QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2017/10/31)
・半導体シリコン、塩ビ・化成品を中心に予想を増額
18/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上高1兆3600億円→1兆4000億円(前期比13%増)、営業利益2820億円→3050億円(同28%増)へ上方修正する。数量増や合理化などの効果で業績が拡大に向かうとの見方に変更はないが、上期は従来の予想よりも総じて好調に推移。下期も順調な伸びが見込まれるため、半導体シリコン、塩ビ・化成品の両部門を中心に予想を引き上げた。300ミリウエハーの値上げ効果などで半導体シリコン部門の業績拡大が続くほか、シリコーン、電子・機能材料など各部門とも業績を伸ばそう。19/3期以降も、数量増と採算改善、合理化の効果で着実な業績拡大が続くと考える。今後は豊富な手元資金を活用した大型投資や、株主還元強化に期待したい。
・上期は全部門が増収、増益で想定以上の好決算に
18/3期上期の連結業績は、売上高が前年同期比13%増の6949億円、営業利益が同28%増の1563億円。半導体シリコンをはじめ、塩ビ・化成品、電子・機能材料など全部門が増収、増益となり、当研究所が事前に想定していた営業利益1450億円を上回る好決算となった。
・リスクファクター ~半導体デバイス市況など
・アナリストの投資判断 ~業績好調を追い風に、株価は引き続き堅調に推移へ
半導体シリコン部門の好調持続に加え、塩ビ・化成品など他の各部門も利益を伸ばし、連結全体で業績は順調な伸びを続ける見込み。足元では、当研究所の来期予想連結PERで約21倍と、電子材料メーカーの平均を上回るが、好調時の同社の過去の水準と比較して割高感はなく、値上げによりウエハーの採算改善が一段と進む公算が大きい点を勘案すると、同23倍程度の評価は可能であり、株価は引き続き堅調に推移すると考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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