となりました。ユーロも「政治/外交」が55%で最も多く、「金利/金融政策」が15ポイント低下の23%となりました。2016年に注目が高かった金融政策に代わり、各国の政治・外交が今後の経済動向を握るカギとみる市場関係者が多いようです。

 

市場参加者の慎重姿勢が色濃く

ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前月の44%から50%へと上昇する一方、「オーバーウエート」は4ポイント低下の40%、「オーバーウエート」は1ポイント低下の10%となりました。

 また、為替ヘッジに対する当面のスタンスについては、「ヘッジ比率を上げる」が0%のままに対し、「ヘッジ比率を下げる」が33%から22%に低下。その一方で「現在のヘッジ比率を維持」が11ポイント上昇の78%となりました。米新政権の概要がまだ見えにくい中、市場関係者は様子見の姿勢を強めていることがうかがえます。

 

為替ヘッジ比率


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