QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2017/11/28)
・タイのピックアップトラック、産業用エンジンの販売好調
18/3期通期の連結営業利益計画について会社側は、上期決算発表時(11月6日)に、1520億円→1640億円(前期比12%増)へ上方修正。主にタイでのピックアップトラックの販売復調、産業用エンジンの伸長、保有事業の拡大で、上期実績の計画超過分を反映した。企業価値研究所では、もともと期初計画を上回る予想にしていたが、上期実績などから今回の会社修正計画は妥当と判断、同社計画値まで予想を引き上げる。タイのピックアップトラック販売が本格的な回復局面に転じたことをポジティブに評価している。前期比較では、原材料高や研究開発費の増加はあるが、増収効果や原価低減、為替の円安効果などから、1割超の営業増益が達成可能と予想する。
・来期は中近東向けピックアップトラックの復調を予想
19/3期以降の営業利益予想も増額する。19/3期に営業利益で過去最高を更新するとの見方を継続する。19/3期以降は、タイ国内向けの本格的な販売復調に加え、足元苦戦する中近東向けのピックアップトラックの持ち直しも想定。国内向けトラック販売も引き続き高水準で推移するとみた。中期的な視点では、同社が事業基盤の整理を進めているインドと中国でのピックアップトラックの販売動向に引き続き注目している。
・リスクファクター ~新興国・資源国のトラック需要
・アナリストの投資判断 ~タイ国内向けピックアップトラックの本格的な販売復調がプラス材料
直近の株価に基づく19/3期の当研究所予想PERは12倍。セクター平均と同水準にあり、割高感はない。今後は、タイ国内向けピックアップトラックの本格的な販売復調などから19/3期以降は利益拡大局面へ転じると想定、株価も緩やかな上昇局面が続くとみている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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