QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2017/10/20)
・国内市場向けの生産を停止。リコールも検討
同社は10月19日、国内車両工場の完成検査工程での不正が継続していたと発表した。9月18日の国土交通省による立入検査で発覚した完成検査工程の不正について、9月20日までに再発防止策を講じたと説明していたが、徹底されていなかった。これに伴い、国内車両工場における国内市場向けの全車両の生産を停止した。9月20日から10月18日までに製造された約3.4万台に関しては、在庫車(未登録車)は全国の日産販売会社の指定工場での再点検を検討。既登録車は、リコールの届け出を検討中である。完成検査工程の不正に関する原因究明および再発防止策の策定は、第三者を中心とするチームによる調査を引き続き、急ぎ進めるとしている。
・当研究所の業績予想を一旦取り下げ
企業価値研究所では本件に関し、法令順守意識の希薄とマネジメントの問題は明らかであり、極めて深刻に受け止めている。国内市場向けの車両生産の再開時期、ブランド価値毀損による国内販売への影響などが現時点では見極めづらいことから、業績予想を一旦取り下げる。11月8日予定の上期決算発表や今後の動向を踏まえ、改めて予想することとしたい。
・リスクファクター ~不正検査の動向
・アナリストの投資判断 ~当面は不正検査の動向に左右される展開を予想
株価は、最初の不正検査が発覚した9月29日以降、おおむね1100円台を割る水準で推移している。会社側が示す配当計画に基づく配当利回りは、5%弱と引き続き高いが、今後も不正検査の動向に左右される展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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